ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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本来の予定の半分ぐらいなのですが、
文字数が大変なことになりそうなので
投稿しました。かなり中途半端かも…


失敗

ついに約束の土曜日の真夜中になった。

ロンはまだ医務室だが、

予定を変えることもできないので

ハリーとハーマイオニーは透明マントを使って

ハグリッドの小屋へ向かった。

アミリアとラウラは、

2人が帰ってくるのを待っていた。

 

「アミリア、ハリーとハーマイオニーは

大丈夫なのかな…」

 

「わからない…あの日のように

無事に帰ってくるのを祈るだけだ…」

 

そうして談話室で待っていたが、

2時間たっても帰ってこなかった。

2人がそわそわしていると、

ネビルが談話室に降りてきた。

 

「あ、アミリアにラウラ…」

 

「ネビル?どうしたの?」

 

「ハリーが見つからないんだ…

それに最近ハリーとロンとハーマイオニー、

それに君たちもドラゴンを隠してるって噂だから

心配で探しに行こうとしたんだ。」

 

「…やはり広まってしまっていたか…」

 

「ドラゴンなんて本当のことだったのかい⁉︎

どうしてそんなことをー」

 

アミリアのその反応に、

ネビルは驚いて、その理由を聞いた。

 

「…ネビル、巻き込むわけにはいかないよ。

ハリーとハーマイオニーは私が探してくる!

それでもいいかな?ネビル。」

 

「ラウラ、お前1人で行かせると

何をするかわからん。私も付いていく。

かまわないか?ネビル。」

 

ネビルは不安そうに2人を見つめた。

しばらく考えた後、話を続けた。

 

「…ごめんね。僕には何もできなくて…

女の子2人に行かせちゃうなんて…」

 

「気にするな。元々私たちが始めたことだ。

それにネビルは私たちが

いないなら1人でも探しに行っただろう?」

 

「そうだよ!ネビルはマルフォイが

言うように臆病じゃない。

立派な勇気あるグリフィンドール生だよ!」

 

「…ありがとう…!2人とも、気をつけてね。

先生にも見つからないようにも。」

 

「ああ、わかっているさ。行こうか、ラウラ。」

 

「うん!」

 

そうして、アミリアとラウラは

ネビルに見送られ、ハリーとハーマイオニーを

探しに談話室から出て行った。

 

 

「とりあえず慎重に行くぞ。

私たちの目くらまし術では全身を隠すと

まだ5分と持たないから使えないしな…」

 

「小さい物とか生き物になら最近は

かなり長続きするようにはなったんだけどね…」

 

2人はヒソヒソと話しながら、

ホグワーツで一番高い塔を目指していた。

 

「おやぁ?君たちは何をしてるのかなぁ?」

 

不意に2人の後ろから意地悪そうな声が聞こえた。

2人が振り返ると、ピーブズがそこにいた。

 

「アミリア、まずいよ…寮から出てすぐに

ピーブズに見つかるなんて…!」

 

「これはもう諦めるしかないかもな…!」

 

2人がそうして話していると、

ピーブズは大声を出した。

 

「生徒がベットから抜け出したぞ!

6階の鎧が並んでる廊下だ!」

 

ピーブズが叫ぶと、運悪く近くにいた

マクゴナガルに見つかった。

 

「あなた方はこんな時間に何をしているのですか?

校則を知らないわけではないでしょう!」

 

「せ、先生、これはー」

 

「マクゴナガル先生!生徒が2人

天文台の塔で出歩いていました。」

 

マクゴナガルに少しでも言い訳しようとした

ラウラが話そうとすると、

横からフィルチがやってきて、報告した。

アミリアとラウラは顔を見合わせて、

どうしようもなく不安になってしまった。

 

 

「ハリー!ハーマイオニー!」

 

「アミリア、ラウラ?どうして…」

 

「お前達が心配だったからだ。

マルフォイが捕まえるとも言っていたからな…」

 

4人が少し話していると、

横からマクゴナガルがそれこそ

火を吹き出しそうなぐらいに顔を

真っ赤にして話を始めた。

 

「まさか、みなさんがこんなことをするなんて…

ミスター・フィルチはあなた達2人は

天文台の塔にいたと言っています。

こんな真夜中にどういうことですか?」

 

その言葉にいつもはなんでも

手をあげてすぐに答えを言うハーマイオニーも

なにも言えず、スリッパのつま先を見ていた。

 

「なにがあったかは私にはよくわかってます。

普通に考えればわかることです。

マルフォイがドラゴンと言っていましたが

それはうそっぱちでベットからおびき出して

問題を起こさせようとしたのでしょう。

彼は私がもう捕まえました。

ミス・フラムは止めようとしたのでしょうが

たぶんあなた達はここにいる

ミス・ブライトフォードが

それを本当の話と思い込んでいるのが

滑稽だと思っているのでしょう?

呆れ果てたことです…」

 

4人はもうマクゴナガルの顔を

直接見ることなどできなくなっていた。

 

「一晩に5人もベットから抜け出すなんて

まったく前代未聞です!

ミス・グレンジャー、ミス・フラム、

あなた方はもう少し賢いと思っていました。

ミスター・ポッター、ミス・ブライトフォード、

グリフィンドールはあなた方にとって

価値のあるものではないのですか?

