遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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今回から時々挟むであろう、ユーリ君側のデュエルはちょっと特殊なルールとなります。詳しくは文章内で説明しますが、疑問点や矛盾点があれば出来る限りお答えします。
私もふわっとしか考えて無いんですがね。


第91話 ポイント制

時は少しだけ遡る。スタンダード次元からアカデミアへと戻ったユーリはデュエル場にて、黒コナミに惨敗した鬱憤を晴らすようにオベリスク・フォース達をなぎ倒していた。その様は正に破壊神か修羅の如し、しかし、多くの勝利とは裏腹に彼の顔色は一向に優れない。追い詰められたように、張りつめた表情で「次」と呟く。

こんなものじゃ足りない、これだけやっても、あの黒帽子のデュエリストを完膚無きまでに叩きのめす事は出来無いと。今以上に圧倒的な力を求めるが――。

 

「も、申し訳ありません……っ!こ、これ以上は……!」

 

目の前に倒れ伏し、ボロボロにひび割れた仮面を着けたオベリスク・フォースが助けを乞うように言葉を返す。そう言われて初めて、ユーリは辺りを見渡す。倒れ伏し、呻き声を上げる数十人のオベリスク・フォース達――その様は正しく阿鼻叫喚の地獄絵図。

最早戦意も喪失したのだろう、彼等は怯えた様子でユーリを見ている。こんな状態の彼等と闘っても、得られるものは何も無い。

 

ユーリはフンと鼻を鳴らし、訓練場から去っていく。力も何も得られぬ、ただ無意味なものだったと苛立ちながら。そうして、長い廊下を渡り、行く宛も無く歩いている時だった。彼がユーリに声をかけて来たのは。

 

「クフフフフフッ、何やらお悩みの様子ですねぇ、ユーリ君」

 

「……何、アンタ?」

 

耳元を飛ぶ羽虫のように、耳障りで不快な声音に眉をひそめ、ユーリが振り返る。そこにいたのは1人の男性の姿。アカデミアの者であろう服装に身を包み、後退した白髪、目の下の深い隈とマッドサイエンティストを絵に書いたような男だ。

何やら見覚えがあるような気がするが――思い出せないと言う事は、所詮その程度の有象無象だったのだろうとユーリは鼻を鳴らす。どちらにせよ、余り良い印象を抱けないような男だ。相手にするのも面倒なので適当に話を合わせようと溜め息を吐く。

 

「ああ、失礼、私はドクトルと呼ばれています。何やらアカデミアでも最強格と呼ばれる貴方の表情が優れないようなのでねぇ、ええ、何かお悩みですか?」

 

「アンタには関係無いだろう?怪しい薬や開運グッズならお断りだよ」

 

長々と話始めるドクトルを見て、ユーリは結構だと言わんばかりに踵を返そうとしたその時だった――ドクトルがニヤリと口角を持ち上げ、不意に言葉を放ったのは。

 

「力が、欲しいんでしょう?」

 

ピタリ、ユーリの足が縫い付けられたように、その場に止まる。

 

「……何?アンタが相手してくれるって事?中二病みたいな台詞を言っちゃった所悪いけど、僕は今虫の居所が悪いんだ。手加減出来無いよ」

 

ギラリ、ユーリが少しだけ、紅く濡れた視線をドクトルに移し、怒気を露にする。適当な事を言っているならもう話しかける気力も起きないように痛めつけてやろうと考えているのだろう。

しかしドクトルは誰もが退くであろうその視線を受けて尚、その薄ら笑いをおさめず、話しかける。

 

「おお怖い……私等では貴方の相手になりませんよ。私が言いたいのはですね、強くなりたいなら、打ってつけの場所がありますよ、と言う事です」

 

「――ふぅん?」

 

「おや、食いつきましたか?クフフフフフッ」

 

「話を続けてくれる?」

 

ドクトルの言葉にユーリが反応し、興味を示した彼に不気味な笑みを溢すドクトル。回りくどい、ユーリは舌打ちを鳴らしてさっさとしろと言外に急かす。

 

「このアカデミアには、上層部しか知らない、落ちぶれ、力のみを求めるデュエリスト達の集まる所があるのです。ルールはあるがモラルは無い、デュエルはあるが、誇りは無い、まぁ、大袈裟になりますが、どんな手を使ってでも勝つ、ここのデュエリストとは比べ物にならない強者が集う場所がね」

 

「……で?だとしたらどうしてそんな奴等が戦線に出ないの?」

 

「彼等の多くは壊れているのですよ。確かに実力はありますが――命令には背きますし、敵味方お構い無し、そもそも人外もいますし……話を続けましょうか。ユーリ君、君は力を求めているのでしょう?でしたらその場所へと案内しますが――そこは正にこの世の地獄、再びここへ戻って来られる保証も無い、高い確率で貴方も壊れる可能性がある。それでも――行きますか?」

