遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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サブタイが思いつかなかったり、どうにも難しかったこの一戦、もちっとだけでいいからデュエルスフィンクスが欲しい。


第47話 来るぞ北斗!

権現坂対刃の師弟デュエルに決着がつき、第4試合が始まろうとしていた。対戦カードはコナミと北斗。

本日2度目の遊勝塾対LDS、更にこの後遊矢と沢渡のデュエルがあると言うのだから仕組まれているのでは?と思ってしまう。権現坂と刃も遊勝塾絡みで因縁があった為、これが3度目とも言える。

尤も柚子と真澄、権現坂と刃とは違って2人がこうして闘うのは初めてだが。だからと言って互いのプレイングスタイルやデッキを知らない訳では無い。

コナミに至ってはLDS3人組の方がその実力を知っていると言う奇妙なものだ。

 

「助けて貰って悪いけど、手加減はしないよ」

 

「構わない。全力で来い、そして全力で負けてくれればそれで良い」

 

デュエルディスクを装着、ソリッドビジョンのプレートでコナミを差す北斗に対し、コナミはトレードマークの赤帽子をキュッ、と深く被り直し、その上に装着したゴーグルの紐を指で引っ張り、バチンと引き締める。

存外引っ張り過ぎたのか、イテテと頭を抑えて痛がっているが。何とも締まらない男である。本当にデュエル時とは打って変わって緩々な少年だと北斗は思う。

こんな少年がデュエルとなれば驚異的な実力を引き出すとは誰が思うのだろうか。相手にすると恐るべきプレイングセンスと逆転劇を見せるコナミ。

だが決して――絶望的なまでに差は開いてはいない。

 

『ではこれより第4試合、遊勝塾所属、コナミ選手対LDS所属、志島 北斗選手のデュエルを始めます!アクションフィールド、発動!』

 

ニコの声の下、コナミ達が立つフィールドが光に覆われ、コナミ達が立っている足場が浮上、いや、隆起するように押し出される。

その正体は円盤型の足場を伸ばした鉄塔。その出現と共に鉄塔周りの地面が工場内のように機械に覆われ、スモークが上がる。更に円の周りにガシャガシャとクレーンが合体、結合する。

アクションフィールド、『エクシーズ・オーバーライド』。1ターンに1度、エクシーズモンスターのORUを手札1枚を除外する事で代用出来るフィールドだ。何時もの運のツケなのか、コナミはこう言う所でツイてないらしい。

 

「さぁいこうか!戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ、これぞデュエルの最強進化形!」

 

2人の口上を観客達もなぞっていく。これがコナミの、舞網チャンピオンシップ最初の試合。次のデュエルに進む為に、今のデュエルを勝ち抜く。

大した目標なんて無いが、1つでも多くデュエルを、少しでも長くデュエルを、この楽しさを味わう為に――そして、彼を待つ為に、コナミは勝利を目指す。

 

「「アクショーン……デュエル!!」」

 

その先に、デュエルがあると信じて、互いにデッキより5枚を引き抜く。先攻は北斗だ。彼が先攻を取った瞬間、観客席のLDS生徒達が沸き立ち、右手の指で鼻くそをほじり始める。

そう、これは――先攻絶対プレアデス立てるマン、北斗が先攻プレアデスを立てるのを待つ、1種の儀式。

それに応える為では無いが、北斗は全力でプレアデスを立てる。

 

「まずはこれだ!永続魔法、ダブル発動!『セイクリッドの星痕』!『補給部隊』!そして『セイクリッド・ポルクス』を召喚!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700

 

先手で召喚したのは双子座の名を冠したモンスター。右半身が金と銀の鎧、左半身は真っ白になっている奇妙なモンスターだ。

その手には二又の刃を持つ剣を握っている。

 

「ポルクスの召喚成功時、僕は通常召喚に加え、『セイクリッド』モンスター1体を召喚出来る!来い、『セイクリッド・グレディ』!」

 

セイクリッド・グレディ 攻撃力1600

 

次のモンスターは山羊座のモンスターだ。白い鎧、そして兜には山羊座を冠するだけあって捻れた角が見てとれ、その手には1本の杖を握っている。

 

「グレディの召喚成功時、手札よりレベル4『セイクリッド』モンスターを特殊召喚出来る!『セイクリッド・カウスト』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・カウスト 攻撃力1800

 

3体目は射手座の『セイクリッド』。身軽そうな鎧を纏い、その手には金色に輝く弓を持っている。彼は光の矢を2本生成し、宙に向かって放つ。

その矢の先に狙いを定められたのは――グレディと、カウスト自身。

 

