遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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漫画アークでペンデュラム・ホルトが発動したターン、ペンデュラム召喚出来ないようにエラッタされましたがこの小説では遊矢対ジャックが終わるまで3巻の効果で通します。やっぱりデメリット無しの2枚ドローはヤバイってなったんでしょうかね。


第90話 ドローしてから考えるか

長く続くコナミとLDS3人組のデュエル。コナミは何とか3人組の猛攻を凌ぎ、再び自分のターンに移る。

相手フィールド上にはまず刃、攻撃力3000越えと2000越えのガトムズとボガーナイト。セットカードが2枚。

 

次に真澄、コナミが3人組の中で光津光津と名字呼びする事もあり、そろそろ名前で呼んで欲しいなぁ、と悩む乙女のフィールドには高い攻撃力を誇るジルコニア、召喚権を増やすセラフィ、攻撃時、カード効果を封じるマディラ、2回攻撃に破壊したモンスターの攻撃力分ダメージを与えるパーズの4体もの『ジェムナイト』融合モンスターだ。セットカードは1枚、しかし最も厄介なのはフィールドではなく墓地。

彼女はバトルフェイズを終了させる最上級の防御カード、『超電磁タートル』と攻撃を無効にする『ネクロ・ガードナー』を溜め込んでいる。これによって長期戦は必至。エンジンとなる『星邪の神喰』の破壊が望まれる。

 

最後は北斗だ。フィールドには3体のエクシーズモンスター、プレアデス、トレミス、オメガが存在する。プレアデスでバウンスされ、魔法、罠での対処はオメガに防がれる。幸いなのは攻撃力をアップさせる『セイクリッド・ビーハイブ』の不在か。

セットカードは不明だが、彼は『エクシーズ』魔法、罠を大量に投入している。恐らくはそのカード群だろう。

 

「考えても仕方無い、ドローしてから考えるか、ドロー!ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『E・HEROブレイズマン』!」

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

E・HEROブレイズマン 守備力1800

 

コナミのフィールドに現れたのは先程も登場した『魔術師』と炎の鬣を伸ばした赤い『HERO』だ。これだけでは次のターンには終わってしまう。次の展開に繋げる為、コナミは更に手を打つ。

 

「ブレイズマンの効果で『置換融合』をサーチ!そして魔法カード、『アームズ・ホール』を発動!デッキトップをコストに装備魔法、『妖刀竹光』をサーチし、竜脈に装備!『黄金色の竹光』を発動し、2枚ドロー!もう1枚だ2枚ドロー!」

 

コナミ 手札1→3→4

 

これで手札が4枚まで回復した。悪くない手札だ、コナミは口元を綻ばせ、次の手に移る。

 

「魔法カード、『モンスター・ゲート』!竜脈をリリースし、通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキを墓地に送る!1枚目!『光の護封霊剣』!2枚目!『シャッフル・リボーン』!3枚目!『スキル・プリズナー』!4枚目!『スキル・サクセサー』!5枚目!『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』!通常召喚出来ない為、6枚目!『ジェット・シンクロン』!」

 

ジェット・シンクロン 守備力0

 

大量のカードを墓地に送り込み、出て来たのは青と白のカラーリングのジェットエンジンを模した小さなチューナーモンスター。低ステータスで運が悪かったとなりそうなものだが、コナミとしてはこのカードが出てくれて好都合だ。

 

「墓地に送られた『妖刀竹光』の効果で『黄金色の竹光』をサーチ!」

 

「プレアデスのORUを取り除き、『ジェット・シンクロン』をバウンス!」

 

「流石だな、だが――」

 

コナミが上空を見上げ、ビルの間に浮いたアクションカードを視界に止める。このカードでかわすつもりか、北斗はオメガの背に乗ったまま、ビルの壁を蹴ってカードへと進むコナミの邪魔をすべく、モンスターに指示を出す。

 

「プレアデス!行かせるな!」

 