 

そこは恐らく、ドクトルが言う通りの場所なのだろう、力を求め、食らい合う強者達の魔窟。最悪の地獄。

だが――ユーリはそれでも、それを望む。圧倒的な力を。光を閉ざす闇を。希望を砕く絶望を。だからこそ、スタンダード次元から帰還して初めて、口角を吊り上げて笑みを浮かべ、その悪魔の囁きに応じる。

それに――と、ユーリはドクトルに言い放つ。地獄なら、既に見た。と。

 

「クフフフフフッ!よろしい!では案内しましょう、覇王、総司令、バレット殿、響紅葉と貴方、アカデミアの四天王と呼ばれる者達をも越えると言われる、帝王が統べる地下の世界へ――」

 

「……5人いるじゃん、四天王」

 

「細かい事は良いのですよ」

 

クフフフフフ、と独特の笑い声を上げ、鼻歌を歌う彼の背について行くユーリ。こうして――彼は力を求め、門を潜る。その先に、何が待ち構えていようとも――。

 

――――――

 

「で、どうしたら良いんだろうねぇ」

 

「お答えしましょう!」

 

「うわびっくりしたぁ!アンタ帰ったんじゃないの?」

 

「いやぁ、私とした事がここのルールを説明するのを忘れていましてね、放って置いて貴方がカモにされるのもアレですし」

 

フゥ、と溜め息を吐くのも束の間、先程去った筈のドクトルが音も無く背後に現れた事に肩をビクリと揺らすユーリ。って、何でドクトル君が!?と言いた気である。門を挟んでいるにしても心臓に悪い。呆れ返る中、ドクトルがコホンと咳払いしてこの地下におけるルールを説明する。曰く――ここのデュエルは、賭け事であると。

 

「賭けるものはLP、デュエリストはここに入った時点で、4000のLPを得ます。ここに入る前に交換したデュエルディスクに表示されているでしょう?」

 

LPの初期値は4000。当たり前のようだが、何か違うようだ。彼の言う事が本当ならそのLPが賭けるものなのだから。

 

「そしてデュエル、この時対戦相手は自由に選べますが、応じてくれるとは限りません。デュエルの前に互いが納得する賭け金を提示するのです」

 

「……良く分からないな、続けて」

 

「まぁ、じきに慣れるでしょう。例えばユーリ君、貴方が1000LP賭けるから、私にデュエルしてくれと言いました。私はNOと言います。そうすればデュエルは成立しません。それ以上のLPを賭けて気を引くのです。オークションみたいなもの、ですかねぇ」

 

「ふぅん、僕の誘いを断るんだ」

 

「例えば、ですよそして貴方は1500賭けます。ならば私は1000賭けると言いました。貴方が承諾すればデュエル成立です」

 

「せこいねアンタ」

 

「例え話ですよ。そしてこの時、賭けるLPは持っているLPから引かれます」

 

「……うん?」

 

話の流れが変わったとユーリは目を細める。どうやらここからがこの地下でのデュエルの在り方と言うものだろう。耳を傾け、真剣に聞く態度に移る。

 

「貴方が持っているLPは4000、そして賭けるLPは1500、つまりデュエル開始時のLPは2500です。私が持っているLPはそうですね、3000にしましょう、1000賭けるから2000です」

 

「成程、賭けるLPは一旦どこかに預けられると言う事だ」

 

「ええそうです!理解が早くて助かりますねぇ!そして勝者は自分と相手が賭けていたLPを獲得します。ユーリ君が勝った場合、2500のLPを得て、LP5000となる訳です。しかしデュエル中、LPが減り、例えば1500となっているとそこに2500加えられ、4000になります。勝った時のLPに賭け金が加算される訳ですねぇ」

 

「負けた君は?」

 

「負ければ0、特殊勝利でもね、そうしてLPが0になった者はLPと言う金を稼ぐ為、ここで労働する訳です。ここでのLPは地上での金と思ってください。カードを買うのも、食事をするにしてもね。何やらシンクロ次元での環境と似せているようですが、いえ、シンクロ次元がここに似せているんでしたかねぇ。因みにここから出たい場合、LPを4000払わなければいけません」

 

「本当に金って訳だ」

 

「ええ、こうして得たLPは次のデュエルで反映されていきます。例えばこの話のユーリ君が次のデュエルで500LP賭けるなら5000から引かれ、デュエル開始時は4500、とね。そしてここではランキングがあります」

 

「……何だか面白そうなものが出て来たね」

 

