ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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キャラの会話が自然にできてるのか
最近すごく不安です。ハリー・ポッター
ファンがみたらめちゃくちゃ叩かれそう…
過去最長になってしまいました。


ノーバート

5人はそれぞれ、暇があればフラッフィーの

様子やスネイプとクィレルの様子を探っていた。

 

【レーヴァ、クィレルの様子はどうだった?】

 

【とてもやつれていましたが、

見張っていたところ特に

スネイプに話した様子はありませんでした。】

 

【見た限りまだ大丈夫そうって事?】

 

【ええ、そうなります。

しかし、ラウラとアミリアさんが

こんなことに巻き込まれてるとは

思いもしませんでしたよ?】

 

【まぁ、ハリー達に

巻き込まれたようなものだがな。】

 

【確かにそうだね。何かそんな体質でも

あるのかな?ハリーって。

それにしてもクィレル先生って

以外と粘り強いんだね。】

 

アミリアとラウラは他の3人がいないときは

クィレルを見張ってもらっている

レーヴァに話を聞いていた。

 

【そういえばもう何日かここに

いますけど私はどうやって帰りましょうか。】

 

【列車に乗って一緒に帰るしかないよ。

それまでにせめて

目くらまし術が長続きするように

なんとかしてみるよ。

あんまりできなかったら箱とかの中に

入ってもらう事になっちゃいそうだけど…

ごめんね、レーヴァ。】

 

【とりあえずハリーたちが

帰ってくるからすまないが

そろそろパイプの中に戻っておいてくれ。】

 

【わかりました。

では明日の夜にまたこの辺りに

戻ってきますね。】

 

【じゃあ元気でね。気をつけて。】

 

レーヴァはパイプの中に戻っていった。

 

「アミリア、レーヴァをハリー達に

教えちゃだめかなぁ?」

 

「ハリー達ならいいかもしれないが、

他のグリフィンドール生に見つかると

少しまずいだろうな。

ハーマイオニーも私達が蛇と話せる事を

言いふらしたりしないでくれてるから

広まらないようにしてくれてるんだろう。

まあ蛇はスリザリン寮の象徴だから仕方ないさ。」

 

「うーん、そうなんだよねー…」

 

ラウラは残念そうにした。

 

 

フラッフィーの部屋の様子は変わらず、

スネイプも不機嫌そうになっていたので

まだ賢者の石は無事だという証拠だと、

5人は判断した。そして、5人の予想よりも

クィレルは粘りを見せ、

今では何週間も経っていた。

しかし、ハーマイオニーには

賢者の石の心配だけでなく、他の心配もあった。

 

「いい?アミリアは大丈夫として、

ハリーにラウラ、特にロンは

この復習予定表の通りに勉強すべきよ!」

 

「でもハーマイオニー、試験はまだずっと先でー」

 

「たった10週間でしょ?

ずっと先なんかじゃないわ。

試験の事を忘れてたなんて…

もう一月早く勉強すべきだったわ。」

 

「うーん…勉強かー…

ねえ、ハーマイオニー。明日からじゃー」

 

「何か言ったかしら?ラウラ。」

 

「いえ、何でもないです…」

 

「だから授業で寝るなと言ったのに…」

 

ハーマイオニーの鬼気迫る表情を見て、

筆記成績がそこまでよくない3人は

何も言えなくなっていた。

 

 

先生とハーマイオニーの主張は同じなのか、

復活祭(イースター)の休みの直前に

それぞれの授業から山のように宿題が出ていた。

その宿題を終わらせながら、試験に向けて

アミリアはラウラに、ハーマイオニーは

ハリーとロンに勉強を教えながら、

魔法の練習や暗記をしていた。

ラウラとハリーはとりあえず真面目に

勉強していたが、ロンは耐えきれなくなった。

 

「こんなのとっても覚えきれないよ!」

 

ロンはそう言って、羽ペンを投げ出し、

図書室の外を見ていた。

外は澄み切った青空で、もうすぐ

夏が来る気配がよくわかった。

ロンはそのまま立ち、棚の方に歩いて行った。

そして、ハリーは『薬草ときのこ百種』で

『ハナハッカ』を探し、ラウラは

アミリアに変身術のコツを

教えてもらっている所だった。

 

「ハグリッド!図書室でいったい何してるんだい?」

 

そのロンの声に、4人は思わず目を向けた。

ハグリッドは少し気まずそうに

モジモジとしながら、本を棚に返して

4人のところにやってきた。

 

「ハグリッド?いったいどうし…

なんの本を読んでいたんー」

 

「ああ、ちーっと見とるだけだ。」

 

アミリアの疑問に、ハグリッドは

声をかぶせて聞かれないようにした。

 

「お前さんたちは何しとるんだ?