プレアデスがフィールドを駆け、北斗の指示に従ってコナミを捕獲しようと手を伸ばす。が――コナミは何と、プレアデスが手に持った剣へ飛び乗り、更に加速する。

 

「はぁっ!?」

 

「アクションマジック、『アンコール』!墓地の『透明』を使い、『ジェット・シンクロン』は効果を受けない!」

 

「チッ!」

 

「レベル4のブレイズマンにレベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『ジェット・ウォリアー』!」

 

ジェット・ウォリアー 攻撃力2100

 

ここで使うのは融合ではなくシンクロ、現れたのは重厚な漆黒のボディを煌めかせた戦闘機を人型にしたかのような機械戦士。ギャリギャリと鋭い脚で地を削り、その鉄拳でガトムズを吹き飛ばす。

 

「シンクロ召喚時、ガトムズをバウンス!『ジェット・シンクロン』の効果で『ジャンク・コレクター』をサーチ!このまま繋げる!デッキトップをコストに墓地の『グローアップ・バルブ』を蘇生!」

 

グローアップ・バルブ 守備力100

 

次に現れたのは植物に目が生えた不気味なモンスターだ。本来ならば『ジェット・シンクロン』を蘇生させる所だが、生憎サーチ効果と蘇生効果は1ターンにどちらかしか使えない。

 

「レベル5の『ジェット・ウォリアー』にレベル1の『グローアップ・バルブ』をチューニング!星雨を束ねし聖翼よ!魂を風に乗せ世界を巡れ!『スターダスト・チャージ・ウォリアー』シンクロ召喚!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃力2000

 

ここで姿を見せたのは風と星屑を纏う白き戦士。腰元にはスカートのように刃が広がり、敵のモンスターを狙っている。確かにこのモンスターならば特殊召喚したモンスター全てに攻撃が可能だ。

 

「シンクロ召喚時、1枚ドロー!」

 

コナミ 手札5→6

 

「手札の刻剣を捨て、竜穴のペンデュラム効果で『星邪の神喰』を破壊!バトル!『スターダスト・チャージ・ウォリアー』でセラフィ、マディラ、パーズ、プレアデス、オメガに攻撃!流星乱射グォレンダァ!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外し、バトルフェイズを終了する!」

 

「カードを3枚セットし、ターンエンドだ」

 

コナミ LP4000

フィールド『スターダスト・チャージ・ウォリアー』(攻撃表示)

セット3

Pゾーン『竜穴の魔術師』『賤竜の魔術師』

手札4

 

「俺のターン、ドロー!『XX―セイバーフラムナイト』を召喚!」

 

XX―セイバーフラムナイト 攻撃力1300

 

刃の手札から登場したのは金髪の少年剣士。その手に刃が鞭のようにしなる剣を持ったモンスターだ。

 

「バトル!ガトムズでチャージ・ウォリアーに攻撃!」

 

「罠発動!『マジカルシルクハット』!」

 

「プレアデスの効果発動!」

 

「アクションマジック、『透明』!チャージ・ウォリアーに耐性を与える!」

 

刃の攻撃が迫る中、コナミが得意の罠で凌ぐ。長期戦となればバトルロイヤルの性質上、不利になるのはコナミだが、そのデッキ上、有利にもなりやすい。

 

「チッ、だけど俺のモンスターも3体!3体で攻撃だ!」

 

刃のフィールドの3体が同時にコナミのシルクハットを切り裂く。しかしフラムナイトだけはシルクハットを切り裂いた途端、ギラリと閃く刃が飛び出し、攻撃を弾く。

 

「残念だったな、フラムナイトとチャージ・ウォリアーの攻守は同じ、よって破壊されない」

 

「こいつ……俺の運でも吸ってんのかよ……!ターンエンドだ!」

 

刀堂 刃LP1800

フィールド『XX―セイバーガトムズ』(攻撃表示)『XX―ボガーナイト』(攻撃表示)『XX―セイバーフラムナイト』(攻撃表示)