ランキング、競うべきものが出て来た事で俄然ユーリは興味が沸く。LPを賭けるのも刺激的で楽しそうであるが、目指すものがあれば人はより一層努力しようとする。それは彼とて同じと言う事だろう。

 

「ここでのランキングは持っているLPが多ければ多い程上がります。ランキングが高い程、ここでの生活は楽になりますよ。買えるものの多さ、そして買うのものが割り引きされるのです」

 

「ポイントカードか……」

 

「クフフフフフ。そして――ランキング2位の者だけが、ランキング1位――帝王と呼ばれるデュエリストに挑戦出来、勝者が帝王となるのです」

 

「最強の称号って訳か、良いねぇ……!」

 

ニヤリ、ユーリの口元に笑みが浮かぶ。退屈はしなくて済みそうだ。さて、ここで話を纏めてみよう。

 

その1、ここでのデュエリストは賭け。賭ける物はLP(初めてここに来た者はLP4000を与えられる)

 

その2、デュエル開始時に互いにLPを賭け、賭けるLPはデュエル開始時に持っているLPから引かれる。(例、持ちLPが4000、賭けるLP1000、デュエル開始時のLPは持ちLP-賭けLP=LP3000となる)

 

その3、勝者はその時点の自分のLPに互いに賭けたLPを足したLPを得る。(例、Aが賭けたLP1000、Bが賭けたLP1500、Aの勝利時のLP3000、1000+1500+3000=5500)。

 

その4、その3で得たLPは次のデュエルで引き継がれる。

 

その5、その3で負けたデュエリストのLPは0となり、ここで労働しなければLPを得られない。得られるLPは労働によって様々、LPは金であり、生活の必需品、食事代、カード代等、因みにLPの貸し借りをする金融も存在する。

 

その6、LPが高い程ランキング上位となり、生活が豊かとなる。

 

その7、ランキング2位だけがランキング1位である帝王に挑める。

 

と言った所か。要するにデュエルで勝ってLPを稼ぎまくれ、と言う事らしい。ランキング上位になる度に相手のLPも多くなっていく。中々面白いルールだ。社会の縮図のような地下のルールにユーリが納得する中、彼の背後に身体中に傷を負った、上半身裸の男が現れる。

首、そして腕に黒いリングのようなものを着けた彼は下卑た笑みと共にユーリに話しかける。

 

「おいおいドクトルさんよぉ、肝心のこれを忘れているぜぇ……」

 

「……何、アンタ?」

 

「おや、確か貴方はランキング20位のマッドドッグ犬飼さん。ああ私とした事がそれの事を忘れていましたよ。ユーリ君、犬飼さんの持っているリングを彼と同じように首と両腕に着けてください」

 

「……何、この悪趣味なリング、こんなダサいの着けたくないなぁ……」

 

不満そうに言いながらも渋々と言った様子でマッドドッグ犬飼よりリングを受け取り、首と両腕に装着する。何やら他の者達も着けているが、一体このリングは何なのだろうか。

 

「出来るだけそれは身につけておいて下さい。それを着けてないとデュエルは出来ませんから、クフフフフッ」

 

不気味に笑うドクトルを見て、どうせロクでも無い物なんだろうと半眼で見るユーリ。どちらにせよ、早く強敵と闘いたいと言わんばかりに振り返り、マッドドッグ犬飼を睨む。

 

「で、だ。マッドドッグさんだっけ?おじさん、僕とデュエルしてくれない?」

 

「……ほう?」

 

いきなりの挑戦、不敵な笑みで挑発するユーリを見て、犬飼が目を丸くして興味深そうにユーリを見つめる。完全にユーリの事を舐めきっている目だ。

だが彼はユーリの事を、実力を知らないから見下している訳では無い。むしろその逆、強者と知っているからこそ、こちらの情報を全く知らず挑戦して来たユーリを見下しているのだ。

 

「良いぜ、とんだハリキリボーイがやって来たじゃねぇかドクトル。俺ぁ、こう言う奴は嫌いじゃねぇぜ。この何も知らねぇ尻の青いガキに社会の厳しさを教えてやるのが楽しくて堪らねぇ!俺はそうだな、LP4000賭けてやる。持ちLPの19000から引いて――初期値は15000だ」

 

「……!」

 

「どうした?ビビったか?」

 

目眩がするような巨大な数値――ランキング20位でもこれならば1位はどれ程なのだろうか。思わずユーリは言葉を失う。しかし――それは畏縮したからでは無い。ピッタリだったのだ。余りにも――ユーリが黒コナミに敗れた時、持っていたLPと。

丁度良い、愉快だと言わんばかりに目を皿のようにして口角を吊り上げる。

 

「テメェはどうする?何なら100でも良いぜ?」

 

「じゃあお言葉に甘えてそうするよ。LP3900を賭けて、初期値100からだ」

 

