遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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今回の話に合う遊戯王の名言、迷言がどうしても思いつかなくて遂にモンスターの召喚口上に。長い事やってるとネタが事切れて来る。いや、名言自体はまだまだあるんだけど、話に合うとなるとどうしても。最近の悩みはこれだったり。


第86話 英雄の血潮に染まる翼翻し

火花散り、激しさを増すコナミと隼、零児とデニスのタッグデュエル。互いに互いを高め合うようなデュエルを見て、管制室で見学していた零羅は目を輝かせていた。

 

「……!……!」

 

「ん?零羅様?ああ、デュエルが面白いのですか?」

 

中島のスーツの袖を握り、クイクイと引っ張ってパァッと表情を明るくする零羅を見て、中島がクスリと笑う。無口な零羅であるが、こう言う所はやはり年相応の子供らしい。

 

また、人見知りする性格なのだが、零児と中島だけには今まで接した時間の長さもあってこうして懐き、積極的に話しかけてくれる。一応瑠那とも話してくれるがやはり優先度が違う。

2人の母である日美香は長い時間接している割りに懐いてくれなくて落ち込んでいるが。

 

「私としてはあなたを闘わせたく無いのです。ランサーズ入りも反対しました。フフ、長い事勤めていますが、社長に反発したのはあれが初めてですね。ですが――社長はあなたを信頼しているのでしょう。ですからこうして、色々なデュエリストを見て、勉強してください。あ、あの赤帽子と黒咲はダメですよ。赤帽子は何をするか分からないアホですし、悪影響です。黒咲は猛犬です。近寄ったら噛まれます」

 

「ッ!?……か……噛む……?」

 

「親バカなの?中島さん、親バカよね?」

 

確かに言い方はあれだが、コナミと隼は零羅に悪影響を与えかねない。そんな彼等を指差して零羅から遠ざけようとする中島は、瑠那の目から見ても確実に親バカと呼ばれる人種だった。血は繋がっていないが。

 

――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ターンプレイヤーが隼へと移り、彼は勢い良くカードを引き抜く。折角のフォース・ストリクスももう1度効果を使うまでもなく破壊され、『RUM』をサーチする『ラプターズ・アルティメット・メイス』を装備したインペイル・レイニアスを破壊された。

モンスター0、手札は3枚。対する相手フィールドには4体ものエクシーズモンスター。明らかに逆境だ。だからこそ――隼の実力は発揮される。

 

「ペンデュラム召喚!『RR―トリビュート・レイニアス』!『RRブースター・ストリクス』!」

 

RR―トリビュート・レイニアス 攻撃力1800

 

RR―ブースター・ストリクス 守備力1700

 

タッグパートナーであるコナミが用意してくれたペンデュラムを使い、一気にフィールドに2体のモンスターを揃える。順調だ。

しかしフォース・ストリクスを使い切った今、この状況で活躍出来るレベル4のモンスター2体でエクシーズ出来るモンスターを隼は所持していない。2体でなら、だが。

 

「トリビュート・レイニアスの効果でミミクリー・レイニアスを落とし、除外して『RR―レディネス』をサーチ!ネストの効果でファジー・レイニアスを回収し、特殊召喚!」

 

RR―ファジー・レイニアス 守備力1500

 

2体では駄目だが――3体ならば道は切り開ける。

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!雌伏のハヤブサよ。逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!現れろ!『RR―ライズ・ファルコン』!」

 

RR―ライズ・ファルコン 攻撃力100

 

3体の鳥獣族モンスターを素材とし、青い機械鳥が甲高い囀りを響かせる。ブースターを装備した翼を広げ、自身の身体の半分以上を占める巨大な爪を持った猛禽。見た目のゴツさとは裏腹に攻撃力は100と随分見かけ倒しと捉えられるが――この場にいる者は全て、その効果を充分に知っている。

 

「ライズ・ファルコンのORUを1つ取り除き、シャドー・メイカーを対象として効果発動!対象のモンスターの攻撃力をこのカードに加える!」

 

RR―ライズ・ファルコン 攻撃力100→2700

 

攻撃力吸収、どんなに強力なモンスターでも上回る反逆の名に相応しい効果が炸裂する。しかもライズ・ファルコンの効果はこれだけではない。

 

