ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

14 / 76
いったいどうしたら
オリジナリティーが出せるのでしょうか…
二番、三番煎じになってる
気しかしないのですが…


森の中の影

夜になり、アミリアとラウラは部屋を出た。

談話室まで降りると、すでに

ハーマイオニーとハリー、ロンが降りてきていた。

4人は揃うと、ロンに

別れを告げ、フィルチがいると言われた

玄関ホールに向かった。

玄関ホールまで行くと、フィルチだけでなく、

ドラコもそこにいた。

処罰の対象者が揃ったのを確認して、

フィルチは5人を連れて校庭を歩いた。

 

「規則を破らないように

考えるようになったろうねぇ?

…私に言わせりゃひどい目にあわせるのが

一番の薬だよ…体罰がなくなって本当に残念だ。

逃げようなんて考えるんじゃないぞ。

もっとひどい目にあいたくなければねぇ。」

 

もちろん、そんな状況で

普段通りの態度をとれる者はいなかった。

ハリーはこれから何をされるか不安そうに

していたし、ハーマイオニーもいつもなら

勉強ができないと文句を言うところだが、

罰を受けるのは仕方ないと、何も言わなかった。

ドラコはいつもならハリー達を

バカにしようとするだろうが、

キョロキョロして落ち着かないように見える。

アミリアは普段と変わらないように見えるが、

その顔は緊張に彩られている。

そしてラウラはそのアミリアを少し掴んでいて、

今にも泣きそうになっていた。

そんな全員の前に一軒の小さな家が見えた。

ハグリッドの家だ。

それを見てグリフィンドール生の4人は

少しだけ安心していた。

 

「ハグリッド!悪い生徒達を連れてきたぞ。」

 

「フィルチか?早くしてくれ。

俺は今すぐにでも出発したいんだ。」

 

「お前達、あの木偶の坊と楽しもうと

してるんじゃないだろうねぇ?

君たちはこれから森に入るんだから

そんな考えはやめたほうがいい。」

 

そのとき、ハグリッドを見て少し

口を緩ませたハリーを見て、フィルチが言う。

その言葉を聞いて、ドラコが口を出した。

 

「すいません、今のは僕の聞き間違いですよね?

今森に入ると言いましたか?

あそこは危険で立ち入り禁止のはずです。」

 

その声は少しうわずっていた。

 

「聞き間違いではないし、

今さらそんなこと言っても仕方ないねぇ。

これが嫌なのなら問題を起こす前に

もっとよく考えておくべきだったねぇ?」

 

「フィルチ、説教はお前の仕事じゃないはずだ。

え?お前の役目は5人をここに連れてくることだ。

こっからは俺が引き受ける。」

 

「そうかい。夜明け前に戻ってくるよ。

こいつらの体の残った部分だけでも

とりにくるさ」

 

フィルチは意地悪そうにそう言って、

学校にもどっていった。

 

「森に行くなんて冗談じゃない!

僕は森にはいかない。」

 

ドラコは恐ろしくなり、

そう言って、その場に座り込んだ。

ハグリッドはすこし厳しい顔をした。

 

「だめだ。ホグワーツに残りたいのなら

行かなきゃならん。悪い事をしたんじゃから

その償いはせにゃならん。」

 

ドラコはその後もしばらくは

ハグリッドと言い争ったが、行かないなら

荷物をまとめろと言われ、しぶしぶ従った。

 

「じゃあ説明するぞ。しっかり聞いてくれ。

なんせ今夜俺たちがするのは危険だ。

みんな軽はずみなことはしちゃいかん。

いいな?ではしばらく俺についてきてくれ。」

 

そう言ってハグリッドは、犬のファングと

生徒5人を連れて森の中に入っていった。

 

 

「いいか?足元に気をつけろ。」

 

「ラウラ、本当に気をつけろよ?」

 

「なんで私だけに言うのさ!