「「ッ!?」」

 

そう、丁度良い。奴がこれをやってのけたならば――自分もやらなければ気が済まない。100を残して全額投資、破滅的な賭け金に犬飼は勿論、ドクトルでさえも息を呑む。

 

「どうしたの?ビビった?」

 

先程の犬飼の言葉を借り、オウム返しに挑発する。とんでもない馬鹿だ。犬飼はその気迫に押されながら――ニヤリ、笑みを浮かべ、ユーリを見据える。

 

「上等だ。だが負けた時の言い訳に使うなよ?」

 

「良いよ別に。僕が勝つから」

 

ザッ、と互いに地を鳴らし、2人は地下の中心――金網の闘技場へと向かう――。

 

――――――

 

『さぁ、始まりました!闇の中のアンダーグラウンド!地下デュエル!司会は私、モンキー猿山がお送りしまぁぁぁぁす!』

 

数分後、金網が辺りを覆い尽くすデュエル場にて、ユーリと犬飼の姿があった。その外はコロシアム状となっており、ガラの悪い観客から金持ちそうな観客が2人へと品のない野次が送っている。

本当にそう言う所らしい。ユーリは辺りを見渡しながら不快そうに目を細める。彼としてはこのような見世物になるような事は余り好きではない。

 

「へへ、本当に良かったのか?ユーリくぅん?逃げるなら今の内だぜ」

 

「おじさんもしつこいねぇ、心配はいらないさ」

 

「そうかい……!」

 

互いに「早くやれー!」やら「どっちもくたばれー!」等と言う品のない罵倒を聞き流し、デュエルディスクを構える。もう犬飼のどんな言葉もユーリには届かない。早くデュエルがしたい、相手を叩きのめしたいと苛烈な闘志が彼の背を押しているのだ。犬飼も仕方無いと呆れ返り――デュエルが、始まる。

 

「「デュエル!!」」

 

先攻はユーリだ。彼はデッキから5枚のカードを引き抜き、その中から3枚のカードを選び、デュエルディスクに叩きつける。

 

「僕のターン、僕はモンスター1体とカードを1枚セット、永続魔法、『強欲なカケラ』を発動し。魔法、カード『命削りの宝札』を、発動!2枚ドロー!」

 

ユーリ 手札1→3

 

「カードを3枚セットし、ターンエンド」

 

ユーリ LP100

フィールド セットモンスター

『強欲なカケラ』セット4

手札0

 

まずは様子見と言う事だろうか。無理もない、彼のLPはたった100、守備重視で来るのは当たり前だが――彼の場合、本当にそうか。

 

「大口叩いた割りには消極的だな。俺のターン、ドロー!ふん、俺もモンスター1体とカードを2枚セット、ターンエンドだ」

 

マッドドッグ犬飼 LP15000

フィールド セットモンスター

セット2

手札3

 

と思いきや、こちらもユーリと同じくモンスター1体とカードを2枚伏せたのみ。これには観客席から大ブーイング。罵倒が2人に降り注ぐ。だがユーリは兎も角、犬飼のデッキは自分から攻め込むようなものではない。

 

「僕のターン、ドロー!カケラに強欲カウンターが乗るよ」

 

強欲なカケラ 強欲カウンター0→1

 

「おじさんも僕の真似かい?僕のLPはたった100なんだから攻め込まなきゃ、ダブル罠発動!『強欲な瓶』!2枚あるからにドロー!」

 

ユーリ 手札1→3

 

「そして速攻魔法、『手札断札』発動。互いに2枚捨て、2枚ドロー!僕は『捕食植物オフリス・スコーピオ』を召喚!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻撃力1200

 

3ターン目、ここでユーリがモンスターを召喚する。蠍を模した植物のモンスター。その尾から伸びた針はどちらかと言うと蜂の物のようだ。ここで漸くモンスターが登場した事により、観客達が喜びの声を上げる。

 

「オフリス・スコーピオの効果により、手札の『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』を墓地に送り、デッキの『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」

 

捕食植物ダーリング・コブラ 守備力1500

 

次に現れたのは顔が花のようになったコブラを模したモンスター。良い流れだ。ユーリは続け様にその効果を発動する。

 

「ダーリング・コブラの効果発動!『捕食植物』モンスターの効果で特殊召喚された事でデッキの『置換融合』をサーチ!発動!フィールドのオフリス・スコーピオとダーリング・コブラで融合!融合召喚!『捕食植物キメラフレシア』!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃力2500

 

ユーリの背後に青とオレンジの2色の渦が発生し、2体のモンスターが溶け、混ざり合う。眩き光が発生すると共にユーリが両手を合わせ、閃光の中から蛇の頭部のような物が生えた蔦が飛び出す。現れたのは巨大な花弁。酷い悪臭を撒き散らし、ウネウネと不気味に蠢くラフレシアを模したモンスターだ。

