果たしてオッ素はアニメに出演出来るのか、頑張れオッ素。(書き換えに)負けるなオッ素。
プスプスと黒煙が辺りに蔓延し、そこから放射状に炎が爪痕のような傷を地面に刻み、ユラユラと陽炎の如く燃える中、青年はふと闇色に染まった空を見上げる。
周囲は高く天を目指し伸びているビル群に覆い尽くされ、光輝くスポットライトが走っている。
――これで終わりか、いや、それは無い。自身が相手取っているのは間違いなく一流のデュエリストだ。この程度で倒れるならばアカデミアの精鋭であるオベリスク・フォースを3人纏めて倒すと言う芸当が出来る筈が無い。
紫色の帽子を目深に被り直し、奥底に潜むその眼で黒煙を睨む。そして黒煙が晴れたそこには、やはりと言うか予想通り、傷1つ負わず、金色に輝くデュエルディスクを構え、真っ赤に燃える帽子を被ったデュエリストが立っていた――。
「……『仁王立ち』と『シールド・ウォリアー』だな」
「その通りだ。『仁王立ち』で攻撃を相生に絞り、『シールド・ウォリアー』で破壊を防いだ」
そう、先の紫帽子によるフレイム・ウィングマンの攻撃。コナミは即座に『仁王立ち』で攻撃を制限し、同じく墓地の『シールド・ウォリアー』の効果で破壊を防いだのだ。
そうしなければスカイスクレイパーの効果で攻撃力を上昇させたフレイム・ウィングマンでスターダストを破壊され、効果によるダメージがコナミのLPを焼き払っていただろう。
「フン……僕はモンスター1体とカード3枚をセットしてターンエンドだ」
K LP2700
フィールド『E・HEROフレイム・ウィングマン』(攻撃表示)
セット3
『摩天楼スカイスクレイパー』
手札0
「オレのターン、ドロー!……『E・HEROフレイム・ウィングマン』……『古代の機械巨人』と言い、今日は懐かしいカードを敵に回す日だな……!魔法カード、『打ち出の小槌』!手札を入れ替え、ペンデュラム召喚!『刻剣の魔術師』!」
刻剣の魔術師 攻撃力1400
「刻剣の効果!こいつとセットモンスターを除外する!」
「チッ……!」
「バトルだ!スターダストでフレイム・ウィングマンを攻撃!墓地の『スキル・サクセサー』を除外し、攻撃力アップ!流星閃撃!」
閃光竜スターダスト 攻撃力2500→3300
「罠発動!『ガード・ブロック』!」
K 手札0→1
スターダストがその流線状の体躯に煌めく星屑を纏い、フレイム・ウィングマンに光のブレスを放つ。フレイム・ウィングマンも右腕で喉を鳴らす竜のアギトから炎弾を撃ち出すも、力の差は歴然。本物の竜の前に敗れ、翼をもがれて地に落ちる。
「ガイアで攻撃!」
「もう1枚だ。『ガード・ブロック』!ダメージを0にして1枚ドロー!」
K 手札1→2
「ターンエンドだ」
コナミ LP2000
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『E・HEROガイア』(攻撃表示)『相生の魔術師』(守備表示)
『妖刀竹光』セット1
Pゾーン『EMドクロバット・ジョーカー』『賤竜の魔術師』
手札2
「僕のターン、ドロー!罠発動、『融合準備』。エクストラデッキの『E・HEROエリクシーラー』を公開し、デッキから『E・HEROバブルマン』を!墓地から『融合』を回収!魔法カード、『貪欲な壺』!墓地の『E・HEROプリズマー』、『増殖するG』、『D.D.クロウ』、『幻影の魔術師』、『カードガンナー』を戻してドロー!」
K 手札4→6
「更に魔法カード、『暗黒界の取引』を発動し、魔法カード、『闇の量産工場』を発動!墓地のフェザーマンとバーストレディを回収し、『融合』を発動!手札の『E・HEROフェザーマン』、『E・HEROバーストレディ』、『E・HEROバブルマン』、『E・HEROクレイマン』、4属性の『HERO』を融合!融合召喚!『E・HEROエリクシーラー』!!」
E・HEROエリクシーラー 攻撃力2900→3800
突風が吹き荒れ、マグマが燃え上がり、大地が隆起して激流が逆巻く。4つのエレメントをその身に宿し、黄金の輝きを放つ肉体を持つ究極の『HERO』が摩天楼に降り立つ。
