遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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禁止制限が一新され、環境が落ち着いてるこの頃。この作品では取り敢えず本編の34話?が終わるまで今の禁止制限でいきたいと思います。
猿ゥ!を入れたまま遊矢君のデュエルを書いちゃったので。と言う訳で今回、次回のコナミのデュエルが終われば遊矢君のターンに移ります。
何故か遊矢君のデュエル書くの楽しいんだ。


第30話 どういう…ことだ…

「あれ?兄貴、何してるんスか?」

 

柚子達とのデュエルを終えた次の日の午後。遊勝塾の客間にあるテーブルの上でコナミが自らのデッキを広げていた。そんな彼を見て、たった今来訪したばかりのコナミの子分の1人、黒門 暗次が声をかける。ガラス張りのテーブルの上で投げ出された60枚と言う枚数制限ギリギリの束。今更だが良くこんなデッキで強敵と渡り合えるな、と暗次とねねは感心する。

 

「……暗次とねねか……いや、デッキの調整ついでに少しあるカードが気になってな」

 

そう言って60枚の束と別に置かれたカードの1枚を手に取り、暗次とねねに向かってチラリと翳すコナミ。

紫のフレームにおさめられた、緑の体躯の竜。その眼は赤と青の対極の色彩を放ち、広げられた翼からは紫電が走っている。躍動感溢れる竜の姿が描かれたカードを見て、ねねがその名を呟く。

 

「『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』……融合モンスターですね」

 

「かっこ良いッスねぇ。見た事が無いカードですけど、このカードがどうしたんスか?」

 

「……いや、このカード、妙な力を感じてな……まぁ、そうは言ったらこのカードもなんだがな」

 

今度は60枚の中より1枚のカードを抜き取るコナミ。手にした瞬間、ビリッと静電気が走るが予期していた事だ。唇を噛み締め、何とか堪える。手に持ったカードはまたもや竜が描かれたカード。赤にも見える茶色のフレームの中で金と銀の剣の鎧を纏った竜。

今にもイラストが現実となり、雄叫びを上げそうな1枚だ。

 

「こっちは『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』……これって遊矢さんから貰ったカードでしたっけ?」

 

「名前も姿も似てますね」

 

「ああ……昔からデッキに入れてないカードが創造されたりはするが……どうにもこの2枚のカードには違和感を感じる」

 

「……?まぁ、難しい話は置いといて、今日は何処に行きます?」

 

「む、そうだな……」

 

暗次の問いにテーブルの上に広げたカードをまとめながら天井を見つめ、考え込むコナミ。正直言って宛は無い。まぁ、道場破りだ、ブラブラと街を歩きながら気に入った塾に乗り込むか、と物騒な事を考え、デッキをケースにおさめる。

そうしてソファより立ち上がろうとした時、カン☆コーン!と玄関からチャイムの音が鳴る。何とも妙な音だが少し前に調子が悪かったのでコナミが面白半分に改造したのだ。

 

「来客か、オレが出よう」

 

スタスタと扉へ向かっていくコナミ。ふと床に目を移し、床が少し汚れているからスリッパを買うべきだろうか、とどうでも良い事を思う。ここも色々な者が立ち寄るようになったものだ。今日も真澄か刃だろうと予測して鍵を開ける。プシュ、と空気の抜けるような音と共に扉がスライドする。

しかして現れたのはどちらでもなくコナミの知らない人物だった。後ろに反り返った紫の髪、額につけられた北斗七星を型どった飾り。初対面の少年を見て、思わず眉をひそめるコナミ。

 

「えっと……コナミ、だったよな……?僕は志島 北斗。単刀直入に頼むけど――僕と、デュエルして欲しい」

 

「おk」

 

「そうだよな。やっぱり敵である僕の頼みなんか聞いてくれる訳――えっ」

 

「えっ」

 

――――――

 

「実は、スランプなんだ」

 

