遊戯王ZEXAL ~単なる日常から強制転移~   作:妖牙=飴んぼ

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第七話 光道をかける少女

エリア「・・・それでここはこうで、」

 

 

ヒータ「ふんふん。」

 

 

エリア「んで、これをこんな感じで、」

 

 

ヒータ「あー!なるほどね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今の寝室はヒータとエリアのデッキ改築場になっている。堕紅も中に混ざって居たかったが、エリアが「霊使い同士でやっていたい」と言って、堕紅とガガギゴはリビングで待たされていた。

 

 

堕紅「・・・」

 

 

ガガギゴ「どうされた。」

 

 

堕紅「いや、あいつらずっとやってるなって。」

 

 

ガガギゴ「エリアはヒータの事を思ってデッキ作りに励んでいる事だし、そっとしといた方が良い。」

 

 

堕紅「そういうもんか・・・。」

 

 

そうは言われてもなんか寂しい。エリアとヒータの対決が済んで約束のデッキ作りに取りかかっているのだが、そもそもヒータのデュエルに関する知識が偏っていたため、今はずっとエリアの講義を受けながらデッキを整えているが、リビングのソファーに腰掛けて自分のデッキをいじっていたが、

 

 

 

 

 

 

現在時刻、AM五時半・・・

 

 

 

 

 

 

もう朝だぞ!後、数時間したら学校いかにゃならんというのに、エリアのマシンガントークがいつまでも聞こえてくる。

 

 

堕紅「あれ、いつ終わると思う?」

 

 

ガガギゴ「・・恐らく終わらない可能性がある。」

 

 

堕紅「はあ、仕方ない・・・あ、そうだ。」

 

 

ガガギゴ「ん?どうした。」

 

 

堕紅「一つやってみたい事があるんだが、試してみても良いか?」

 

 

ガガギゴ「?」

 

 

 

 

 

堕紅は少し前から思っていた。数々のモンスターがカードの中から自分の意思で出ることができるのは分かるが、GXやZEXALでも少しあったデュエリストがモンスターを実体化させる方法、あれができるのかだけ聞いておきたかった。

 

 

ガガギゴ「それは分からない。俺はモンスター側だからデュエリストが実体化をさせる事ができるなんて知ってはいない。」

 

 

堕紅「まあ、そうか。思えば最初に会った時、「さっき気づいた」とか言ってたけど、それって普通に気がつくものなのか?」

 

 

ガガギゴ「俺が実体化できることに気がついたのは、カードの中で堕紅とヒータのやりとりを見ていたとき、なぜだか分からないがカードの中に歪みができたのだ。」

 

 

堕紅「歪み?」

 

 

ガガギゴ「まさかと思ってその歪みを潜ってきたら、こちらに出れたという事になる。今も歪みは開いたままだ。」

 

 

堕紅「ん~?そしたらガルドニクスはどうなる?あいつはデュエル中に自分が実体化できるなんて思う出来事あったか?そもそもあの場で実体化する理由もないし。」

 

 

ガガギゴ「確かにそうだな。とりあえずそれは考えておくとして、さっきのやってみたい事とやら、本当にするのか?」

 

 

堕紅「(小声)ドッキリみたいでおもしろそうじゃん。俺はその間にでも散歩に行ってくるよ。」

 

 

ガガギゴ「ならば俺も行く。なんだか巻き込まれそうで恐ろしいからな。」

 

 

そうして堕紅はサンダルを履いてデュエルディスクをつけ、ガガギゴと共に外への扉を開ける。そして扉を閉める前に部屋の中へ二枚のカードを向けてささやいた。

 

 

 

 

 

堕紅「(小声)・・・と・・・を召喚・・・・・よし、行こう。」

 

 

 

 

 

堕紅が扉を閉めてガガギゴと散歩に出たときから、玄関には無数の何かが飛び回っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこでも朝と夜は快適そのものだ。ほとんど人がいない道や公園でゆっくりしていられるほど、のんびりした時間は他にない。堕紅達が歩いている間にも、川岸などで朝からデュエルしている人を見かけた。

 

 

堕紅「ここの住人は朝からデュエルやっても疲れないのか、すげえな。」

 

 

そうぼやいていると、正面から見たことのあるジャージを着て、金髪のポニーテールを弾ませながら走ってくる女子が目に入った。

 

 

堕紅「あれ?もしかして学校の生徒ですかね?」

 

 