…4人とも処罰です。」

 

ラウラは少し驚いた様子でマクゴナガルを見た。

アミリアは静かに言葉を聞いていた。

 

「ええ、あなた達もですよ、

ミス・ブライトフォード。どんな事情で

あろうと出歩いていたには変わりません。

特にこの頃は危険なのですから…

50点、グリフィンドールから減点です。」

 

「50⁉︎」

 

マクゴナガルの言葉に、ハリーが叫んだ。

 

「1人50点です。」

 

「そんな…ひどい…」

 

「ひどいかそうでないかは私が決めます。

さあみんな、寮に戻りなさい。

グリフィンドール生をこんなに恥ずかしいと

思ったことはかつてありません…」

 

一晩に200点も失ってしまった。

4人とも、それぞれ落ち込んでいた。

ラウラは泣いてしまったし、

アミリア自身もいつもならすぐにラウラを

泣きやませようとするが、その時ばかりは

1人で窓の外を見続けていた。

 

 

次の日の朝、寮の得点の記録をしている

砂時計の前を通った生徒は自分の目を疑った。

 

ーなんで昨日よりも200点も減ってるんだ⁉︎ー

 

グリフィンドール生はそのように思った。

そして、噂が流れ始めた。

 

ーハリー・ポッターが、

あの有名なハリー・ポッターが

何人かのバカな1年生と一緒に

寮の点をこんなに減らしてしまったらしいー

 

その噂はまたたく間に広まった。

クィディッチで見事な箒さばきをしたりして、

賞賛の的だったハリーは、一夜にして

スリザリン寮以外の嫌われ者になった。

グリフィンドールはもちろん、

レイヴンクローとハッフルパフも

スリザリンに最優秀寮杯を取られるのが

嫌だったので、ハリーを敵視した。

スリザリン生だけは、『ありがとよポッター、

借りができたぜ!』と、囃し立てた。

ハーマイオニーとアミリアにラウラは、

目立っていたとはいえ、ハリーほど有名では

なかったため、そこまでひどくはなかったが、

話そうとするものはいなかった。

4人への反応が変わらなかったのは、

ロンと、送り出したのを後悔していた

ネビルだけだった。

 

「ごめんね、2人とも…

僕が止めなかったばっかりに…」

 

「ううん、気にしないでネビル。」

 

「ああ、お前は何も悪くない。

それに謝るのはこちらのほうだよ。

私たちの寮の点をあんなに減らしたのだから…」

 

「ハリー、気にするなよ。フレッドと

ジョージだって何回も減点されてるけど、

みんなの人気者だぜ?」

 

「でも一度に200点も減点したことはないだろ?」

 

「それは…」

 

ハリーの言葉にロンは何も言えなかった。

さらにハリーにとって一番楽しかった

クィディッチも、チームメイトから無視されていて

今は楽しくなくなっていたらしい。

ハーマイオニーも目立たないように

授業で手をあげることもなく、

黙々と勉強していた。

アミリアとラウラも目立つようなことをせず、

他のみんなと試験の勉強をしていた。

 

 

試験の一週間前になり、

部屋に用事があるハリーを除いて

4人は図書室で最終確認をしていた。

ハリーは一度、図書室から部屋に戻っていったが、

すぐに図書室に戻ってきた。

 

「みんな大変だよ…

ついにクィレルが折れちゃったよ…」

 

「そういえば私たちの友達も

そろそろ根を上げそうって言ってたような…」

 

「ああ、そういえばそうだったな。」

 

「それじゃスネイプはついにやったって

ことだね…クィレルが仕掛けた罠を

教えたってことは…」

 

「まだフラッフィーがいるわ。」

 

「でもハーマイオニー、スネイプは

ハグリッドに聞かないでも突破できる

方法を見つけてるかもしれない。

この図書室の中に3頭犬の本が

あったって不思議じゃないよ。

どうする?ハリー。」

 

そんなロンの言葉に

誰よりも早くハーマイオニーが反応した。

 

「ダンブルドアに言いに行くのよ。

ずっと前からそうするべきだったのよ。

また見つかったら今度こそ5人仲良く

退学になっちゃうわ。」

 

「でも、証拠が何もないんだよ?」

 

「確かに証拠が何もないな。

それこそ、録音ができているとか、

そんなことがあれば証拠になるのだがな…」

 

「それにクィレル先生の様子じゃ

私たちの味方はしてくれそうにないよね…。

だってあの怖がり方だもん。」

 

「それにスネイプはハロウィーンのときの

トロールの話も知らないって言い張るだろうし、

4階に行ったか聞いてもスネイプが

行かなかったって言えば僕たちのことなんて

誰も信じないよ。スネイプが僕たち

グリフィンドール生達に嫌われてるのなんて

みんな知ってるしね。

きっとスネイプをクビにさせるための

作り話だって思うさ。」

 

「それに、私たちが石やフラッフィーを

知ってることも普通ありえないことだ。

それを説明することは私たちではできないな…」

 

そんな意見にハーマイオニーは

ある程度納得したが、ロンは少しだけ不満だった。

 

「もう少し探りを入れてみるのは?」

 

「さすがに無理じゃないかなぁ。もう、

私たち探りを入れすぎてるぐらいだと思うし。」

 

5人はそこまで話して勉強を再開した。

ロンもしぶしぶ話を打ち切った。

その翌日の朝食の時、ロン以外の4人に

それぞれ手紙が届いた。それは

マクゴナガルからの手紙で、処罰の内容だった。

 

『処罰は今夜11時より行います。

玄関ホールでミスター・フィルチが

待っています。』

 

全員の手紙にそう書かれていた。

 


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