遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございますー。まだまだ実力不足でありますが、今年もこの作品をよろしくお願いします。
今回は前回の前書きでも書いた通り、禁止、制限は前の物を使用しています。これも十二獣って奴のせいなんだ。



第71話 ドルフィーナ星人

熱気渦巻き、紅蓮の山脈がそびえ立ち、マグマ流れる火山エリア。そこにはその場に似合わぬ、刺々しく攻撃的な漆黒の鎧を身につけた男と灼熱にも負けぬ熱き闘志を迸らせる2人のデュエリストが対峙していた。

デュエルディスクを構え、神聖とも言える雰囲気を醸し出す甲冑の男を視界に収めながら、2人のデュエリスト、勝鬨 勇雄と桜樹 ユウは額から汗を伝わせ、一歩たりとも動けないでいた。

 

「……何だあいつ……!」

 

「強いな……!」

 

その原因は勿論、目の前の甲冑男。彼の圧倒的な存在が2人の足を地に縫いつけ、離そうとしない。

間違いなく強敵、オベリスク・フォース達とは比較にならないデュエリストだ。こんな男を自由にさせておく訳にはいかない。2人は覚悟を宿し男を睨む。2人で闘っても、勝てるかどうか分からない。だがそれでも――退く事は出来ない。

 

「良いだろう!デュエルがしたいならば相手になってやる!」

 

「俺達が相手だ!」

 

謎の強敵を前に、昨年のチャンピオンシップ優勝者と準優勝者がコンビを組む。光のプレートを展開する2人を見て、甲冑の男は納得したのか満足気に頷き、ザッ、と地を鳴らし足を広げる。

 

「我が名は覇王!勇者達よ、存分に全力を、死力を尽くせ!」

 

バサァッ、真紅の外套を揺らし、高々と名乗りを上げる男、覇王。恐らく本名と言うよりは通り名なのだろう。随分と強そうな通り名だ。気を引き締め、2人はデュエルに挑む。

 

「「「デュエル!!」」」

 

鳴り響くデュエルの音、スタンダード次元にて、融合次元の覇王が凱旋する。先攻は覇王だ。彼はデッキより5枚のカードを引き抜き、1枚のカードをデュエルディスクに叩きつける。

 

「僕のターン、僕は魔法カード、『コンバート・コンタクト』を発動。自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札の『N・フレア・スカラベ』とデッキの『N・グラン・モール』を墓地に送り、2枚ドロー」

 

覇王 手札3→5

 

「更にもう1枚発動だ。手札の『N・グロー・モス』とデッキの『N・ブラック・パンサー』を墓地に送り、2枚ドロー」

 

覇王 手札3→5

 

まずは手札交換を。次々と手札とデッキのモンスターを墓地に送り、新たなカードを手札に呼び込む覇王。見た目とは裏腹に随分と堅実な手を取る男だ。

 

「そして『N』キモチュッ……癒し系ネオスペーシアン、『N・エア・ハミングバード』を召喚」

 

N・エア・ハミングバード 攻撃力800

 

続けて覇王がその手札から召喚したのは花の密吸うハチドリの顔に筋肉質な男性の身体、純白の翼を広げた何とも言い難いモンスター。

鳥の頭にムキムキの身体とはこれ如何に。形容しづらい不気味さがある真っ赤なその姿に、勝鬨と桜樹が思わず別の意味で息を呑む。気のせいか、主人である覇王もキモチュッチュッと言い間違いそうになった。

 

「ライフチュッチュッギガント……エア・ハミングバードの効果発動。1ターンに1度、相手の手札の数×500LP回復する。お前達の手札は合計10枚、よって5000の回復だ。ハニー・サック」

 

「ちょっ、来るなぁっ!キモッ!手札から花が咲い……キモッ!」

 

「これのどこが癒し系だ!」

 

2人の5枚の手札から白い花弁が咲き誇り、エア・ハミングバードが翼を広げ、飛びながらその花の蜜を嘴で吸い上げる。

想像して欲しい。引き締まった肉体を持つ鳥人がバッサバッサと飛び回りながら自分の目の前で蜜を吸っている所を。最早シュールを越えてホラーである。

 

その証拠に桜樹が頬を引き吊らせ、「ひぃっ、こっち見たぁ!」等と怯えている。逆に勝鬨はジッ、と睨んでいる吸いづらいったらありゃしない。

 

覇王 LP4000→9000

 

しかし何時までもそんな事をしていられない。覇王のLPが一気に5000も回復し、合計で9000となったのだ。2人で挑んでも越えるLP、しかもバトルロイヤルルールでは1ターン目は攻撃出来ない為、効果で除去しない限り、次のターンでも回復される事になる。幸いなのは回復の目安が相手の手札と相手依存な事か。しかしまたチュッチュッされるのは勘弁したい。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

覇王 LP9000

フィールド『N・エア・ハミングバード』(攻撃表示)

