遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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自分が本格的に遊戯王を始めたのは5D'sでした。遊星デッキ格好いいなーとか思いながら友達と始めて、当時は余りデッキ構築を考えずにアニメ通りにスピードウォリアーとか入れたり、お金が少なくて調律が入ってなかったり、今でもそのデッキは宝物です。


第37話 走れないD-ホイーラーにターンは来ない

ドッペルゲンガーと言うものがある。doppel、ドイツ語で2重、分身と言う意味なのだがこの単語を含む通り、自分そっくりの者が現れる現象の事だ。

特徴としては多くは動かない。全身像は少なく、顔、頭部、上半身などの部分像が多い。黒、灰、白などのモノトーンである事が多い。必ずしも似ていると言う訳では無く、表情が異なったり衣服が異なったり、若かったり老けて見える事がある。

本人と関係のある場所に出現する。そして――最大の特徴は――ドッペルゲンガーに会えば、本物は死ぬ。

 

――――――

 

「先攻は俺だ」

 

先攻を取ったのは白いコナミだ。D-ホイールを使用するライディングデュエルでは文字通り先行したホイーラーに初手が渡る。しかしこれは予測していた事、白いコナミが搭乗する機体は見た目通り高速で飛行し、圧倒的な馬力でスピードの世界を支配する。

 

対するコナミの機体、グラファ号は魔改造を施しているものの白いコナミの機体の性能とは雲泥の差がある。しかも相手はまだ手加減して飛行しているのである。本気を出せば遥か遠くまで離れてしまう。尤もそうなってはデュエルにならないが。

 

「俺は魔法カード『調律』を発動。デッキより『クイック・シンクロン』を手札に加え、デッキトップを墓地へ送る」

 

白コナミが手札より1枚のカードを発動する。その一手だけでコナミは理解する。白コナミの、デッキを。

 

「手札より『レベル・スティーラー』を墓地へ送り、『クイック・シンクロン』を特殊召喚」

 

クイック・シンクロン 守備力1400

 

白コナミの手札のカードを撃ち抜きながらテンガロンハットを被ったガンマン人形が現れる。赤いマントや玩具のピストルなどその姿には何処か愛嬌がある。

しかし油断は大敵、このモンスターこそ、このデッキで重要なチューナーモンスターなのだから。

 

「『ジャンク・シンクロン』を召喚」

 

ジャンク・シンクロン 攻撃力1300

 

2体目のチューナーモンスターが姿を見せる。バーニアを背負ったオレンジ色のオンボロのモンスター。『ジャンク』の名を持つがその性能は決して最新のものにひけを取らない。

 

「『ジャンク・シンクロン』の効果により墓地から『チューニング・サポーター』を特殊召喚する」

 

チューニング・サポーター 守備力300

 

分厚い中華鍋を頭に被った小さなモンスターが特殊召喚される。レベル、攻撃力と低いがシンクロ召喚においてこのカード以上に適した素材は無い。

 

「更に俺は魔法カード、『機械複製術』を『チューニング・サポーター』を選択して発動!同名モンスターを2体デッキより呼び出す!」

 

チューニング・サポーター 守備力300×2

 

ついに白コナミのモンスターゾーンが埋まる。とんでもない爆発力だ。低レベルモンスターと言えど侮る事は出来ない。非常に不味い流れにコナミが冷や汗を垂らす。

 

「『チューニング・サポーター』をシンクロ素材とする場合、レベル2としても扱う事ができる。俺はレベル2とレベル1の『チューニング・サポーター』に『クイック・シンクロン』をチューニング!集いし希望が新たな地平へ誘う。光差す道となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ!『ロード・ウォリアー』!」

 

ロード・ウォリアー 攻撃力3000

 

2体の『チューニング・サポーター』を『クイック・シンクロン』が弾けた事で現れた光のリングが包み込み、爆発を起こす。光が晴れたそこに現れたのは白き王を思わせるような煌びやかな戦士。

 

「素材となった『チューニング・サポーター』の効果で2枚ドロー!」

 

白コナミ 手札1→3

 

「更に俺はレベル1の『チューニング・サポーター』にレベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『アームズ・エイド』!」

 

アームズ・エイド 攻撃力1800

 

赤い爪を輝かせた腕の形のシンクロモンスターが噴射しながらフィールドに登場する。2回目のシンクロ召喚。だがこれでも終わらない。むしろここからが始まりだ。

 

「『チューニング・サポーター』の効果でドロー!」

 

白コナミ 手札3→4

 

ついには白コナミの手札が4枚まで回復する。あれ程モンスターを召喚しておきながらデュエル開始と比べ1枚しか減っていないのだから恐ろしい。

 

「『ロード・ウォリアー』の効果でデッキから『ニトロ・シンクロン』を特殊召喚!」

 

