遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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NGシーン ペンデュラムカードは拾った。

★コナミの場合

コナミ「よし、ペンデュラムカードゲットだ、このカードは……」

EMモンキーボード・Emヒグルミ「よろしくニキーwww」

★遊矢の場合

ユート「あったぞ遊矢!」

遊矢「サンキューユート」

竜剣士ラスターP「共に平和を守ろうぜ!」

竜魔王ベクターP「良かれと思ってwww」




第53話 ぜ……ぜん…め…めつめつめつ…

火花を散らすコナミ対九庵堂。煽りに煽る九庵堂に対し、コナミは苦笑いを浮かべながらデッキより1枚のカードを引き抜く。

 

「オレのターン、ドロー!言ってくれる……!ペンデュラム召喚!『刻剣の魔術師』!『慧眼の魔術師』!『E・HEROエアーマン』!」

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

慧眼の魔術師 攻撃力1500

 

E・HEROエアーマン 攻撃力1800

 

コナミのフィールドに現れる3体のモンスター。剣を手に持ち、空気を裂く少年『魔術師』。秤を手にした、衣服に瑠璃の珠を散りばめた銀髪の『魔術師』。そして風を操る青い『HERO』。

 

「エアーマンの効果で『E・HEROシャドー・ミスト』サーチ!そして墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外し、002の効果を無効にする!」

 

ブンボーグ001 攻撃力5000→4500

 

ブンボーグ002 攻撃力2000→1500×2

 

ブンボーグ004 攻撃力2500→2000

 

1体の002の効果が無効になる事で九庵堂のフィールドの『ブンボーグ』達の攻撃力が減少する。微々たるものだが九庵堂はその小さな強化を積み重ねたのだ。

こちらも少しずつ相手の武器を減らす事で芋蔓式に叩いていく。それがコンボ重視のデッキを相手にする際に効果的な手段と言えよう。

 

「シャドー・ミストを召喚!」

 

E・HEROシャドー・ミスト 攻撃力1000

 

「これで届く。エアーマンで『ブンボーグ002』を攻撃!」

 

九庵堂 栄太 LP4000→3700

 

「効かないんだなぁ、これが」

 

「だがこれでお前のモンスターの攻守は更に落ちる」

 

ブンボーグ001 攻撃力4500→3500

 

ブンボーグ002 攻撃力2000→1500

 

ブンボーグ002 攻撃力1500→1000

 

ブンボーグ004 攻撃力2000→1500

 

1体を無力化、2体目を破壊する事で一気にその牙城を崩す。これで001は1500、他の『ブンボーグ』は1000の攻撃力を失った。だがまだまだ。コナミの快進撃は止まらない。

 

「次だ。慧眼で攻撃力1000となった002を攻撃!」

 

九庵堂 栄太 LP3700→3200

 

ブンボーグ001 攻撃力3500→2500

 

ブンボーグ002 攻撃力1500→1000

 

ブンボーグ004 攻撃力1500→1000

 

「『刻剣の魔術師』で3体目の002を攻撃!」

 

九庵堂 栄太 LP3200→2800

 

ブンボーグ001 攻撃力2500→2000

 

あれだけ攻撃力を増加した『ブンボーグ』の攻守がみるみる内に下がっていく。あの攻撃力5000と『F・G・D』にも並ぶ攻撃力を得ていた001でさえ、そのステータスが半分以下に落ちている始末だ。

まるで積み木を崩すかのような光景。しかし九庵堂はピクリとも動揺する事無く、意地の悪い笑みを崩さない。少々不気味だが--ここで止める訳にはいかない。コナミは更にモンスターへと指示を出す。

 

「これで最後だ、シャドー・ミストで004に攻撃!」

 

「甘いんだなぁ、それが。『ブンボーグ004』の効果発動!デッキから『ブンボーグ009』を墓地に送り、このカードの攻守をそのレベル×500アップする!問題!009のレベルはぁー?」

 

「009……レベル9か!」

 

「正解だ!よって004の攻撃力は--」

 