セット2

手札2

 

「くっ、俺のターン、ドロー!俺は魔法カード、『グリモの魔導書』を発動!」

 

「速攻魔法、『相乗り』発動。このターン、相手がサーチ、サルベージを繰り返す度に1枚ドローする」

 

「ッ、僕は『魔導書士バテル』をサーチする!」

 

覇王 手札2→3

 

覇王の発動したカードを見て、桜樹の顔色が一気に変わる。何故ならばこのカードはサーチを繰り返す魔導デッキにおいては強力なメタカードとなるからだ。尤も、覇王が始めて闘う桜樹のデッキを知っている筈もなく、ドローソースとして採用しただけなのだが。

ただし、魔導自体は知っている為、桜樹が『グリモの魔導書』を発動した瞬間に発動する。

 

「俺はたった今手札に加えたバテルを召喚!」

 

魔導書士バテル 攻撃力500

 

青い法衣を纏い、瞼の重い魔法使いが欠伸を抑えながら『魔導書』を手に現れる。モンスターであるが『魔導書』の名を持つ為、サーチが容易なカードだ。

 

「バテルの効果で『セフェルの魔導書』をサーチ!」

 

覇王 手札3→4

 

「そして『魔導書院ラメイソン』を公開し、墓地のグリモを対象に『セフェルの魔導書』を発動!デッキから2枚目の『セフェルの魔導書』をサーチ!」

 

覇王 手札4→5

 

「フィールド魔法、『魔導書院ラメイソン』を発動!」

 

灼熱の火山が桜樹の発動したカードにより、近未来的な『魔導書』をおさめる銀の塔へと変化する。1ターン目から良い手札だ。お陰で幸先の良いスタートを切れた。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

桜樹 ユウ LP4000

フィールド『魔導書士バテル』(攻撃表示)

セット2

『魔導書院ラメイソン』

手札3

 

「自分のターン、ドロー!自分は『微炎星―リュウシシン』を召喚!」

 

微炎星―リュウシシン 攻撃力1800

 

更に変わって勝鬨のターン、彼はその手札から山吹色に燃える小竜を何体も従える鎧の武人を召喚する。残念ながらモンスターを破壊するユウシや、万能サーチである天キは引き込めなかった。ならば少しでも手札を減らし、場を固める事に努める。

 

「永続魔法、『炎舞―「天枢」』を発動!獣戦士族モンスターの召喚権を増やし、攻撃力を100アップする!」

 

微炎星―リュウシシン 攻撃力1800→1900

 

「更にリュウシシンの効果!『炎舞』魔法、罠が発動した場合、デッキの『炎舞』罠カードをセットする!自分は『炎舞―「天権」』をセット!そしてもう1度召喚権を使い、『殺炎星―ブルキ』を召喚!」

 

殺炎星―ブルキ 攻撃力1700→1800

 

次に現れたのは青い牛型の炎を纏った武人だ。もしも場が埋まった時の為に1枚だけ採用したカードだ。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『魁炎星王―ソウコ』!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200→2300

 

勝鬨の背後に黒い星の渦が広がり、2体のモンスターを吸い込む。渦は急速に集束し、小爆発を引き起こす。爆風を引き裂き、現れたのは白い虎の炎を背負った武人。『炎星』の王が天へと吠える。

 

「ソウコのエクシーズ召喚成功時、デッキの『炎舞―「天キ」』をセット、オープン!『立炎星―トウケイ』をサーチし、獣戦士族の攻撃力を100上げる」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2300→2400

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

勝鬨 勇雄 LP4000

フィールド『魁炎星王―ソウコ』(攻撃表示)

『炎舞―「天キ」』『炎舞―「天枢」』セット2

手札3

 

「僕のターン、ドロー。エア・ハミングバードの効果発動。ハニー・サック」

 

「ぐわぁぁぁぁぁっ!!」

 

「やめろぉっ!」

 

覇王 LP9000→12000

 

またもや2人の手札の花弁が咲き誇り、筋肉鳥人が飛翔し、嘴を突き立てチュッチュッする。ジッ、とこちらを睨みながら蜜を吸うエア・ハミングバードを見て、2人の精神にダメージが入っていく。効果的にも視覚的にも恐ろしい。早く処理しておきたい所だ。

 

「僕は『クロス・ポーター』を召喚」

 

クロス・ポーター 攻撃力400

 

赤い近未来的な鎧を纏い、青いバイザーで顔を覆った戦士族モンスターが召喚される。攻撃力も低いが、一体どのような効果なのだろうかと2人が身構える。

 

「『クロス・ポーター』の効果発動。エア・ハミングバードを墓地に送り、手札の『N・フレア・スカラベ』を特殊召喚」

 

N・フレア・スカラベ 攻撃力500→3300

 

『クロス・ポーター』の力を受け、エア・ハミングバードが光に包まれ粒子になって散り、もう1度光が集束して1つの影を作り出す。現れたのは黒い甲殻に身を包んだ人型のカブトムシ。