まさかまだニコラス・フラメルを

探しとるんじゃなかろうな?」

 

「まさか。もうとっくにわかったさ。

あの犬が守ってるのだってわかったよ。」

 

「そうそう!賢者のいー」

 

「シーッ!そのことを

大声で言っちゃいかん。」

 

ハグリッドはそう言って、

ロンとラウラの言おうとしているのを止めた。

 

「じゃあハグリッド、

フラッフィー以外にあれを守ってるのはー」

 

「シーッ!ハリー、それも言っちゃいかんことだ。

いいか、後で小屋に来てくれや。

ただし教えることなんて約束できねぇ。

とにかくそのことをこんなとこで

広めんでくれ。そんなこと生徒が知ってたら

俺が喋ったと思われるだろうが…」

 

「じゃあ後で行くよ。」

 

5人にそれ以上図書室で質問されないように、

ハグリッドは小屋で話すと言い、

そのまま図書室から出て行った。

ハリーたちもそうすることにした。

だが、ハーマイオニーとアミリアは

ハグリッドの行動に少し違和感を持った。

 

「ハグリッド…後ろに何を隠したのかしら?」

 

「本のようだったがすぐにハグリッドは

返したからな…なんの本だったのだ?」

 

「石と関係ある本かなぁ?」

 

「僕、ハグリッドがいた

本棚の本を見てくるよ。」

 

そう言って、勉強から離れたかったロンが

そこから離れて、ハグリッドがいた棚に行き、

その棚から何冊か本を抜いて、

4人が使う机に乗せた。

 

「ドラゴンだよ!」

 

「え?ドラゴン?」

 

「うん、ハグリッドはドラゴンの本を

探してたんだ!ほら『イギリスとアイルランドの

(ドラゴン)の種類』、『ドラゴンの飼い方ー卵から

焦熱地獄まで』だって!」

 

ロンの言葉に4人は驚いた。

 

「ドラゴンの飼い方だと…馬鹿な…

ハグリッドはワーロック法を知らんのか…⁉︎」

 

「ドラゴンって飼っちゃダメだよね?」

 

「うん、家の裏庭ででも飼ってたら

どうしたってマグルが気づくからね。

それに凶暴だから手なづけるなんて無理だよ。

まったく、うちのチャーリーの

野生のドラゴンにやられた

火傷のあとをハグリッドに見せてやりたいよ。」

 

「でも、僕がハグリッドに初めて会った時、

ハグリッドはドラゴンを小さい時から

飼いたいと思ってたって言ってたよ。」

 

そこで、ロンの話に、

今まで魔法界にいなかった

ハリーはロンに疑問を聞いた。

 

「ところでロン、まさか

野生のドラゴンなんてイギリスにいないよね?」

 

「いるさ。ウェールズ・グリーン普通種とか

ヘブリディーズ諸島ブラック種とか。

そいつらの存在をもみ消すので

魔法省が苦労してるんだ。マグルが見たら、

その記憶を消さなきゃいけないからね。」

 

「ああ、それこそ闇祓いの私の

父上もその手伝いをしなければ

ならなくなる時もあるほどだ。」

 

ロンとアミリアが

ハリーにドラゴンの事を説明して、

ハリーはそれを聞いていた。

 

「ハグリッドったら何を考えてるのかしら。」

 

そうハーマイオニーは呟いていた。

 

 

それから1時間ほど経ってから

5人はハグリッドの小屋へ向かった。

ハグリッドの小屋は煙突から煙が上がり、

もともと少ない窓も閉めきって

カーテンも閉めていた。

 

(…ハグリッド…やはりドラゴンか。

しかし、隠すならせめてもう少し

なんとかすればいいものを…この時期に

暖炉なんて不自然にも程があるだろうに…)

 

アミリアが心の中で呆れて

いると、ハリーが小屋の扉をノックした。

 

「誰だ。」

 

「僕たちだよ。」

 

「ああ、お前さんたちか。入ってくれ。」

 

ハグリッドに招かれ、

5人は中に入っていく。小屋の中は

ただでさえ外が暑いのに

アミリアが気づいた通りに暖炉の炎が

ごうごうと上がっていた。

 

(うわっ、ここ暑い!