ブンボーグ004 攻撃力500→5000

 

「--!」

 

攻撃力5000。先程の001と同じく恐るべき数値が加わり、爆発的な攻撃力がコナミへと牙を剥く。完全なる失態だ。

この攻撃で自身のLPが大幅に削られるのだろうと覚悟するコナミ。しかしそんなにも簡単にはいかない。

九庵堂はニヤリと笑い、左手の甲を返し、人差し指でコナミを差す。

 

「安心したまえ、この効果の発動後、ターン終了時まで君が受けるダメージは0となる。非常に残念で仕方無いなぁ!」

 

どうやらデメリットに救われたらしい。ニヤニヤと笑う九庵堂が腹立たしいが、ここはホッと胸を撫で下ろす。

だがまだだ。まだ『ブンボーグ004』の効果は終わっていない。

 

「シャドー・ミストの効果でブレイズマンサーチ!」

 

「そして004が戦闘でモンスターを破壊した場合、手札、墓地よりレベルの異なる『ブンボーグ』2体を守備表示で特殊召喚する!『ブンボーグ002』と『ブンボーグ009』を特殊召喚!」

 

ブンボーグ002 守備力500→1000

 

ブンボーグ009 守備力500→1500

 

ブンボーグ001 攻撃力2000→3500

 

ブンボーグ004 攻撃力1000→1500

 

一気に2体の特殊召喚。現れたのは強力なサーチ能力を有する002と『ブンボーグ』の最終兵器であるモンスター。

その手にビームの刃を持つ鋏と筆のガトリング砲を持ち、肩にステープラーとコンパス、両足にカラーペンを装備し、フェイスにかかったテープは勝利を表すVの字に貼られている。

 

「002の効果でデッキから『ブンボーグ003』をサーチ!」

 

「くっ、オレは刻剣と『ブンボーグ002』を除外!」

 

ブンボーグ001 攻撃力3500→2500

 

ブンボーグ004 攻撃力1500→1000

 

ブンボーグ009 守備力1500→1000

 

「意外と冷静だねぇ、てっきり001か009を除外すると思ったけど」

 

「さぁな、自分でもこれが正解か分からん、オレは慧眼とエアーマンの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!我が戦いはここから始まる!白き翼に望みを託せ!No.39!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

コナミのフィールドに見参するのは純白の両翼を広げ、希望の咆哮を放つ騎士皇。

目には目を、歯に歯を、殺意には殺意を。尤も、今のこのカードは防御に秀でたカードだが。相手が強力な打点を出すとなればこのカードを出す事で2回まで耐えられる。悪くない手だろう。

 

「更にホープに『妖刀竹光』を装備し、『黄金色の竹光』を発動!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札1→3

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

コナミ LP4000

フィールド『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)

『妖刀竹光』セット2

Pゾーン『竜穴の魔術師』『曲芸の魔術師』

手札1

 

「僕のターン、ドロー!『ブンボーグ003』を召喚!」

 

ブンボーグ003 攻撃力500→1000

 

ブンボーグ001 攻撃力2500→3000

 

九庵堂が召喚したのは右手にコンパス、左手に定規のビームサーベルを展開し、メジャーを身体の芯と脚部に合成したイエローカラーの『ブンボーグ』。

コナミは002こそが『ブンボーグ』の核となるモンスターと予想したが、このカードもまた、『ブンボーグ』の主要カードなのだ。

 

「003の召喚時効果発動!デッキから003以外の『ブンボーグ』を特殊召喚する!僕は『ブンボーグ005』を特殊召喚!」

 

ブンボーグ005 守備力500→1000

 

ブンボーグ001 攻撃力3000→3500

 

次に展開したのはペンデュラムモンスターである005。両の手首にテープを嵌め、左肩と右の腰には緑と黄のスティック糊をキャノンのように吊るしている。

 

「005の効果発動!このカードが召喚、特殊召喚に成功した場合、フィールドの魔法、罠カードを1枚破壊する!」

 