「カウストの効果発動!フィールドの『セイクリッド』モンスターのレベルを1つ上げる!この効果は1ターンに2度まで使用可能。僕はグレディとカウストのレベルを1つずつ上げる!」

 

セイクリッド・グレディ レベル4→5

 

セイクリッド・カウスト レベル4→5

 

「これでレベル5のモンスターが2体、僕は2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!星々の光よ!今大地を震わせ降臨せよ!エクシーズ召喚!『セイクリッド・プレアデス』!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

北斗の背後に宇宙を思わせる渦が広がり、2体の『セイクリッド』が光となってその中に飛び込んでいく。渦は凝縮して爆発を起こし、星の輝きを持つ戦士を生み出す。

銀河が流れるマントを広げ、天より地へ降り立つは牡牛座の上級『セイクリッド』。白銀の鎧に金に輝く装飾をあしらえ、柄が半円となった剣を振るう、このエクシーズモンスターこそ北斗のエースカード。

 

「自分フィールドに『セイクリッド』エクシーズモンスターが特殊召喚された時、『セイクリッドの星痕』の効果で1枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札0→1

 

「更に、プレアデスのORUを1つ取り除き、効果発動!『セイクリッドの星痕』を手札に戻し、もう1度発動!そして魔法カード、『死者蘇生』発動!墓地のカウストを特殊召喚!」

 

セイクリッド・カウスト 攻撃力1800

 

「カウストの効果でポルクスとカウストのレベルを上げる!」

 

セイクリッド・ポルクス レベル4→5

 

セイクリッド・カウスト レベル4→5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!2体目!『セイクリッド・プレアデス』!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

「星痕の効果でドロー!」

 

志島 北斗 手札0→1

 

「2体目のプレアデスのORUを1つ取り除き、星痕バウンス、そのまま発動!更に2枚目の星痕発動!2体目のプレアデスでオーバーレイ・ネットワークを再構築!ランク・アップ・エクシーズ・チェンジ!眩き光もて降り注げ!エクシーズ召喚!『セイクリッド・トレミスM7』!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻撃力2700

 

プレアデスの足下に渦が広がり、吸い込まれていく。続いてその渦から1つの光が上り、空気を裂くような雄叫びを上げるのは頭から2枚の巨大な翼を広げた、金と銀の機竜。

他の『セイクリッド』と同じく、その姿には高貴さを感じさせられる。北斗は直ぐ様、機竜の頭に飛び乗り、フィールドを飛翔する。

 

「星痕の2重効果により2枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札0→2

 

「魔法カード、『エクシーズ・ギフト』発動!トレミスのORUを2つ取り除き、2枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札1→3

 

「更に魔法カード、『セイクリッドの超新星』を発動。墓地の『セイクリッド』モンスター2体を手札に加える。ポルクスとカウストを手札に加える!カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

志島 北斗LD4000

フィールド『セイクリッド・プレアデス』(攻撃表示)『セイクリッド・トレミスM7』(攻撃表示)

『セイクリッドの星痕』×2『補給部隊』セット1

手札3

 

「これがお前本来のデュエルか……!オレのターン、ドロー!」

 

「この瞬間、罠発動!『エクシーズ・リボーン』!墓地のプレアデスを蘇生し、このカードをORUにする!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

「何か後攻のこっちのターンにもプレアデス立てて来た……」

 

「星痕の効果で2枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札3→5

 

「オレは『慧眼の魔術師』と『竜穴の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

コナミの手札より出るモンスターと魔法カードを組み合わせたかのような2枚のカード。ペンデュラムカードがディスクのプレートの両端に設置される。

そして2枚のカードを起点として虹彩の輝きがディスクに浮かび上がり、同時にコナミの背後に2本の光の柱が伸びる。その中に現れたのは瑠璃の珠を両肩、手の甲、腹部に散らし、美しい銀髪と秤を持った細身の『魔術師』と、錫杖のような物を持った熟練の腕を感じさせる『魔術師』。

彼等が秤と杖を振るい、上空に巨大な魔方陣を作り出すと共に、会場内がザワザワと騒ぎ立つ。

 

『な、な、なぁーんとっ!?コナミ選手!榊 遊矢選手のみが使用すると言われていたペンデュラムカードを発動したぁぁぁぁぁっ!!まさかまさか、あのペンデュラムが見られるのかぁぁぁぁぁっ!?』