 

「バトル!キメラフレシアでセットモンスターに攻撃!」

 

キメラフレシアがその蔦を走らせ、犬飼のセットモンスターに襲いかかる。その瞬間――犬飼がニヤリと口角を吊り上げ、待ってましたとばかりにセットモンスターが姿を見せる。緑色の体躯に長い顎、鋭い牙がビッシリと並んだそのモンスターは――ワニだ。

 

「戦闘破壊された『グレイドル・アリゲーター』の効果により、このカードをキメラフレシアに装備!そのコントロールを得る!」

 

「――ふぅん」

 

ワニが破壊されると同時にその姿をスライムのように形の無いものに変え、キメラフレシアの全身を覆う。キメラフレシアはその影響か、全身が緑色に染められ、コントロールが犬飼に移る。コントロール奪取の中でも容易に条件を満たせる強力なものだ。折角融合召喚したのに奪われてしまった。最悪とも言える結果だ。

 

「『捕食植物』が逆に捕食されちまったなぁ」

 

「僕はカードを1枚セットしてターンエンド。強いねおじさん。そうでなくっちゃ」

 

ユーリ LP100

フィールド セットモンスター

『強欲なカケラ』セット2

手札0

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「罠発動!『三位一択』!融合モンスターを宣言し、互いのエクストラデッキにある宣言したモンスターが多い方が3000回復!」

 

「チッ、俺のエクストラデッキに融合モンスターはねぇよ」

 

「……ふぅん、確かに」

 

ユーリ LP100→3100

 

ユーリが犬飼のエクストラデッキを確認し、目を細める。いずれにせよこれでバーンカード1枚で終わりはしないだろう。

 

「活きの良いガキだ、嫌いじゃねぇぜ!『グレイドル・イーグル』を召喚!」

 

グレイドル・イーグル 攻撃力1500

 

現れたのは翼や尾の先が灰色になっている黄金の猛禽だ。先程の『グレイドル・アリゲーター』と同様のカテゴリ、恐らくはこのモンスターもコントロール奪取効果を持っているのだろう。

 

「バトル!キメラフレシアでセットモンスターに攻撃!」

 

「墓地のドロソフィルム・ヒドラの効果発動!墓地からダーリング・コブラを除外し、キメラフレシアの攻撃力を500ダウン!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃力2500→2000

 

「そしてセットモンスター、『捕食植物プテロペンテス』の守備力は2100!よって反射で100のダメージを与える!」

 

マッドドッグ犬飼 LP15000→14900

 

「ぐっう~っ!」

 

セットモンスターが表に返り、姿を見せたのは翼竜のような姿をした植物だ。その守備力は2100、ドロソフィルム・ヒドラの効果を合わせる事でユーリは戦闘破壊を逃れた。

だがそれよりも気になるのはマッドドッグ犬飼の反応だ。どう見ても100のダメージで取る表情ではない。気のせいか、電流のような物が彼に駆け抜けたように見える。

 

「?そしてプテロペンテスが相手に戦闘ダメージを与えた事でキメラフレシアに捕食カウンターを置き、レベルを1にする!キメラフレシアには自身のレベル以下のモンスターを除外する効果があるからね」

 

捕食植物キメラフレシア 捕食カウンター0→1 レベル7→1

 

「成程、自分のモンスターだからこそ対策は充分と言う訳か、俺はこれでターンエンドだ」

 

マッドドッグ犬飼 LP14900

フィールド『捕食植物キメラフレシア』(攻撃表示)『グレイドル・イーグル』(攻撃表示)

『グレイドル・アリゲーター』セット2

手札2

 

「僕のターン、ドロー!カケラにカウンターが乗る!」

 

強欲なカケラ 強欲カウンター1→2

 

「カウンターの乗ったカケラを墓地に送り、2枚ドロー!」

 

ユーリ 手札1→3

 

「僕は『捕食植物スピノ・ディオネア』を召喚!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 攻撃力1800

 

フィールドに登場したのは背中がハエトリグサのようになったスピノサウルスをモチーフとした植物だ。恐竜を模しているだけあり、かなりの巨体だ。攻撃力も比較的高く、優秀なアタッカーである事が伺える。

 

「スピノ・ディオネアの召喚時、『グレイドル・イーグル』にカウンターを置く!」

 

「させるか!カウンター罠!『グレイドル・コンバット』!『グレイドル』モンスターを対象とするその効果を無効にし、破壊!」

 

「ありゃ、そう来ちゃう?なら僕は装備魔法、『捕食接ぎ木』発動!スピノ・ディオネアを蘇生し、このカードを装備!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 攻撃力1800