「ならば発動!罠カード、『ダメージ・ダイエット』!このターンのダメージを半分にする!」

 

「ふぅん?僕は『ブンボーグ001』を対象とし、『ブンボーグ003』の効果発動!001の攻撃力はターン終了時までフィールドの『ブンボーグ』カード×500アップする!分かるかい?『ブンボーグ』モンスターでは無く、カード!つまりペンデュラムスケールとフィールド魔法も含める!僕のフィールドの『ブンボーグ』カードは8枚!」

 

「4000のアップだと……!?」

 

ブンボーグ001 攻撃力3500→7500

 

「まだまだ!『ブンボーグ009』の効果発動!ターン終了時までこのカードの攻撃力を他の『ブンボーグ』の攻撃力の合計分、アップする!」

 

ブンボーグ009 攻撃力1000→10500

 

「攻撃力10500……!」

 

脅威の一万越え、『ブンボーグ』達の力が009へと集い、瞬間的にその攻撃力を増す。圧倒的な力の暴力、『ダメージ・ダイエット』の効果を受けても尚--襲いかかるダメージは4000。

丁度LPが削り取られてしまう。だがそれでもホープには攻撃無効の効果がある。そう思っていたのだが--。

 

「ホープの効果で攻撃無効……出来ないんだよねぇ!009は戦闘を行う場合、魔法、罠、モンスター。効果の発動を封じる!悔しいでしょうねぇ」

 

「ッ!」

 

「009を攻撃表示に変更!バトルといこうか!」

 

「ならばこの瞬間、罠発動!『マジカルシルクハット』!そしてホープが裏側守備表示になった事で破壊された『妖刀竹光』の効果で『黄金色の竹光』を手札に加える!」

 

「だけどORUでホープの位置がバレバレなんだよねぇ!009でホープを攻撃!」

 

何とか難は逃れたが圧倒的な攻撃力による衝撃がコナミを貫く。まるでガスバーナーで全身を炙られるような火力だ。

つくづくダメージが無くて良かったと心から安堵する。だがエクシーズモンスターはORUが有る限り位置はバレる。例えセット状態になってもORUは失われないのだ。

 

「メインフェイズ2、レベル9の『ブンボーグ009』に『ブンボーグ001』をチューニング!シンクロ召喚!『ブンボーグ・ジェット』!」

 

ブンボーグ・ジェット 守備力500→4000

 

メインフェイズ2に入り、九庵堂が新たに会得した力、シンクロ召喚を披露する。ジェット噴射で現れたのは『ブンボーグ』達の移動要塞。筆箱のモンスターだ。

九庵堂の『ブンボーグ』達がその中へと搭乗し、筆箱を操縦して飛翔させる。フィールド魔法であるランドセルと言い、個性的なカードだ。

 

「僕はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

九庵堂 栄太 LP2800

フィールド『ブンボーグ・ジェット』(守備表示)『ブンボーグ003』(攻撃表示)『ブンボーグ004』(攻撃表示)『ブンボーグ005』(守備表示)

セット2

Pゾーン『ブンボーグ005』『ブンボーグ006』

『ブンボーグ・ベース』

手札3

 

「オレのターン、ドロー!この瞬間、刻剣と002はフィールドに戻る」

 

ブンボーグ002 守備力500→1000

 

ブンボーグ・ジェット 守備力4000→5000

 

ブンボーグ003 攻撃力1000→1500

 

ブンボーグ004 攻撃力1000→1500

 

ブンボーグ005 守備力1000→1500

 

「オレは『妖刀竹光』を刻剣に装備!『黄金色の竹光』で2枚ドロー!もう1枚だ、2枚ドロー!」

 

コナミ 手札1→3→4

 

「速攻魔法、『揺れる眼差し』!互いのペンデュラムスケールを破壊し、その数だけ効果を適用する!まず1枚!お前に500のダメージを与える!」

 

九庵堂 栄太 LP2800→2300

 

「2枚目!デッキからペンデュラムカード1枚を手札に加える!オレは『賤竜の魔術師』をサーチ!3枚目フィールドのカード1枚を除外!『ブンボーグ002』を除外!」

 