なんでこんな季節にハグリッドってば

暖炉なんてつけてるのよ!)

 

ドラゴンがいると思ってない

ラウラがハグリッドに心の中で文句を言っていると

ハグリッドが小屋の奥の方から

サンドイッチを持って歩いてきた。

 

「イタチの肉の

サンドイッチはいるか?うまいぞ。」

 

「「「「遠慮するよ(わ)」」」」

 

「…一口だけもらってみよう。」

 

ハグリッドはイタチの肉のサンドイッチを

5人に進めたが、アミリア以外の4人は

即座に断り、こわごわ食べたアミリアも

一口食べたあとは食べなかった。

 

「それで、お前さんたちは

何を聞きたいんだ?」

 

アミリアが1人、サンドイッチの事で

ぶつぶつ言っていたが、

ハグリッドが目的を聞いた。

 

「ううん…イタチの肉はさすがに…

これならまだ豚のほうが…」

 

「はいはい、アミリアストップ。」

 

「ええっと、フラッフィー以外に、

あの石を守ってるのは何か

ハグリッドに教えてもらえないかと思って。」

 

ハリーは尋ねたが、

ハグリッドはしかめ面をした。

 

「ハリー、もちろんそんな事はできん。

俺だって知らん。仮に知ってたとしても

教えられんがな。

そもそもお前さんたちはもう知り過ぎとる。」

 

ハグリッドは紅茶を出しながら

話を続ける。

 

「だいたい、石がここにあるのはそれなりの理由が

あるんだ。新聞にも載ったから知っとると思うが

グリンゴッツから盗まれそうになってな。

そもそも何でお前さんたちに

フラッフィーを知られてしもうたのか…」

 

「あれは確か偶然だったらしいが?」

 

「ハリー達が迷い込んだんだよね?」

 

ハグリッドはそれを聞いて

軽くため息を吐いていた。

 

「とにかく、俺は何も知らん。

だから何も教えられん。」

 

「ねぇ、ハグリッド。

私達に言いたくないだけでしょう?

ここで起きてる事でハグリッドが

知らない事なんて一つもなかったもの。

私達はただ、ハグリッド以外に、

誰がダンブルドアに信頼されて

守るのを任されてるか聞きたいのよ。」

 

ハーマイオニーの『ダンブルドアに信頼されて』

という言葉にハグリッドはニコリとして、

ご機嫌になった。

 

「まあ、それぐらいなら構わんだろ…

ダンブルドア先生はフラッフィーを俺から借りて…

何人かの先生が魔法の罠を…

確か薬草学のスプラウト先生に

フリットウィック先生、マクゴナガル先生に…

それからクィレル先生にダンブルドア先生自身も

ちょいと細工しとったし…」

 

5人はそこまで静かに

ハグリッドの話を聞いていた。

だが、次の言葉を聞いて、

アミリア以外の4人は驚いた。

 

「そうそう、後スネイプ先生だな。」

 

「ふむ、やはりな。」

 

「スネイプだって⁉︎」

 

「アミリアは何か分かってたのかい?」

 

アミリアの反応にロンは尋ねた。

 

「スネイプが守る側であるなら

闇の魔術に精通しているスネイプが

校長に頼まれないわけがないだろう。」

 

「そういえばスネイプ先生って

闇の魔術に対する防衛術を

希望してるって噂があったね。」

 

「ああ。それに、奪う側だったとしても、

校長に頼まれていないなら

そもそも石の存在を知らないだろうから

盗もうという計画も立てられんだろう?