ニトロ・シンクロン 守備力100

 

未だに加速する白コナミのターン、3体目の『シンクロン』モンスターが『ロード・ウォリアー』の光の導きにより現れる。

 

「『ロード・ウォリアー』のレベルを1つ下げ、墓地より『レベル・スティーラー』を特殊召喚!」

 

レベル・スティーラー 守備力0

 

ロード・ウォリアー レベル8→7

 

続いて『ロード・ウォリアー』のレベルをかじりながら天道虫が羽ばたく。『ロード・ウォリアー』のレベルを盗んだ為か、何もなかった背中に星が浮かび上がる。

その手軽な蘇生効果を持つ為、アドバンス召喚などを主軸にしたデッキでも優秀な1枚だ。

 

「俺はレベル4の『アームズ・エイド』とレベル1の『レベル・スティーラー』にレベル2の『ニトロ・シンクロン』をチューニング!集いし思いがここに新たな力となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!『ニトロ・ウォリアー』!」

 

ニトロ・ウォリアー 攻撃力2800

 

緑色の体躯をし、2本の角や巨大な尾を持つ戦士が登場する。その姿は戦士と言うには余りにも人とかけ離れており、まるで異星人のようだ。

 

「『ニトロ・シンクロン』の効果で1枚ドロー!」

 

白コナミ 手札4→5

 

更にドローブーストが加速する。この展開力と驚異的な手札補充を両一した戦術こそが白コナミのデッキの真骨頂であり最大の武器。加えて言えばまだこれはその一端でしかない上にまだ終わってすらいない。

 

「更に手札の『グローアップ・バルブ』を墓地に送り2体目の『クイック・シンクロン』を特殊召喚する!」

 

クイック・シンクロン 守備力1400

 

再び現れるガンマン人形。銃声を轟かせ、ヒラヒラと白コナミの墓地へモンスターを送りながら銃口の煙をフッ、と吹く姿は様になっている。

 

「もう1度墓地の『レベル・スティーラー』の効果発動!『ロード・ウォリアー』のレベルを1つ下げ特殊召喚!」

 

レベル・スティーラー 守備力0

 

ロード・ウォリアー レベル7→6

 

「まだ満足は出来ない!レベル1の『レベル・スティーラー』にレベル5の『クイック・シンクロン』をチューニング!疾風の使者に鋼の願いが集う時、その願いは鉄壁の盾となる、光差す道となれ!シンクロ召喚!現れよ、『ジャンク・ガードナー』!」

 

ジャンク・ガードナー 守備力2600

 

4体目のシンクロモンスターがコナミの眼前に膝をつき、思わずコナミはブレーキとアクセルを即座に使い分ける事で滑らかにかわす。巨大な手甲を纏った見るからに堅牢そうなモンスターだ。

 

「3度目だ。墓地の『レベル・スティーラー』を『ロード・ウォリアー』のレベルを下げる事で特殊召喚する!」

 

レベル・スティーラー 守備力0

 

ロード・ウォリアー レベル6→5

 

またしてもフィールドに羽ばたく天道虫。レベルを3つも食われた『ロード・ウォリアー』としては良い加減にして欲しいものである。と言っても何度も蘇生する『レベル・スティーラー』も疲れた様子だが。

 

「墓地の『グローアップ・バルブ』の効果、デッキトップを墓地へ送り、特殊召喚する!」

 

グローアップ・バルブ 守備力100

 

植物に目が生えたような不気味なモンスターが現れる事により、またもやモンスターゾーンが埋まる。そしてこのモンスターはチューナーモンスター。先の展開への布石だ。

 

「俺はレベル1の『レベル・スティーラー』にレベル1の『グローアップ・バルブ』をチューニング!集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光差す道となれ!シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー、『フォーミュラ・シンクロン』!」

 

フォーミュラ・シンクロン 守備力1500

 

眩い光を炸裂させて白コナミのフィールドに5体目のシンクロモンスターが駆け抜ける。小さき身体に強大な可能性、シンクロモンスターでありながらチューナーモンスターと言う異端の存在であるF1カーが白コナミに並走する。

 

「『フォーミュラ・シンクロン』がシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

白コナミ 手札3→4

 

「カードを3枚伏せ、ターンエンド」

 

白コナミ LP4000

フィールド『ロード・ウォリアー』(攻撃表示) 『ニトロ・ウォリアー』(攻撃表示) 『ジャンク・ガードナー』(守備表示) 『フォーミュラ・シンクロン』(守備表示)

セット3

手札1

 

酷いソリティアを見た。思わずコナミは苦い顔で溜め息を吐き出す。だが漸くコナミのターンが渡ったのだ。気を取り直してデュエルに望む。

あれだけ動いて相手のフィールドに“あのモンスター”がいない事に少々疑問があるが考えても仕方無いし無いなら此方が助かる。

 

