ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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サブタイが思いつかなくて
どうしたものかと…
さらに、最長更新です。


戻ってくる日常

「……う、…ぐっ……

………わた…し……は………?」

 

フラッフィーが眠り優雅に音楽が

奏でられ続ける部屋の中で

紅髪の少女は目を覚ました。

 

「…私は、どうして…?」

 

アミリアはしばらく状況把握に努め、

そして隣で倒れているラウラを見つける。

 

「…!ラウラ!ラウラ‼︎」

 

アミリアが呼びかけるが返事はなかった。

しかし、ラウラが寝息を立てていることに

気がつき、アミリアは胸をなでおろした。

そこで、その部屋にもう1人、

倒れている人間がいたことに気がついた。

その男の隣には仮面が落ちている。

 

「なっ、この仮面は…!死喰い人(デスイーター)…⁉︎」

 

その仮面が例のあの人ーヴォルデモートーの

配下の者の証であるのに気づいた

アミリアは警戒して、杖を向けた。

 

(ん…?丸焦げになっているな…

まさかラウラ、あの魔法を?

…いや、私が気を失ったせいだな。

息はまだあるが…起きて暴れられても事だ。

…よく生き残ったものだな。)

 

「インカーセラス ー縛れー」

 

その魔法で壁にかかっていたロープが

男に巻き付いた。

 

「…!そうだ、賢者の石は⁉︎」

 

「心配いらんよ、アミリア。」

 

仕掛け扉を覗こうとしたアミリアの後ろから

優しげな声が聞こえた。

そこにはロンドンにたったはずの

ダンブルドアが立っていた。

 

「校長!聞いてください!

例のあの人に賢者の石がー」

 

「うむ、全て分かっておる。

ロンドンに着いた時に向こうの

人にキョトンとされての。

いまわしがおるべき場所に気づいたのじゃ。

…いや、今はそれどころではない。

君たちにはすまぬが賢者の石と

ハリー達を見に行かなければならん。そこに

倒れている下手人はスネイプに任せておる。」

 

「そうですか。やはりスネイプ先生は…」

 

「うむ、わしはセブルスを信用しとるよ。

それに今わしから連絡を入れることができたのが

今回の犯人でないという証拠じゃ。

君たちは安心して医務室に向かいなさい。

他の先生方には出歩いているのを見つけても

見なかった事にするように言っているのでな。」

 

「…わかりました。ハリー達をお願いします。」

 

そして、ダンブルドアは仕掛け扉に入っていった。

アミリアはダンブルドアに言われたのもあるが、

ラウラが心配で急ぎ足で医務室に向かった。

医務室に入ると、すでに話を聞いていた様子の

マダム・ポンフリーが眠るラウラを

整えられていたベッドに寝かせ、

アミリアも念のために隣のベッドに寝かされた。

ラウラは眠り続けたままで、

目覚めていたアミリアも疲労による睡魔で

目を閉じ、ハリー達の無事と目覚めた時に

ラウラが紅茶を入れてくれるのを祈りながら

眠りについた。

 

 

ラウラは目を覚ました。

 

「…あれ?ここは医務室?

どうして私こんなところに…

あ!アミリア…アミリア⁉︎」

 

倒れた理由を思い出し、

一瞬ラウラは取り乱したが、

隣ですぅすぅと寝息をたてている

アミリアを見て、落ち着いた。

その時、アミリアは騒がしかったからか、

目を覚ました。

 

「…う………ん……

ラウ……ラ………?目を…覚ました、のか?」

 

その目は半分も開いていなかったが。

 

「よかった…!本当に…!アミリア…

あ、ちょっと待っててね。」

 

そう言ってラウラはマダム・ポンフリーに

話して茶葉を取ってもらった。そしてすぐに

お湯を沸かして紅茶を作ってアミリアに渡した。

 

「ふう、ありがとう、ラウラ。」

 

「ううん、いいんだよ。

本当によかった…アミリア。」

 

「………すまなかった。心配かけてしまって…」

 

「そんなことー」

 

「ないわけないだろう。

あの魔法は誰かを守る時だけ使うように

約束していたからな。

ありがとう、私を守ってくれて…」

 