だから、奪う側だったとしても守るように

頼まれていると考えるのが自然だと思う。

他の先生の罠もある程度知れるだろうしな。

まあそう言うならさっき

名前が上がった先生方も怪しくなってしまうが…」

 

「お前さん達はまだスネイプ先生を

疑っとるのか?ダンブルドア先生が

信頼しとるんだ。

スネイプ先生が石をとるわけなかろう?」

 

「フラッフィーのおとなしくさせる方法は

誰にも教えてないよね?」

 

「ああ、俺とダンブルドア先生しか知らん。」

 

それを聞いたハリーは、

ひとまず安心した。すると、

今度は小屋の中が暑すぎる事が気になり始めた。

 

「ハグリッド、窓を開けちゃダメ?

ゆだっちゃうよ…」

 

「悪いな。それはできん。」

 

そう言ってハグリッドは

暖炉の方に目をやった。

その視線の先にあるものを見てロンとアミリアは

驚いて、ハグリッドに話し始めた。

 

「ハグリッド…どこで手に入れたのさ?

高かっただろう?」

 

「やはりドラゴンだったか…」

 

5人が暖炉を見ると、

鍋の中に黒い卵があり、

それが火にかけられていた。

 

「アミリア、分かってたのかい?」

 

「あからさますぎたのでな。

ハグリッド、この時期に暖炉は

いくらなんでも不自然だろう?それに、

ロンの言う通りだが、

いったいどうやって手に入れたのだ?」

 

「あぁ、賭けに勝ったんだ。

小さなパブでな。酒を飲んでたら

知らない奴に賭けを持ちかけられて勝った。

向こうは厄介ばらいできたと喜んどったが。」

 

ハグリッドはそうして

ドラゴンの卵を手に入れた経緯を話した。

 

「でもハグリッド、

卵が孵ったらどうするつもりなの?」

 

「あ、確かにそうだね。」

 

「それでちょいと読んどるんだが…」

 

ハグリッドはそう言って、

枕の下から大きな本を取り出した。

 

「これだ。

『趣味と実益を兼ねたドラゴンの育て方』、

図書室から借りてきたんだ。

ちいと古いが、なんでも書いてある。」

 

そうして、その本の冒頭の

卵の孵し方、育て方を見せて説明し始める。

 

「それで『卵の見分け方』、

俺のはノルウェー・リッジバックって

種類らしい。これがまた珍しくてな。」

 

そうして、ハグリッドは

鼻歌を歌いながら、暖炉に火をくべていた。

 

「…ハグリッド、この家は木の家なのよ?」

 

「それに法律はどうする気だ…」

 

ハーマイオニーとアミリアがそう言ったが、

ハグリッドは全く聞かなかった。

 

 

結局5人はハグリッドに話を聞いたが、

心配事が増えることになってしまった。

さらに、いよいよ試験が近づき、

出され続ける宿題に、

ハリー、ロン、ラウラの3人は

ため息をついていた。

 

「あーあ、平穏な生活ってどんなものなのかなぁ…」

 

そのロンの呟きにハリーとラウラも

同意していた。

そんなハリーの元に、

ヘドウィグがハグリッドからの手紙が

届いた。簡潔に『いよいよ孵るぞ』という

1行だけが書かれていた。

 

「ちょっとロン、どこ行くの?」

 

「決まってるだろ?ハグリッドの所さ。」

 

「授業があるでしょう?

ダメに決まってるじゃない!

サボったら面倒なことになるわよ!」

 

「だいたい、今も苦労してるのに

これ以上授業を聞かないと少しまずいぞ?」

 

「でも、ドラゴンが孵るとこなんて、

一生に一度見れるかどうかー」

 

「みんな静かに!」

 

ハリーの声にみんなが会話をやめ、

数メートル先をみると、

ドラコが離れていくのが見えた。

 

「…聞かれたかな?」

 

「わからん。ドラゴンという単語は

聞かれたかもしれんな…」

 

「とにかく、僕は絶対にハグリッドのとこに

行くからね!授業なんて知るもんか。」

 

「だからダメだって言ってるでしょ!」

 

ドラコが去って、次の薬草学の授業に

向かう間、ハーマイオニーとロンは

ずっと言い争っていた。

 

「ハーマイオニー、おそらくロンは

もう話を聞かんと思うぞ?