 

「効果で『グレイドル・イーグル』にカウンターを乗せる」

 

グレイドル・イーグル 捕食カウンター0→1 レベル3→1

 

「『ギャラクシー・サイクロン』を墓地から除外し、『グレイドル・アリゲーター』破壊!墓地の『置換融合』を除外、キメラフレシアを戻してドロー!」

 

ユーリ 手札2→3

 

「プテロペンテスの効果で『グレイドル・イーグル』のコントロールを奪う!バトル!スピノ・ディオネアで攻撃!」

 

「永続罠、『グレイドル・パラサイト』!デッキから『グレイドル・スライム』をリクルート!」

 

グレイドル・スライム 守備力2000

 

呼び出されたのは銀色に煌めくグレイタイプと呼ばれる宇宙人。その名の通り、この姿は偽りのものであり、本来はスライムなのだろう。恐らくイーグルやアリゲーター達もその類いに見える。

 

「メインフェイズ2永続罠、『捕食惑星』を発動し、捕食カウンターが乗ったイーグルをリリースし、ドロソフィルム・ヒドラを蘇生!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守備力2300

 

今度はユーリが捕食する番だ。イーグルがいる地面がバキリと砕け、中より伝説上の怪物、ヒドラを模した植物が現れて『グレイドル・イーグル』を丸呑みにする。

 

「『捕食惑星』の効果!捕食カウンターが置かれたモンスターがフィールドを離れた事でデッキの『捕食植物セラセニアント』をサーチ!カードを1枚セットし、ターンエンド」

 

ユーリ LP3100

フィールド『捕食植物スピノ・ディオネア』(攻撃表示)『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』(守備表示)『捕食植物プテロペンテス』(守備表示)

『捕食接ぎ木』『捕食惑星』セット1

手札2

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「スタンバイフェイズ、キメラフレシアの効果で『置換融合』をサーチ」

 

「ククク、見事なもんだ。俺は『グレイドル・コブラ』を召喚!」

 

グレイドル・コブラ 攻撃力1000

 

次に現れた『グレイドル』は鮮やかなピンク色のコブラだ。このモンスターもコントロール奪取効果を持っている。相手に回すには厄介なモンスター達だ。

 

「そして罠発動!『グレイドル・スプリット』!コブラへ攻撃力500アップの装備カードとして装備!」

 

グレイドル・コブラ 攻撃力1000→1500

 

「更に!スプリットを墓地に送り、コブラを破壊!デッキから『グレイドル・イーグル』と『グレイドル・アリゲーター』を特殊召喚!」

 

グレイドル・イーグル 攻撃力1500

 

グレイドル・アリゲーター 攻撃力500

 

「『グレイドル・コブラ』が罠の効果で破壊された事でスピノ・ディオネアに装備!コントロールを奪う!」

 

鮮やかなるコンボ、カードの効果を繋げる事で犬飼は2体のモンスターを展開しつつユーリのモンスターを奪い取る。

 

「楽しませろよ?俺はレベル3の『グレイドル・アリゲーター』にレベル5の『グレイドル・スライム』をチューニング!シンクロ召喚!『グレイドル・ドラゴン』ッ!!」

 

グレイドル・ドラゴン 攻撃力3000

 

スライムが5つのリングとなって弾け飛び、アリゲーターを包み込んで閃光がリングごと貫く。光が晴れ、現れたのは頭はアリゲーターのものだろう、緑色のワニの頭部、スライムの銀色の胴体にイーグルの黄金の翼、そしてコブラのピンク色の尾とキメラのようなドラゴン。

攻撃力は3000、アカデミアで呼び出されたシンクロモンスターに、ユーリは興味深そうに目を細める。

 

「シンクロ召喚、ねぇ……!」

 

「地下ってのは色々な物を先取りして流れ込んで来るんだ。言わばテスターだなぁ、上でもエクシーズ召喚を使う奴がいるだろう?あれも地下でテストしてから表に出て来たんだぜ?さぁ、『グレイドル・ドラゴン』の効果発動!シンクロ召喚時、素材となった水属性の数まで相手カードを破壊!ドロソフィルム・ヒドラとプテロペンテスを破壊するぜ!」

 

「ドロソフィルム・ヒドラの効果でオフリス・スコーピオを除外し、攻撃力を500ダウン!」

 

グレイドル・ドラゴン 攻撃力3000→2500

 

「構わねぇ!バトルだ!『グレイドル・ドラゴン』でダイレクトアタック!」

 

「罠発動!『ガード・ブロック』!ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

ユーリ 手札2→3

 

「ならスピノ・ディオネアでダイレクトアタック!」

 