圧倒的なエネルギーを内包したその『HERO』の登場にコナミでさえ言葉を忘れ、ポカンと口を開けて呆ける。それもそうだろう、4体もの素材を要求する融合モンスター、それを手札融合したのだから。
「クク……ハハハハハ!自分でも驚いたよ!ここまで上手くいくとは!これが、これこそがあの人の見る景色!さて、エリクシーラーの効果で互いに除外したカードをデッキに戻そうか……!」
「とんだロマンチストだな……!」
「さぁ、バトルだ!エリクシーラーで『E・HEROガイア』を攻撃!フュージョニスト・マジスタリー!」
「罠発動、『マジカルシルクハット』!」
コナミが発動した罠カード、その効果により、デッキの魔法、罠カード2枚、そしてガイアがシルクハットに覆われ、シャッフルされる。
これで戦闘ダメージを防げ、ガイアを守れる。だが相手が相手だ。Kはその恐るべき観察眼でガイアの入ったシルクハットを見抜く。
「左のシルクハットだ!僕を舐めてくれるなよ!」
眩き閃光がシルクハットを貫き、熱が焦がす。瞬間、シルクハットに身を隠していたガイアが悲痛な咆哮を上げ、輝く粒子と共に消滅する。
これならばスターダストの効果を使用すれば良かったか。まぁ、充分に維持出来た方だ。
「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
K LP2700
フィールド『E・HEROエリクシーラー』(攻撃表示)
セット1
『摩天楼スカイスクレイパー』
手札0
「オレのターン、ドロー!墓地の『置換融合』を除外し、ガイアをエクストラデッキに戻してドロー!」
コナミ 手札2→3
「魔法カード『金満な壺』を発動。墓地、エクストラデッキの『曲芸の魔術師』、『貴竜の魔術師』、『慧眼の魔術師』をデッキに戻し、2枚ドロー!」
コナミ 手札2→4
「ペンデュラム召喚!『相克の魔術師』!『刻剣の魔術師』!」
刻剣の魔術師 攻撃力1400
相克の魔術師 攻撃力2500
コナミの前に現れたる新たな『魔術師』モンスター、大剣を手にしたそのモンスターは『魔術師』の中では最高の打点を誇るカードだ。隣で弓を持つ『相生の魔術師』の相棒とも言える。
相生と共にコナミのデッキに何時の間にか入っていたカードだ。コナミとしては何時も事なので余り気にしていないが。
「刻剣でエリクシーラーを除外し、相克でダイレクトアタック!」
「罠発動!『ピンポイント・ガード』!墓地の『E・HEROスパークマン』を特殊召喚!」
E・HEROスパークマン 守備力1400
相克の剣がKを貫こうとした瞬間、発動された罠カードが墓地より『HERO』を呼び起こし、攻撃を防ぐ。純構築の『E・HERO』で良くここまで闘えるものだ。
「ターンエンドだ。さて、次はどう出る?」
コナミ LP2000
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『相克の魔術師』(攻撃表示)『相生の魔術師』(守備表示)
『妖刀竹光』
Pゾーン『EMドクロバット・ジョーカー』『賤竜の魔術師』
手札3
「僕のターン、ドロー!『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキの上から10枚を除外し、2枚ドローする。」
K 手札0→2
「魔法カード、『ミラクルフュージョン』!フィールドのスパークマンと墓地のフレイム・ウィングマンを融合!融合召喚!『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』!!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン 攻撃力2500→5500
『HERO』達の絆が1つとなり、墓地に眠る『E・HEROフレイム・ウィングマン』へと光が集束していく。光は白銀の兜に、鎧に、手甲に、そして雄々しき翼となって身体に宿る。
深紅に燃える炎が黄金に輝く焔となり、光の勇者が今、天空に飛翔する。
少年の永遠のフェイバリットカードが、最高のエースカードに進化したのだ。
「シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃力は墓地の『E・HERO』カードの数×300アップする。これで終わりにしてやる!散れ!シャイニング・フレア・ウィングマンで『閃光竜スターダスト』を攻撃!究極の輝きを放て!シャイニング・シュート!」
身体中から眩き光を放ち、白銀の両翼を広げたシャイニング・フレア・ウィングマンがスターダストへと突き進む。一直線に描かれる白の軌跡、ぶつかり合う閃光が熱を持って燃え上がる。
「『相克の魔術師』の効果発動!光属性モンスター1体の効果を無効にする!そして『閃光竜スターダスト』の効果で破壊を無効にする!」
「無駄だ!墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外し、相克の効果を無効にする!」
「っ、手札の『クリボー』を捨て、ダメージを0にする!」
相次ぐカードの応酬。切り結ぶかのように繰り広げられるそれは苛烈になっていく。シャイニング・フレア・ウィングマンの効果は無効に出来ず、攻撃力を下げられなかったが――幸い、ダメージは抑えられた。
「僕はモンスターをセットしてターンエンドだ」
K LP2700
フィールド『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』(攻撃表示)セットモンスター
セット1
『摩天楼―スカイスクレイパー―』
手札0
「オレのターン、ドロー!そろそろ終わりにしてやろう。フィールドに刻剣とエリクシーラーが戻り、刻剣の効果で再び除外、更に相克の効果でシャイニング・フレア・ウィングマンの効果を無効に!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン 攻撃力5500→2500
「『アームズ・ホール』を発動!墓地の『妖刀竹光』を回収し、ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『賤竜の魔術師』!」
竜脈の魔術師 攻撃力1800
賤竜の魔術師 攻撃力2100
「さて――このカードの出番だ――」
スッ、とコナミが手札に残る1枚のカードを翳す。何の変哲も無い普通のカードだ、しかしこの1枚、このたった1枚のカードこそが、コナミが強敵と相応しいデュエリストと対決する為にデッキに投入した奥の手。
『マジカルシルクハット』も、『ジャンク・コレクター』も、あの『エレメンタルバースト』でさえ、コナミにとってこのカードを効果的に発揮させる布石でしかない。
何時か再び闘うであろう、白コナミとの対決を想定して隠していた懐刀。
このカードの前では、どれ程強力なデュエリストだろうとその力を封じられる。
その1枚に、Kは息を呑む。
ヒントは最初からあった。今、この瞬間も、布石は打たれていたのだ。どうしてこの瞬間まで気づかなかったと後悔が浮かび上がる。
早く気づいていれば――。
「永続魔法発動――」
こんな事には、ならなかったのに――。
「『魂を吸う竹光』――!」
発動される、最後のカード。抜き放たれた禍々しい輝きを閃かせる伝家の宝刀。
その発動と共に、『相生の魔術師』が手に持った『妖刀竹光』が鈍く光り、黒い怨念が吹き出ていく。デュエリストの魂を吸う、最悪の効果。
その殺意の刃がKの喉元に突き立てられる。
「『相生の魔術師』は戦闘ダメージを与えられんからな、もう1枚の『妖刀竹光』を慧眼に装備する。更に竜脈に装備した『妖刀竹光』の効果で相生に装備した『竹光』を手札に戻し、賤竜に装備する。さぁ、バトルだ。まずはスターダストでシャイニング・フレア・ウィングマンに攻撃――この瞬間、スターダストに破壊耐性を与える!」
闇夜に染まる天空を舞う、閃光の竜と陽光の英雄。星屑を眩い炎が溶かし、雪のように煌めいて散っていく。幻想的な光景の中、激しい火花が飛び交い、スターダストのブレスがシャイニング・フレア・ウィングマンを地に落とす。
能力を失った今、英雄に勝利する術は無い。摩天楼の空に英雄が粒子となって散る。
「次だ、相克でセットモンスターを攻撃!」