?「ん?そうよ?あなた、朝からこんな所にいるなんて、あなたもランニングデュエルの練習かしら?」

 

 

彼女が堕紅を学校の生徒だと分かったのは、たまたま散歩に行く前に着てきたのが学校用のジャージで、彼女と同じものだったからである。

 

 

堕紅「え?なんですかそれ?」

 

 

?「違うんだw(焦)、今度部活の方で恒例のランニングしながらデュエルをするっていうのがあるのよ。私はそのために走り込んでるの。」

 

 

堕紅「ああ、そうなんですかw(うええ、走りながらデュエルとか、それならバイクに乗ってすれば良いものを。)」

 

 

?「あ、そうだ。ねえ、時間あるなら私とデュエルしてくれない?」

 

 

堕紅「え!?ランニング含める!?」

 

 

?「いやいや、しないしない。普通のデュエルお願いできる?」

 

 

普通のデュエルなら問題ない。ガガギゴは近くで二人のデュエルを見守りながら休み始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水季「それじゃ始めるわよ!私は三年の霧島水季よ!」

 

 

堕紅「お、俺は一年の火村堕紅!いざ!」

 

 

堕紅&水季「デュエル!」

 

 

 

 

 

堕紅(・・・二つ上の先輩だったw)

 

 

水季「私のターン!手札から「ソーラーエクスチェンジ」を「ライトロード・シーフ ライニャン」をコストとして墓地へ送り発動!デッキからカードを二枚ドローして、その後にデッキの上から二枚のカードを墓地へ送るよ。」

 

 

そうして墓地に落ちたのは「ライトロード・モンク エイリン」と「ライトロード・ビースト ウォルフ」であった。

 

 

水季「よし!「ライトロード・ビースト ウォルフ」の効果で、このカードがデッキから墓地に落ちたとき、このカードを特殊召喚する!」

 

 

 

「ライトロード・ビースト ウォルフ」星4 光属性・獣戦士族

ATK2100 DEF300 攻撃表示

 

 

 

堕紅「うおっ、ライトロードか、厄介だな。」

 

 

ライトロードは自分のデッキを効果によって削る代償が多くあるが、送られたときに効果を発動するものがいたり、墓地を肥やして大型のモンスターを出したりするなど、メリットもデメリットもあるデッキと堕紅は考えている。

 

 

水季「そして私は、ウォルフをリリースして「ライトロード・ドラゴン グラゴニス」をアドバンス召喚!」

 

 

 

「ライトロード・ドラゴン グラゴニス」星6 光属性・ドラゴン族

ATK2000 DEF1600 攻撃表示

 

 

 

水季「グラゴニスの攻撃力は墓地にいるライトロードモンスターの種類一つにつき300ポイントアップする!」

 

 

 

「ライトロード・ドラゴン グラゴニス」

ATK2000 → ATK2900

 

 

 

水季「そしてカードを一枚伏せ、エンドフェイズに移行。そしてグラゴニスの効果により私のデッキから三枚カードを送るよ!」

 

 

そうして墓地に送られたのは「ライト・バニッシュ」「ライトロード・プリースト ジェニス」「ライトロード・アーチャー フェリス」の三枚。

 

 

水季「「ライトロード・アーチャー フェリス」の効果を発動するよ!このカードがモンスターの効果で墓地に送られたとき、墓地から特殊召喚される。そして、「ライトロード・プリースト ジェニス」が墓地に送られた事で、グラゴニスの攻撃力はまた上がる!」

 

 

 

「ライトロード・アーチャー フェリス」星4 光属性・獣戦士族

ATK1100 DEF2000 守備表示

 

 

 

「ライトロード・ドラゴン グラゴニス」

ATK2900 → ATK3200

 

 

 

水季「ふう・・長くなっちゃったね。私はこれでターンエンド。」

 

 

これくらいなら慣れっこだが、この世界に来てからこれぐらいの強さのデッキは初めてだろう。

 

 

堕紅(相手の場には攻撃力3200のグラゴニスと守備力2000のフェリスがいるし、普通に回した方が良いな、これは。)

 

 

堕紅「俺のターン、ドロー!俺は「陽炎柱」を発動し、陽炎獣のリリースを一つ少なくする事が可能となります。ということで、手札より「陽炎獣 ペリュトン」を召喚!」

 

 

 

「陽炎獣 ペリュトン」星6 炎属性・炎族

ATK1600 DEF1700 攻撃表示

 

 

 

