ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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どこで区切ればいいか
わからないという意味で
難しいところでした…


危機

賢者の石を狙っているのが

ヴォルデモートである可能性が出てきて、

5人は恐れはしたが、生徒にとっては

それよりも恐れる事があった。

ついに定期試験の日となり

考える時間も行動する時間もなくなっていた。

 

「いいか、ラウラ。最終確認だ。

前にハグリッドの件で出た話だが、

1709年に制定された

ドラゴンについての法律はなんだった?」

 

「うーん…ワロック?」

 

「ワーロック法だ。

微妙な間違え方をしないようにしろよ?

…なんだか心配になってきた…大丈夫か?」

 

「うん…気をつける。」

 

「…他の教科は実技があるものや、

ラウラの得意教科だったりするから

おそらく大丈夫だろうが、魔法史だけは

どうにかしないと本当にまずいからな。」

 

アミリアとラウラも試験の勉強、

特にラウラの苦手な魔法史を中心に復習していた。

そうしてテスト期間に突入していった。

 

「ここからは私は助けられないからな?」

 

「うん、わかってる。…テスト中に

助けてもらうってカンニングだしね。」

 

そうして2人は、まず

薬草学の筆記試験のある大教室に入った。

 

 

〜アミリアの場合〜

 

さて、テストの開始の合図も出たし、

進めていこうか。…ん?

これは………少し簡単すぎないか?

ええー…ここまで簡単なら授業毎の

復習だけで十分だったのではないのか?

………言ってはなんだが退屈だな…

 

 

さて、妖精の魔法の実技は?

…はい?パイナップルをタップダンスで

机の端から端まで移動させる?

……なんの意味があるんだ?

…まあ普通にできるが。とりあえず適当にやるか。

 

「オー!ここまで洗練されたタップダンスを

させたのはミス・フラムが初めてですよ!」

 

…こんなので十二分の評価なのか…

というか洗練されたタップダンスってなんだ?

 

 

次は変身術の実技か。

…よかった。今度はまともだ。

ネズミを嗅ぎタバコ入れにするのか。

よし、せっかくまともな試験なのだから

しっかりとやってみよう。

綺麗にしたほうがいいらしいし、

どうせなら宝石的なものもつけてみるか。

 

………少しやりすぎたらしい。

マクゴナガル先生が今まで見たことないぐらいの

微笑みを見せてくれたぞ…

 

 

魔法薬学は調合するのか…

『忘れ薬』…まあ多少忘れているが、

覚えていることから考えていくと

忘れているところも自然と埋まるな。

これなら大丈夫そうだ。

 

「……ふん。」

 

…あそこまで1人1人丁寧に見て回ってるのか。

…人によるだろうがあれ、集中を乱されないか?

 

 

〜ラウラの場合〜

 

よし、アミリアにせっかく色々教えてもらったし、

ちゃんと成果を出さないとね!

この筆記問題は…うん、大丈夫。

まだ得意な薬草学だしなんとかなりそう。

まあ、問題は最後にある魔法史なんだけどね…

 

 

妖精の魔法の実技かぁ…何するんだろ?

…パイナップルをタップダンス?

えーっと…まあいいや、とりあえずやってみよう。

 

「あー、ミス・ブライトフォード、

少しいいですか?」

 

あれ?なんか失敗したかな。

 

「それはタップダンスではなくて

コサックダンスなのですが…」

 

え?タップダンスとコサックダンスって違うの?

タップダンスって音がなればいいんじゃないの?

コサックダンスも跳ねて音出るよ?

 

…というかタップダンスってどんなダンスなの?

 

 

次は変身術かぁ。ネズミを嗅ぎタバコ入れ?

嗅ぎタバコ入れってなんだろ?

…今度は先に聞いておこう。

…ああ、あの入れ物のことか。

名前知らなかったや。

できるだけ綺麗なものに…

自分が使いたくなる模様とかでいいのかな?

じゃあ、あれとあれの模様を組み合わせてみよ。

 

…よし、うまくできた!