あれから数分、コナミの返答に動揺した北斗を落ち着かせ、コナミが先程座っていたソファと対面したソファに座らせ、事情を聞いていた。

最初は難しい顔で黙り込み、ねねが淹れたコーヒーをちびちびと飲んでいたが、意を決したらしい。『キラー・トマト』が描かれたコップを置き、顔を伏せたまま、ぽつぽつと喋りだす。

 

「この塾に襲撃した際、僕は榊 遊矢とデュエルして、負けた……そのショックからか、最近、負けっぱなしなんだ。デッキを調整したり、気分転換しても上手くいかなくて……そんな内に、真澄と刃から聞いたんだ。君とデュエルして悩みが吹っ飛んだって」

 

顔を上げ、すがりつくような眼差しでコナミを見つめる北斗。そんな彼の話を黙って聞いていたコナミが口を開くその前に。

 

「「話は聞いたぜ(わ)!」」

 

ガララッ、と窓が開き、真澄と刃が不法侵入してくる。何故そこから出てきたのか、余りに常識を無視した入室に驚きを通り越し、ポカンと呆ける北斗。

コナミ達はと言うとそれが当たり前のように受け入れている。こんな事は日常茶飯事と言わんばかりである。何なんだこの塾。

 

「真澄?刃?何で窓から入ってきたんだ?不法侵入じゃないか?」

 

「すまねぇな北斗。友達のお前がこんなに悩んでいるのに気づかなくて」

 

「うん、話を聞いて欲しいな」

 

「大丈夫よ北斗。私達も協力するわ」

 

「理解が追いつかないんだが僕がおかしいのか?」

 

北斗の言葉を無視し、優しい表情で肩に手を乗せる真澄と刃。そんな彼等に倣うようにコナミが立ち上がる。

 

「スランプなんてプロになってから言うものだ。そして人は何かで悩んだ時、その何かでしか本質的な解決は出来ない」

 

そう言って3人は北斗を囲むように位置し、デュエルディスクを腕に嵌め、胸元で構える。続いて光輝くプレートを展開し、右手で北斗を指差す。

 

「「「ならばデュエルだ!」」」

 

「何これ!?宗教!?」

 

3人の息の揃った言動に戦慄しながら、尤もな事でツッコむ北斗。そのままジリジリと距離を詰められ、3人によってデュエルフィールドまで連行されるのだった。

 

――――――

 

遊勝塾、デュエルフィールド。LDSの設備には劣るがコナミの入念なチェックや改造により一流とも言って良い利便さを持っている。最新のデュエルフィールドが自動でインストールされる為、練習にも秀でており、最近ではソリッドビジョン投影装置に興味を示したコナミが新しい装置の開発を行っている。そんなデュエルフィールドにて、コナミと北斗、そして真澄と刃が相対していた。

 

「な、なんか予想以上に急展開になってきたな……」

 

「それ程お前の事を心配しているんだろう」

 

頭を抱え、蹲る北斗。元々自信家な彼だが、ここまで弱気になる程追い詰められているのだろう。そんな彼に対し、笑みを浮かべ肩に手を置くコナミ。そんなものなのだろうか?と考えながら立ち上がり、覚悟を決める。まだ不安は拭えないが彼等が協力してくれるのだ。上手くやらなければいけない。

 

「暗次、ねね、デュエルフィールドの変更を」

 

「りょーかいッス!」

 

管制室で見守る2人へ声をかけるコナミ。暗次はニッ、と笑い、デュエルフィールドを選択するパネルを操作する。

キィィィィとまるで飛行機が飛び立つような音が鳴り響き、光の粒子が天井に向かって上昇する。フィールド全体が眩き光に包まれ、晴れた先にあったのは幻想的な空間に損壊した船が浮かぶ、まるで船の墓場とも言えるフィールド。

 

「何だか見た事が無いフィールドだな」

 

「……サルガッソか……」

 