「…うん、心配したよ。本当に…」

 

そう言ってラウラはアミリアに抱きついた。

 

「あら、お邪魔だったかしら?」

 

「もう少しこうしといてやれよ。」

 

その時、ちょうどハーマイオニーが

医務室の入り口から入ってきていた。

さらに、ラウラの隣のカーテンが

閉められていたベッドからロンが顔を出していた。

 

「えっと…見てたの?」

 

「「ラウラが抱きついたとこならバッチリ。」」

 

「うう〜………」

 

その言葉にラウラは顔を

真っ赤にしてうつむき、

アミリアは苦笑いを浮かべていた。

 

「そういえば2人はどうしたのさ。

フラッフィーの部屋から降りてこなかったけど…」

 

「えっと…アミリアが誰かに襲われたんだ。

私は夢中で魔法を唱えた後気絶してたから

何者かわからなかったんだけど…」

 

「…言うべき、だろうな。」

 

「アミリア、何か知ってるの?」

 

「ああ、ラウラが気を失った後に

目が覚めたんだが…襲ってきた男の横に

1枚の仮面が落ちていてな。その仮面は

10年ほど前、魔法界を恐怖に

陥れたもの達の仮面だった。」

 

「それってまさか…!」

 

「ああ、死喰い人(デスイーター)だろうな。

これで例のあの人のしわざだったと

明確に判明したことになるが〜

ところで2人はなにがあったんだ?

ロンは怪我をしていたようだが…」

 

4人がそうしてそれぞれに何が

あったかをはなしていると、

医務室の入り口から声が聞こえた。

 

「その様子なら大丈夫そうじゃの。」

 

「「「「校長(先生)!」」」」

 

そこにはダンブルドアがいて、

4人は少し焦ったが、

その突然現れたダンブルドアに

比較的冷静なアミリアが質問した。

 

「校長、例の石とハリーは?」

 

「石は無事じゃ。君たちのおかげでの。

ハリーはロン、君の隣のベッドで寝とるよ。

マダム・ポンフリーによれば

命に別状はないが目覚めるのは

数日かかるとのことじゃ。」

 

言われたところを見ると、

確かにそこにはハリーが静かに寝息をたてていた。

 

「では、あの男はどうなりましたか?」

 

「自殺してしまった。

どうやら口の中に毒を仕込んでいたらしくての。

おそらくはヴォルデモートの

手助けに入るつもりじゃったのだろう。

…それと、わしはまず君たちに

謝罪をしなければならん。

生徒を危険にさらすなど、

教育者としてあってはならんことじゃ。」

 

そう言ってダンブルドアは4人に頭を下げる。

4人はあの偉大なダンブルドアが

自分達に頭を下げていることに、

少しパニックになっていた。

 

「そして、石を守ってくれてありがとう。

君たちがいなければヴォルデモートは

復活していたじゃろう。

そして何より、ハリーを手助けしてくれて、

ありがとう。」

 

「………校長、石はどうするのですか?」

 

アミリアは今回の事件の根源の

賢者の石のことをダンブルドアに聞いた。

 

「あの石じゃがの、今は相談しているところじゃが

壊してしまおうという話が出ておる。」

 

「フラメルさんたちは…どうなるんですか?」

 

「知っとるのかね?君たちは

ずいぶん調べてあのことに取り組んだんだね。

ニコラス夫妻は身辺整理するのに

十分な量の命の水の蓄えがある。

そのあとは死ぬじゃろう…じゃがの、

彼らにとって死とは長い1日の終わりに

眠りにつくようなものじゃ。

きちんと心を整理しているものにとって、

死とは次の大いなる冒険にすぎないのじゃ。」

 

ダンブルドアの話を4人は

静かに聞いていた。そこでダンブルドアは

時間を見て少し驚いた表情で話し続ける。

 

「おお、歳をとると話が長くなっていかんな。

ハリー以外の君たちはおそらく

すぐにマダム・ポンフリーからここから

出ていい許可が出るじゃろう。

残った休みを楽しむのじゃよ。」

 