さすがに私はそこまで間抜けとかじゃ…ふぎゃ!」

 

「ほら言わんことではない…」

 

15分ぐらい歩いているうちに、

少しだけ開けた場所にでた。

そこには銀色の液体が地面で光っていた。

 

「…これは一角獣(ユニコーン)の血だ。

最近この森では何者かにひどく

傷つけられたユニコーンがおる。今週で2回目だ。

みんなでかわいそうなやつを見つけるんだ。

助からないならせめて

苦しまないようにせにゃならん。」

 

「…ユニコーンをそんな目にあわさせたやつに

僕たちが見つかったらどうするのさ⁉︎」

 

ドラコは怖がりながら聞いた。

 

「大丈夫だ。俺かファングと一緒におれば

この森の生き物は誰も襲いはせん。

道を離れんようにな。

二組に分かれて別々の道をさがそう。」

 

「じゃあファングを貸して!」

 

ドラコはファングの牙を見ながら

ハグリッドに声をかけた。

 

「ああ、構わねぇ。だが、

ファングは臆病だぞ。」

 

ハグリッドがそう言うと、ファングは

怯えるようにクーンと鳴いた。

ドラコはそれを見て顔をしかめた。

 

「じゃあ女子は俺についてきてくれ。

ハリーとドラコはファングと一緒に別の道だ。

何か困ったら赤い光をあげろ。

みんなで助けに行く。気をつけろよ。

じゃ、出発だ。」

 

そうして、ハグリッドには

アミリア、ラウラ、ハーマイオニーが、

ファングにはハリーとドラコがついていき、

それぞれ森の奥へ向かった。

 

 

「ねぇ、ハグリッド。

あの人影みたいなのは何?」

 

「ん?何がおった?ラウラ。

ああ、ありゃケンタウロスだ。

気難しいやつらでな…何を質問しても

ロクな答えが返ってきた試しがない。

…ユニコーンが襲われたから

警戒しとるのかもしれんな…」

 

「森にはたくさんケンタウロスがいるの?」

 

ハーマイオニーは尋ねた。

 

「…まあまあだな。やっこさん達は

いろんなことを知っとるが

あまり教えちゃくれん。」

 

「では先ほどから何度か聞こえた足音は

ケンタウロスのものだったということか?」

 

「ああ、たぶんな。」

 

「…ぁぁぁあああああ!」

 

4人が話していると、

ドラコが叫びながらファングと一緒に走ってきた。

 

「マルフォイ⁉︎」

 

「ドラコ!何があった⁉︎ハリーはどうした⁉︎」

 

ハグリッドはドラコに話を聞こうとする。

ドラコは息も絶え絶えに少しずつ話し始めた。

 

「ば、けも、化け物、が…

ユニコーンの、ち、血を…僕、

こわ、怖くなって…」

 

「そりゃいかん!みんな、離れんように

付いてきてくれ!」

 

その言葉に、ファングを先頭にして、

ハリーの元に3人はハグリッドと走り出した。

ドラコはもう一度元の場所に戻るのが

嫌だったのか、首を横に振り続けていたが、

置いていかれるよりはマシだと思ったのか、

4人と1匹についていった。

そして、5分ほど走ったところで、

1匹のケンタウロスの上に乗っていた

ハリーを見つけて、ドラコ以外の全員が

胸をなでおろした。ドラコは少し放心していた。

 

「ハリー!大丈夫か⁉︎」

 

「ハリー!ハリー!あなた大丈夫⁉︎」

 

ハリーの元に、ハグリッドやハーマイオニー達が

息を切らせながら走り寄った。

ケンタウロスはハリーに少し呟いたあと、

ハリーに降りてもらい、そのまま走り去った。

 

「うん、僕は大丈夫だよ。

…ハグリッド、ユニコーンが死んでる。

森の奥の開けたところにいたよ。」

 

「そうか…わかったハリー。

とにかくこれで罰則は終わりだ。

みんなお疲れさん。

今日は部屋に帰ってゆっくり寝ろ。

もう真夜中に出歩くんじゃねえぞ。」

 

そうして、

森の入り口のハグリッドの小屋まで

戻ってきてから、フィルチに再び玄関ホール

まで連れられて、そこで解散となった。

二階にあがり、

グリフィンドールの4人となった時、

ハリーが他の3人に話し始めた。

 

「…寝る前にみんなに話したいことがあるんだ。

きっと待ってくれてるだろうロンにも。」

 

「ハリー、大事な話か?」

 

「うん。ホントはすぐにでも話したいけど

ロンもいないし、また先生達に

目をつけられるかもしれないからね…」

 

3人は黙って頷いて、

早足で談話室まで歩いていった。

 

 

「…ううん……スリ…ザリン…

卑怯だぞ…ファウルだ……」

 

4人が談話室に入ると、ソファの上で

寝てしまっているロンがいた。

 

「おい…起きろ、ロン。」

 

「ローンー!起きて〜!」

 