『炎舞―「天キ」』セット2

手札1

 

「魔法カード、『ジェムナイト・フュージョン』!フィールドの『ジェムナイト・セラフィ』と手札の『ジェムナイト・サニクス』を融合!融合召喚!『ジェムナイト・マディラ』!」

 

ジェムナイト・マディラ 攻撃力2200

 

「墓地のセラフィを除外し、『クリスタル・ローズ』を蘇生!」

 

クリスタル・ローズ 守備力500

 

「『クリスタル・ローズ』の効果でデッキの『ジェムナイト・ガネット』を墓地に送り、名前をコピー!そして墓地のガネットを除外し、『ジェムナイト・フュージョン』回収、発動!マディラと『クリスタル・ローズ』を融合!融合召喚!『ジェムナイト・ルビーズ』!」

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻撃力2500

 

現れたのは紅蓮に燃える宝石の騎士だ。燃え盛るような鮮やかな赤い戦士は隣に並ぶジルコニアを手に持った得物へと吸収する。

 

「ルビーズの効果でジルコニアをリリースし、その攻撃力を吸収する!」

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻撃力2500→5400

 

「罠発動!『威嚇する咆哮』!」

 

「チッ、メインフェイズ2墓地の『ジェムナイト・アイオーラ』を除外し、『ジェムナイト・フュージョン』回収!発動!ルビーズとパーズを融合!融合召喚!『ジェムナイト・プリズムオーラ』!」

 

ジェムナイト・プリズムオーラ 攻撃力2450

 

「墓地のジルコニアを除外し、『ジェムナイト・フュージョン』を回収、プリズムオーラの効果で墓地に送り、『竜穴の魔術師』を破壊!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、破壊を防ぐ!」

 

「ターンエンドよ」

 

光津 真澄 LP3500

フィールド『ジェムナイト・プリズムオーラ』(攻撃表示)『ジェムナイト・マディラ』(攻撃表示)

『ブリリアント・フュージョン』セット1

手札3

 

「僕のターン、ドロー!トレミスのORUを1つ取り除き、墓地のソンブレスを回収!そして罠発動!『エクシーズ・リボーン』!墓地のプレアデスを特殊召喚し、このカードをORUにする!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

「星痕の効果でドロー!」

 

志島 北斗 手札4→5

 

「ORUのないプレアデスでオーバーレイ・ネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!『セイクリッド・トレミスM7』!!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻撃力2700

 

「バトルだ!プレアデスでチャージ・ウォリアーへ攻撃!」

 

「手札の『工作列車シグナル・レッド』を特殊召喚し、このカードに攻撃を移し、ダメージ計算を行う!」

 

工作列車シグナル・レッド 守備力1300

 

「くっ――何て奴だ……!残る2体でシグナル・レッドとチャージ・ウォリアーに攻撃!カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

志島 北斗 LP4000

フィールド『セイクリッド・プレアデス』(攻撃表示)『セイクリッド・トレミスM7』(攻撃表示)『セイクリッド・オメガ』(攻撃表示)

『セイクリッドの星痕』セット2

手札3

 

「オレのターン、ドロー!ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『沼地の魔神王』!『ジャンク・コレクター』!」

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

沼地の魔神王 守備力1100

 

ジャンク・コレクター 守備力2200

 

ここで現れたのは3体のモンスター、『魔術師』に沼地の魔神ガラクタの収集者。この状況を覆す為の3体だ。3人の顔色が変わる。

 

「『ジャンク・コレクター』……!だが奴を戻しても……!」

 

「アドバンス召喚でまた出てくる……!?」

 

「ッ!構うか!バウンスする!」

 

「『沼地の魔神王』をリリースし、手札に戻った『ジャンク・コレクター』をアドバンス召喚!」

 

ジャンク・コレクター 攻撃力1000

 

「くっ――!」

 

「伏せろ北斗!来るぞ!」

 