迫る死神の鎌。相克がその手に持った剣を力強く握り締め、球体が浮かぶセットモンスターへと刃を突き立てる。セットモンスターは『ネクロガードナー』。墓地から除外する事で相手の攻撃を1度だけ無効にするカードだ。
だがこの状況ではたった1度切りの防御等、何の役にも立たない。
「2体の『魔術師』でダイレクトアタック」
「墓地の『ネクロガードナー』を除外し、『賤竜の魔術師』の攻撃を無効に!ぐぅ――!」
K LP2700→1200
賤竜の攻撃を『ネクロガードナー』で防ぐが、竜脈による攻撃が残っている。黒く禍々しい怨念が籠った妖刀を闇夜に閃かせ、KのLPを切り裂く。
瞬間、彼が被っていた帽子も真っ二つに切り裂かれ、その隠れていた顔が明らかになる。
逆立った茶髪に、何処か見た事があるような鋭い目付きに整った顔立ち。この、少年は――。
「やはり、そう言う事か――神楽坂――」
「何故、俺の名を知っている……!」
神楽坂。昔、コナミも通っていた学園では同級生であり、他者のコピーデッキを使用していたデュエリスト。一時はデュエルキングと呼ばれる、コナミも知る中で最強のデュエリストのデッキの力を、充分に引き出した男だ。
コナミもその実力を知っている筈だったが――今の彼は、記憶の中の神楽坂よりも、遥かに強い。しかも何故自分と同じ姿で、〝彼〟のコピーデッキを使っているのか、一体どう言う事なのか。
そう思っているのは何もコナミだけでは無いらしい。目の前の神楽坂もまた、コナミの事をまるで最初から知らなかったように、文字通り敵を見る表情でコナミを睨んでいる。
「俺は今日が初陣、しかも先生のコピーをしていた筈だが――アカデミアから情報が漏れた……?スパイ……まさかセレナか!?あのポンコツめ、余計な事を……!」
早口で捲し立てる神楽坂。そのただならぬ様子にコナミの頭上に幾つもの?マークが浮かぶ。
アカデミア、そう言えば、素良も黒咲も、零児もあの、仮面の男もアカデミア、と言うものを口にしていた。
コナミは余り気にしていなかったが、その名称には心当たりがある。神楽坂がいるのだから尚更だ。話を纏めると素良もセレナもアカデミアに所属、そして神楽坂も――と言う事になるのだが、少しおかしい。
神楽坂は既にあの学園を卒業している筈だ。先生のコピーと言う言葉が出るならば教師をしていると言う訳でも無さそうだ。まさか留年したのか?と失礼な事を考えた所である言葉を思い出す。
黒咲と素良のデュエルの最中、飛び交っていた、融合次元、エクシーズ次元と言う単語。白コナミの存在。ユートや瑠那が言っていた〝コナミ〟。そしてセレナと神楽坂、素良とバレットの言っていた〝先生〟や〝アイツ〟。
何故、そこまで考えなかったのか、ここに辿り着かなかったのか、白コナミの存在から、ヒントはあったと言うのに――。
コナミの口から渇いた笑いが溢れ、思わず天を仰ぐ。この考えが正しいならば――。
「計画は、成功していた――」
瞬間、コナミの頭中に沈痛が走る。計画?成功?自分は何を言っているのだ。頭が痛い、忘れていた記憶の一部が、ノイズがかけられ、モザイクがかかった状態で再生されていく。
音もない、暗い暗い、恐ろしい闇の世界。その男は現れる。極太のマジックで塗り潰された何も分からない顔に、白いマントを纏ったその男は、コナミに語りかける。
――マタ、アシタ――
まるで複数の声が混ざり合ったかのような声を放ち――その台詞を最後に、コナミの記憶は途切れ、フッ、と糸が切れたように、コナミは倒れそうになってたたらを踏む。
今のは、何だ――?何か、大事なものを忘れているような――大粒の汗を額から流し、頭を抑えるコナミ。だが今は、デュエル中だ。直ぐ様振り払い、デュエルを続行させる。
「ッ!『魂を吸う竹光』の効果!『竹光』カードを装備したモンスターがダメージを与えた場合、次の相手のドローフェイズをスキップする」
ドローフェイズのスキップ。ドローロックとも言えるその強力な効果が神楽坂のデッキを蝕み、黒い怨念が流れ込む。デュエリスト最大の可能性、ドローを封じる悪魔の効果。
ドローロックを持つカードが長い間禁止にされている事を考えればその凶悪さが分かるだろう。