「墓地に送られたファジー・レイニアスの効果で最後の同名カードをサーチ!バトルだ!ライズ・ファルコンは特殊召喚された全てのモンスターに攻撃可能!まずは厄介なトラピーズ・マジシャンだ!ブレイブクローレボリューション!」

 

「トラピーズ・マジシャンの効果で『Emスティルツ・シューター』を特殊召喚!」

 

Emスティルツ・シューター 守備力0

 

現れたのは竹馬に乗ったクールな魔法使い。『Em』でも数少ない上級モンスター。とは言えライズ・ファルコンには敵わない為、守備表示での登場だ。

 

「まだだ!全てのモンスターへ、攻撃ィ!」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP2650→2550→2450→2350

 

「くっ――!」

 

ライズ・ファルコンが天高く飛翔し、急激に降下して勢いのままその巨大な爪でデニスのモンスターを引き裂く。鋏を砕き、影を裂き、マントを破り、全てのモンスターを破壊する。豪快なジャイアントキリング。整えられた布陣を掻き乱す、大逆境のエンターテイメントが炸裂する。これでデニスのモンスターは全滅、今度は真逆の立場となった。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

コナミ&黒咲 隼 LP2300

フィールド『RR―ライズ・ファルコン』(攻撃表示)

『RR―ネスト』セット3

Pゾーン『竜穴の魔術師』『賤竜の魔術師』

手札3(コナミ)手札2(隼)

 

「私のターン、ドロー!永続罠、『DDリビルド』を発動。魔法カード、『マジック・プランター』で墓地に送り、2枚ドロー!」

 

赤馬 零児 手札1→3

 

「更に魔法カード、『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップから10枚のカードを除外し、2枚ドロー!」

 

赤馬 零児 手札3→4

 

零児は類稀なるデュエルタクティクスを持っているが、彼自身のドロー力は決して高いとは言えない。その為サーチカード等を投入しているのだが――これはどう言う事か、2連続でドローカードを引き込んだ。もしもドロー力を身につけたと言うならば鬼に金棒だ。

 

「永続魔法、『地獄門の契約書』を発動!デッキから『DD魔導賢者ケプラー』をサーチし、召喚!」

 

DD魔導賢者ケプラー 攻撃力0

 

「ケプラーの効果で『魔神王の契約書』をサーチ、発動!そして速攻魔法、『揺れる眼差し』を発動!……効果は知っているな?ペンデュラムカードを破壊し、効果を適用!この瞬間、墓地の『Emスティルツ・シューター』を除外し、2000のダメージを与える!」

 

「またか……!俺は手札の『ハネワタ』を捨て、効果ダメージを0に!」

 

発動されたのはデュエル序盤、デニスも発動した魔法カード。ひび割れ、破壊される背後の光の柱。その数は4、尤も、適用されるのは3つまでだが。

 

「私は『DD魔導賢者トーマス』をサーチ、ライズ・ファルコンを除外!」

 

「くっ……!」

 

「私はたった今サーチした『DD魔導賢者トーマス』をセッティング!ペンデュラム効果でエクストラデッキの『DD魔導賢者ニュートン』を回収し、セッティング!ペンデュラム召喚!『DDD壊薙王アビス・ラグナロク』!『DDD極智王カオス・アポカリプス』!」

 

DDD壊薙王アビス・ラグナロク 守備力3000

 

DDD極智王カオス・アポカリプス 攻撃力2700

 

賢者が天空に魔方陣を描き出し、開いた孔より世界の終焉を名に刻んだ王達が目を覚ます。現れる2体の次元を統べる王。その効果は強力だ。

 

「アビス・ラグナロクの効果で墓地の『DDD疾風王アレクサンダー』を特殊召喚!」

 

DDD疾風王アレクサンダー 攻撃力2500

 

「そして『魔神王の契約書』の効果で手札の『DDネクロ・スライム』とフィールドのケプラーで融合!融合召喚!『DDD烈火王テムジン』!」

 

DDD烈火王テムジン 攻撃力2000

 

「『幻夢境』の効果により、1枚ドロー!アレクサンダーの効果で墓地の『DDラミア』を特殊召喚する!」

 

赤馬 零児 手札0→1

 