燃える炎をその手に掴むそのモンスターはフィールドに召喚された瞬間、爆発的に攻撃力を上げる。

 

「フレア・スカラベは相手フィールドの魔法、罠の数×400攻撃力をアップする。そしてもう1度『クロス・ポーター』の効果発動!自身を墓地に送り、手札の『N・グロー・モス』を特殊召喚する!」

 

N・グロー・モス 守備力900

 

再び『クロス・ポーター』の力を使い、『クロス・ポーター』自身を糧に半透明の人型モンスターが召喚される。まるで水飴で作られたかのような光輝く身体を持つその姿は宇宙人のようにも見える。一見してこのカードが植物族だとは分からないだろう。

 

「そして『クロス・ポーター』が墓地に送られた時、『N・グラン・モール』をサーチする!まだだ!魔法カード、『NEX』を発動!フィールドのグロー・モスを墓地に送り、エクストラデッキからレベル4の同名カード扱いのモンスター1体を特殊召喚する!来い、『N・ティンクル・モス』!」

 

N・ティンクル・モス 攻撃力500

 

グロー・モスが光を放ち、更なる進化を遂げる。水飴のような不安定な身体はシュッ、と線の細いシルエットで固定され、スマートな形状となり、頭は花の如く刺が伸び、その胸には女性的な膨らみが出る。進化前と違い、女性と明確に分かるモンスターだ。

 

「バトル!フレア・スカラベでソウコに攻撃!フレイム・バレット!」

 

「チッ、罠発動!『炎舞―「開陽」』を発動!ソウコの攻撃力を300アップする!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2400→2700

 

勝鬨 勇雄 LP4000→3400

 

罠カードを発動するも、攻撃力は未だフレア・スカラベが上、ダメージを軽減するだけでフレア・スカラベの放つ炎弾によってソウコが破壊されてしまう。それでも発動したのは後続のモンスターを残す為だ。

 

「ソウコが墓地に送られた時、天キ、天枢、開陽、3枚の『炎舞』を墓地に送り、デッキからレベル4以下の同じ攻撃力を持つ獣戦士族モンスターを特殊召喚する!来い!『暗炎星―ユウシ』!『勇炎星―エンショウ』!」

 

暗炎星―ユウシ 攻撃力1600

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力1600

 

N・フレア・スカラベ 攻撃力3300→2100

 

勝鬨のフィールドに現れたのは山吹色に燃える熊と大猿の炎を連れた武人。『炎星』モンスターの中でも実用性、利便性の高いモンスターだ。これで再びレベル4のモンスターが2体揃った。ティンクル・モスでの追撃も出来ない、と、考えていたのだが――。

 

「ティンクル・モスでバテルへ攻撃!」

 

「相討ちだと!?」

 

「残念ながらそうじゃない。ティンクル・モスが戦闘を行う場合、僕はデッキから1枚ドローし、そのカードの種類によってこの攻撃は変化する。モンスターならばバトルフェイズは終了し、魔法ならばダイレクトアタック、罠ならば守備表示となる。そして僕が引いたカードは――魔法カード、『二重召喚』!よってダイレクトアタックだ!ティンクル・フラッシュ!」

 

覇王 手札3→4

 

桜樹 ユウ LP4000→3500

 

「ぐっ、う――!」

 

ティンクル・モスがバテルに攻撃したかと思うと、その身体がゴムのように伸び、上半身が桜樹自身に向かい、手刀を放つ。戦闘を行う度にドロー出来、自分からの攻撃では決して破壊される事は無い優秀なモンスターだ。

 

「メインフェイズ2、『二重召喚』を発動。再び得た召喚権で『クリバンデット』を召喚」

 

クリバンデット 攻撃力1000

 

先程ドローした『二重召喚』を使い、現れたのは頭にスカーフを巻き、眼帯を装着した鋭い目付きの小さな悪魔。相手の攻撃を防ぐ『クリボー』系列と似たカードではあるが、こちらの役割は墓地肥やしだ。最低でも4枚のカードを落とす事が出来るこのカードはその中でもかなり優秀と言える。

 

「ターンエンド。この瞬間、『クリバンデット』をリリースし、デッキの上から5枚を捲り、その中の魔法、罠1枚を手札に加える。『スペーシア・ギフト』を手札に」

 

覇王 LP12000

フィールド『N・フレア・スカラベ』(攻撃表示)『N・ティンクル・モス』(攻撃表示)

セット1

手札3

 

「俺のターン、ドロー!ラメイソンの効果で墓地の『セフェルの魔導書』をデッキに戻し、ドロー!」

 

桜樹 ユウ 手札4→5

 

「『魔導召喚士テンペル』を召喚!」

 

魔導召喚士テンペル 攻撃力1000

 

現れたのは茶色い汚れ1つ無いローブに身を包んだ魔法使い族のモンスター。

 