「『ジャンク・コレクター』と墓地の『エレタンタルバースト』を除外し、その効果をコピー!相手フィールドのカード全てを破壊!ぶち撒けろ!」

 

「くたばってたまるかよ!罠発動!『ダメージ・ダイエット』!破壊される前に使っておくぜ!」

 

コナミが右手を勢い良く突き出すと共に『マジカル・ブロードウェイ』のコンクリートが砕けて隆起し、突風に運ばれた火と水の柱が3人のカードを破壊し尽くす。一気に形勢逆転、見事ピンチを覆した――。

 

「やりやがったなコナミィ……!」

 

「今度から墓地発動系も入れとこう……」

 

3人共に水を浴び、びしょ濡れになった姿でコナミを睨む。しかしその口元にはニヤリと笑みが浮かんでいる。ポタポタと落ちる雫、全く、3対1でもこの男相手に油断は出来ない。

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外、『竜穴の魔術師』をデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

コナミ 手札2→3

 

「魔法カード、『ミラクル・フュージョン』!墓地の『E・HEROブレイズマン』と『沼地の魔神王』を除外、融合召喚!『E・HEROアブソルートZero』!」

 

E・HEROアブソルートZero 攻撃力2500

 

『HERO』と『沼地の魔神王』が融合し、フィールドに現れたのは最強の『HERO』とも言われる純白の貴公子。雪のようなマントを翻し、地上に降り、『エレタンタルバースト』によって生まれた大量の水を氷のスケート上へと変える。

 

「『ジャンク・コレクター』を何とかしても無駄って事ね……!」

 

「ふざけてやがる……!」

 

「バトルだ!アブソルートZeroで刃を攻撃!」

 

「墓地の『ネクロ・ガードナー』を除外し、攻撃を無効に!」

 

「サンキュー真澄ん!」

 

「軽口言ってる場合か!」

 

アブソルートZeroがスケート場を滑り、刃の下へと駆け抜け、その腕から伸びた鋭角な刃を振るい、ダメージを与えようとするが、真澄が墓地から『ネクロ・ガードナー』を除外して攻撃を防ぐ。

刃の前に現れた、蜃気楼のようにユラユラと揺れる戦士の影がアブソルートZeroを弾き飛ばしたのだ。後方に吹き飛ばさせるも空中でくるりと回転し、見事着地するアブソルートZero。だが追撃はかけられないとコナミに向かって首を振る。

 

「竜脈で光津に攻撃!」

 

「私ィ!?」

 

「クソ!中々冷静じゃねぇか!」

 

ここで刃に追撃してもダメージが半減され、止めを刺せないと判断したのだろう。ターゲットを変更し、少しでも多くのダメージを与えようとする。

 

光津 真澄 LP3500→1700

 

「うぁ――!」

 

強力な斬撃が襲いかかり、思わず真澄は腕をクロスさせ、苦悶の声を漏らす。LPが半分近く削り取られてしまった。次のターン、確実にコナミは刃か真澄のどちらかを倒しに来るだろう。いや、もしかすれば欲張りなコナミの事だ。全員を倒しに来る可能性も充分に考えられる。と言うかその気だ。この男はそう言う奴なのだ。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

コナミ LP4000

フィールド『E・HEROアブソルートZero』(攻撃表示)『竜脈の魔術師』(攻撃表示)

セット2

Pゾーン『賤竜の魔術師』

手札0

 

「私のターン、ドロー!ガトムズのハンデスを避ける為にカードを伏せたか……!だがこっちも大惨事になる前にアブソルートZeroを倒す!」

 

アブソルートZeroにはフィールドを離れた場合、相手モンスター全てを破壊する強力な効果がある。だからこそ最強の『HERO』なのだ。刃はせめて次のターンに展開する2人の被害を防ぐ為に、ここで食い止めねばと鼻息荒く氷の『HERO』を睨む。

 

「『XX―セイバーボガーナイト』を召喚!」

 

XX―セイバーボガーナイト 攻撃力1900

 