そう言ってダンブルドアは部屋を後にした。

4人にはその後、マダム・ポンフリーに

しばらく小言を言われたあと、

部屋に戻ってもいい事になり、

ハリーの復帰までは見舞いに行ったりして、

平和な日々を過ごしていた。

ハリーが目覚める直前には、色々な人からの

見舞いの品で、ハリーのベッドの机には

お菓子の山ができていた。

もちろん、アミリアとラウラも見舞いに

蛙チョコレートを数箱置いておいた。

他にも百味ビーンズやカボチャパイ、

中にはどこかの双子のイタズラっ子が壊した

トイレの便座もそこに置いていたりもしたが、

それはさすがにマダム・ポンフリーが

不衛生だからと撤去していた。

 

 

ハリーは学年末パーティーの前日に目を覚ました。

4人はそんなハリーに何があったかを聞いた。

この時には元々噂でおおよそは

生徒全員に知れ渡っていたが、

噂とは、実際にハリーの見た真実とは

程遠いものだと4人は思った。

犯人はクィレルだったという話は噂には

あったが、あのターバンの中に

ヴォルデモートの顔があったなど、

当然噂になっているわけもなかった。

そして、生徒 ー特にスリザリン生ーが

楽しみにしていた学年末パーティーがやってきた。

天井には蛇が描かれている

スリザリン寮の垂れ幕がつるしてあった。

 

「また1年が過ぎた。

きっとこの1年でみんなの頭には

今までなかった知識が詰まっていることじゃと

思う。それが夏休みで

すっからかんにならんように祈っておる。」

 

ダンブルドアのその言葉に、

少なくない生徒が苦笑いを浮かべた。

その中にはアミリアの隣のラウラや、

ロンも入っていた。

 

「さて、もうお腹も空いていて

すぐにでも食べたいじゃろうがパーティーの前に

寮対抗杯の表彰をせねばならんの。

点数は次の通りじゃ。」

 

その言葉に苦笑いを浮かべていた

人も真剣な表情になった。

グリフィンドール寮の机では点を落とした

ハリーやアミリアたち4人に

目線が少し集中していた。

もちろん4人はバツが悪そうに

視線を落としていた。

 

「4位、グリフィンドール、302点

3位、ハッフルパフ、352点

2位、レイブンクロー、426点

そして1位、スリザリン512点じゃ」

 

その瞬間、スリザリン寮の机から

地響きが起きるかと思うほどの大歓声があがった。

もちろん他の寮の人はいい気はしておらず、

面白くないような様子だった。

 

「よしよし、よくやったスリザリンの諸君。

しかし、最近あったことも

勘定に入れねばなるまい。」

 

その言葉を聞いて、スリザリン生の

何人かの表情がくもり、

他の寮生は何事かとダンブルドアに注目した。

 

「…まずは君たちに謝らねばならんことがある。

侵入者がいたのじゃ。

テストが終わった日の夜にじゃ。

それも強力な闇の魔法使いの侵入だった。

わしは巧妙な手口でロンドンに呼び出されており、

テストの採点でほとんどの先生も

警戒を緩めてしまっていたのも原因じゃ。」

 

その報告に、生徒たちは顔をこわばらせ、

何人かの生徒は悲鳴をあげた。

 

「…じゃが、偶然居合わせた2人の生徒によって

その下手人が何らかの行動を

起こす前に捕らえることができた。

そこで、その2人の生徒、

アミリア・フラム嬢、ラウラ・ブライトフォード嬢

両名に対し、グリフィンドールに50点を与える。」

 

グリフィンドール寮の机で大きな

歓声が上がった。

当人、特にラウラは呆然とした。

 

「いいのかな?アミリア。」

 

「当然だよ。

むしろ私の名前はいらなかったくらいだよ。

あの男を止めたのはラウラの力だ。

私は何もできなかったからな。」

 

そして、ダンブルドアが言葉を紡いでいく。

 

「次に、ロナルド・ウィーズリー君。

ここ数年、ホグワーツで見ないほどの最高な

チェスゲームを見せてくれた。

それを称え、グリフィンドールに50点を与える。」

 

先ほどのように、天井を

揺らすほどの大きな歓声が上がる。

 