「オレのターン、ドロー。魔法カード『ブラック・ホール』を発動!」

 

コナミが発動したのは強力な効果を持つカードだ。その効果は単純にして大胆。フィールドの全てのモンスターを破壊する、と言う制限カードに相応しい内容だ。これで白コナミのシンクロモンスターを一掃出来る――のだが。

 

「罠カード、『スターライト・ロード』発動」

 

そうは問屋が下ろさない。白コナミが機体をコナミに向かって反転すると同時にその背後から閃光が上がり、『ブラック・ホール』を掻き消す。

続いて強烈な突風がコナミへと襲いかかり、グラファ号がクルクルと回転する。

 

「『スターライト・ロード』は自分フィールドのカードを2枚以上破壊する魔法、罠、モンスターの効果を無効にし、破壊する。そして――あるモンスターをエクストラデッキより特殊召喚する」

 

クルクル、ビュウビュウ、ヒュルヒュル、風が吹く。舞網市全体に、竜の唸り声のような風切り音が、静かに、だが確かに、響いていく。その音に誰もが立ち止まり、誰もが空を仰ぐ。

雪、いや、白き星屑が、舞網市へと散っていく。

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ――飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』ッ!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500

 

それは、未来を照らす絆の証。その白く巨大な翼は闇をも晴らす守護の風を纏い。その逞しい筋肉と鋭い爪は降りかかる脅威を切り裂き。その咆哮は、皆を奮い立たせる。

『スターダスト・ドラゴン』。嘗て、未来を救った英雄と共にあった、赤き竜の力の一端、それが今――コナミの敵として、立ち塞がった。

 

「……そのカードを見るのも、懐かしく感じる。オレは『ゴブリンドバーグ』を召喚」

 

ゴブリンドバーグ 攻撃力1400

 

コナミの呼び出しに応え、上空よりコンテナを吊るした玩具の飛行機が現れる。ニヤリと搭乗したゴブリンが笑うが白コナミのD-ホイールを目に入れた途端にビクリと背筋を伸ばす。

 

「『ゴブリンドバーグ』の効果により手札から『ジェット・シンクロン』を特殊召喚し、このカードを守備表示に変更する」

 

ジェット・シンクロン 守備力0

 

コンテナを破って飛び出して来たのは青と白のカラーリングをしたジェットエンジンを模したモンスター。白コナミの扱う『シンクロン』とはまた別のものだ。相手の盤面は厄介なものが多い上、『ブラック・ホール』は無効化された。

1つずつ、敵の武器を削る。

 

「俺の知らない『シンクロン』モンスターか……楽しませて貰おうか」

 

ギィッ、口端を吊り上げ獰猛な笑みを向け、帽子の奥より爛々と眼を輝かせる白コナミ。ゾッとするような表情だ。背筋が凍りつきそうになるがそれを振り払い、右手を突き出す。

 

「オレはレベル4の『ゴブリンドバーグ』にレベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『ジェット・ウォリアー』!」

 

ジェット・ウォリアー 攻撃力2100

 

『ジェット・シンクロン』が光となって弾け、ライトグリーンのリングとなって『ゴブリンドバーグ』を包み込む。『ゴブリンドバーグ』もそれに呼応するように色素が無くなり、緑色に発光した後、新たに出現した光がリングごと貫く。

光が晴れ、現れ出たのは黒い重厚なボディを持った戦闘機のようなモンスター。

 

「『ジェット・ウォリアー』がシンクロ召喚に成功した場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動!対象のカードを手札に戻す!オレは『ジャンク・ガードナー』をバウンスする!」

 

背のエンジンを吹かせ、『ジェット・ウォリアー』が『ジャンク・ガードナー』へ向かって拳を振り上げる。攻撃力の高い『ロード・ウォリアー』や『ニトロ・ウォリアー』を選ばなかったのはこの『ジャンク・ガードナー』がこの状況において1番厄介なモンスターだからだ。

 

その効果は1ターンに1度のモンスターの表示形式変更。しかも相手ターンでも発動可能なのだ。『ジェット・ウォリアー』の表示形式は変更されるだろうが、この相手を前に多少のリスクなど構わない。が――。

 

「罠発動!『もの忘れ』!『ジェット・ウォリアー』の効果を無効にし、守備表示にする!」

 

相手がリスクを犯すとは限らない。『ジャンク・ガードナー』の周りに障壁が発生し、『ジェット・ウォリアー』の拳を防ぐ。『ブラック・ホール』の無効に加え、『ジェット・ウォリアー』での攻略も無効化された。

だがまだだ。まだコナミは諦めてなどいない。

 

「手札を1枚墓地に送り、墓地の『ジェット・シンクロン』の効果発動!『ジェット・シンクロン』を特殊召喚!」

 