「効果でフラムナイトを特殊召喚!」

 

XX―セイバーフラムナイト 攻撃力1300

 

「レベル4のボガーナイトにレベル3のフラムナイトをチューニング!シンクロ召喚!出でよ!『X―セイバーソウザ』!」

 

X―セイバーソウザ 攻撃力2500

 

刃が覚悟を宿し、アブソルートZeroを倒す為にシンクロ召喚する。姿を見せるのは狂気の二刀流使い、攻撃力はアブソルートZeroと同じ。

 

「ソウザでアブソルートZeroへ攻撃!」

 

「チィッ!」

 

ソウザが地を蹴り、剣を交差させてアブソルートZeroへ斬りかかる。しかし氷の『HERO』も負けてはいない。瞬間にその軌道を見抜き、両腕から氷の刃を伸ばして切り結ぶ。響く金属音、削り取られる氷、劣勢なのはアブソルートZeroだ。ソウザの持つ聖剣に対し、彼の剣はただの氷、このままじゃ分が悪い。冷静に判断し、仕方無いと剣を食らう。切り裂かれる肩、しかし直ぐ様刃を凍結させて腕ごと凍らせ、その隙をついて氷の刃でソウザを切り裂く。結果は相撃ち、しかし相手モンスターが存在しない為、アブソルートZeroの効果は不発となる。

 

「後は頼む!ターンエンドだ!」

 

刀堂 刃 LP1800

フィールド

手札0

 

だがこれで刃を守るカードも無くなった。モンスターもセットカードも、手札すらない。全ては勝利の為に――残る2人に賭けたのだ。応えてやらねば、真澄はキッと目を吊り上げ、勢い良くカードを引き抜く。

 

「私のターン、ドロー!任せなさいっての……!私は墓地のラズリーを除外し、『ジェムナイト・フュージョン』を回収!そして『ジェムナイト・アンバー』を召喚!」

 

ジェムナイト・アンバー 攻撃力1600

 

雷纏いし琥珀の戦士が姿を見せる。このカードも墓地では通常モンスターとして扱うデュアルモンスターだ。その効果を発動させる為、真澄は次の手に移る。

 

「装備魔法、『スーペルヴィス』をアンバーに装備!再度召喚状態となったアンバーの効果で『ジェムナイト・フュージョン』を捨て、除外されているブリリアント・ダイヤをエクストラデッキに!まだよ!墓地の『ジェムナイト・パーズ』を除外し、『クリスタル・ローズ』を特殊召喚!」

 

クリスタル・ローズ 守備力500

 

「効果でデッキの『ジェムナイト・サフィア』を落とし、名前をコピー!墓地の『ジェムナイト・マディラ』を除外し、『ジェムナイト・フュージョン』回収!発動!手札の『ジェムナイト・クリスタ』と『ジェムナイト・エメラル』、そしてフィールドの『ジェムナイト・アンバー』を融合!融合召喚!『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』!!」

 

ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ 攻撃力3400

 

再びフィールドに降臨する煌めくダイヤの白騎士。自身が入っていたダイヤモンドに剣線を走らせ切り裂き登場。そのまま剣を振るい、巨大なダイヤモンドを一瞬で切り取り、ダイヤの薔薇を手にする。

 

「『スーペルヴィス』の効果でサニクス蘇生!」

 

ジェムナイト・サニクス 攻撃力1800

 

「墓地の『ジェムナイト・サフィア』を除外し、『ジェムナイト・フュージョン』回収!発動!フィールドのサフィアとなった『クリスタル・ローズ』とサニクスで融合!光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん!融合召喚!『ジェムナイト・アクアマリナ』!」

 

ジェムナイト・アクアマリナ 攻撃力1400

 

ブリリアント・ダイヤに並び立つように現れたのは現れたのは頑強な鎧と盾を持ち、黒いマントを纏ったアクアマリンの騎士。攻撃力は低く、守備向きのモンスターと言えるカードだ。