「手札の『捕食植物セラセニアント』を特殊召喚!」

 

捕食植物セラセニアント 守備力600

 

ここで手札誘発、敗北の危機を逃れる為、ユーリは手札から背から葉が生えた昆虫を呼び出す。『捕食植物』においてこれ以上無く壁に適したモンスターはいない。

 

「ならそいつに攻撃対象を変更!」

 

「セラセニアントの効果で戦闘を行ったスピノ・ディオネアを破壊!そしてこのカードが破壊された事でデッキの『プレデター・プランター』をサーチ!」

 

「イーグルでダイレクトアタック!」

 

「仕方無い、受ける……ぐぅぅぅぅぅっ!?」

 

ユーリ LP3100→1600

 

3体目、『グレイドル・イーグル』の攻撃、それを防ぐ手立てが無い為、ユーリは素直に受けるが――LPが削られた途端、ユーリの身体中、頭から爪先まで激しい電流が駆け抜ける。思わず身体をくの字に曲げ、苦悶の表情となるユーリ。何だ、これは――ソリッドビジョンの痛み等では決して無く、痛みを伴うデュエルとも違った感覚、頭の中が真っ白となり、目眩までする。

 

「クフフフフッ、どうですかユーリ君?」

 

「ッ!ドクトル……どう言う事だい……?」

 

そんな中、何時の間にかいたのか分からないが、金網を隔て、彼の背後にいたのはドクトルだ。薄ら笑いを浮かべる彼をギロリと睨み、ユーリが問いただす。

 

「貴方達が着けている黒いリング、それはダメージと連動して電撃を流すのですよ。これこそが地下の醍醐味、電撃デスマッチ、なぁに、死にはしない程度に調整されですが――痛いですよ」

 

「知ってるよ……!今受けたばっかりだからね……成程、それでプテロペンテスの反射ダメージの時、おじさんに電流が走ったのか……!」

 

これこそが地下デュエル、最大にして最悪の目玉ダメージに比例した電流を受けるデスマッチ。この悪趣味なリングにはそう言う意図があったのかと漸くユーリが理解する。

痛い、今までの痛みと違い、肉体の内部に襲いかかるようなダメージだ。だが――だからどうした――。彼はもう、こんなダメージ等、比べ物にならない痛みを味わっている。

 

「ビビったか小僧?」

 

「まさか……!むしろ面白くなって来たじゃないか……!」

 

「口の減らん……だが泣いて逃げ出すよりマシか、カードを1枚セットし、ターンエンドだ。この瞬間、イーグルは破壊される」

 

マッドドッグ犬飼 LP14900

フィールド『グレイドル・ドラゴン』(攻撃表示)

『グレイドル・パラサイト』セット1

手札2

 

「僕のターン、ドロー!永続魔法、『プレデター・プランター』発動!墓地のセラセニアント蘇生!」

 

捕食植物セラセニアント 守備力600

 

「『捕食植物スキッド・ドロセーラ』を召喚!」

 

捕食植物スキッド・ドロセーラ 攻撃力800

 

次に召喚されたのは葉に鋭い牙が並び、不気味に目を輝かせる巨大な植物。

 

「『置換融合』を発動!フィールドのスキッド・ドロセーラとセラセニアントで融合!融合召喚!『捕食植物キメラフレシア』!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃力2500

 

「墓地に送られたスキッド・ドロセーラの効果で相手モンスターに捕食カウンターを置き、セラセニアントの効果で『捕食接ぎ木』をサーチ!」

 

グレイドル・ドラゴン 捕食カウンター0→1 レベル8→1

 

「そしてカウンターの置かれた『グレイドル・ドラゴン』をリリースし、ドロソフィルム・ヒドラを蘇生!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守備力2300

 

「『捕食惑星』の効果で2枚目の『捕食惑星』をサーチ!まだだよ!魔法カード、『マジック・プランター』!『捕食惑星』を墓地に送り、2枚ドロー!」

 

ユーリ 手札3→5

 

「バトル!キメラフレシアでダイレクトアタック!」

 

「『グレイドル・パラサイト』の効果で『グレイドル・コブラ』をリクルート!」

 

グレイドル・コブラ 守備力1000

 

「チッ、メインフェイズ2に移行、キメラフレシアの効果でコブラを除外し、カードを2枚セットしてターンエンド」

 

ユーリ LP1600

フィールド『捕食植物キメラフレシア』(攻撃表示)『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』(守備表示)

『プレデター・プランター』セット2

手札2

 

攻めに入っても『グレイドル・パラサイト』が邪魔をする。だが『グレイドル』モンスターにだって数がある筈だ。弾切れを起こすか除去に出るしかない。

 