ジェット・シンクロン 守備力0

 

再びフィールドに『ジェット・シンクロン』が現れる。これでコナミのフィールドにはチューナーと非チューナーが揃った。合計レベルは……6。

 

「墓地に送られた『E・HEROシャドー・ミスト』の効果によりデッキから『E・HEROエアーマン』を手札に加え、レベル5の『ジェット・ウォリアー』にレベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!星雨を束ねし聖翼よ!!魂を風に乗せ世界を巡れ!!『スターダスト・チャージ・ウォリアー』、シンクロ召喚!!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃力2000

 

風を吹き荒らし、腰に6本の刃を携えた白い戦士が姿を見せる。まるで白コナミの場で飛翔する『スターダスト・ドラゴン』を模したような兜と鎧を身につけたそのモンスターに呼び出したコナミ自身が驚いた表情をする。

 

「ッ!?オレは……『グラヴィティ・ウォリアー』を召喚しようと思って……!こんなカード、エクストラデッキには……くっ、オレは『スターダスト・チャージ・ウォリアー』の効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキから1枚ドローする!」

 

コナミ 手札3→4

 

「更に魔法カード、『ミラクル・フュージョン』発動!墓地の『E・HEROシャドー・ミスト』と『ゴブリンドバーグ』を除外し、融合召喚!『E・HEROガイア』!」

 

E・HEROガイア 攻撃力2200

 

コンクリートの大地を裂いて黒き巨人が『ロード・ウォリアー』をその手に掴んで現れる。まさか融合召喚まで使うとは思っても見なかったのだろう。白コナミが驚いた表情を見せる。

 

「『E・HEROガイア』が融合召喚に成功した事により、『ロード・ウォリアー』の攻撃力を半分にし、その数値分、このカードの攻撃力をアップする!」

 

ロード・ウォリアー 攻撃力3000→1500

 

E・HEROガイア 攻撃力2200→3700

『ロード・ウォリアー』を力を吸い取る事によりその力を増す巨人。これで活路を開く。コナミはD-ホイールのアクセルを踏み、猛スピードで海の上で飛翔するコナミの機体に並走し、指を突きつける。

 

「バトルフェイズ!」

 

「甘い!バトルフェイズに入る前に、『フォーミュラ・シンクロン』の効果発動!このカードを素材として、シンクロ召喚を行う!」

 

「ッ!」

 

カッ、と『フォーミュラ・シンクロン』が輝き、巨大な2つのリングとなって弾ける。相手ターンでのシンクロ召喚。しかもこれは――ただの召喚ではない。

シンクロの更にその先、揺るぎ無き自我を保つ、境地に入った者だけに許されるシンクロ召喚。

 

「クリアマインド!」

 

白コナミのD-ホイールが風を受け、光のリングの中を潜り抜ける。加速、加速、加速。その速度は留まる事など知らずに進化を続ける。

 

「俺はレベル8の『スターダスト・ドラゴン』にレベル2の『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング!集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く!光差す道となれ!アァクセルシンクロォォォォォッ!!」

 

雄々しき叫びが天へと響く。烈帛の気合いと共に白コナミと『スターダスト・ドラゴン』は最後のリングを抜け――。

 

「消えたっ……!」

 

まるで溶けるように、そこに最初から何も無かったかのように姿が消える。分かっていた事だ。しかし、コナミとしては呟かざるを得ない。そして、背後より、白が加速する。

 

「生来せよ!『シューティング・スター・ドラゴン』ッ!!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

1つの閃光が飛び出し、雲を突き抜け、晴らす。そこにあるのは、雲1つない美しい青空と――コナミがその姿を認識する前に、激しい衝撃が機体を襲う。

 

「がっ……!?」

 

ガシャァァァァァッ!耳をつんざくような音が響く。白コナミの機体だ。背後より加速しながら現れた事により、その巨大な翼がコナミの機体とぶつかったのだ。

当然、その衝撃にコナミのD-ホイールは堪えられる訳も無く、ひしゃげたグラファ号と共に吹き飛ばされ、先にあった倉庫の壁へと――。

 

投げ出される中、コナミが見たものは――眩き陽光を背に受け、王者の如く空より此方を睥睨する――白亜の竜だった――。

 

――――――

 

その男は“そこ”にいた。コナミと白コナミが闘う中、その男は“空”で彼等を見つめていたのだ。白いマントを纏い、その顔に被られたのは何も描かれていない無地の仮面。

 

「……始まったか……俺達の計画の為に――食らい合え――」

 

風が吹き、マントが靡く。ドッペルゲンガーと言うものがある。会えば本物は消えるが――果たして、本物は、どちらなのだろうか――?




白いの「勝った!第1章完!」

赤いの「ちょおまっw」

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