 

「ブリリアント・ダイヤの効果でアクアマリナを墓地に送り、グラインドフュージョン!『ジェムナイトマスター・ダイヤ』!!」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻撃力2900→3700

 

アクアマリナが巨大なダイヤモンドの殻に閉じ込められ、ブリリアント・ダイヤが華麗なステップを刻みながら剣を振るう。バキリとダイヤモンドが砕かれ、中から現れたのはブリリアント・ダイヤと同じく光輝くダイヤモンドの騎士王。砕かれたダイヤモンドには仲間達の姿が写り込み、マスター・ダイヤの手元に集まってダイヤの大剣を構成する。攻撃力3700、最高ラインと言える数値を得た。

 

「アクアマリナの効果で竜脈をバウンス!」

 

「ほう――?」

 

「マスター・ダイヤの効果で『ジェムナイト・マディラ』を除外し、その名前と効果を得る!」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻撃力4000→3900

 

「バトルよ!2体でダイレクトアタック!」

 

「その前に、墓地の『光の護封霊剣』を除外、ダイレクトアタックを防ぐ!」

 

2体の聖騎士が地を蹴ってコナミに肉薄し、レイピアと大剣を重ね、勢い良く振り抜く。しかしコナミが瞬時に光の剣を地面から引き抜き、斬撃を弾く。またもやかわされた、のらりくらりとするコナミを見て、真澄が唇を噛む。

 

「かったいわね……ターンエンドよ、北斗!」

 

光津 真澄 LP1700

フィールド『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』(攻撃表示)『ジェムナイトマスター・ダイヤ』(攻撃表示)

手札0

 

「全く手間のかかる……!僕のターン、ドロー!『セイクリッド・シェアト』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・シェアト 守備力1600

 

「『セイクリッド・ポルクス』を召喚!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700

 

「ポルクスの効果で得た召喚権を使い、『セイクリッド・ソンブレス』を召喚!」

 

セイクリッド・ソンブレス 攻撃力1550

 

「ソンブレスの効果で墓地のプレアデスを除外し、『セイクリッド・カウスト』を回収!ソンブレスの効果で召喚!」

 

セイクリッド・カウスト 攻撃力1800

 

「シェアトの効果で墓地のポルクスのレベルをコピー!」

 

セイクリッド・シェアト レベル1→4

 

「カウストの効果でシェアトとこのカードのレベルを1つ上げる!」

 

セイクリッド・シェアト レベル4→5

 

セイクリッド・カウスト レベル4→5

 

4体の『セイクリッド』モンスターを展開し、これにて準備は整った。後は――得意のエクシーズへと繋げるのみ。

 

「レベル4のモンスター2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・オメガ』!」

 

セイクリッド・オメガ 攻撃力2400

 

「レベル5のモンスター2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・プレアデス』!!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

並び立つ2体のエクシーズモンスター。カードをバウンスするプレアデスと『セイクリッド』を魔法、罠から守るオメガ。この2体を合わせる事で安定感はグッと上がる。それでも突破される事は多々あるが、無いよりはマシだ。

 

「プレアデスでダイレクトアタック!」

 

「墓地の『虹クリボー』を特殊召喚!」

 

虹クリボー 守備力100

 

「プレアデスの効果でバウンス!」

 

「アクションマジック、『ブラインド・ブリザード』を発動!バトルを終了!」

 

「くっ、ターンエンドだ」

 

志島 北斗 LP4000

フィールド『セイクリッド・プレアデス』(攻撃表示)『セイクリッド・オメガ』(攻撃表示)

手札0

 

それぞれが全力を出し尽くし、コナミを確実に追い込んでいく。最早防御札は粗方使い切った――。ここが正念場、そびえ立つ高い壁を乗り越えねば、勝利はない。コナミは覚悟を決め、勢い良くデッキからカードを引き抜く。

 

「オレのターン、ドロー!魔法カード、『エクシーズ・トレジャー』!フィールドのエクシーズモンスターは2体、2枚ドロー!」

 