「そして手札の『アルマの魔導書』を公開し、墓地の『グリモの魔導書』を対象に『セフェルの魔導書』発動!デッキから『ヒュグロの魔導書』をサーチ!更に『魔導書』を発動したメインフェイズ、テンペルをリリースし、デッキから『魔導法士ジュノン』を特殊召喚!」

 

魔導法士ジュノン 攻撃力2500

 

ついに登場する魔導デッキのエースカード。純白の法衣を纏い、桃色の髪を靡かせた美しい女性魔導士が光を帯び、『魔導書』を手に降臨する。1ターンに1度ではあるが、カテゴリに属した『ダーク・アームド・ドラゴン』と言って良いカードだ。その効果の優秀さは充分に伝わる。

 

「墓地のグリモを除外し、ジュノンの効果発動!ティンクル・モスを破壊する!」

 

「永続罠、『安全地帯』!ティンクル・モスは戦闘、効果では破壊されない!」

 

ジュノンが手に持った『魔導書』を開き、雷をティンクル・モスへと放つ。しかし覇王が発動したカードにより、薄い膜状のバリアがティンクル・モスを覆い、雷を弾く。危ない所だった。もしもセットカードを選択すればジュノンに対して発動され、破壊する事でジュノンも失っていただろう。

ティンクル・モスは破壊出来なくなったが、同時に『安全地帯』に入る事でダイレクトアタックは不可能となった。

 

「俺はジュノンを選択し、『ヒュグロの魔導書』を発動。攻撃力を1000アップし、相手モンスターを戦闘破壊した場合、デッキから『魔導書』魔法カードをサーチする!」

 

魔導法士ジュノン 攻撃力2500→3500

 

「まだだ!『アルマの魔導書』を発動!除外されている『グリモの魔導書』を回収し、発動!デッキから『魔導書庫ソレイン』をサーチ、そして装備魔法、『ワンダー・ワンド』をバテルに装備!攻撃力を500アップ!」

 

魔導書士バテル 攻撃力500→1000

 

N・フレア・スカラベ 攻撃力2100→2500

 

「バトル!ジュノンでフレア・スカラベを攻撃!」

 

覇王 LP12000→11000

 

ジュノンの放つ緑の雷が『ヒュグロの魔導書』の力により炎を帯び、フレア・スカラベを穿つ。2対1、それも勝鬨がフィールドを圧迫する『炎星』の使い手となればそれを逆手に取って攻撃力を上げるこのカードは早めに除去しておきたい所だ。受動的な相手依存の効果もバトルロイヤルルールならば強力となる。

 

「ヒュグロの効果でグリモサーチ!バテルでティンクル・モスを攻撃!」

 

「ティンクル・モスの効果で1枚ドロー!……ドローカードは魔法カード、『コクーン・パーティ』……!」

 

覇王 LP11000→10500 手札3→4

 

バテルが本を開き、杖から黒い球体を生み出し、ティンクル・モスに向かって撃つ。『安全地帯』によって破壊はされないがダメージは別だ。バトルフェイズも終了出来ず、守備表示にも変更出来ない為、リアルソリッドビジョンの切れ味が覇王を貫く。

 

「メインフェイズ2、バテルと『ワンダー・ワンド』を墓地に送り、2枚ドロー!」

 

桜樹 ユウ 手札4→6

 

「ターンエンドだ」

 

桜樹 ユウ LP3500

フィールド『魔導法士ジュノン』(攻撃表示)

セット2

『魔導書院ラメイソン』

手札6

 

「自分のターン、ドロー!自分は永続魔法、『炎舞―「玉衝」』を発動!悪いが桜樹!少しの間、お前のセットカードを封じる!」

 

「構うな!」

 

暗炎星―ユウシ 攻撃力1600→1700

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力1600→1700

 

勝鬨の発動したカードは相手フィールドのセットされた魔法、罠を封じるカードだ。残念ながら覇王の場にはセットカードが無い為、本来味方である桜樹を相手に使う事になったが、何も何時までも封じる訳では無い。

 

「そして『立炎星―トウケイ』を召喚!」

 

立炎星―トウケイ 攻撃力1500→1600

 

現れたのは紫色に燃える鶏を肩に止まらせた武人だ。その手に短槍を構え、勝鬨のフィールドに降り立つ。

 

「トウケイの効果!フィールドの玉衝を墓地に送り、デッキの天キをセット、オープン!デッキの『炎星師―チョウテン』サーチ!天キを墓地に送り、エンショウの効果で『安全地帯』を破壊!」

 

「手札の『エフェクト・ヴェーラー』を捨て、その効果を無効に」

 

「チッ、ならば2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『魁炎星王―ソウコ』!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200

 

「召喚時、デッキの『炎舞―「天セン」』をセット!そしてソウコのORUを1つ取り除き、フィールドの獣戦士族モンスター以外のモンスターの効果を相手ターン終了時まで無効に!バトル!ソウコとトウケイでティンクル・モスを攻撃!」