 

ニコの言葉が広がり、観客達が一斉に盛り上がる。それもその筈、今までコナミは特に何の感慨も無くペンデュラムを使って来たが、これは本来ならば榊 遊矢が扉を開いたもの。

もう1人のペンデュラムの担い手である赤馬 零児も公にはしていないのだ。

榊 遊矢以外が扱うペンデュラム、それを期待して観客達がペンデュラムの音頭を取る。

 

「ああ、そう言えばこうなるよなぁ。ほらコナミ、皆が期待しているぜ?応えてやれよ」

 

「そんな事言ってツイツイとか打ったらボコボコにするからな」

 

「しないよ!」

 

「フ、冗談だ!さて、まずは慧眼のペンデュラム効果を発動!このままではペンデュラムは出来ないからな!このカードを破壊し、デッキより『竜脈の魔術師』をセッティング!竜脈のペンデュラム効果で手札の『刻剣の魔術師』を捨て、2体目のプレアデスを破壊!」

 

まずは露払いを。如何にペンデュラム召喚を行ってもバウンス効果を持つプレアデスが2体もいればペンデュラム召喚したモンスターがすぐに舞台から下ろされてしまう。

光の柱の中の『竜脈の魔術師』が手に持った刀を回し、雷をプレアデスへと降らせる。音の壁を突き破って放たれる雷は見事プレアデスへと命中し、その身を焦がす。

 

「さぁ、お待ちかねだ。揺れろ、光のペンデュラム!虚空に描け魂のアーク!ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『慧眼の魔術師』!『E・HEROブレイズマン』!」

 

賤竜の魔術師 攻撃力2100

 

慧眼の魔術師 攻撃力1500

 

E・HEROブレイズマン 守備力1800

 

魔方陣に孔が開き、その中より赤と緑、瑠璃の3本の柱がフィールドに落ちる。コナミのフィールドに現れたのは翠玉をあしらえた服装をした柄の悪い、扇のような物を手にした『魔術師』と先程姿を見せた『魔術師』。そして炎の鬣を伸ばした『HERO』。

そのアメコミの世界から飛び出したような姿に観客の一部が盛り上がる。

その間にも北斗はコナミを観察しつつ、アクションカードを拾おうとトレミスに乗ってフィールドを駆け回るが――。

 

「『賤竜の魔術師』が特殊召喚に成功した場合、墓地の『魔術師』を回収する!刻剣を手札に加え、ブレイズマンが特殊召喚に成功した場合、デッキから『融合』として扱う『置換融合』を手札に加える!そして発動!」

 

「プレアデスのORUを取り除き賤竜をバウンス!」

 

「アクションマジック、『透明』!賤竜に耐性を与える!フィールドの賤竜とブレイズマンを融合!融合召喚!『E・HERO Great TORNADO』!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻撃力2800

 

吹き荒れる暴風。その中心で立つのは黒いマントを翻した風の『HERO』だ。突如現れた彼は竜巻を束ね、ビュウビュウと唸り声を上げる風の竜を作り出し、竜の顎は星の戦士を呑み込む。

 

「Great TORNADOの融合召喚成功時、相手モンスター全ての好守は半分になる!タウン・バースト!」

 

「くっ……!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500→1250

 

セイクリッド・トレミスM7 攻撃力2700→1350

 

「まだ通常召喚権はある!『刻剣の魔術師』を召喚!」

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

次なる『魔術師』は剣を手にした少年『魔術師』。幼い姿だがその効果は優秀だ。

 

「バトル!刻剣でプレアデスに攻撃!」

 

志島 北斗 LP4000→3850

 

「『補給部隊』の効果!自分モンスターが破壊された事で1枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札5→6

 

刻剣の剣が弱体化したプレアデスを切り裂く。微々たるダメージに顔をしかめながら北斗は次のターンに備えて手札補充を行う。

これで北斗の手札は6枚、初期値を越えてしまった。

 

「慧眼でトレミスを攻撃!」

 

志島 北斗 LP3850→3700

 

次なる慧眼の攻撃、北斗は流石に危ないと感じたのか機竜から飛び降り、鉄塔の上に転がり込む。瞬間、慧眼の作り出した魔方陣より光の球が放たれ、トレミスを撃ち落とす。

 

「TORNADOでダイレクトアタック!」

 

「アクションマジック、『回避』!」

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド。さぁ、来い北斗!」

 