「レベル7のアレクサンダーにレベル1の『DDラミア』をチューニング!シンクロ召喚!『DDD呪血王サイフリート』!」

 

DDD呪血王サイフリート 攻撃力2800

 

「まだだ!テムジンの効果で墓地の『DDD疾風王アレクサンダー』を特殊召喚!」

 

DDD疾風王アレクサンダー 攻撃力2500

 

「バトル!カオス・アポカリプスでダイレクトアタック!」

 

「やらせん!永続罠、『闇次元の解放』!除外されている『RR―フォース・ストリクス』を特殊召喚!」

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000

 

零児の指示を受け、カオス・アポカリプスが迫り来るその時、隼はリバースカードを使い、フィールドにフォース・ストリクスを帰還させる。だが守備力は2000、結果は分かり切っている。直ぐ様でカオス・アポカリプスは狙いを変え、フォース・ストリクスを破壊する。

 

「速攻魔法、『RUM―デス・ダブル・フォース』!破壊されたフォース・ストリクスを特殊召喚し、倍のランクの『RR』へとランクアップさせる!」

 

「サイフリートの効果でデス・ダブル・フォースを無効に!」

 

「罠発動!『スキル・プリズナー』!デス・ダブル・フォースを対象に発動したモンスター効果を無効に!」

 

「速攻魔法、『神秘の中華なべ』!サイフリートをリリースし、LPを2800回復!」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP2350→5150

 

「オーバーレイ・ネットワークを再構築!勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!飛翔しろ!『RR―サテライト・キャノン・ファルコン』!」

 

RR―サテライト・キャノン・ファルコン 攻撃力3000

 

しかし隼は何もただ破壊される為にフォース・ストリクスを復活させた訳では無い。攻撃を防ぐ為ならばレディネスを発動している。

隼の狙いはフォース・ストリクスを破壊させ、サテライト・キャノン・ファルコンへとランクアップさせる事。破壊され、ボロボロに傷ついたフォース・ストリクスが復活し、天高く飛翔する。更に不死鳥の如く火炎に包まれ、その翼が巨大化し、炎を裂いて中より純白の猛禽が姿を見せる。

 

「エクシーズ召喚時、お前達の魔法、罠カードを全て破壊!」

 

「ならばメインフェイズ2、アビス・ラグナロクの効果でカオス・アポカリプスをリリースし、サテライト・キャノン・ファルコンを除外!」

 

「チィッ!サテライト・キャノン・ファルコンのORUを1つ取り除き、アレクサンダーの攻撃力をダウン!」

 

DDD疾風王アレクサンダー 攻撃力2500→0

 

「私はこれでターンエンドだ。『幻夢境』の効果でアビス・ラグナロクは破壊される。これならば出し惜しみせずカリ・ユガを出せば良かったか」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP5150

フィールド『DDD烈火王テムジン』(攻撃表示)『DDD疾風王アレクサンダー』(攻撃表示)

手札1(零児)手札1(デニス)

 

「オレのターン、ドロー!『クリバンデット』を召喚!」

 

クリバンデット 攻撃力1000

 

現れたのは頭にスカーフを巻き、眼帯を装着した鋭い目付きの、毛むくじゃらで1頭身の悪魔。優秀な墓地肥やし、サーチ効果を持つ『クリボー』系列のモンスターだ。

 

「装備魔法、『妖刀竹光』を『クリバンデット』に装備し、魔法カード、『黄金色の竹光』を発動!2枚ドロー!もう1枚だ!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札2→4→5

 

「『慧眼の魔術師』と『降竜の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!慧眼を破壊し、『竜穴の魔術師』をセッティング!」

 

「手札の『増殖するG』を捨てる事で、相手が特殊召喚する度にドローする」

 

「ペンデュラム召喚!2体の『慧眼の魔術師』!」

 

慧眼の魔術師 守備力1500×2

 

赤馬 零児 手札0→1

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が闘いはここから始まる、白き翼に望みを託せ、現れろ!No.39!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

赤馬 零児 手札1→2

 

2体の慧眼を素材とし、コナミの持つエクシーズモンスターが咆哮する。金色の鎧に純白の双翼、腰の2刀を引き抜き、右肩に39の数字を刻んだ希望の皇。雄々しきその姿は主を鼓舞する。

