ハリー・ポッターと紅白の2人   作:ヴァニフィア

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ついにUAが1000の大台を超えました!
たくさんの人に読んでもらえて、
本当に嬉しいです!
そういえば最近忙しかったのですが、
久しぶりに友達と遊びに行けました。
やっぱり楽しいですね。友達といると。
今回は少し短めです。


みぞの鏡

クリスマスの翌日、

4人は朝食のために食堂に来ていた。

そこで、ハリーはあることを話し始めた。

 

「不思議な鏡?」

 

「ハリーのお父さんとお母さんが

鏡に映ったってホントに?」

 

「うん、そうなんだ。

昨日透明マントを使って閲覧禁止の棚を

見に行ったんだけど、本が叫び声をあげて

管理人のフィルチに見つかりそうになって、

必死にそこから逃げたんだ。

それで、逃げ込んだ部屋にその鏡があったんだ。」

 

「そんな事してるなら

僕も起こしてくれりゃよかったのに。」

 

ハリーの話にロンは不機嫌そうにするが、

アミリアとラウラはハリーが見た鏡について

不思議そうに聞いていた。

 

「今晩一緒に来ればいいよ。

また行くから、みんなにも見せたいんだ。」

 

「だがハリー。君の両親は…いや、すまない。」

 

「うん、大丈夫だよ…でもあれはきっと

僕のパパとママだよ。」

 

「へぇ…君のパパとママに会ってみたいよ。」

 

ロンはそう呟く。

 

「僕はみんなの家族に会ってみたいな。

いつか会わせてくれるよね?」

 

「もちろんだ。招待する理由はあっても、

それを拒む理由はないさ。」

 

「そうさ、いつだって僕の家族にも

会えるさ。今度の夏休みにでも来ればいいよ。

それにしても閲覧禁止の棚を探しても

ニコラス・フラメルを見つけられなかったのは

残念だったなぁ。

…おい、ハリー。何も食べてないじゃないか。

どうしたんだ?」

 

ロンがそう言ったのを聞いて、

アミリアとラウラもハリーを見るが、

ハリーは目の前の皿に乗っている

ウインナーをひとかじりもしていなかった。

どことなく、ハリーの目が虚ろなように見える。

 

「大丈夫かいハリー、君少しおかしいぜ?」

 

ロンのその言葉にアミリアとラウラも

首を縦に振った。

 

 

「ロン、もう少し横に寄ってくれよ…」

 

「無茶言うなよハリー…

これ以上寄るとラウラを押し出しちゃうよ。」

 

「痛っ!ロン、足踏まないでよ!」

 

夜遅くになり、4人は透明マントを被り、廊下を

ゆっくりと歩いていた。

しかしハリーは鏡の場所を探しているが、

しばらく見つける事ができなかった。

 

「凍えちゃうよ…もう今日は

諦めて帰ろう、ハリー。」

 

「いやだ!この辺りのはずなんだから!」

 

「落ち着け、ハリー。

声をあげるとせっかく隠れてるのに

見つかってしまうぞ。」

 

そういってアミリアはハリーをなだめるが、

ハリーはあまりそれを聞かずに歩いていく。

そして、4人が歩いていると、

少し前の方に鎧が立っていた。

 

「あれだ…あの鎧から

すぐの部屋にあの鏡があるんだ!」

 

ハリーはそういって、すぐ近くの部屋に

3人を連れて中に入る。

そこには2メートルを少し超えるぐらいの

大きな鏡があった。

 

「ほら、あれだよ!」

 

そういってハリーは3人とマントをおいて

鏡の前まで走った。

 

「ほら、僕のママとパパだよ!」

 

「ハリー、何も見えないぜ?」

 

「うん、私たちだけしか映ってないよ?」

 

「………」

 

ハリーはそう言ったが、ロンとラウラは

全く見えないと言い、アミリアは

慎重に鏡を見つめていた。

 

「まずロンから。ほら!よく見て…

僕のパパとママが見えるだろ?」

 

「…僕が見える…ほら、僕を見て!」

 

「ロン?どうしたのだ?」

 

「僕の家族が君を

囲んでるのが見えたかい?」

 

「いや、違う…なんだか成長して…

もっと年上に見える…僕主席だ!

それにクィディッチの優勝カップを持ってる!」

 

「なんだって⁉︎ホントに…?

アミリアとラウラも見てみてよ!」

 

ハリーにそう言われて、

アミリアとラウラも鏡の前にたって、

鏡を見つめた。

そして、少し経ってから2人は呟く。

 

「これって…この学校のみんな…?

寮とか先生とか関係なく、

みんなで笑いあってる…!」

 

「これは…パーティーか?

たくさんの美味しそうな料理を

私の友達みんなで囲んでるいるのが見えるぞ?」

 

「ハリー、これって未来を見せる鏡なのかな…?」

 

ロンのその疑問に、ハリーは

少し悲しそうな顔をした。

 

「そんなはずないよ…僕の家族は

みんなもう死んじゃったんだ…

もう一度僕に見せてよ…」

 

「君は昨日散々見ただろ?