コナミ LP4000

フィールド『E・HERO GreatTORNADO』(攻撃表示)『慧眼の魔術師』(攻撃表示)『刻剣の魔術師』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『竜穴の魔術師』『竜脈の魔術師』

手札0

 

「面白いじゃないか、行くぞコナミ!僕のターン、ドロー!相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、『セイクリッド・シェアト』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・シェアト 守備力1600

 

北斗が手札から特殊召喚したカードは水瓶座に位置するモンスターだ。他の『セイクリッド』とは違い、小柄なマスコットのような見た目で瓶を小脇に抱え込んでいる。

所謂、相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に特殊召喚出来る優秀なカードだ。

 

「更に『セイクリッド・ポルクス』召喚!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700

 

「ポルクスの効果でもう1度得た召喚権でグレディを召喚!」

 

セイクリッド・グレディ 攻撃力1600

 

「次!グレディの召喚成功時、手札のレベル4、『セイクリッド・ソンブレス』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・ソンブレス 守備力1600

 

現れるのは『セイクリッド』のキーカード、山羊のように捻れた角、蝙蝠の羽に蝶の模様を足した翼、女性的な身体の周りには星座が浮かんだライトグリーンのリングと仲間達の武器が回転している。

更に手にしたのはある者から受け取った短剣、その刃からは並々ならぬ力が放たれている。

 

「ソンブレスの効果発動!墓地のグレディを除外し、同じく墓地のプレアデスをエクストラデッキに戻す。そして魔法カード、『救援光』!800LP払い、除外された光属性モンスター、グレディを手札に加える!」

 

志島 北斗 LP3850→3050

 

「ここで僕はポルクスとグレディの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・オメガ』!」

 

セイクリッド・オメガ 攻撃力2400

 

人馬一体、下半身が機械の馬のものとなった射手座の上級、『セイクリッド』。宇宙を描いたマントも翼のようになっており、胸には神星騎兵のシンボルが刻まれている。

 

「星痕の2重効果で2枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札3→5

 

「そしてソンブレスの効果を適用したメインフェイズ、続く効果を発動する!『セイクリッド』モンスター、グレディを召喚!」

 

セイクリッド・グレディ 攻撃力1600

 

「グレディの効果でレベル4、『セイクリッド・カウスト』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・カウスト 攻撃力1800

 

これぞエクシーズコースのトップ。そう見せつけるかのようにモンスターを展開し、ついに北斗のモンスターゾーンが埋まる。

だがこんなものはあくまで力の一端、彼の本領発揮はまだまだこれからだ。

 

「カウストの効果発動!カウストとグレディのレベルを1つ上げる!」

 

セイクリッド・カウスト レベル4→5

 

セイクリッド・グレディ レベル4→5

 

「これでレベル5のモンスターが2体!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・プレアデス』!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

再びフィールドに舞い降りる北斗の代名詞。剣を地に突き立て、左手をコナミへと翳す『セイクリッド』の騎士。

その厳格な雰囲気は見るだけで身震いしそうになる程だ。

 

「そしてプレアデスのORUを1つ取り除き、星痕の1枚を戻し、再び発動。そしてシェアトの効果発動!フィールド、墓地の『セイクリッド』1体のレベルをコピーする!ソンブレスのレベル4をコピー!そして2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・ビーハイブ』!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400

 

3体目のエクシーズモンスター、蟹座の上級、『セイクリッド』だ。肩がもり上がり、両腕の鋏は金色に輝き、身につけた鎧の細部も金が施されている。マントの裏地も他のエクシーズと同じ星を散りばめたような美しさを醸し出している。

 

「星痕の効果で1枚ドロー!」

 

志島 北斗 手札4→5

 

「オメガのORUを1つ取り除き、効果発動。このターン、この時点でフィールドに存在する僕の『セイクリッド』モンスターは魔法、罠の効果を受けない。バトルだ!オメガで『慧眼の魔術師』を攻撃!僕の推測が正しければそのカードはミラーフォース等の攻撃反応型!だけどオメガの効果を受けた『セイクリッド』達には通用しない!」

 

「フ、流石だが――一歩及ばなかったな!罠発動!『マジカルシルクハット』!」

 

「何!?」

 

コナミが発動したのは確かに攻撃反応型に近いカードだ。しかしこのカードはミラーフォース等とは違い、自分のモンスターに効果を及ぼした上で相手の攻撃を防ぐカード。

『マジカルシルクハット』のカードの中からソリッドビジョンで作り出されたシルクハットが3つ飛び出し、その内の1つが『慧眼の魔術師』の身体を包むように被さり、その姿を隠す。