北斗がキョロキョロと辺りを見渡す。こんな印象的なフィールドがあるのなら覚えていても良いのだが、彼には見慣れないフィールドだ。

対するコナミはううむと唸っている。コナミにとっては見慣れたフィールドだ。実はこのフィールド、コナミが九庵堂と“友情ごっこ”なるものを遊び感覚で味わう為に作ったフィールドなのだがこのタイミングで引くとは思っても見なかった。LDS3人組の友情に亀裂が走ったらどうしよう。などと不穏な事を考えるコナミ。

 

この場合、相手が「楽しかったぜ~」と言うのを待つか、それとも自分が「お菓子食って腹痛い~」とウィットにジョークを飛ばす方が良いのだろうか。コナミとしては迷う所である。

 

「……今回はやめておこう」

 

「?何がだ?」

 

「何でもない。さぁ、口上を上げろ」

 

「あ、ああ……戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ、これぞデュエルの最強進化形!」

 

お決まりの台詞がフィールドに響き渡る。今回の相手は共に闘った事があるデュエリストだ。背中を預けたその力は良く知っている。それが正面からぶつかってくる。そう考えると楽しみで笑ってしまう。4人はデュエルディスクを構え、デュエルへ望む。

 

「「「「アクショーン!!」」」」

 

その先に何があるなんて分からない。だが、北斗は隣に立つコナミを見て考える。真澄と刃が彼と共に闘い成長した。ならば彼にはそうさせる何があるのだと、それを見極める意味でも、この泥沼から抜け出す意味でも――全力を出し切る。

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

1ターン目のプレイヤーは北斗だ。自らの手札を見て、どうしようかと顎に手を当て考え込む。彼のデッキやデュエルを知っている真澄や刃からすれば「どうせあれ出すんでしょ?」としか思えず、例のあれを何とか除去できるカードが無いか手元にあるカードに目を移す。

だが――それが出来れば、負け続けてはいない。

 

「僕は永続魔法『セイクリッドの星痕』を発動。そして手札より『セイクリッド・ポルクス』を召喚する!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700

 

現れたるは仮面を被り、右のみに角を生やし、金色の鎧を纏った騎士。身体の左側はまるで色素が抜かれたように白くなっており、左右非対称の姿をしている。唯一対称なのはマント位のものか。その手には二又の剣を持っており、柄は煌めく星の形状をしている。本来ならもう1体存在する双子座をモチーフにしたモンスターだ。

 

「『セイクリッド・ポルクス』が召喚したターン、自分は通常召喚に加え、1度だけ『セイクリッド』モンスターを召喚できる!僕が召喚するのは『セイクリッド・アクベス』」

 

セイクリッド・アクベス 攻撃力800

 

ポルクスの導きにより、船の甲板に蟹座の戦士が降り立つ。輝く重量感のあるメタリックな身体、両腕に取りつけられた鋏は黄色い光を放っており、足はがに股に開かれている。隣に立つポルクスとは違い、機械的で堅い巨体を誇るモンスターがポルクスの横に並び立つ。

 

「『セイクリッド・アクベス』が召喚に成功した時、自分フィールド上の全ての『セイクリッド』モンスターの攻撃力を500アップする!」

 

セイクリッド・ポルクス 攻撃力1700→2200

 

セイクリッド・アクベス 攻撃力800→1300

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『セイクリッド・ビーハイブ』!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400

 

黒き渦より再誕したる者はアクベスが進化したエクシーズモンスター。肩が盛り上がり、両腕の鋏は金色に輝き、身につけた鎧の細部にも金が施されている。マントの裏地は星が散りばめられたような美しさを醸し出している。

北斗のフィールドに現れたモンスター。その姿に真澄と刃は驚愕する。

 

「「どう言う……事だ……!?」」

 

まるでこんな事が有り得て良いのか、太陽が東から昇っていくのを目にしてかのような驚愕だ。目の前に出てきたモンスターと北斗で何度も視線を移動させ、夢では無いのかと目をごしごしと擦り、パチパチと瞬かせる。

別段おかしくは無いのだが……志島 北斗と言うデュエリストを知っている者ならば、この光景は有り得なかった。

 