 

覇王 LP11000→9300→8300

 

ソウコの効果でティンクル・モスの効果を封じ、戦闘破壊されない事を利用してサンドバッグ状態にする勝鬨。これで覇王のLPを大きく削る事が出来た。先は長いが、それでも大きな前進だろう。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

勝鬨 勇雄 LP3400

フィールド『魁炎星王―ソウコ』(攻撃表示)『立炎星―トウケイ』(攻撃表示)

セット3

手札2

 

「僕のターン、ドロー!ここまでやるとはな……僕は魔法カード、『コクーン・パーティ』を発動!自分の墓地の『N』モンスターの種類だけデッキの『C』モンスターを特殊召喚する!僕は『C・ドルフィーナ』、『C・ラーバ』、『C・チッキー』、『C・モーグ』を特殊召喚する!」

 

C・ドルフィーナ 守備力600

 

C・ラーバ 守備力300

 

C・チッキー 守備力400

 

C・モーグ 守備力100

 

一気に4体のモンスターの大量召喚。覇王のデッキより、繭に覆われたピンクのイルカ、幼虫、雛鳥、モグラが現れる。可愛らしいモンスターだが、騒がしく鳴き声を上げる光景は正しくパーティと言えよう。

 

「永続魔法、『コクーン・リボーン』発動。フィールドの『C』をリリースし、そのカードに記された『N』を墓地から特殊召喚する。ドルフィーナ、ラーバ、チッキー、モーグをリリースし、墓地のN・キモイルカ、『N・フレア・スカラベ』、N・キモチュッチュッ、『N・グラン・モール』を特殊召喚!」

 

N・アクア・ドルフィン 守備力400

 

N・フレア・スカラベ 攻撃力500→2900

 

N・エア・ハミングバード 守備力600

 

N・グラン・モール 攻撃力900

 

繭を突き破り、次々と成体へと成長する『C』達。幼きモグラは爪を鋭くし、肩からドリルを伸ばし、生意気そうながらも憎めないポップな姿に。幼き雛鳥はどうしてこうなったと顔を覆いたい位に真っ赤なムキムキボディの鳥人に。幼虫は自身を糸で覆い、蛹になった後、スマートなカブトムシに。

 

そしてピンク色の子供イルカは特にヤバかった。

2人の前でおたまじゃくしからカエルになるようにバキバキメリメリとヒレを手足に変え、エア・ハミングバードと同じく、頭はイルカ、身体はムキムキマッチョメンへと進化し、その光景を見た2人は顔を青ざめ、白目を剥き、歯と肩をガタガタと震わせる。

 

するとアクア・ドルフィンはそのシュールな姿を2人へと向かせ、えげつない程ピュアな目を輝かせ、その姿からは想像出来ない爽やかな声で挨拶する。

 

『やぁ、僕はドルフィーナ星人!『ネオスペース』の住人さ!』

 

「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァ!!!」」

 

余りに常軌を逸脱した狂気の状況に2人が発狂し、大声で叫ぶ。仕方無いだろう。ソリッドビジョンの存在、それもキモイルカが喋ったのである。むしろ現実逃避して気絶しない方が凄い。しかし覇王はそんな事は気にしない。何時も通りと言わんばかりにその手を進める。

 

「まずはキモチュッチュッの効果発動。ハニー・サック」

 

『コナ……覇王、せめてカード名を……』

 

「キモチュッチュッの効果発動。ハニー・サック」

 

『……』

 

「ひぃ、また来たぁっ!」

 

「羽ばたくなっ!」

 

覇王 LP8300→12300

 

頑なにキモチュッチュッと呼称する覇王へと普通に抗議するエア・ハミングバードであるが、当然の如く「それ、却下でーす☆」されてしまう。

仕方無く2人の手札に咲く花の蜜を吸うも、こっちでも雑に扱われる始末。思わず彼は『仕事なんだよっ』と小声で呟き、2人を睨む。その背には何処か哀愁が漂っている。

これでまたLPを回復されてしまった。折角ダメージを与えても、その差は一向に縮まない。

 

「魔法カード、『エンシェント・リーフ』を発動!LPを2000払い、2枚ドロー!」

 

覇王 LP12300→10300 手札2→4

 

「そしてキモイルカの効果発動。手札の鬼畜モグラを捨て、相手の手札を確認し、その中からモンスター1体を選び、選んだモンスターよりも攻撃力が高いモンスターが自分フィールドに存在する場合、そのカードを破壊し、相手に500ダメージを与える。エコー・ロケーション」

 

『あの……名前……』

 

「エコー・ロケーション」

 

『……』

 

こちらも言わずもがなである。しれっとグラン・モールまでディスりながらピーピングにハンデスと恐ろしい効果を発動する覇王。声は爽やかなのに効果はその目のピュアさと同じくえげつない。仕方無く訂正を諦め、キモイルカは2人に向き直り――。