 

「バトル!『クリバンデット』でアレクサンダーへ攻撃!」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP5150→4150

 

「追撃だ!ホープでテムジンに攻撃!この瞬間、ホープのORUを1つ取り除き、攻撃を無効に!そして速攻魔法、『ダブル・アップ・チャンス』!ホープの攻撃を倍にして、もう1度攻撃!ホープ剣・ダブル・スラッシュ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500→5000

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP4150→1150

 

テムジン目掛けホープが2刀の剣を振るう。テムジンも盾を前に突き出して防ごうとするものの、直ぐ様紙のように真っ二つに切り裂かれてしまう。

 

「くっ――!」

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ。この瞬間、『クリバンデット』をリリースし、デッキの上から5枚を捲り、『アームズ・ホール』を手札に。墓地に送られた最後の『妖刀竹光』の効果で『黄金色の竹光』をサーチ!」

 

「ふむ……」

 

相変わらず墓地発動系のカードを次々と破壊し、それを利用して様々なアドバンテージを稼ぐコナミのデュエルは中々に厄介だ。何よりも墓地で発動すると言うのが歯止めの効かないものが多い為、彼のデュエルにはブレーキがかからない。一見まとまりが無いように見えて、見事にまとめてしまっている。

とは言ってもやはり彼にしか扱えないようなデッキだが、何とも評価に困るが、1度波に乗ったら止まらない、それがコナミに当て嵌まる評価だ。

 

コナミ&黒咲 隼 LP2300

フィールド『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)

『RR―ネスト』セット2

Pゾーン『竜穴の魔術師』『降竜の魔術師』

手札2(コナミ)手札1(隼)

 

「僕のターン、ドロー!良いね良いねぇ!楽しくなって来たよ!魔法カード、『貪欲な壺』!墓地の『Emトラピーズ・マジシャン』3体と『Em影絵師シャドー・メイカー』2体を回収し、2枚ドロー!」

 

デニス・マックフィールド 手札1→3

 

「魔法カード、『マジカル・ペンデュラム・ボックス』を発動!2枚ドロー!」

 

デニス・マックフィールド 手札2→4

 

「その後確認!ペンデュラムモンスターの為、『Emファイヤー・ダンサー』と『Emボーナス・ディーラー』を手札に!良い手札だ!『魔導書士バテル』を召喚!」

 

魔導書士バテル 攻撃500

 

「バテルの効果で『ルドラの魔導書』サーチ!発動!バテルを墓地に送り、2枚ドロー!」

 

デニスの手札から繰り出されるぶっ壊れカードの数々、凶悪極まりないドローが彼の手札を潤していく。

 

デニス・マックフィールド 手札3→5

 

「『Emファイヤー・ダンサー』と『Emボーナス・ディーラー』でペンデュラムスケールをセッティング!ペンデュラム召喚!『Emウォーター・ダンサー』!『Emボール・ライダー』!『Emフレイム・イーター』!『Emミラー・コンダクター』!」

 

Emウォーター・ダンサー 守備力1400

 

Emボール・ライダー 守備力1800

 

Emフレイム・イーター 守備力1400

 

Emミラー・コンダクター 守備力1600

 

振り子の軌跡で姿を見せる4体の『Em』。騒がしくも楽しいメンバーの登場で更にデュエルは盛り上がる。

 

「墓地の『ダメージ・ダイエット』を除外し、ダメージを半分に!」

 

コナミ&黒咲 隼 LP2300→2050

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP1150→650

 

「ボーナス・ディーラーのペンデュラム効果で手札から『Em』を3体以上ペンデュラム召喚した事で2枚ドロー!」

 

デニス・マックフィールド 手札0→2

 

これだけモンスターを召喚したにも関わらず、まだ手札が回復する。正にマジシャン。手数を減らさずカードを確保していく。

 

「ショーはまだまだ続くよ!ボール・ライダーとフレイム・イーターの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『Emトラピーズ・マジシャン』!!」

 

Emトラピーズ・マジシャン 攻撃力2500

 

「ミラー・コンダクターの効果で、ホープの攻守を反転!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500→2000

 

「もう1体!2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『Emトラピーズ・マジシャン』!!」

 

Emトラピーズ・マジシャン 攻撃力2500

 