 

「…ミス・ブライトフォード、

少しよろしいですか?」

 

…あれ?先生がなんだか難しい顔してるな。

 

「この模様はなんですか?」

 

うーん…ただ蛇と猫が

遊んでるだけなんだけど…

寮的には蛇よりライオンのほうがよかったのかな?

一応ネズミの特徴は無いはずなんだけど…

 

 

さて!気を取り直して次は

魔法薬学の実技試験だね!

…忘れ薬の調合?

…作る前からほとんど忘れてるよ…

まあとりあえず作ってみよ。

 

………あっれぇ?なんだか色が違うなぁ…

うわっ!跳ねて口の中に入った!苦い!

……ん?なんか色々と思い出してきたなぁ…

あ、これ覚え薬だ。正反対じゃない…

仕方ない、先生に作り直していいか聞いてみよう。

 

…よかった。なんかすごい顔されたけど

とりあえず許可もらえた。

 

「………ふん。」

 

えっ、何?どうしてそんなに見てくるの?

やっぱりさっきのがまずかった?

 

 

「ハリー、いったいどうしたの?」

 

「額の傷がズキズキ痛むんだ…」

 

様子のおかしなハリーに、

ラウラが聞くと、額を抑えながらハリーは答えた。

 

「ハリー、寝てる時も

何かにうなされてるみたいなんだ。

ネビルは試験恐怖症じゃないか

なんて言ってたけど。」

 

「そうなのか?ロン。」

 

「あなた達そんな話をしてていいの?

次は最後の魔法史の試験よ?」

 

自分で作ったメモを見ながら

ハーマイオニーは4人に忠告し、

焦りながら4人はそれにしたがい、

それぞれ教室に入り、席に着いた。

 

 

魔法史の1時間の試験が終わり、

生徒は歓喜の声をあげた。

 

「いやー、やっと終わったねー。」

 

「ああ。魔法史の試験は大丈夫だったか?」

 

「うん!記述はあんまり自信ないけど

だいたい書けたと思うよ!」

 

アミリアとラウラも教室から出ながら

少し嬉しい表情で話していた。

この後は勉強をする必要もないので、

2人でどうするか話し合った結果、

部屋で目くらまし術の練習を

久しぶりにすることにした。

外に出かけていたのか、ルームメイトは

誰もいなかった。

 

「誰もいないな…よし。」

【レーヴァ、いるか?】

 

アミリアは誰もいないことを確認すると、

レーヴァを呼んだ。すると、

30秒とせずに部屋に入ってきた。

 

【お久しぶりです、アミリアさん、ラウラ。

どうしました?】

 

【ごめんね。少しのベーコンぐらいしか

持ってこれないからお腹空いてるでしょ?】

 

【パイプの中にネズミもいますし

食べ物は困ってないですよ。

それにしてもこの学校はパイプが多いですね。

まあ私は助かりますが。

パイプを通ればだいたいの所は行けますからね。】

 

【レーヴァ、要件なんだが魔法の練習に

少し付き合ってくれないか?

ラウラの目くらまし術の精度を確かめたいんだ。】

 

【ああ、あの魔法ですか。

前にかけてもらったときは少し

私がいる所がぼやけてましたね。】

 

【たぶんこんどは大丈夫だよ。

暇があれば練習してたからね。】

 

【まあ中途半端なら私が

魔法を打ち消すようにするから。】

 

レーヴァはうなづいて、

その場でじっとしている。

そして、ラウラが魔法をかけると、

レーヴァの姿は綺麗に見えなくなった。

 

「大丈夫そうだな。

上出来だと思うよ、ラウラ。

一応移動しても大丈夫か確かめに行こう。

確か談話室には誰もいなかったから

そこまで行ってみようか。」

【レーヴァ、一度談話室まで移動してくれ。】

 

そうして2人と1匹は談話室へと

階段を降りていった。

談話室まで来ても魔法が有効なのを

確認していると、肖像画の扉が

開く音が聞こえてきた。

 

【レーヴァ、一応物陰あたりに隠れていてくれ。】

 

【わかりました。】

 

レーヴァそう答えてソファの下に

スルスルと入っていったようだった。

そして、階段を登ってきた2人を見た。

 

「ハリー?ロン?」

 