コナミ 手札0→2

 

「魔法カード、『HEROの遺産』を発動!墓地の『アブソルートZero』とガイアをエクストラデッキに戻し、3枚ドロー!」

 

コナミ 手札1→4

 

「魔法カード、『貪欲な壺』!墓地の『No.39希望皇ホープ』、『慧眼の魔術師』、『刻剣の魔術師』、『スターダスト・チャージ・ウォリアー』、『E・HEROエアーマン』を回収し、2枚ドロー!」

 

コナミ 手札3→5

 

「『慧眼の魔術師』をセッティングし、ペンデュラム効果で破壊、デッキの『竜穴の魔術師』をセッティング!ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『相克の魔術師』!『慧眼の魔術師』!世にも珍しい二色の眼を持つ龍!『オッドアイズ・ドラゴン』!!出でよ、絶望の暗闇に差し込む、眩き救いの光!『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・ドラゴン 攻撃力2500

 

オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 攻撃力2800

 

相克の魔術師 攻撃力2500

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

慧眼の魔術師 攻撃力1500

 

振り子の軌跡で現れる4体のモンスター。『魔術師』2体に二色の眼の竜が2体、これでフィールドは埋め尽くされた。

 

「プレアデスのORUを1つ取り除き、『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』をバウンス!」

 

「甘いな、『相克の魔術師』の効果でその効果を無効にする!バトルだ!『オッドアイズ・ドラゴン』で『セイクリッド・オメガ』を攻撃!スパイラル・フレイムッ!!」

 

志島 北斗 LP4000→3800

 

『オッドアイズ・ドラゴン』の鋭い歯が並ぶアギトに大気が集束し、発火して渦巻く炎のブレスが放たれる。呑み込まれる光の神馬。だがまだだ、炎は消える事無く燃え上がり、広がって3人に襲いかかる。

 

「『オッドアイズ・ドラゴン』の効果で『セイクリッド・オメガ』の攻撃力の半分、1200のダメージを与える!」

 

光津 真澄 LP1700→500

 

刀堂 刃 LP1800→600

 

志島 北斗 LP3800→2600

 

「ぐっ――」

 

「この効果があったか……!」

 

「『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』でブリリアント・ダイヤに攻撃!この瞬間、2枚の『スキル・サクセサー』を除外し、攻撃力を800アップ!」

 

オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 攻撃力2800→4400

 

光津 真澄 LP500→0

 

セイバー・ドラゴンが背から伸びた金色の剣を振るい、真澄のブリリアント・ダイヤと切り結ぶ。ぶつかり合う剣戟の嵐。それを制したのはセイバー・ドラゴンだ。黄金の斬撃がブリリアント・ダイヤを吹き飛ばし、プレアデスもまとめて切り裂く。これで真澄はリタイヤとなった。

 

「セイバー・ドラゴンの効果でプレアデスを破壊!」

 

「おいおい……マジかコイツ……!」

 

「さぁ終わりだ!竜脈で刃を!相克と慧眼で北斗にダイレクトアタック!」

 

刀堂 刃 600→0

 

志島 北斗 LP2600→100→0

 

決着――勝者、コナミ。赤帽子のデュエリストは見事勝利を掴み取った――。

 

――――――

 

一方、コナミや遊矢達が特訓をしている頃、融合次元アカデミアの巨城では、騒がしい軍靴の音が鳴り響いていた――。その原因は――最上部、とある少女達が閉じ込められている塔にあった。

 

「チッ!嗅ぎ付けられたか!おいエアー!貴様があんなデカイモンスターを出したからこうなったのだ馬鹿者め!」

 

「仕方無いだろう!俺もあそこまでデカイモンスターとは思ってなかったんだ!正直すまんかったと思ってる!」

 