もうちょっと僕にみせてよ。」

 

「…!二人とも、透明マントを被れ!」

 

言い争いを始めるハリーとロンに、

アミリアは叫び、ラウラに杖を向けた。

 

「ラウラ、少しの間我慢してくれ!」

 

「えっ?なんで⁉︎」

 

混乱しているラウラにアミリアは

目くらまし術をかけ、その後自分にもかけた。

ハリーとロンも透明マントを被り、

静かに扉のほうを見ると、

ちょうどその時、扉からフィルチの猫、

ミセス・ノリスが入ってきた。

ミセス・ノリスは少しの間うろうろして、

そのまま部屋から出て行った。

 

「ふぅ、なんとかなったか。」

 

アミリアはラウラと自分の

目くらまし術を解除した。

 

「もしかしたらフィルチに

伝えに行ったのかもしれない。

僕たちの声が聞こえたかも…

ハリー、アミリア、ラウラ。早く寮に戻ろう。」

 

そのロンの言葉に、アミリアとラウラは

頷き、鏡から離れようとしなかった

ハリーを連れて、寮に戻った。

 

 

鏡の部屋から帰ってきた後、

アミリアとラウラは鏡について話し合っていた。

 

「アミリア、あの鏡って一体何だったのかな?」

 

「うむ…4人とも見えたものが違うのだったな。

何か特定のものを映す鏡だろうか…」

 

「何を映すんだろうね…

それにしてもあの鏡の中の光景が

ホントのことならいいのになぁ〜。」

 

そのラウラの呟きを聞いて、

アミリアはふと思いついた。

 

「あの光景がホントのことなら…?

もしかすると…」

 

「ん?どうしたの?」

 

「いや、あの鏡だよ。

確かハリーは両親、ロンは主席、

ラウラはみんなの笑顔に、私は

食べ物がいっぱいのみんなでのパーティーだ。」

 

「うん、確かにそうだったね。

ロンは他にも色々あったけど。」

 

「もしかすると、あれは私たちの望みではないか?

ハリーは両親を早くに亡くして会いたいだろうし、

ロンは兄達に劣等感を持っていた。

ラウラはみんなで仲良くしたいだろうし、

私は美味しい食べ物に友人達がいれば、

それ以上ないぐらいにとても嬉しい。」

 

「確かに…じゃああれは願い事を映す鏡

ってことなのかな?」

 

「そうじゃ。夜遅くに女子の部屋に入るのは

悪いと思うが、失礼するよ?」

 

「ダ、ダンブルドア校長⁉︎」

 

「えっ⁉︎どうしてこんなところに⁉︎」

 

アミリアとラウラが結論までたどり着いた

ところで、突然ダンブルドアが横に現れた。

 

「うむ、すまんの。

君たちがハリー達と共にあの鏡を

見ておったのでな。そのことじゃ。」

 

「…見ていたので…?」

 

「目くらまし術はわしも使えるのでな。

しかし、不完全とはいえ、

あれは見事な目くらまし術じゃった。」

 

「は、はい。ありがとうございます…」

 

「えっと…それで校長先生は

鏡のことを私たちに話に来たんですか?」

 

ラウラはダンブルドアに質問をした。

それにダンブルドアは穏やかな声で返す。

 

「そうじゃ。あの鏡は『みぞの鏡』と言っての。

鏡が見せてくれるのは

君たちの考えた通り望み、それも

心の奥底にある最も強い望みじゃ。」

 

「そうなんですか…」

 

「うむ。しかしあの鏡は危険じゃ。

けっして知識や真実を示すものではない。

あの鏡に魅入られた者はその鏡が

映すのは夢か、はたまた現か、

それさえ判断できずに発狂したりしたんじゃよ。」

 

「そんなに危険なものなんですか…

ハリーは大丈夫なんですか?」

 

「そういえば確かにハリーは

少し虚ろな目をしていたな…

ダンブルドア校長、ハリーには…」

 

「ハリーにはわしから直接

伝えるつもりじゃ。不安に思うことはないよ。

まだ準備ができておらんから明日は無理じゃが、

明後日には場所を移すつもりじゃ。

君たちは大丈夫じゃと思うが、

鏡を探してはいけないよ。」

 

アミリアとラウラはダンブルドアのその言葉に

頷き、肯定すると、ダンブルドアは

笑顔でその場から消えた。

その次の日こそ、ハリーはあの鏡が

気になっていたようで、他のことは全く

気にもかけず、ロンのチェスの誘いや

ハグリッドの家へあそびに行くことも

断り続けていたが、

その翌日にはいつものハリーに戻り、

アミリアとラウラとロンは、

胸をなで下ろしていた。




アミリアとラウラの望みは、
まあそうだよね、というかんじだったかと。
ダンブルドアはどこでも突然
現れるかんじがするのですが、
女子部屋に入れたのは
まずかったかも知れないですね…

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