「「先攻絶対プレアデス立てるマンの北斗が……プレアデスを立てない……!?」」

 

「君達は僕を何だと思っているんだ」

 

そう、LDSでエクシーズコースに通っている者なら誰もが耳にする渾名、それが先攻絶対プレアデス立てるマン、すなわち北斗なのだ。

その異名は伊達ではなく、志島 北斗には先攻を譲ってはならないと言う暗黙のルールが存在する。

逆に先攻を取られれば、はいはいプレアデス、プレアデス。と鼻くそをほじくってターンを待つのが恒例となっている。そんな彼がプレアデス以外のエクシーズモンスターを立てたのだ。驚くのは無理もない。

 

「僕は『セイクリッドの星痕』の効果で1枚ドロ……ォッ……!?」

 

コナミ&志島 北斗 LP4000→3500

 

志島 北斗 手札2→3

 

星痕の効果でドローしようと北斗がデッキに手をかけた瞬間、北斗の身体に赤い電流が走る。突如襲いかかる痛みに顔をしかめ、間の抜けた表情でジッ、とデュエルディスクを見つめる北斗。

LPが減少している。一体どう言う事であろうか。

 

「アクションフィールド……『異次元の古戦場-サルガッソ』の効果だ。エクシーズ召喚する度にプレイヤーに500ポイントのダメージを与え、エクシーズモンスターが存在する限り、自分のエンドフェイズに500ポイントのダメージを受ける」

 

「そんなっ!?」

 

コナミの説明に激しく狼狽する北斗。無理もないだろう、彼の戦術はエクシーズモンスターを主軸としたものだ。これでは動きが制限されてしまう。加えて現状の手札では対処できない。

つまりはこのターン、1000ポイントのLPを消費するのだ。やはり今回も負けてしまうのか、と一抹の不安が過る。

 

「……くっ……!僕はカードを2枚伏せてターンエンドだ……!」

 

コナミ&志島 北斗 LP3500→3000

 

この瞬間、赤い電流が北斗のデュエルディスクから放出し、北斗達のLPを蝕む。このターンで1000ポイントのライフを失った。早い内に何とかしたい所だ。北斗にとってこのフィールドは足枷でしか無い。LPを回復するカードはあるにはあるが……今の自分で引き込むのは一苦労するだろうと歯噛みする。

 

コナミ&志島 北斗 LP3000

フィールド『セイクリッド・ビーハイブ』(攻撃表示)

『セイクリッドの星痕』セット2

手札5(コナミ) 手札1(北斗)

 

「俺のターン、ドローだっ!……なんか有利なフィールドになっちまったようだが……手加減する気は毛頭ねぇ!『XX―セイバーボガーナイト』を召喚するぜ!」

 

XX―セイバーボガーナイト 攻撃力1900

 

刃が召喚したのは『X―セイバー』の切り込み隊長。筋肉質な肉体を金と銀のプロテクターで守り、頭には前方、横、後頭部と4つの捻れた角をつけた兜を被っている。背から伸びたのは真っ赤なマント、右手に光を放つレイピアを持っており、口元には野性的な笑みを浮かべている。

 

「ボガーナイトの召喚時効果!手札から星4以下の『X―セイバー』モンスター1体を特殊召喚するぜ!俺が特殊召喚するのは『XX―セイバーフラムナイト』だ!」

 

XX―セイバーフラムナイト 攻撃力1300

 

続いて登場したのは刃を電流で繋げ、鞭のようにしなられた金髪の少年剣士。『X―セイバー』デッキにとっては好調の出だしと言えよう。

 

「まだまだぁ!飛ばしていくぜっ!『X―セイバー』が2体揃った事で、手札から『XX―セイバーフォルトロール』を特殊召喚するぜっ!」

 

XX―セイバーフォルトロール 攻撃力2400

 

赤き鎧を纏い、背に身の丈程の大剣を負った巨人が現れる。理想的な初動だ。

 

「出た!刃の二階堂流積み込みだ!」

 