それなら次の休憩時間にでも

急いで見にいくのはどうだ?」

 

「うーん…いや、でも…」

 

「いいじゃない。

私もドラゴンが生まれるとこ見てみたいし!」

 

「ラウラまで…わかったわよ。

じゃあ薬草学が終わったらすぐ向かいましょう。」

 

ハーマイオニーは3人の説得に折れ、

薬草学の授業の後、みんなでハグリッドの小屋へ

向かうことにした。

授業が終わりを知らせる鐘が聞こえてすぐに、

5人はすぐさま校庭を横切り、ハグリッドの小屋へ

向かった。中に入ると、ハグリッドは

興奮して、頬を赤く染めていた。

 

「もうすぐ出てくるぞ!」

 

そう言われて部屋に招かれた5人は

机の上の卵を見た。すでにヒビが所々に入り、

中から何かが出ようとしていた。

そして、甲高い鳴き声が聞こえ、

ドラゴンの赤ちゃんが中から出てきた。

それはしわくちゃのこうもり傘のようで、

可愛いとはとても言えない見た目だった。

 

「素晴らしく美しいだろう?」

 

4人は苦い顔、1人は満面の笑みで

ハグリッドのその言葉を聞いていた。

 

「うん!すっごく可愛いし、

かっこいいよ!この大きな翼とか!」

 

「ラウラ、君正気かい?」

 

「え?どうして?ロン。」

 

そんな話をしているとき、

ハグリッドはドラゴンの頭を撫でようとした。

ドラゴンはハグリッドに近寄り、

ハグリッドの指にかみついた。

 

「こりゃすごい!ちゃんとママがわかっとるな。」

 

「ハグリッド、ノルウェー・リッジバック種

ってどれぐらいの早さで大きくなるの?」

 

「そうだな…たしかー」

 

ハグリッドがハーマイオニーの質問に

答えようとした時、ハグリッドの顔からは

血の気が引き、急いで窓に駆け寄った。

 

「どうしたの?ハグリッド。」

 

「あぁ…カーテンの隙間から

生徒が見ておった…学校に向かっていく…」

 

ハリーもハグリッドに横によってもらい、

その走っていく生徒を見た。

 

「まずい…見てたのはマルフォイだよ…」

 

ハリーの言葉に、その場にいる

全員が嫌な予感を感じた。

 

 

それから1週間ほど経ち、

ハグリッドのドラゴンは3倍の大きさに

なっていた。ハグリッドは世話に

忙しいらしく、外にいる家畜の世話も

ろくにしていないようだった。

 

「ハグリッド、外に出すべきだよ。

自由にしてあげれば?」

 

「そんなことできるわけなかろう…

まだこんなにちっちゃいんだ。死んじまう。」

 

「確かに死んじゃうかもしれないけど…

でも、自由にできないのも

この子にとっては苦しいんじゃないかな?」

 

ハリーとラウラの言葉に、ハグリッドは

悲しそうな顔をする。

 

「ノーバートと呼ぶことにしたんだ。

もう俺がはっきりわかっとるらしい。

ノーバートや、ママはどこ?」

 

「ハリー。ハグリッドちょっと狂ってるぜ。」

 

「ハグリッド、2週間もしたらノーバートは

この家ぐらいの大きさになっちゃうよ。

いつマルフォイがダンブルドアに言いつけるか…」

 

「それに、そうなるとハグリッドが住むところが

なくなってしまうだろう?」

 

「俺のことはええんだ。飼えなくなることも

わかっとる。だけどほっぽり出すなんて

ことできねぇよ。」

 

ハグリッドはさらに悲しそうに

そう言った。

 

「うーん…誰かノーバートを

引き取ってくれないかなぁ…

ちゃんと世話もしてくれるような人。」

 

「チャーリー!」

 

ラウラの呟きを聞いて、

ハリーはロンに叫んだ。

 

「ハリー、君も狂っちゃったのかい?

僕はロンだよ。チャーリーは僕の兄貴だよ。

わかるかい?」

 

「そのチャーリーだよ!ルーマニアで

ドラゴンの研究をしてるって言ってた!

チャーリーにノーバートを預ければ

世話もしてくれるし、自然に帰してくれるよ!」

 

「そうか!それは名案だ!