 

『ケケケケケ!』

 

「ぎゃぁぁぁぁっ!?」

 

「なん……何なのだこれは!?」

 

『ケケケケケ』と奇声を放ち、口から超音波を吐く。そのキモチュッチュッ同様、何とも言えない光景を見て、桜樹が目尻に涙を浮かべて叫び、勝鬨はその異様さに勝鬨る。対する覇王は公開される手札を見て、顎に手を当てて思考する。

 

「ふむ……チョウテンを破壊。パルス・バースト」

 

「ッ!何だこの屈辱感は……!」

 

勝鬨 勇雄 LP3400→2900

 

フィールドにフレア・スカラベが存在する事で攻撃力2900以下のモンスターをハンデスされる。よって攻撃力500のチョウテンを破壊され、何処か堪え難い屈辱を与えられる勝鬨。多分このキモイルカの効果が通れば誰だって同じ感じになる。

 

「そして魔法カード、『NEX』発動。キモイルカを墓地に送り、エクストラデッキから『N・マリン・ドルフィン』を特殊召喚!」

 

N・マリン・ドルフィン 守備力1100

 

更なる展開、グロー・モスに使用されたカードが今度はキモイルカに発動され、その筋肉が更に逞しく、そして身体が深い海底を思わせる青に染まる。

 

「魔法カード、『スペーシア・ギフト』を発動。フィールドの『N』1種につき、1枚ドローする。ティンクル・モスとマリン・ドルフィンはルール上、グロー・モスとアクア・ドルフィンとしても扱う。よって『N』は7種、7枚ドローだ!」

 

「何!?ティンクル・モスはソウコによって無効化されているのでは無いのか!?」

 

「この効果はルール上、つまり効果外テキストだ。よって無効にはならない!」

 

覇王 手札1→8

 

たった1枚のカードを使い、7枚ものカードをドローする覇王。その途中、勝鬨がまたも勝鬨るが結果は変わらない。しかし良く『C』と『N』の両者大量のカードをデッキに投入し、ここまで回せるものだ。この無茶なタクティクスを見て、勝鬨は2人の人物を思い浮かべる。1人は人々を楽しませるエンタメデュエリスト、榊 遊矢。そしてもう1人は――。

 

「もう1枚だ。7枚ドロー!」

 

「「何ぃ!?」」

 

覇王 手札7→14

 

圧倒的、暴力的な数のドローブーストが更に加速する。再び発動される『スペーシア・ギフト』に2人は表情を驚愕に染め、動揺を走らせる。計14枚のドロー。これ程迄に展開をしておいて、13枚の手札を要求する等、強欲にも程がある。

 

「そして手札を1枚捨て、キモイルカ改の効果発動!相手の手札から『魔導冥士ラモール』を破壊!500のダメージを与える!」

 

「ぐっ!」

 

桜樹 ユウ LP3500→3000

 

「まだだ、フィールド魔法、『ネオスペース』を発動!」

 

熱気渦巻く火山が覇王の発動した1枚のカードにより、オーロラのように美しい幻想的な宇宙に変貌する。

 

「そしてエア・ハミングバードとフレア・スカラベをリリースし――アドバンス召喚!『E・HEROネオス』!!」

 

E・HEROネオス 攻撃力2500→3000

 

2体の『N』をリリースし、覇王のフィールドに、光輝く闇が落ちる。黒い墨のように濃い影はその姿を人型へと変え、形状を固定しようとぐにゃぐにゃとおぞましくもがく。

 

逞しく鍛えられた胸筋の中央部には青く光るカラータイマーが存在し、身体中には赤いラインが走る。腕には鋭く伸びた刃、頭にも鮫の背鰭を思わせる角のようなものが伸び、緑の瞳がギン、と光の粒子を散らす。足はヒールの如く爪先が天に向かって尖り、全身が〝黒ずんだ灰色〟に染まったその英雄は、宇宙から飛来せし、少年の幻が生んだ、現実と言う名の奇跡。

 

その圧倒的な存在感、そして昔見たヒーローに似た姿に、相対する2人の喉がゴクリと鳴る。

 

「このモンスターは……!」

 

「明らかにものが違うな……!」

 

「僕はフィールドの『ネオス』とマリン・ドルフィンの2体をデッキに戻し、融合を行う!」

 

「『融合』カード無しの融合だと!?」

 

「カイキを使う君が言うか」

 

『融合』カードを使わない、全く新しい融合。その行為に勝鬨が3回目の勝鬨状態になるが、本人とてそれを使っている為、桜樹にツッコまれる。しかし1ターンに3回も勝鬨が勝鬨るとは、やはりこの覇王と言う男、只者ではない。

 

「これが新たな融合の形を作ったコンタクト融合だ!コンタクト融合!『E・HEROマリン・ネオス』!!」

 