 

「このカードはデッキからモンスター以外のカードを2枚選択し、自分フィールドのモンスター1体と合わせてシャッフルし、セットするカード。勿論この効果でセットされたカードはモンスター扱いだ。2枚のカードはバトルフェイズ終了時に破壊されるが――逆に言えば、お前が当たりを引いても、バトルフェイズが終了するまでセットされたままだ」

 

「全く、予想外のカードを使うね。君には驚かされるよ」

 

「昔はそこまで強く無かったが――オレのデッキは墓地で発動するカードを投入してある。それでもバトルフェイズにしか発動出来ないから遅いがな。プレアデスでバウンスされたらどうするかとヒヤヒヤした」

 

ニヤリ、悪戯が成功した子供のように笑みを深めるコナミ。彼は白コナミとの一戦以来、デッキ構築を遊矢と共に一から考え直した。課題はあの『シューティングスター・ドラゴン』や様々なシンクロモンスターの連続攻撃を防げる盾。この考えで『速攻のかかし』等の手札誘発カードを複数枚積んだ。

そしてこのカードは防御から次の展開へ繋ぐもの。臨機応変、状況にあったカードを落とし、デッキの圧縮も出来る。

後は遊矢が言っていた、見ていてドキドキワクワクするカード、その条件に合うのがこのカードだった訳だ。

 

「さぁ、ここに3つのシルクハットがあるじゃろ?」

 

「僕はフシギダネ派だ!シルクハットを選ぶ前に、刻剣へ攻撃!この瞬間、ビーハイブの効果を発動!ORUを使い、オメガの攻撃力を1000アップ!」

 

セイクリッド・オメガ 攻撃力2400→3400

 

コナミ LP4000→2000

 

『セイクリッド・オメガ』が光の弓矢を作り出し、矢をつがいて刻剣を射抜く。まずは見えないシルクハットより見えるもの。

目の前の彼に教えられた事を反芻するように攻撃対象を変更する。

 

「わしにしねと言うのか……?」

 

「死ねとは言わんが負けてもらう!ビーハイブでGreatTORNADOを攻撃!アクションマジック、『ハイダイブ』攻撃力を1000アップ!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400→3400

 

コナミ LP2000→1400

 

「僕は魔法カード、『ジェネレーション・フォース』を発動!エクシーズモンスターが存在する場合、デッキから『エクシーズ』カードを手札に加える!『エクシーズ・リボーン』を手札に加え、カードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

志島 北斗 LP3050

フィールド『セイクリッド・プレアデス』(攻撃表示)『セイクリッド・オメガ』(攻撃表示)『セイクリッド・ビーハイブ』(攻撃表示)

『セイクリッドの星痕』×2『補給部隊』セット1

手札4

 

「オレのターン、ドロー!」

 

「罠カード、『エクシーズ・リボーン』!墓地のプレアデスを蘇生!星痕でドロー!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

志島 北斗 手札4→6

 

「面白くなってきた……!行くぞ!墓地の『置換融合』を除外し、GreatTORNADOをデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

コナミ 手札1→2

 

「『ギャラクシー・サイクロン』を除外し、星痕を破壊!手札の『貴竜の魔術師』を捨て、竜穴のペンデュラム効果で2枚目の星痕破壊!準備は整った!ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『刻剣の魔術師』!『E・HEROブレイズマン』!」

 

賤竜の魔術師 攻撃力2100

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

E・HEROブレイズマン 守備力1800

 

舞い戻る2体の振り子の『魔術師』。これこそがペンデュラムモンスターの大きなメリットだろう。墓地へは行かず、エクストラデッキへ身を潜め、スケールがある限り何度でも特殊召喚される。

先程までモンスターが存在しなかったコナミのフィールドに不意打ちのように現れるペンデュラムモンスターを見て、北斗が歯噛みする。

 

「賤竜の効果で墓地の『貴竜の魔術師』を回収し、ブレイズマンで『置換融合』をサーチ!2体目のプレアデスの対象として刻剣の効果発動!このカードとプレアデスを除外する!」

 

「ならば先に効果を使う!『賤竜の魔術師』をバウンスする!」

 

「チューナーモンスター、『貴竜の魔術師』を召喚!」

 

貴竜の魔術師 攻撃力700

 

「ペンデュラムチューナー……!?プレアデスでバウンスだ!」

 

「させん!アクションマジック、『透明』!貴竜に完全耐性を与える!」

 