ブンボーグ・ジェット 守備力5000→4000

 

ブンボーグ003 攻撃力1500→1000

 

ブンボーグ004 攻撃力1500→1000

 

ブンボーグ005 守備力1500→2000

 

「005と006の効果!ペンデュラムゾーンで破壊された場合、墓地の『ブンボーグ』1枚を手札に加える!『ブンボーグ002』2枚を回収!」

 

「リカバリーも充分か、ならばこちらも魔法カード、『アメイジング・ペンデュラム』発動!エクストラデッキから『竜穴の魔術師』と『曲芸の魔術師』を回収!そのままセッティング!ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『E・HEROブレイズマン』!」

 

賤竜の魔術師 攻撃力2100

 

E・HEROブレイズマン 守備力1800

 

「賤竜の効果で墓地の慧眼を、ブレイズマンの効果でデッキから『置換融合』を手札に加える!そのまま発動!賤竜とブレイズマンを素材に、融合召喚!『E・HERO Great TORNADO』!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻撃力2800

 

吹き荒れる大嵐を引き連れ、強大な風の英雄がフィールドに現れる。その効果は正しく天災、戦場で飛行する『ブンボーグ・ジェット』が風に見舞われ、その装甲が傷ついていく。

 

「Great TORNADOの効果!相手フィールドのモンスターの攻守を半減する!タウン・バーストッ!!」

 

ブンボーグ・ジェット 守備力4000→2000

 

ブンボーグ003 攻撃力1000→500

 

ブンボーグ004 攻撃力1000→500

 

ブンボーグ005 守備力2000→1000

 

「更にオレは『クリバンデッド』を召喚!」

 

クリバンデッド 攻撃力1000

 

その手より召喚されたのは『クリボー』に良く似た毛むくじゃらの悪魔。頭に黄色いスカーフを被り、鋭くなった独眼で九庵堂の『ブンボーグ』を睨む。

まるで盗賊になった『クリボー』モンスターだ。他の『クリボー』系列と違い、ステータスや効果の方向性も違い、カテゴリにも入らないが。

 

「バトル!Great TORNADOで『ブンボーグ・ジェット』を、刻剣で005を、『クリバンデッド』で003を攻撃!」

 

九庵堂 栄太 LP2300→1800

 

畳み掛ける連続攻撃、コナミの手によって3体のモンスターが撃破される。上々な出来だ。コナミは更に続けるように行動に出る。

 

「メインフェイズ2、刻剣とブンボーグ004を除外、カードを1枚伏せ、ターンエンド。この瞬間、『クリバンデッド』をリリースし、デッキの上から5枚を捲り、1枚の魔法、罠を手札に加える」

 

コナミ LP4000

フィールド『E・HERO Great TORNADO』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『竜穴の魔術師』『曲芸の魔術師』

手札2

 

「僕のターン、ドロー!随分やってくれるじゃないか、だけど勝つのは僕だ!『ブンボーグ007』と『ブンボーグ008』でペンデュラムスケールをセッティング!ペンデュラム召喚!『ブンボーグ002』2体!」

 

ブンボーグ002 攻撃力500→1500×2

 

「002の効果で2枚の004を手札に、そしてフィールドに2体同時に機械族が特殊召喚した事で墓地の『ブンボーグ001』特殊召喚!」

 

ブンボーグ001 攻撃力500→3500

 

「更に003を召喚!」

 

ブンボーグ003 攻撃力500→2000

 

ブンボーグ001 攻撃力3500→4000

 

「効果でデッキの『ブンボーグ009』特殊召喚!」

 

ブンボーグ009 攻撃力500→2000

 

ブンボーグ001 攻撃力4000→4500

 

ゼロだったフィールドが高速の大量展開により、一気に盛り上がる。凶悪なフィニッシャー足り得る009。攻撃力が4500となった001。1体1体では大した事が無いカード達の連携により、圧倒的な布陣が組上がる。