E・HEROマリン・ネオス 攻撃力2800→3300

 

2体のモンスターが重なり合い、『ネオスペース』に水の力を司る新たな『ネオス』が現れる。深い青に染まった、イルカのパーツを合わせたような姿、本来ならばこの形態は第2形態と言って良い、強化されたものだ。

 

「マリン・ネオスの効果、相手の手札をランダムに1枚破壊する!」

 

「ッ、『グリモの魔導書』が……!」

 

「まだだ、魔法カード、『死者蘇生』!墓地の『E・HEROプリズマー』を特殊召喚!」

 

E・HEROプリズマー 攻撃力1700

 

継ぎに現れたのは鏡面のように眩く輝く身体を持ったプリズムの戦士。『E・HERO』の中でも優秀な効果を持つモンスターだ。他のモンスターとは違い、2人はこのモンスターの効果を知っている。

勝鬨はコナミのデッキに投入されている為、桜樹はコナミの事は良く知らないが、彼のデュエル自体は目を通している為である。

 

「プリズマーの効果により、エクストラデッキの『E・HEROグラン・ネオス』を公開し、デッキから『ネオス』を落とす事でプリズマーの名を『E・HEROネオス』に変更!リフレクト・チェンジ!」

 

E・HEROプリズマー(E・HEROネオス) 攻撃力1700→2200

 

プリズマーがその鏡面から眩い光を放ち、異なる姿へと変身する。攻撃的な腕や足、身体中を染め上げる黒ずんだ灰。再びフィールドに姿を見せる『ネオス』。元がプリズマーと分かっていても、その威圧感は本物に劣らない。

 

「『ネオス』となったプリズマーとグラン・モールをデッキに戻し、コンタクト融合!『E・HEROグラン・ネオス』!!」

 

E・HEROグラン・ネオス 攻撃力2500→3000

 

2回目のコンタクト融合。『ネオス』とグラン・モールを融合させ、大地の力司る『ネオス』が生み出される。左手は鋭い鉤爪、右手は巨大なドリルとなった力強さを感じさせるフォルムとなったグラン・ネオス。これで2体のコンタクト融合体が揃った。しかし、覇王の手は止まらない。ここまでやっておいて、まだ手札が9枚あるのだ。

 

「魔法カード、『ミラクル・コンタクト』を発動!墓地の『E・HEROネオス』と『N・フレア・スカラベ』をデッキに戻し、コンタクト融合!『E・HEROフレア・ネオス』!!」

 

E・HEROフレア・ネオス 攻撃力2500→6600

 

3回目のコンタクト融合、フレア・スカラベの炎が『ネオス』の身体を舐めるように燃え上がり、『ネオス』の頭部にクワガタのような2本角が伸び、背に甲虫の堅い羽が広がる。更に身体が甲殻に覆われ、2体のコンタクト融合体と並び立つ。

 

「フレア・ネオスはフィールドの魔法、罠の数×400攻撃力をアップし、『ネオスペース』は『ネオス』達の攻撃力を500アップする!そしてグラン・ネオスの効果により、ソウコをバウンス!ネビュラスホール!」

 

「永続罠、『炎舞―「天権」』!メインフェイズの間、ソウコの効果を無効にし、このカード以外の効果を受け付けさせない!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200→2500

 

立炎星―トウケイ 攻撃力1500→1800

 

グラン・ネオスがその右手のドリルでソウコを貫こうとするも、勝鬨が罠でそれを防ぐ。緑色の炎がソウコを囲み、これ以上進めないと察したグラン・ネオスは素早く飛び退く。

 

「ならばカードを2枚伏せ、フレア・ネオスの攻撃力をアップ!」

 

E・HEROフレア・ネオス 攻撃力6600→7400

 

「ティンクル・モスを守備表示に変更し、バトルに移る!フレア・ネオスでソウコに攻撃!バーン・ツー・アッシュ!」

 

攻撃力7400となったフレア・ネオスの攻撃、その手より灼熱の火球を作り出し、ソウコへと放つ。メラメラと激しく燃え上がる炎をも呑み込むこの火山エリアに脈打つマグマのような熱量。これを通せば勝鬨は負ける。しかしそうはさせまいと勝鬨がバック転で後ろに飛び退き、フィールドに落ちていたカードを拾い上げ、デュエルディスクに叩きつける。

 

「させん!アクションマジック!『回避』!攻撃を無効に!」

 

「ッ、アクション……マジック……!?」

 

突如拾い上げたカードが発動され、自身のモンスターの攻撃が無効にされた事で驚愕する覇王。その鉄仮面の中はさぞ動揺しているに違いない。覇王がグルリと周囲を見渡し、地面や空中に浮かぶ光に包まれたカードを視界におさめる。

 

「成程……あれが……バトルを続ける。マリン・ネオスでジュノンを攻撃!ハイパーラピッドストーム!」

 