コナミが召喚したこのモンスターはペンデュラムモンスターでありながらチューナーと言う異色のモンスター。

紅玉を散りばめた高貴な出で立ち、音叉のような杖を持った幼き『魔術師』に北斗は驚愕と警戒を示す。

 

「『貴竜の魔術師』はドラゴン族シンクロモンスターの素材にしか使えず、他の素材に『オッドアイズ』モンスターを使った場合、デッキの一番下に戻るが……使用は出来る。慧眼をリバースし、オレはレベル4の『慧眼の魔術師』にレベル3の『貴竜の魔術師』をチューニング!シンクロ召喚!『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500

 

鉄塔の一部を溶かし、火の粉を舞い上げ、火花を散らしながら、灼熱の竜がフィールドに現れる。

大地を焦がす赤き竜。このモンスターこそ流星を破壊するべく生まれた『オッドアイズ』シンクロモンスター。

故に、メテオバースト。その災禍の力が北斗の星を砕く。

 

「メテオバーストの効果発動!このカードが特殊召喚に成功した場合、ペンデュラムゾーンのカード1枚を特殊召喚する!『竜穴の魔術師』を特殊召喚!」

 

竜穴の魔術師 守備力2700

 

メテオバーストがスモークが渦巻く空に向かい、雄叫びを上げると同時に『竜穴の魔術師』がいた光の柱が火炎に包まれ、メテオバーストの背へとワープする。

 

「魔法カード、『置換融合』!フィールド上のブレイズマンと竜穴で融合!融合召喚!『E・HEROアブソルートZero』!」

 

E・HEROアブソルート Zero 攻撃力2500

 

英雄と『魔術師』が混じり合い、氷河を渡る戦士となってフィールドを凍てつかせる。肩は氷柱のように尖り、腕も鋭角にカーブしたパーツが生えており、美しき純白のマントを靡かせた白銀の英雄。

その幻想的で高貴な姿に北斗を始め、観客達も感嘆の息を漏らす。

 

「バトル!アブソルートZeroでプレアデスを攻撃!瞬間氷結!」

 

アブソルートZeroがコナミの指示を受け、足元を凍てつかせ、スケートのように滑りながらプレアデスへと駆ける。その両腕を氷の刃へと変え、プレアデスへと切りかかる。

氷の軌跡が煌々と宙を舞い、白い雪を散らしながらそれはプレアデスと剣戟を繰り広げる。威力はプレアデスの大剣が上、されど手数はアブソルートZeroが勝っている。

星の光、粉雪を散らし、両者の剣は空気を走り、首元へと突き立てられる。

相討ち――しかし、首を貫かれたアブソルートZeroは凍りつき、自身の身体から氷柱がフィールドへ広がり、『セイクリッド・オメガ』と『セイクリッド・ビーハイブ』の胸元を貫く。

 

「これは――!?ビーハイブの効果も使えない……!?」

 

「メテオバーストがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズ中にモンスター効果を使えず、アブソルートZeroがフィールドを離れた場合、相手モンスターを全て破壊する」

 

「『サンダーボルト』効果とはね……だが、僕は『補給部隊』の効果でドローするよ」

 

志島 北斗 手札5→6

 

「メテオバーストが自身の効果でペンデュラムモンスターを特殊召喚したターン、こいつは攻撃出来ない。オレは墓地の『置換融合』を除外し、アブソルートZeroをエクストラデッキに戻し、1枚ドロー」

 

コナミ 手札0→1

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

コナミLP1000

フィールド『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『竜脈の魔術師』

手札0

 

「参ったね、あの布陣を崩すなんて。でもこうでなくっちゃ面白くない!そんな君を倒してこそ、僕は誇れるのさ!僕のターン、ドロー!」

 

獰猛な笑みを浮かべ、北斗はデッキよりカードを引き抜く。コナミの実力は良く分かっている。油断も、慢心も無い。あるのは勝利へのビジョン。確証もない強き自信。熱きプライドの全てを賭け、眼前の好敵手へ挑戦状を叩きつける。

 

「君に勝つ!僕の全てを賭け、君と遊矢を!」

 

「残念ながらオレが先約を入れている!あいつとデュエルするのはオレだ!」

 

「そう言うのはフラグって言って、ダークホースに倒されるのだよ!そしてそれは僕だ!魔法カード、『手札抹殺』!アクションマジックも合わせ、手札を交換!『セイクリッド・シェアト』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・シェアト 守備力1600

 