「魔法カード、『エクシーズ・リベンジ』!墓地の『Em影絵師シャドー・メイカー』を蘇生し、ホープのORUを1つ奪う!」

 

Em影絵師シャドー・メイカー 攻撃力2600

 

「装備魔法、『ワンダー・ワンド』をシャドー・メイカーに装備!」

 

Em影絵師シャドー・メイカー 攻撃力2600→3100

 

「対象となったシャドー・メイカーのORUを取り除き、2体目のシャドー・メイカーを特殊召喚!」

 

「永続罠、!『デモンズ・チェーン』!モンスターの攻撃と効果を無効に!」

 

次々と姿を見せるデニスのエクシーズモンスター。これでトラピーズ・マジシャンとシャドー・メイカーが計3体、このターン、『RR』が戦闘破壊されず、ダメージも0になるレディネスがあるとは言え、モンスターは別だ。ホープだけで防ぎ切れるかどうか。

 

「シャドー・メイカーと『ワンダー・ワンド』を墓地に送り、2枚ドロー!」

 

デニス・マックフィールド 手札0→2

 

「魔法カード、『打ち出の小槌』で手札を交換、バトルだ!トラピーズ・マジシャンでホープへ攻撃!」

 

「罠発動!『RRレディネス』!除外してダメージを0に!ORUが無いホープが攻撃対象となった為、自壊する」

 

「カードを1枚セットして、ターンエンドだよ!」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP650

フィールド『Emトラピーズ・マジシャン』(攻撃表示)×2『Em影絵師シャドー・メイカー』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『Emファイヤー・ダンサー』『Emボーナス・ディーラー』

手札2(零児)手札0(デニス)

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『手札抹殺』!手札を捨て、その分ドロー!魔法カード、『マジック・プランター』!『デモンズ・チェーン』をコストに2枚ドロー!」

 

黒咲 隼 手札1→3

 

「魔法カード、『RUM―ソウルシェイブ・フォース』を発動!LPを半分払い、墓地のフォース・ストリクスを2つランクが高いエクシーズモンスターへとランクアップさせる!オーバーレイ・ネットワークを再構築!誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し革命の道を突き進め!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろ!『RR―レヴリューション・ファルコン』!」

 

コナミ&黒咲 隼 LP2050→1025

 

RR―レヴリューション・ファルコン 攻撃力2000

 

LPと言う命を削り、墓地のフォース・ストリクスが復活し、火炎に包まれランクアップする。灰色に染まった双翼を広げ、甲高い囀りを響かせるのは革命を起こす反逆のハヤブサ。このカードならば――一気に勝負を決められる。

 

「ペンデュラム召喚!『竜穴の魔術師』!『賤竜の魔術師』!」

 

竜穴の魔術師 守備力2700

 

賤竜の魔術師 守備力1400

 

「レヴリューション・ファルコンのORUを1つ取り除き、このターン、このカードは特殊召喚されたモンスター全てに攻撃出来る!」

 

「ならチェーンしてトラピーズ・マジシャンのORUを1つ取り除き、レヴリューション・ファルコンに効果を使う!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、効果を防ぐ!」

 

「ならもう1体の効果発動!」

 

「墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外し、効果を無効!さぁ、バトルだ!全てのモンスターに攻撃!レヴリューショナル・エアレイドォッ!!」

 

レヴリューション・ファルコンの双翼が展開し、中に補填された爆弾が落下して大地ごと焼き尽くす。レヴリューション・ファルコンには特殊召喚されたモンスターと戦闘を行う場合、その相手モンスターの攻撃力を0にする効果がある。これならば――。

 

「罠発動!『攻撃の無敵化』!このバトルフェイズでの戦闘ダメージを0に!」

 

しかしデニスはそれを軽々とかわす。勝利を目前にして手は空を切る。だがモンスターは別だ。

 

「レヴリューション・ファルコンの効果により、戦闘する特殊召喚されたモンスターの攻撃力を0に!」

 

Emトラピーズ・マジシャン 攻撃力2500→0×2

 

Em影絵師シャドー・メイカー 攻撃力2600→0

 

「破壊されたトラピーズ・マジシャンの効果でまずはフレイム・イーターを特殊召喚し、続いてスティルツ・シューターを特殊召喚!」

 