「あれ?どうしたの?2人ともそんなに慌てて。

ハーマイオニーは?」

 

そこにいたのは走ってきたのか

息を切らしていたハリーとロンだった。

 

「ロン、どうしよう。

アミリアとラウラにも言うべきだよね?」

 

「どうだろ…でももう全部知ってるし…」

 

「…賢者の石に関係してるのか?」

 

「それなら私たちにも話して。

そもそも、もう私たちはハリー達と同じくらい

巻き込まれちゃってるし、ね?」

 

そのラウラの言葉を聞いて、

ハリーとロンは決意した顔をした。

 

「…わかった。話すよ。

まずはじめに…ハグリッドがフラッフィーの

なだめ方をスネイプに教えたかもしれない。」

 

「なんだと…⁉︎いったいどうやって?」

 

その話を聞いた2人は

驚愕の表情になり、理由を聞く。

 

「少し考えれば分かることだったんだ。

ハグリッドはドラゴンを昔から

飼いたいと思ってた。そんなハグリッドの所に

都合よく、法律で禁止されてるドラゴンの

卵をたまたま持ってきて、しかも

手放したいと思ってる人が来るなんて

不自然にもほどがあるよ…!」

 

「…確かにおかしすぎるね…

でもそれだけでどうしてハグリッドが

フラッフィーのことを話しちゃったって

ことになっちゃうの?」

 

「…ハグリッドが酔った勢いで

言っちゃったらしいんだよ…

お酒を勧めてくるからって飲んで

音楽を聞かせりゃ眠るって言ったらしいんだ。」

 

ある意味最後の砦であったフラッフィーの

なだめ方があっさり攻略されていた。

 

「で、でもまだ校長先生がいるじゃない?」

 

「フクロウ便がきて

ロンドンに行っちゃったみたい…」

 

「それでは…今夜に限っては

賢者の石は無防備になっているということか!」

 

「この話、ハーマイオニーは⁉︎」

 

「僕たちと一緒にいたから

知ってるよ。今はフリットウィックを

待ってるふりしてスネイプが

どう動くか見てもらってる。

『フリットウィック先生、16問目の

問題なんですけど…』ってハーマイオニーが

聞きにいくなら自然だろ?」

 

ロンはハーマイオニーの真似をしながら

ハーマイオニーにスネイプを見てもらっている

理由を説明した。

 

「私はそんな口調じゃないわ。

あら?アミリアとラウラも協力してくれるのね?」

 

「うん、もうハーマイオニー達と

同じくらい足を突っ込んじゃってるからね。」

 

「それで、スネイプの様子はどうだった?」

 

「ごめんなさい、ちゃんとスネイプの

行動を見ていられなかったわ。

スネイプが本当にフリットウィックを

呼んじゃって足止めされちゃったの…

スネイプがどこに行ったかわからないわ。」

 

少し青い顔をするロンを無視して、

調査は芳しくなかったハーマイオニーは

苦い顔をして話す。

 

「…もう僕たちが行くしかない。」

 

「ハリー!気は確かか⁉︎

さっきマクゴナガルに今度うろついてたら

退学だって言われたじゃないか!」

 

そう叫んだロンにハリーは

しっかりとした口調で話す。

 

「だからなんだっていうんだ!

もしヴォルデモートに石が渡ったら

退学の前にホグワーツそのものが

なくなっちゃうよ。でなければ

闇の魔術しか教えない学校にされるかだ。

僕が石を手に入れる前につかまって

家に送り返されてもヴォルデモートは

僕を探して殺しにくる。早いか遅いかの

問題になるんだよ!だから、

僕は今晩あの仕掛け扉をあける。いいかい?

僕の両親はヴォルデモートに殺されたんだ!」

 

そのハリーの話を聞いて、

ほかの4人もさらに真剣な表情になった。

 

「ああ、ハリーの言う通りだ。

やつに見つかれば私たちは抵抗するまでもなく

そのまま殺されるだろう。」

 

「でもハリー、どうやって見つからないように

4階まで行くの?見つかったら

それこそ何もできないままになっちゃう。」

 

「僕は透明マントを使うよ。」

 

「5人全員が入れるかい?」

 

そのロンの言葉に、

ハリーは驚いた様子で見つめた。

 

「全員って、君たちも来てくれるのかい?」

 

「馬鹿言うなよ。

君だけを行かせられるわけないだろ?」

 

そのロンの決意のこもった一言に

アミリアとラウラとハーマイオニーもうなづいた。

 

「1人で行かせるなんてできないわ。

どうやって1人で石までたどり着く気なの?