「『セイクリッド・ポルクス』を召喚!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700

 

「ポルクスの効果で得た召喚権で『セイクリッド・グレディ』を特殊召喚!」

 

セイクリッド・グレディ 攻撃力1600

 

「グレディの効果により『セイクリッド・ソンブレス』特殊召喚!」

 

セイクリッド・ソンブレス 守備力1600

 

「ソンブレスの効果により墓地のカウストを除外し、グレディを手札に加える!そしてポルクスとグレディの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・オメガ』!」

 

セイクリッド・オメガ 攻撃力2400

 

まるで先程のターンの焼き回し、再生されるその光景にコナミは苦笑いする。同じ事の繰り返しだが、逆に言えばあの鉄壁の布陣を何度も敷く事が出来ると言う事だ。

 

「魔法カード、『救援光』!800LP払い、カウストを手札に!」

 

志島 北斗 LP3050→2250

 

「ソンブレスの効果でグレディ召喚!」

 

セイクリッド・グレディ 攻撃力1600

 

「グレディの効果でカウストを特殊召喚!」

 

セイクリッド・カウスト 攻撃力1800

 

「……一芸も極めれば立派な技と言う事か」

 

「さぁ?どうだろうね。僕はシェアトの効果を使い、グレディのレベルをコピーする!」

 

セイクリッド・シェアト レベル1→4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・ビーハイブ』!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400

 

「次だ!カウストの効果を使い、ソンブレスとカウストのレベルを1つずつ上げる!」

 

セイクリッド・カウスト レベル4→5

 

セイクリッド・ソンブレス レベル4→5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!星々の光よ!今大地を震わせ降臨せよ!エクシーズ召喚!『セイクリッド・プレアデス』!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻撃力2500

 

フィールドに集う3体の上級『セイクリッド』。牡牛座の星騎士、プレアデス。

星の加護により仲間を守る、射手座の神星騎兵、オメガ。

蜂を連れた騎士団、ビーハイブ。

それぞれ異なり、だからこそ互いの力を引き出せる3連星。先程コナミに突破されたが鉄壁の布陣。そして彼等の頭上に、新たな光が集束する。

 

「見せてあげるよ。これが僕の君の対策として選んだ切り札!『ライトレイディアボロス』!」

 

ライトレイディアボロス 攻撃力2800

 

光輝く粒子を纏い、日輪のように眩く、空のように青い翼を広げた魔王竜がフィールドに降り立つ。

光の洗礼を受け、吸収し、純白となった鱗。青い輝きを放つ身体中に走る光のライン。その雄々しく、気高い魔王の咆哮を前にコナミも退く。

 

「『ライトレイディアボロス』……!こんな隠し玉を持っていたとはな……!」

 

「このカードは自分の墓地に5種類以上の光属性が存在する場合、特殊召喚出来る。そして『ライトレイディアボロス』の効果発動!墓地のプレアデスを除外し、相手フィールドにセットされたカードを1枚選択して確認、デッキの上か下にバウンスする!」

 

「通せないな!発動される前に罠カード、『針虫の巣窟』!デッキの上から5枚を墓地へ送る!」

 

「ここで攻撃反応型を落とす所は流石としか言えないね!僕は永続魔法、『セイクリッド・テンペスト』発動!プレアデスのORUを取り除き、メテオバーストをバウンス!バトルだ!プレアデスでダイレクトアタック!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外し、バトルフェイズを終了させる!」

 

コナミのフィールドに円盤状のものが飛来し、赤と青、2色の電流が迸り、磁力のバリアがプレアデスの大剣を弾く。

この状況で適したカードを引き込む豪運。これこそがコナミの一番恐るべき所だろう。だからこそドローを封じるディアボロスを採用したのだが――墓地発動を大量に投入したコナミには1歩及ばなかったか。北斗は舌打ちを鳴らし、次の行動に出る。

 

「僕はオメガとビーハイブのオーバーレイ・ネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!眩き光もて降り注げ!エクシーズ召喚!『セイクリッド・トレミスM7』!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻撃力2700×2

 

天空に舞う2体の機竜。頭上の翼を広げ、七星を紡ぎて神星なる領域から来訪するモンスター。蠍座を司る『セイクリッド』は魔王竜と共に天を駆り、コナミを威嚇するように咆哮する。

 

「僕はカードをセットしてターンエンド。そしてこの瞬間、2体のトレミスのORUを全て取り除き、君のLPを半分にする!」

 

コナミLP1000→500

 