そこにいたのは遊矢と隼と激闘を繰り広げたオベリスク・フォース・サンダーとエアーだ。今は身分を隠しているのか、仮面を被り、塔へとやって来るオベリスク・フォース達を見据える。と、そんな中、何時の間にかいたのか、赤い髪を結び、褐色の肌をした幼女がくいくいとエアーの軍服を引っ張り、不安そうな表情となる。

 

「私のせい……?」

 

「それは違う。断言する」

 

キリッ、幼女の前で真面目な顔をし、なでこなでこと幼女の頭を撫でるエアー。良く見てみるとハァハァと鼻息が荒いが――子供が好きなんだろう。多分。

 

「ロ、ロリコン……」

 

思わず彼等に助けられた少女達も引く始末である。

 

「やってる場合か!おい貴様等、俺様かエアーに掴まれ!奴等に見つからんアジトに飛ぶぞ!」

 

幼女を愛でるエアーに若干引きつつ、この場から逃れる為にサンダーが指示を出す――するとエアーに掴まったのは幼女、サンダーに掴まったのは助け出された少女2人となった。日頃の行いって大事。

 

「「「……」」」

 

「何か言えよ」

 

「さて、準備は良いな!飛ぶぞ!」

 

気まずい雰囲気が流れる中、サンダーが口を開き、デュエルディスクを操作したその時、ヒラリ、とショートカットの少女のポケットから1枚のカードが落ち、彼女が慌てて拾おうとする。

 

「っ!待って!あのカードだけは――」

 

「なっ、おい!」

 

「見つけたぞ!貴様等が反逆者か!」

 

「チッ!」

 

しかし運悪く、そこにオベリスク・フォース達が辿り着き、モンスター達を呼び出して彼等に攻撃を仕掛け――黒い球体状のエネルギー弾が、カードを拾おうとした少女に直撃する。

 

「なっ!?」

 

「リンちゃん!?」

 

最悪の展開――吹き飛ばされる少女、リンの下へとサンダーが駆け、カードと共に拾い上げ、状態を確認――気絶はしているが、目立った外傷は無い。どんだけ頑丈なんだとリンのストロングさに戦慄しながらもサンダーとエアーはデュエルディスクを操作し、その場から消え去る。

 

「逃げられたか――!」

 

「反応を追え!」

 

「ダメだ!反応が無い!奴等デュエルディスクに何か仕込んだな!ドクトル教授を呼べ!」

 

――――――

 

「……なぁんか上がうるさいなぁ」

 

「気のせいでしょう恐らくまた覇王殿がやらかしたんでしょうねぇ」

 

一方――アカデミアの地下にて、1人のデュエリストが厳かで怪しい門を潜っていた。キィッ、ガシャンッ!と彼が門の中へと足を踏み入れた途端、その背で門が閉まり、何重にも鍵がかけられるが、少年は表情を変えず、門、いや、その先の人物に振り向く。

後退した白髪に深い隈が刻まれた目、如何にもと、怪しい風貌をしたその男性は喉をクツクツと鳴らしながら少年に語りかける。

 

「クフフフフッ……私に案内出来るのはここまでです。ここから先、いや、ここの存在はアカデミアの上層部しか知らぬ、禁断の地なのですから――それでは、どうか無事に帰って来られる事を――ユーリ君」

 

そう言って――男、ドクトルは怪し気な笑い声を上げ、踵を返してその場から去っていく――。後に残された少年、ユーリはまた、くるりと振り返り、暗く整備の行き届いてない地下デュエル場を見渡す。

ここから始まるは誰にも語られる事は無いだろう――修羅の道。少年は、長く険しい獣道を突き進む――。

 

 

 

 

 

 




スタンダード次元最後のデュエルって言っただけで2章が終わるとは言ってない(震え声)。
次にユーリ君のデュエルに2話、もう1つ2話構成のデュエルをして2章は終了になると思います。冗長になりますが、お付き合いしていただければ。
……割りとマジでこの話が長くなるの何とかしたいなぁ。色んなキャラにスポットを当てる以上仕方ないかもしれないけど。

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