ハグリッド、どうだい?」

 

ハグリッドはしばらく悩んでいたが、

とうとう折れて、チャーリーに手紙を

出すことに決めた。

 

 

次の週の水曜日の夜、

時刻は0時を過ぎている。

ハリーとハーマイオニー、アミリアは

誰もいない談話室に残っていた。

その時、壁の肖像画が開き、

しばらくしてロンとラウラが突然現れた。

2人はハリーの透明マントを使い、

ノーバートに餌をやるのを手伝いに行っていた。

 

「ノーバートに噛まれちゃったよ…

これじゃ羽ペンを1週間は持てないよ。」

 

「ロン、大丈夫?」

 

そう言ったロンの手は血だらけで

ハンカチを巻いていた。

 

「ロン、少し手を出してくれ。

エピスキー ー癒えよー」

 

アミリアが魔法をかけると、

ロンの傷は軽い切り傷程度になった。

 

「ありがとう、アミリア。」

 

「いや、別に大丈夫だ。応急処置だから

あまり動かすなよ?

それに毒にはあまり効果はないから

できれば医務室に行った方がいいが…

それで、いったいどうした?」

 

「なんでかまれたのかわからないよ。

ハグリッドに話したら

僕が怖がらせたからだって言うし。

まったく、あんな恐ろしい

生き物見たことないよ。」

 

「そうかなぁ。可愛いと思うけど。」

 

「前も言ったけどラウラ、君正気かい?」

 

ラウラの言葉にロンは

おかしなものを見る目で話した。

 

「ロン、あまり気にしないでくれ。

アミリアは動物、特に爬虫類的な

動物は特に好きなんだ。まあドラゴンを

爬虫類呼ばわりはおかしいと思うがー」

 

そんな話をしていると、

談話室の窓を叩く音がした。

そこを見ると、真っ白なフクロウがいた。

 

「ヘドウィグだ!

チャーリーからの返事を持ってきたんだ!」

 

ハリーはヘドウィグから

手紙を受け取って、みんなでそれを見た。

そこには、ドラゴンを引き受けるが、

見られないようにするために

土曜日の真夜中に学校で一番高い塔で

待ち合わせをするように書いていた。

 

「どうやってノーバートを連れて行く?

あの大きさじゃどうしたってみつかるよ…」

 

「…僕の透明マントを使おう。

ノーバートと僕にもう1人ぐらい

ならなんとか入るはずだ。」

 

「なら私が行くわ。

ロンは怪我してるし、ラウラは目の前で

ノーバートが離れて行くのを見たら

追いかけて行きそうだもの…

アミリアはラウラを抑えておいてくれる?」

 

「…否定できないかも。」

 

「ああ、分かった。

ラウラは私に任せてくれ。」

 

そうして話がまとまり、

ノーバートはハリーとハーマイオニーが

連れて行くことになった。

 

 

ロンの手は結局翌日にはノーバートの毒でかなり

腫れてしまい、医務室に行くことになった。

そんなロンに、みんなは見舞いをしに行った。

 

「大丈夫か?ロン。」

 

「あぁ、アミリアにみんなも。

…傷は大丈夫だけど、少しまずいかも…」

 

「どうしたの?」

 

「マルフォイのやつがドラゴンのことを

言いに行くって僕に言いに来たんだ…

ノーバートがばれたら僕たちもハグリッドも

大変なことになるよ…

さらにまずいことに僕、チャーリーからの

手紙をあの本に挟みっぱなしで

マルフォイにその手紙を

見られたかもしれないんだ…」

 

そのロンの言葉に、

4人の顔がこわばった。

 

「それは確かにまずいかもしれない…

しかしドラゴンをハグリッドが飼っていると

言われて信じるかどうかだが…」

 

「信じないことを祈るしかないね…

とにかくロン、土曜日の夜に成功しさえ

すればなんとかなるよ。」

 

「うん…そうだねハリー。

僕は手伝えないけど2人とも頑張って。」

 

そこまで話すと、マダム・ポンフリーが

ロンの治療のため出て行って欲しいと言った。

5人とも、もう少し話したいと言ったが、

有無を言わせずに追い出された。




小説情報にも書きましたが、
投稿は夜にする事にしました。
予約投稿なので自分は大丈夫ですが
正直読む方はつらいと思いまして…

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