しかも神楽坂のフィールドには何もない。手札も0、この状況を覆す可能性のある『シャッフル・リボーン』や『置換融合』も墓地には無い。完全な、詰みの状態――。
「……本物は、何処だ」
「……何?」
ここで、コナミが静かに、しかしドスの効いた声で神楽坂に問いただす。本物、恐らく彼が聞きたいのは、神楽坂がコピーしていた、紫帽子のデュエリストの居場所――。
「……良いだろう、お前は既に勝者だ。ならば然るべき報酬がある。……火山がそびていた場所に、先生はいる」
「……そうか、オレはこれでターンエンドだ」
コナミ LP1400
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『相克の魔術師』(攻撃表示)『相生の魔術師』(守備表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)『竜脈の魔術師』(攻撃表示)
『妖刀竹光』×2『魂を吸う竹光』
Pゾーン『EMドクロバット・ジョーカー』『賤竜の魔術師』
手札0
圧倒的に不利、逆転さえも許されない最悪の状況、神楽坂の頼みの綱であるドロー運まで断たれてしまった。
最早後は、敗北を待つのみ。そんな状況でも、神楽坂は――折れない。確かに、もう勝負はついている。だがそれでも神楽坂は最後までデュエルを続ける。
それが、デュエリストとしての礼儀、師の教えなのだ。
「俺のターン……ターン、エンドだ」
神楽坂 LP1200
フィールド
『摩天楼―スカイスクレイパー』
手札0
「最後まで続けるか――見事だ。オレのターン、ドロー!フィールドにエリクシーラーが戻る。終わりにしよう、フィールドの『魂を吸う竹光』を手札に戻し、竜脈の直接攻撃を可能に、バトルだ。竜脈でダイレクトアタック――!」
神楽坂 LP1200→0
デュエリストの魂を封じる妖刀を持つ『慧眼の魔術師』による、最後の攻撃。鋭き斬撃が神楽坂のLPを削り、彼はその場に倒れ伏す。
闇夜が支配する摩天楼の中――その中で、黄金の『HERO』は薄く笑う。それはまるで――主人を認めたかのような、清々しい笑みだった――。
――――――
時は遡り、コナミと正体を隠していた神楽坂がデュエルを始めた時、砂塵舞う遺跡エリアにて、2人のデュエリストが対峙していた。
1人はエンタメデュエルを目指す遊勝塾に所属する少年、榊 遊矢。そしてもう1人は――エクシーズ次元にて、レジスタンスに所属する、黒咲 隼。
この大会最大の目玉とも言えるデュエリスト同士のぶつかり合い――火花を散らし、想いをぶつけ合うその熱きデュエルの終点に、一体何が待ち受けているのか――。
人物紹介11
神楽坂
所属 アカデミア
融合次元のアカデミアに所属する高い実力を持ったデュエリスト。
様々なコピーデッキを自分が扱いやすいようにアレンジし、コピー先のデュエリストのタクティクスを自分のものにする観察眼を持つ。遊矢のエンタメデュエルの派生系とも言える。
元々はただコピーデッキを使う、と言う凡庸なデュエリストだったのだが、先生なる人物が彼の内に眠る才能を見抜き、一流のデュエリストとして育て上げた。その為、先生を尊敬しており、急スピードで成長、オベリスク・フォースの部隊長となった。
Kはその際貰ったコードネーム。しかし皆大好き雪のんと組んでいる為か、部下のオベリスク・フォースには妬まれ、爆発しろと言われる始末。
セレナとは犬猿の仲であるが、互いに実力は認めている。番外編でセレナが言っていたバカはこいつ。頭が悪い訳では無い。
本来実力を発揮するのは2戦目、これは前回対戦した相手のプレイングや癖を見抜き、メタとなるカードを積む為である。
現在は主に先生から昇格祝いに貰ったデッキを使っている。
使用デッキは純構築の『E・HERO』。エースカードは『E・HEROフレイム・ウィングマン』。
と言う訳でコナミ君の奥の手登場、Kの正体と色々あった回。
奥の手に関してはドロー運が高い相手程刺さります。主人公が使うカードじゃねぇ。でも墓地発動が多い今、そこまで脅威的じゃないと言う。
ナストラル「なんと言う効果だ……!」
烏「やる事が汚ぇぞ!」