志島 北斗 LP2250

フィールド『セイクリッド・プレアデス』(攻撃表示)『セイクリッド・トレミスM7』(攻撃表示)×2『ライトレイディアボロス』(攻撃表示)

『補給部隊』『セイクリッド・テンペスト』セット2

手札0

 

「フィールド0、手札0か……!厳しい状況だが……ここで逆転させてもらう!」

 

負ける気なんて更々ない。そう言わんばかりに2人は白い歯を剥き出しにして笑う。折れぬ闘志、尽きない探求心が血流のように熱く燃え上がる。

そして――コナミはデッキへと手を翳し――そのドローで、アークを描く。

 

「オレのターン、ドロォォォォォッ!!」

 

来る。研がれた牙が剥き出しになり、突き立てられるような感覚。身震いを武者震いに変え、警戒心を胸に抱き、北斗は魔王竜に飛び乗る。

 

「罠発動!『チェーン・ブラスト』!これで終わりだ!君に500のダメージを与える!」

 

「墓地の『ダメージ・ダイエット』を除外し、効果ダメージを半分に!」

 

コナミ LP500→250

 

「スタンバイフェイズ、刻剣は帰還、そのままORUを持つプレアデスと共に除外する!」

 

「カウンター罠、『エクシーズ・ブロック』!プレアデスのORUを取り除き、その効果を無効にし、破壊する!」

 

「上等だ。墓地の『ギャラクシー・サイクロン』を除外し、ペンデュラムゾーンの『竜脈の魔術師』を破壊!」

 

「何……!?」

 

自らペンデュラムスケールを崩す行動に北斗を含め、会場の誰もが動揺する。それもそうだろう、片方しか残っていないとは言え、コナミにとってペンデュラムは扉を開く鍵。だがペンデュラムがあればコナミの手札のカードは真価を発揮しないのだ。

フィールドに何もない状況でこそ、このカードは輝く。数多のデュエルで、逆転の引き金になって来たこのカード、通称――。

 

「手札がコイツ1枚の時、コイツは特殊召喚出来る。来い!『E・HEROバブルマン』!」

 

E・HEROバブルマン 守備力1200

 

強欲なバブルマン。

 

「そしてバブルマンの効果!自分の手札、フィールドにバブルマン以外のカードが存在しない場合、2枚ドローする!」

 

「そんな限定的な条件、君以外に誰が使うんだ!」

 

コナミ 手札0→2

 

「さてな、オレは更に、『竜脈の魔術師』を召喚!」

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

「レベル4が2体……来るか、君のエクシーズモンスター!」

 

「ペンデュラム、融合、シンクロ、ここまで来たんだ……全開で往く!オレは2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が戦いはここから始まる、白き翼に望みを託せ、現れろ!No.39!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

力強い咆哮を上げ、会場を震撼させ、主の元へと見参する希望の皇。白き両翼に黄金に輝く鎧、左肩に赤い39の紋章が浮かび上がり、腰より2刀の剣を引き抜くコナミの『No.』。

 

「ホープでプレアデスに攻撃!この瞬間、希望皇ホープのORUを1つ使い、攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

 

ホープが駆け、自らの翼をプレアデスの眼前で広げる事でブラインドに使う。突き出された翼は白から黄へと変わり――背後より、皇が強襲する。

 

「速攻魔法!『ダブル・アップ・チャンス』!ホープの攻撃力を倍にしてもう1度攻撃する!ホープ剣・Wスラッシュ!!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500→5000

 

プレアデスが反応するよりも早く、速く、疾く、ホープの2刀が凄まじい速度で剣撃を走らせる。白き閃光が軌跡となり、勝利への、ウイニングロードを切り開く。

 

「……僕は、負けたのか……」

 

「あぁ、オレの――勝ちだ!」

 

カチャリ、ホープの最後の剣撃が振るわれ、クルリと反転する。瞬間、北斗のLPがみるみる内に減少していく。だがそれでも、北斗もプレアデスも、崩れ落ちる事なく、倒れずに勝者へと視線を移し、讃え――託す。

 

志島 北斗 LP2250→0

 

勝者――遊勝塾所属、コナミ――。




【次回予告】

やめて!『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』の特殊効果で、『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を切り裂かれたら、謎設定でモンスターと繋がってるユートの精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでユート!あなたが今ここで倒れたら、黒コナミや黒咲の手綱はどうなっちゃうの?ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、ユーゴに勝てるんだから!
次回「ユート死す」。お楽しみは、これからよ!

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