Emフレイム・イーター 守備力1400

 

Emスティルツ・シューター 守備力0

 

コナミ&黒咲 隼 LP1025→525

 

「フレイム・イーターとスティルツ・シューターに追撃、カードを1枚セットし、ターンエンドだ。この瞬間、『幻夢境』の効果で『竜穴の魔術師』は破壊される」

 

後は――パートナーである、コナミに任せるのみ。

 

コナミ&黒咲 隼 LP525

『RR―レヴリューション・ファルコン』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(守備表示)

『RR―ネスト』セット1

Pゾーン『竜穴の魔術師』『降竜の魔術師』

手札2(コナミ)手札0(隼)

 

「私のターン、ドロー!見事、見事としか言えない連携だ。ならば私も、今出せる全力を出そう!魔法カード、『ペンデュラム・ストーム』!互いのペンデュラムゾーンを破壊し、セットカードを破壊!私は『DD魔導賢者トーマス』をセッティングし、エクストラデッキのニュートンを手札に!そして手札から捨て、墓地の『地獄門の契約書』を回収!デッキから『DD魔導賢者ケプラー』をサーチし、召喚!」

 

DD魔導賢者ケプラー 攻撃力0

 

出会って間もないにも関わらず、互いを支え、その実力を高め、十二分に発揮するコナミと隼を見て、零児が舌を巻く。やはり、コナミはそう言うデュエリストだと理解したのだ。

だがそれでも自分を倒すまではランサーズとしては認められない。零児は己の全てを出し、コナミ達に反撃を仕掛ける。

 

「ケプラーの効果により、デッキから『闇魔界の契約書』をサーチし、発動!その効果で墓地の『DD魔導賢者ニュートン』をペンデュラムゾーンにセッティング!ペンデュラム召喚!『DDD壊薙王アビス・ラグナロク』!『DDD極智王カオス・アポカリプス』!」

 

DDD壊薙王アビス・ラグナロク 守備力3000

 

DDD極智王カオス・アポカリプス 攻撃力2700

 

現れる2体の魔王。これだけでは先程と同じ、しかし零児は更にその上を行く。

 

「アビス・ラグナロクの効果で墓地の『DDD呪血王サイフリート』を特殊召喚!」

 

DDD呪血王サイフリート 攻撃力2800

 

「永続魔法、『魔神王の契約書』!フィールドのケプラーと墓地のアレクサンダーで融合!神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで、新たな世界を切り開け!融合召喚!出現せよ!極限の独裁神、『DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク』!」

 

DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク 攻撃力3200

 

更に零児の背後に青とオレンジの渦が巻き起こり、2体のモンスターが吸い込まれる。

中より轟音を響かせ、フィールドを震撼させしはアビス・ラグナロクの面影が残る、海流を纏った魔王。

 

「『幻夢鏡』の効果でドロー!」

 

赤馬 零児 手札0→1

 

「魔法カード、『地割れ』!レヴォリューション・ファルコンを破壊し、2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!2つの太陽が昇る時、新たな世界の地平が開かれる!エクシーズ召喚!現れ出でよ!『DDD双暁王カリ・ユガ』!!」

 

DDD双暁王カリ・ユガ 攻撃力3500

 

2体の王が重なり合い、2つの太陽をも統べる魔王が誕生し、降臨する。巨大な玉座に腰掛け、圧倒的な威圧感を放つ面影はアビス・ラグナロクと似通っているが、放つ重圧はその倍以上に感じられる。ワインレッドの鎧、兜からは2本の雄々しき角が伸び、身体から紫電を迸らせる。赤馬 零児の切り札が今、コナミ達を睨む。

 

「カリ・ユガがエクシーズ召喚したターン、フィールドのカードの効果は発動出来ない!更に私は『闇魔界の契約書』を墓地に送り、墓地の『DDラミア』を特殊召喚!」

 

DDラミア 守備力1900

 

「レベル7のカオス・アポカリプスに、レベル1の『DDラミア』をチューニング!シンクロ召喚!『DDD呪血王サイフリート』!」

 

DDD呪血王サイフリート 攻撃力2800

 