これには流石のコナミも冷や汗を垂らす。

 

「更に『ブンボーグ003』の効果で001の攻撃力をアップ!」

 

ブンボーグ001 攻撃力4500→8500

 

「そして速攻魔法、『リミッター解除』!全ての機械族の攻撃力を倍にする!」

 

ブンボーグ001 攻撃力8500→17000

 

ブンボーグ002 攻撃力1500→3000×2

 

ブンボーグ003 攻撃力2000→4000

 

ブンボーグ009 攻撃力2000→4000

 

「もう一手間さ、魔法カード、『魔法石の採掘』!手札の2枚を捨て、『リミッター解除』を回収して発動!」

 

ブンボーグ001 攻撃力17000→34000

 

ブンボーグ002 攻撃力3000→6000×2

 

ブンボーグ003 攻撃力4000→8000

 

ブンボーグ009 攻撃力4000→8000

 

「止めに009の効果ぁ!攻撃力を集束する!」

 

ブンボーグ009 攻撃力8000→62000

 

攻撃力62000。化物染みた、暴力的な数値が009の小さな身体に集束し、天を突くような黄金のオーラが弾け飛ぶ。こんな攻撃力を前にどう対処すれば良いのだろうか。

眼前の光景にひくひくと頬を引き吊らせ、まだ二十万より低いと呟くコナミ。前代未聞の攻撃力に言葉を忘れ、ポカンと呆ける観客達。最初の一戦からクライマックスである。

 

「フッハハハハァ、メインキャラでも無いのにこの攻撃力ゥ……悔しいでしょうねぇ。さぁ、バトル!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外し、バトルフェイズを終了する。おやおや、どうかしたのかなぁ?」

 

だがそれでも届かない。コナミが発動した効果により赤と青の稲妻が迸り、バリアを作り出す。

 

「ぐぬぬ。やりますねぇ……!良いでしょう!メインフェイズ2、レベル9の009に001をチューニング!シンクロ召喚!『ブンボーグ・ジェット』!」

 

ブンボーグ・ジェット 守備力500→5500

 

「ターンエンド、『リミッター解除』によりジェット以外の機械族は破壊されます」

 

九庵堂 栄太 LP1800

フィールド『ブンボーグ・ジェット』(守備表示)

セット2

Pゾーン『ブンボーグ007』『ブンボーグ008』

『ブンボーグ・ベース』

手札0

 

「オレのターン、ドロー!」

 

「この瞬間、永続罠、『リミット・リバース』発動!墓地の『ブンボーグ001』を蘇生し、速攻魔法、『地獄の暴走召喚』!同名を特殊召喚!」

 

ブンボーグ001 攻撃力500→3000×3

 

ブンボーグ・ジェット 守備力3000→4500

 

集う3体の001。攻撃力3000越え、だがそれでも先程の倍々ゲームを味わっていれば大した数値にならないのだがら恐ろしい。

強固な布陣だが――コナミとて、数多の修羅場を潜ってきた。

 

「刻剣と004がフィールドに戻り、オレはまず、墓地の『シャッフル・リボーン』を除外し、竜穴をデッキに戻して1枚ドロー!」

 

コナミ 手札3→4

 

「慧眼をセッティングし、ペンデュラム効果により破壊して『竜穴の魔術師』をセッティング!ペンデュラム召喚!『E・HEROオーシャン』!」

 

E・HERO オーシャン 攻撃力1500

 

現れる大海の英雄。その舞台を海原から火山に変え、そのたくましい身体で宝玉をあしらえた杖を振るい、コナミのフィールドへと降り立つ。

 

「魔法発動!『置換融合』!TORNADOとオーシャンを融合!融合召喚!『E・HEROアブソルートZero』!」

 

E・HEROアブソルートZero 攻撃力2500

 

フィールドを氷で凍てつかせ、スケートのように滑り駆けたるは絶対零度の凍気を放つ銀の英雄。美しき雪の結晶をマントで払い、マグマ煮えたぎる火山のフィールドを氷柱がそびえ立つ銀世界へと変える。