4人は部屋ですでに寝ている人たちを

起こさない程度にロンの名前を呼びながら

激しく揺り動かした。

しばらくはクィディッチのことであろう

寝言を呟いたままだったが、

少しして、なんとか目を覚ました。そして、

ハリーが森の中であったことを話し始めた。

 

「森の中でユニコーンの血を飲む誰かを見たんだ。

あれは化け物じゃなくて、きっと人だよ。

それでそいつに襲われたんだけど、

ケンタウロスが助けてくれたんだ。

理由は話してくれなかったけどね。

それで、そのケンタウロスにユニコーンの血は

飲むと死の淵にいても生きられるようになるが、

その代わりにそいつは呪われるらしいって

話を教えてもらったんだ。

完全な命は持てないらしい。」

 

「ユニコーンをそのようなことのために

殺したのか…

いったいそんなことをしてまで誰が…?」

 

「そう、そこなんだよ。

ケンタウロスは、もし他の何かを飲むまでの

間だけ、命を生き長らえればいいならって。」

 

その言葉を聞いて、ハーマイオニーが反応した。

 

「そうか、賢者の石の命の水ね!」

 

「うん。それで誰がって言うのは、

僕が初めて会った時に

ハグリッドがある事を言ってたんだ。

『あやつが死んだと言ってるもんがいるが、

俺に言わせりゃくそくらえだ。

やつに人間らしさでも残ってりゃ

死ぬことがあるかもしれんが…』って。」

 

その言葉に、アミリアの顔が

厳しいものになり、冷や汗が流れる。

 

「…ハリー、まさか…いや、そんな…」

 

「うん、僕はそう思うんだ。」

 

「ハリー、いったいなんの話だい?」

 

「ロン、スネイプが賢者の石を狙ってるって

僕たちは考えてる。でも、スネイプは

自分でホントに賢者の石を使うかな?

 

「えっと…話がわからなくなってきちゃった…

ハリー、結局どういうことなの?」

 

ラウラに聞かれたハリーは少し

深呼吸して、口をあけた。

 

「…ヴォルデモートだ。」

 

その言葉に、ロンとラウラは小さな悲鳴をあげ、

ハーマイオニーは驚いた様子でハリーを見つめ、

アミリアは無言でそれを聞いていた。

 

「…きっとやつは生きているんだ。

けど、死にかけてる。だからスネイプに命令して、

賢者の石を取らせようとしてるんだ。

ヴォルデモートはあの森の中で、スネイプが

賢者の石を持ってくるのを待ってるんだよ。」

 

「その名前を言うのはやめてくれ!」

 

ロンは直接聞かれているのを恐れているかのように

ハリーに叫んだが、ハリーは話を続けた。

 

「さっき僕を助けてくれたケンタウロスの

フィレンツェは惑星が教えてくれた

予言に干渉するなって他のケンタウロスに

言われてた。…惑星はヴォルデモートが

戻ってくるのを予言してるらしいんだ…

それで、僕は殺されるって予言されてたって…

だから、僕はホントはあそこで…」

 

「だから頼むからその名前を言わないで!」

 

ハリーのその発言に、怖がったままの

ロン以外の3人は慰めた。

 

「ハリー、お前が死ぬべきだったと

考えているなら、それは一番の間違いだ。」

 

「そうだよ。たかが予言…というか

ただの星占いじゃない。魔法にも

占いはあるけど、あまり当たらないらしいし。」

 

「ええ、そうよ。それにね、ハリー。

あなたのそばにダンブルドアがいる限り、

『あの人』があなたを襲えるわけないわ。だって、

『あの人』はダンブルドアを恐れてるもの。」

 

そうして5人が話し込んでいると、

空が白み始めていた。自室に戻ることになり、

アミリアとラウラも自室に戻ったが、

森に行ったのと話しすぎたので、

くたくたになっていたが、少し問題があった。

 

「…アミリア、明日起きれると思う?」

 

「私は…いつも以上にひどいことになりそうだ…」

 

「これ、私たち寝たらもう起きれないよね…」

 

「不眠か…つらいな…

ルームメイトにも起こしてもらうように

前々から頼んでおけばよかったな…」

 

「試験が明日…というか今日か。

今日じゃなくてよかったね…」

 

そうして、2人は仕方なく、

寝ずに朝を迎えた。

もちろん集中力が持つわけがなく、

いくつかの授業では寝てしまって、

試験をどうしようかと悩んでいた。




少し毎日投稿が
厳しくなってきたかもしれません…
賢者の石完結まではなんとか
して早めに書きたいんですが…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。