3体目、これでフィールドに融合、シンクロ、エクシーズ、3種の召喚法により生み出される次元の王達。正しく赤馬 零児の本領発揮、ペンデュラムを合わせ、この4種の召喚法をここまで巧みに使いこなせるのはコナミと零児位のものだろう。それに加え、実力はまだ零児が上。

これでは確かにコナミの上位互換と言っても仕方ない。

 

「バトル!カエサル・ラグナロクで賤竜に攻撃!」

 

「ッ!」

 

「カリ・ユガでダイレクトアタック!」

 

「まだだ!墓地の『光の護封霊剣』を除外し、ダイレクトアタックを防ぐ!」

 

「……逃れたか、私はこれでターンエンドだ」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP650

フィールド『DDD双暁王カリ・ユガ』(攻撃表示)『DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク』(攻撃表示)『DDD呪血王サイフリート』(攻撃表示)

『魔神王の契約書』

手札0(零児)手札0(デニス)

 

そびえ立つ高い壁。コナミ達を通さないと言う鉄の意志。強い――やはり赤馬 零児は今まで闘って来たデュエリストの中でもトップクラス、もしかすればあの白コナミにすら匹敵する男なのかもしれない。

4つの召喚法を操り、フィールドを制圧する支配者を見据え、コナミは――その口元に、笑みを描く。確かにこれは圧倒的な逆境だ。だからと言って諦めるコナミのではない。こんな時だからこそ――デュエリストは、熱く燃え上がる。

 

「オレのターン、ドロォォォォォッ!!」

 

負けられない、負けたくない、ありったけのプライドを賭け、コナミはデッキより1枚のカードを引き抜き、紅い軌跡が天に描かれる。

 

「魔法カード、『シャッフル・リボーン』!墓地のレヴリューション・ファルコンを蘇生!」

 

「墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外し、サイフリートの効果を無効!魔法カード、『アームズ・ホール』を発動し、デッキトップをコストに『妖刀竹光』を回収!レヴリューション・ファルコンに装備!『黄金色の竹光』でドロー!まだだ!『エクシーズ・トレジャー』!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札0→2→3

 

「『貴竜の魔術師』と『竜脈の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

「この時を待っていた!カリ・ユガのORUを1つ取り除き、魔法、罠を全て破壊!」

 

カリ・ユガの全身から山吹色に燃えるオーラが迸って弾け飛び、爆風と紫電がフィールドを駆け抜け、大地を焦がす。轟音が響いて大地が隆起し、コナミのペンデュラムを砕く。これで、逆転の火種が消える――そう、零児が思っていたのだが――。

 

「それを待っていた!」

 

「何……!?」

 

「破壊された『妖刀竹光』の効果でデッキの『魂を吸う竹光』をサーチ!魔法カード、『アームズ・ホール』を発動し、『妖刀竹光』を回収!」

 

「まさ……か――!?」

 

「レヴリューション・ファルコンに装備!永続魔法、『魂を吸う竹光』を発動し、『妖刀竹光』の効果で手札に戻し、レヴリューション・ファルコンはダイレクトアタックが可能に!」

 

これでレヴリューション・ファルコンのダイレクトアタックが通り――LPが650の零児は――。そう、コナミはこれを予想し、ここまで促す為に『妖刀竹光』を発動し、ペンデュラムスケールをセットしたのだ。

カリ・ユガの効果を使わせる為に――。成程、この駆け引きでコナミは零児の裏をかき、見事越えて来た。

これでは認めざるを得ない。コナミの、ランサーズ入りを――。やはり、彼はタッグデュエルでこそ、その実力を数倍に上げ、パートナーの実力をも引き上げて来るデュエリスト。

 

「レヴリューション・ファルコンで、ダイレクトアタック!!」

 

赤馬 零児&デニス・マックフィールド LP650→0

 

勝者、コナミ、黒咲 隼ペア。その輝かしい勝利に、コナミは珍しくガッツポーズを取った――。

 

 

 

 

 

 

 

 




梶木強化や時械神がOCG化したりと最近は嬉しい事ずくめ。こうやって強化が来るとそのキャラを出したいなーみたいになって来ます。冷静になっていや、ここでは駄目だろうとなりますが。
No.もあと少し、時械神も出てる事だしヌメヌメを出すんやで。尚マスタールール4に書き換えられる模様。

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