「罠発動!『ガガガシールド』!発動後、このカードをジュノンに装備し、1ターンに2度まで戦闘、効果破壊を防ぐ!」

 

桜樹 ユウ LP3000→2300

 

マリン・ネオスが右手を翳し、大渦を起こし、丸ごとジュノンに叩きつける。熱く煮えたぎるマグマをも蒸発させる津波を前に、桜樹はその伏せられていたカードを発動し、ジュノンに盾を授ける。津波は盾によってモーゼの如く真っ二つに裂かれるものの、桜樹へとダメージを与える。

 

「グラン・ネオスでソウコに攻撃!」

 

「永続罠、『炎舞―「天セン」』!ソウコの攻撃力を700アップし、共通効果で更に300アップ!」

 

魁炎星―ソウコ 攻撃力2500→3500

 

立炎星―トウケイ 攻撃力1800→2300

 

「速攻魔法、『禁じられた聖典』!互いにバトルを行うモンスターの攻撃力を元々の数値にする!」

 

E・HEROグラン・ネオス 攻撃力3000→2500

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力3500→2200

 

勝鬨 勇雄 LP2900→2600

 

「速攻魔法、『コンタクト・アウト』!グラン・ネオスの融合を解除し、デッキから素材である『ネオス』とグラン・モールを特殊召喚する!」

 

E・HEROネオス 攻撃力2500→3000

 

N・グラン・モール 攻撃力900

 

相次ぐ効果の応酬、勝鬨が天センでグラン・ネオスにカウンターを仕掛けるも、覇王は更にその上からカウンターを叩きつける。更にコンタクト融合版、『融合解除』と言えるカードにより、グラン・ネオスが灰色の英雄と宇宙モグラへと分裂し、更なる追撃を得た。

 

「『ネオス』でトウケイへ攻撃!ラス・オブ・ネオス!!」

 

「アクションマジック、『奇跡』!トウケイは戦闘破壊されず、戦闘ダメージを半分に!」

 

勝鬨 勇雄 LP2600→2250

 

『ネオス』が地を蹴り、一瞬でトウケイに肉薄する。圧倒的加速力、常人離れした『HERO』の動きにトウケイは食らいつこうと短槍を構えるが、時既に遅し――しかしその時、勝鬨がアクションマジックで破壊を防ぐ。

 

「まだ終わらん!グラン・モールでトウケイを攻撃!ダメージ計算を行わず、グラン・モールとトウケイをバウンス!」

 

「何――!?」

 

これこそが覇王がグラン・モールを鬼畜モグラと呼ぶ由縁、たった1枚の下級モンスターはどんな強力なモンスターだろうとバウンスする。召喚権を使うものの、その効果は凶悪極まりない。

 

「メインフェイズ2、マリン・ネオスを対象に、リバースカードオープン、永続魔法、『魂の共有―コモンソウル』発動!手札のグラン・モールを特殊召喚し、マリン・ネオスの攻撃力をグラン・モールの攻撃力分アップする!」

 

N・グラン・モール 攻撃力900

 

E・HEROマリン・ネオス 攻撃力3300→4300

 

E・HEROフレア・ネオス 攻撃力7400→7800

 

「そして『ネオス』とグラン・モールをデッキに戻し、コンタクト融合!『E・HEROグラン・ネオス』!!」

 

E・HEROグラン・ネオス 攻撃力2500→3000

 

「グラン・ネオスの効果でジュノンをバウンス!ネビュラスホール!」

 

圧倒的、圧倒的な実力。フィールドには3000越えのモンスターが3体、バックは万全、手札も充分、LPは1万越えと2対1で闘っているにも関わらず、手も足も出ないような実力の差を思い知らされる。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド。この瞬間、マリン・ネオス以外のコンタクト融合体はエクストラデッキに戻るが――『ネオスペース』が有る限り、その効果は発動しなくても良い」

 

覇王 LP10300

フィールド『E・HEROマリン・ネオス』(攻撃表示)『E・HEROフレア・ネオス』(攻撃表示)『E・HEROグラン・ネオス』(攻撃表示)『N・ティンクル・モス』(守備表示)

『コクーン・リボーン』『魂の共有―コモンソウル』『安全地帯』セット2

『ネオスペース』

手札4

 

圧倒的な力を見せつける漆黒の覇王。オーロラの世界で輝く、宇宙の英雄を前に、2人は傷つき、差は開いていく。それでも2人の心は折れない。

例えどれだけ逆境に陥っても、希望を捨てず、闘って来た背中を思い出し、闘志を燃やす。最後に立つ者は、誰か――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人に罵倒されても健気に頑張るキモイルカとキモチュッチュッ、二次創作の精霊の扱いの醍醐味ですよね(白目)。
覇王の持っているネオスは偽ウルトラマン使用です。ようするに絵違いカード、やった意味は特に無い。
では次回、「キモイルカに転生した男」にて(大嘘)。

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