堕紅「ペリュトンの効果発動!手札の「フレムベル・ヘルドッグ」とペリュトン自身をりりーすして、デッキから陽炎獣を二体特殊召喚する!来いっ、サーベラス!スピンクス!」

 

 

 

「陽炎獣 サーベラス」星6 炎属性・獣族

ATK2000 DEF200 攻撃表示

 

 

 

「陽炎獣 スピンクス」星6 炎属性・獣戦士族

ATK1900 DEF1900 攻撃表示

 

 

 

堕紅「スピンクスの効果発動!デッキの一番上のカードの種類を宣言する!」

 

 

水季「モンスター、魔法、トラップのどれかってこと?」

 

 

堕紅「そうです。そしてそのカードをめくって墓地に送り、当たっていれば手札また墓地から炎属性モンスターを特殊召喚できる。」

 

 

水季「へえ、運に身を任せるのね。そういうの、嫌いじゃないよ。」

 

 

堕紅「俺はモンスターを宣言。ではいきますよ!デッキトップ、オープン!!」

 

 

堕紅のめくったカードは「超電磁タートル」。モンスターカードだ。

 

 

堕紅「よし!俺は「超電磁タートル」を墓地に送り、墓地から「フレムベル・ヘルドッグ」を特殊召喚!」

 

 

 

「フレムベル・ヘルドッグ」星4 炎属性・獣族

ATK1900 DEF200 攻撃表示

 

 

 

堕紅「そして、俺は場のサーベラスとスピンクスをオーバーレイ!紅蓮の炎まといし鳳凰よ!今一度その姿現し、この地の全てを焼き払え!エクシーズ召喚!舞え!「陽炎獣 バジリコック」!」

 

 

 

「陽炎獣 バジリコック」黒星6 炎属性・炎族

ATK2500 DEF1800 攻撃表示

 

 

 

水季「これがあなたのエクシーズね、なんか朝なのに暑苦しいデュエル。」

 

 

堕紅「それでも楽しければ良いのです!バジリコックの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、霧島先輩のグラゴニスを除外します!業火の火種!」

 

 

バジリコックの放った火球がグラゴニスに当たった後、散った火がグラゴニスを包み込んで炎となり、フィールドから姿を消した。

 

 

堕紅「バトル!俺はバジリコックでフェリスに攻撃!陽炎風(ヘイズウインド)!」

 

 

バジリコックが羽ばたくと共に熱風がフェリスの全身を焼き尽くし、破壊。

 

 

堕紅「そして、霧島先輩にフレムベル・ヘルドッグでダイレクトアタック!爆炎牙!」

 

 

 

水季 LP4000 → LP2100

 

 

 

水季「っくうう!きっついわね!」

 

 

堕紅「俺はカードを一枚伏せ、ターンエ[水季]「今!速攻魔法発動!、サイクロン!」

 

 

堕紅「!?」

 

 

伏せたばかりの火霊術―「紅」がサイクロンによって破壊される。厄介な相手だから遊馬の時のように紅エンドしようと思ったが、まさかサイクロンをタイミングを見計らって撃ってくるとは、堕紅には予想できなかった。

 

 

堕紅「うええ、凄いですね・・。てっきり何らかのトラップだと思ってましたよ。」

 

 

水季「えへへ、そりゃ「生徒会長」が簡単にやられてたら生徒達からなめられちゃうでしょ。」

 

 

堕紅「まあ、そうですよねw・・・・・え?待ってください、え、生徒会長なんですか?」

 

 

水季「あれ?知らなかったの?」

 

 

堕紅「いや、俺もまだこっちに越してきたばかりなんで。」

 

 

水季「あ、そうだったんだ。」

 

 

堕紅「ええw・・・(っやっべえ!生徒会長って事は、それなりの実力はあるって事だろ!?つまり今俺は、ガチのライトロードデッキ使いとデュエルしている事になるんだよな!?)

 

 

ガチデュエリストと戦う事は元の世界ではよくあった。でもZEXALの世界に来てから周りのデュエルをみていても、さほど凄いと思えるデュエルはしていなかった。だからこの学校なら学年トップの成績もらえるんじゃねと甘い考えをちょっと持っていた(デュエルに関する知識だけ)

 

でも、この生徒会長がいる時点で、その考えはもうどこかへ飛んで行ってしまった。

 

 

水季「じゃあこれからも学校で会う事があるかもね、堕紅。そしてこれから学校のトップの力、みせてあげるわ!ドロー!」

 


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