…こうしちゃいられないわ。

私、本を読んでくる!なにか役に立つかも…」

 

「でも、つかまったら

君たちまで退学になっちゃうよ。」

 

そのハリーの言葉に

ハーマイオニーが反応した。

 

「あら、そうかしら?

フリットウィックがそっと教えてくれたわ。

彼の試験で私は100点満点で112点で2位

だったらしいわ。

これじゃ私を退学になんてしないわ。」

 

「2位⁉︎おかしいじゃないか!

そんな馬鹿みたいな点で2位なんて!」

 

そんなロンの叫びにハーマイオニーは

苦笑いしながら言った。

 

「1位はアミリアの123点よ。

どうやったらそんな点数になるのかしら…

とにかく、私は図書室に行ってくるわ!」

 

そう言って図書室にハーマイオニーが

向かった後、それぞれが

夜の準備のために一旦別れた。

 

 

夕食を終え、5人は不自然でないように

みんなから離れて座っていた。

誰ももう5人には話しかけないので、

この時の5人には好都合だった。

そして、時間も遅くなり、談話室に

人気がなくなっていった。

 

「…アミリア、レーヴァは?」

 

「大丈夫だ。とりあえずパイプに

入ってもらったから心配ない。」

 

「2人ともどうしたのさ?」

 

「う、ううん。なんでもないよ。」

 

「ならいいけど。そういえばどうやって全員で

4階まで行く?透明マントじゃ入れても

3人までだよ。」

 

「それなら問題ない。…いや、

厳密には少し時間制限があるがなんとかなる。

私とラウラは目くらまし術で

なんとかしよう。10分ぐらいならなんとかなる。」

 

そのアミリアの言葉に、

ハーマイオニーは驚きを隠せなかったが、

少しだけ納得もした。

 

「1年生なのによくそんな魔法を使えるわね…

テストで負けた理由がわかった気がするわ…」

 

「ハリー、そろそろマントを…」

 

「うん、そうだね。」

 

そうして、ハリーは部屋まで走っていき、

すぐに戻ってきた。

 

「一度3人で着れるか見てみよう。

足だけはみ出してるのをフィルチに

見られでもしたらいけないからね。

アミリア達、見てもらってもいいかな?」

 

「ああ、わかった。」

 

「うん、まかせー」

 

「君たち、何してるの?」

 

そんな5人の横から不意に声がかかった。

振り返れば、ひじ掛け椅子の陰から

ネビルがカエルのトレバーを

持ってそこに立っていた。

 

「なんでもない、なんでもないんだ、ネビル。」

 

ハリーは背中にマントを隠したが、

すでにネビルに見られていた。

 

「また外に出る気なんだろ?

アミリアとラウラには悪かったと思ってるけど…

でもこれでまた見つかったら

グリフィンドールはもっと大変なことになる。」

 

「頼む、ネビル。

ここを通してくれ。私たちは

行かないといけないんだ。」

 

「い、行かせないぞ…ぼ、僕戦うぞ…!」

 

ネビルが何を言っても通してくれそうに

ないのを見て、ハーマイオニーが前に出た。

 

「ごめんなさい、ネビル。

本当はこんなことしたくないけど…

ペトリフィカス・トタルス ー石になれー」

 

ハーマイオニーの杖から出た光は

ネビルにあたり、その瞬間ネビルの両腕は

ぴったりと体に張り付き、

体が固くなり、その場で後ろに倒れた。

 

「…行こう。」

 

「…ごめん、ネビル…」

 

そうして5人はネビルの横を通っていった。

 




今回から時々アミリアとラウラ
目線の話が来る可能性があります。
タグの通りに三人称中心で
いくつもりではありますが。

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