 

「そして魔法カード、『ミラクル・フュージョン』!墓地の『E・HEROフォレストマン』と『E・HEROオーシャン』を除外し、融合!融合召喚!『E・HEROジ・アース』!」

 

E・HEROジ・アース 攻撃力2500

 

大地に巨大な亀裂が走り、火山まで稲妻のような割れ目を描いていく。バキリと快音を放ち、噴火口が轟音を鳴らし、爆裂する。天を突き刺すようにマグマが止めどなく溢れ、真紅に彩られた火炎より岩石と共に、星の名を持つ英雄が氷のフィールドに降り立つ。

瞬間、ジ・アースから放たれる熱気によって氷は溶け、白煙が大地より上がる。プラネットシリーズの1枚が今、コナミのフィールドに降臨した――。

 

「攻撃力2500ぅ?そんな数値で何を……」

 

「こうするのさ!アブソルートZeroをリリースし、ジ・アースの攻撃力を2500アップする!地球灼熱!」

 

E・HEROジ・アース 攻撃力2500→5000

 

アブソルートが雪解けのような消えていき、そのエネルギーがジ・アースへと吸収される。更にジ・アースの身体が真紅へと染め上がり、その両手からマグマを噴出させた剣が伸びていく。

 

「アブソルートZeroの効果により、お前のフィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

バキリ、フィールド上が銀色の氷柱に覆い尽くされ、鋭き刃が九庵堂の『ブンボーグ』達を穿ち、貫く。これで壁モンスターも一掃した。余りの力業に九庵堂の顔が強張り、脂汗を浮かばせながらブツブツと呟く。

 

「ぼ……僕のモンスターがぁぁぁぁぁ…ぜ……ぜん…め…めつめつめつ…」

 

ノリノリである。

 

「止めだ!地球灼熱斬ッ!!」

 

九庵堂 栄太 LP1800→0

 

「フ――やっぱり、悔しいなぁ……!」

 

「悔しいと思えるなら、まだ強くなれる。何時でもかかって来い――!」

 

吹き飛ばされ、倒れる九庵堂に視線を移さず、言葉を残し駆けていくコナミ。目指すは次のデュエル、その先は――氷山エリア。

 

――――――

 

「あら、ここにいたの?」

 

「……ああ」

 

時を同じくして、舞網市、郊外。高くそびえ立つビル群の屋上で、2人の少年と少女が立っていた。

1人は紫色の髪をツインテールに束ね、青い軍服を纏った少女。あどけない顔立ちをしているが、何処か大人びた色気が漂っており、その紅玉の眼は獲物を狙う鳶のようだ。その左腕には盾の形状をしたデュエルディスクを装着している。

もう1人は、掴み所の無い空気のような男。紫色をした学生服に袖を通し、その頭には同じ色の帽子を目深に被っている。男の視線の先には――騒がしく沸き立つ、舞網チャンピオンシップの会場――遺跡エリアで対峙する、黒咲と――セレナの姿――。

 

「……さぁ、授業を始めようか――」

 

 




人物紹介Q

九庵堂 栄太
所属 明晰塾
コナミの手により心理フェイズを学び、更にウザさを増したデュエリスト。とは言ってもウザいのは主にデュエル中のみであり、遊矢と沢渡さん以外の者に対しては普段は紳士的。
観察力、推理力、そして煽り力がずば抜けて高く、デュエル中はそれらを活かして相手のペースを崩し、自分のペースに引き込もうとする。修行を重ねればベクタークラスになると思われる。多分この作品で一番変化した人。意外にも勝鬨とは相性が良く、逆に沢渡とは馬が合わない。遊矢に対して何故か厳しいが、互いに友人だと思っている。
使用デッキは『ブンボーグ』。エースカードは『ブンボーグ009』。頭脳派なのだが脳筋デッキである。

ぶっちゃけ強化し過ぎた感がある九庵堂君。マジでコナミ君が勝つのに苦労した。
次回からは話が大きく動き始めます。

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