「あはは、ロンの顔トマトみたいに

赤くなってるよ!」

 

「パーシーもあっちではしゃいでいるな。

やはりロンの活躍は嬉しいのだろうな。

…それにしても今回の件は秘密の事だと

校長は言っていたが全く隠せてないな…」

 

「3番目にハーマイオニー・グレンジャー嬢に。

炎に囲まれながら冷静な論理を用い、

対処した。それを称え、

グリフィンドールに50点を与える。」

 

ハーマイオニーはそれを聞いて、

腕に顔を埋めていた。

嬉し泣きをしているのだろうと

アミリアとラウラは思った。

 

「そして、ハリー・ポッター君。」

 

グリフィンドール寮生が狂喜していたところで

さらに名前があがる。その場はシーンとなり、

生徒たちは耳をすませた。

 

「その完璧な精神力と並外れた勇気を称え、

グリフィンドールに60点を与える。」

 

耳をつんざくような大きな嬉しい叫びが

グリフィンドール寮生たちを中心にして

鳴り響いた。どこかから、

『スリザリンとグリフィンドールが並んだ』

と声が聞こえてきた。

そして、ダンブルドアが手をあげ、

もう一度静かにするように生徒たちをみた。

静かになったのを見て、さらに話を続ける。

 

「さて、勇気にも色々ある。もちろん、

敵に立ち向かうことも勇気がいるし、

怖いものを克服するのも必要じゃろう。

しかし、友達に立ち向かうのは、

それらと同じか、またそれ以上に

勇気が必要なことじゃ。そこでわしは…

ーネビル・ロングボトム君に、10点を与えたい。」

 

その言葉が終わるが先か、その言葉を

聞いた瞬間に今までよりもさらに大きな、

爆発でも起こったのではないかというほどの

大歓声があがった。ネビルはしはらく

その場で固まっていたが、

大勢のグリフィンドール生たちに抱きつかれ、

姿が見えなくなっていった。

そして喜んでいるのはグリフィンドール生たち

だけでなく、ハッフルパフ生もレイブンクロー生も

スリザリンがトップなのが癪だと思っていたので

それを祝って喝采に加わっていた。

 

「さて、わしの計算が正しければ、

少々、飾り付けを変えねばなるまい。」

 

そういってダンブルドアかてをたたくと、

緑色のスリザリンの垂れ幕から

真紅のグリフィンドールの垂れ幕に変わる。

スリザリンのシンボルの蛇から

グリフィンドールのシンボルのライオンに…

少しだけラウラは悲しくなったが、

それよりもグリフィンドールが寮杯をとった

ことが嬉しくて、あまり気にはならなかった。

そして、そこからパーティーが始まった。

アミリアはいつものように

ひたすら食事をとっていたが、

この時ばかりは他の人とともに

食事を楽しんでいた。ラウラはそれを見て

安心して、自身もパーティーを楽しんだ。

 

(またあのタイプの暴走を

してたら被害がどうなったか…

今回はみんなで勝ち取った嬉しさだからね。)

 

そんなことを考えて少しだけ冷や汗を流しながら…

 

 

学校が終わる直前に試験結果が返ってきた。

ハリー、ロンはハーマイオニーの手伝いが

あったからか、良い成績で、

ラウラも魔法史以外はかなりの

上位のグループに位置していた。

そして、総合の1位はアミリアだった。

2位はハーマイオニーだ。

この2人だけは受けたテストが違うのでは

ないかと思うほどの点数だった。

 

「ううん…悔しいわね…」

 

「何言ってんだよハーマイオニー、

君とアミリアだけ点数がおかしいよ。

その点数、満点超えてるじゃないか。」

 

ハリーやロンは語る。

『あの2人の頭ってどうなってるんだ?』と。

そうして、テストの発表も終わり、

生徒たちはそれぞれ荷物をまとめ、

列車に乗り込んでいった。

ここで、アミリアとラウラだけは

内心、かなり焦りながら慎重になっていた。

…レーヴァがいたからだ。

そんな2人もなんとかレーヴァを隠しながら

コンパートメントにたどり着いて、

一息ついていた。

 