「俺のターン、ドロー!クククッ、もっと楽しもうぜ!俺は魔法カード、『マジック・プランター』!『グレイドル・パラサイト』を墓地に送り、2枚ドロー!」

 

マッドドッグ犬飼 手札2→4

 

「魔法カード、『暗黒界の取引』!互いに1枚ドローし、1枚捨てる。そして『グレイドル・スライムJr.』を召喚!」

 

グレイドル・スライムJr. 攻撃力0

 

現れたのは『グレイドル・スライム』の息子であろう、小さな銀色の宇宙人。親と同じく、その下半身はスライム状となっている。

 

「召喚時、墓地の『グレイドル・イーグル』を蘇生!手札から『グレイドル・アリゲーター』を特殊召喚!」

 

グレイドル・イーグル 攻撃力1500

 

グレイドル・アリゲーター 守備力1500

 

「更に!『グレイドル・イーグル』と『グレイドル・スライムJr.』を破壊し、墓地の『グレイドル・スライム』を特殊召喚!」

 

グレイドル・スライム 守備力2000

 

「スライムの効果で『グレイドル・コブラ』を蘇生!イーグルの効果でキメラフレシアのコントロールを奪う!」

 

「させないよ!墓地の『捕食惑星』を除外し、フィールドのキメラフレシアと手札の『捕食植物コーディセップス』で融合!融合召喚!『捕食植物ドラゴスタペリア』!」

 

捕食植物ドラゴスタペリア 攻撃力2700

 

グレイドル・コブラ 守備力1000

 

コントロール奪取から逃れる為、ユーリが相手ターンに『融合』魔法を使わず融合を行う。現れたのはドラゴンを模したスタペリアと言う植物だ。巨大な翼を広げ、雄々しく咆哮する。

 

「ほう……!」

 

「これでコントロールは奪えない。次はどうするの?おじさん」

 

「こう出る!レベル3の『グレイドル・コブラ』にレベル5の『グレイドル・スライム』をチューニング!シンクロ召喚!『グレイドル・ドラゴン』!!」

 

グレイドル・ドラゴン 攻撃力3000

 

「シンクロ召喚時、効果発動!」

 

「ドラゴスタペリアの効果により、『グレイドル・ドラゴン』に捕食カウンターを置き、発動する効果を無効!」

 

グレイドル・ドラゴン 捕食カウンター0→1 レベル8→1

 

互いに効果を発動し、鬩ぎ合う2頭の竜。天高く飛翔し、ぶつかり合う姿は正に圧巻、会場がヒートアップしていく。だが攻撃力は『グレイドル・ドラゴン』が上、思い素材を要求してドラゴスタペリアの攻撃力は2700と少々頼りない。

 

「永続魔法、『グレイドル・インパクト』!俺のアリゲーターとドロソフィルム・ヒドラを破壊!そしてアリゲーターの効果でドラゴスタペリアのコントロールを奪う!」

 

「罠発動!『スキル・プリズナー』!ドラゴスタペリアを対象とするモンスター効果を無効!」

 

「バトルだ!『グレイドル・ドラゴン』でドラゴスタペリアへ攻撃!」

 

ユーリ LP1600→1300

 

「がぁぁぁぁぁっ!?」

 

天空決戦、『グレイドル・ドラゴン』とドラゴスタペリアが頭上でぶつかり合い、牙や爪を持ってドッグファイトを繰り広げる。しかし攻撃力は『グレイドル・ドラゴン』が上、その体躯をスライム状に変化させてドラゴスタペリアの内部に侵入し、破裂させる。そして襲い来る電流ダメージ、ユーリの身体を駆け抜け、絶叫を上げる。

 

「ターンエンドだ。どこまでもつかなぁ!フハハハハ!」

 

マッドドッグ犬飼 LP14900

フィールド『グレイドル・ドラゴン』(攻撃表示)『グレイドル・コブラ』(守備表示)

『グレイドル・インパクト』

手札0

 

暗き地下で繰り広げられる電撃デスマッチ、圧倒的な不利な状況の中、ユーリは笑う。そんな時――彼の中に眠る悪魔が、目覚めようとしていた――。

 

 

 

 

 

 

 




と言う訳で今回の相手はGXでカイザーを追い詰め、ヘルカイザーにしたマッドドッグ犬飼さんです。原作ではスライムデッキの所、スライム繋がりと言う事でグレイドルに変更。だってスライムデッキだとカイザーのメタにしかならないんだもん。
作中でも説明されましたが、ここからアカデミアのデッキはシンクロやエクシーズを取り入れると思います。ユーリ君等は一定のカード以外別ですが。
この先オベフォのデュエルをするか分からないけど、念の為。
アクションカードメタなアンティークギアも良いんですが、ぶっちゃけワンパターンになりそうなんで……ね?

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