「ふう、なんとかなったね〜。」

 

「あぁ、そうだな。

…誰にもばれないようにしなければならないのは

少し疲れー」

 

「あら?何をばれないように

しなければならないの?」

 

「そうだよ。一体何を隠してるんだ?」

 

油断していた2人の元に、いつもの3人、

ハリー、ロン、ハーマイオニーがそこにいた。

ラウラは小声で隠れて置くようにレーヴァに伝えた。

 

「あ、ああ、少し色々あってな。」

 

「う、うん、本当に何でもないよ。

何も持ち込んでなんかないー」

 

「あ、バカ、ラウラ!」

 

「何か持ち込んだのかい?」

 

完全に墓穴を掘ったラウラに

ハリーが聞いた。周りにはこの5人以外いないが、

話していいものか、アミリアは迷って、

とりあえずパーセルマウスのことは隠して、

蛇を連れてきていることだけは言うことにした。

アミリアはハーマイオニーに視線を送り、

ひとまずは黙っていてもらおうとした。

ハーマイオニーはうなづいていた。

 

「僕も蛇が好きなんだ。」

 

「あれ?ハリーもなの?」

 

「うん、なんだか蛇が話しかけてくれてる

ような気がするんだよ。」

 

(ハリーも話せるのか?もしかしたらだが…

いや、あまり暴くことでもないな。)

 

そうして、若干ロンは顔色を悪くしていたが、

5人はそのまま2つのコンパートメントに陣取った。

 

 

数時間後、とうとう列車はキングズ・クロス駅の

9と4分の3番線に到着した。

列車からは分けて降りたほうがいいと考えて、

アミリアとラウラは先に行くことにした。

 

「では、私たちは先に行かせてもらうよ。

また夏休みの後で。」

 

「そんなこと言わずに、ロンのところに

泊まりに行ったりしない?もちろんみんなでだよ!

ロンの家は魔法使い一家みたいだし

心配ないと思うしね。」

 

「もちろんだよ。こっちからも4人に

来てもらいたいからね。フクロウ便を送るよ。」

 

「そうか…ではまた今度、かな?」

 

「うん、そうだね。また今度。

アミリア、ラウラ。」

 

そうして少し話してからアミリアとラウラは

駅のホームに出た。

 

「アミリアー!ラウラー!こっちだぞ!」

 

少し先の人混みの中にマグルのスーツ姿で

2人を呼ぶ男がいた。

その男は周りの魔法使いの生徒や親から

かなりの視線を集めていた。

 

「ねぇ、ママ。あの人ってもしかして…」

 

「ええ、きっとね。

あの人ぐらい立派な魔法使いになるのよ。」

 

そんな会話もそこかしこから聞こえてきていた。

 

「父上!」

 

「あ!アミリアのお父さんだ!」

 

いつものアミリアの態度からは考えられないが、

アミリアは荷物を置いて、アミリアの父、

ダールトに向かって走り、そのまま抱きついた。

 

「おかえり、アミリア。そしてラウラも。」

 

「はい!ただいま戻りました、父上!」

 

「ただいま!ダールトさん。

あれ?私のお母さんとお父さんは?」

 

「ああ、エミリーにランディか。

少し仕事で泊まり込みらしい。

何かと忙しいらしいからな。とにかく、

とりあえず帰るとしよう。

私の家でアリシアがごはんを作って待っている。

ラウラも来なさい。ちゃんと用意しているよ。」

 

「母上がもう作ってくれているのですね!

やった!早く行こう、ラウラ!」

 

「あ、待ってアミリア!

引っ張らないで!荷物が!荷物がー!」

 

アミリアはぴょんぴょん跳ねながら

ラウラを掴んでダールトの車に向かった。

ダールトはその姿を見て微笑みながら

アミリアが置いていってしまった荷物を持って

その後を追っていった。

もちろんその様子を見ていた

アミリアを知っているグリフィンドール生を

中心に、その光景に自分の目を疑っていた。




なんとか賢者の石編は
完結できました。これから
少しの幕間を挟んでから秘密の部屋
に入っていく予定です。

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