「ちょっと引きます……」

 

「お前等が言うな!」

 

余りにも上手い動きに同門であった暗次とねねが茶々を入れる。しかし彼等もソリティアをたしなむデュエリストだ。同族に指南され苛立ち、吠える刃。

 

「後で覚えてろよっ……!俺はレベル6のフォルトロールにレベル3のフラムナイトをチューニング!白銀の鎧輝かせ、刃向かう者の希望を砕け!シンクロ召喚!出でよ!『XX―セイバーガトムズ』!」

 

XX―セイバーガトムズ 攻撃力3100

 

少年剣士の姿が弾け、3つのライトグリーンのリングとなり、フォルトロールを包み込む。フォルトロールもそれに呼応するかのように全身が緑色に発行し、6つの星となり、一筋の閃光が星を貫き、刃のフィールドに降り立つ。

二又の剣を煌めかせ、現れたのは白銀の鎧を纏い、その背に真紅のマントを靡かせた大男。圧倒的な威圧感、総司令たるモンスター、そして刃の切り札がその剣を振るい、風を切る。

 

「ガトムズの効果!ボガーナイトをリリースし、相手の手札を1枚、ランダムに捨てる!」

 

「ぐぅっ!」

 

志島 北斗 手札1→0

 

ガトムズの斬撃が飛び、北斗の手札を切り裂く。ソリッドビジョンとは言え、自分のカードが真っ二つに斬られるのは良い気分ではない。北斗は唇を噛み締め、刃を睨む。

 

「魔法カード!『地砕き』!『セイクリッド・ビーハイブ』を破壊!」

 

天より何者かの拳が振るわれ、ビーハイブの巨大な鋏を起点に砕け散る。しかし幾ら不調だろうと北斗はエクシーズコースのトップ。対処は出来なくとも保険はかけている。

 

「罠カード『エクシーズ・リボーン』!墓地の『セイクリッド・ビーハイブ』を特殊召喚し、このカードをORUとする!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400

 

再び現れるビーハイブ。更に『エクシーズ・リボーン』が淡い光となってビーハイブの元へと滑り込む。これで弾丸も補填され、ガトムズの攻撃も凌げるようになった。

 

「星痕の効果でドロー!」

 

志島 北斗 手札0→1

 

「チィッ!ならアクションマジック『エクストリーム・ソード』!これでガトムズの攻撃力を1000アップする!バトルだ!ガトムズでビーハイブを攻撃!」

 

XX―セイバーガトムズ 攻撃力3100→4100

 

ガトムズの二又の剣が眩き輝きを放つ。続いて船の甲板を蹴り、ビーハイブの立つ船へと飛び乗ると同時に一足で踏み込み距離を詰め、刃を振るう。ブォンッ!風を引き裂く剣閃がビーハイブに迫る。

 

「ッ!ビーハイブのORUを1つ取り除き、ビーハイブの攻撃力を1000アップする!」

 

セイクリッド・ビーハイブ 攻撃力2400→3400

 

ビーハイブが自らの周りで回転するORUを右腕の鋏で食らい、金色の光を纏わせる。そのまま鋏で剣を食い止め、砕こうと力を込める。足を開き、甲板にひびが走る程に踏ん張りを効かせる。

それはガトムズも同じ、まるで相撲のような押し問答。だが攻撃力はガトムズが上、鋏を破壊し、その刃がビーハイブの喉元へと届く。ドゴォォォォォォンッ!その威力は留まる事を知らず、船すらも崩壊させる。

 

コナミ&志島 北斗 LP3000→2300

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

光津 真澄&刀堂 刃 LP4000

フィールド『XX―セイバーガトムズ』(攻撃表示)

セット1

手札5(真澄) 手札1(刃)

 

1ターン目から激しい攻防、制したのは刃だ。流れを持っていかれたが――。これ以上リードを渡す訳にはいかない。隣で不安そうな表情をする北斗を何とかする為にも――コナミは1歩踏み込み、大きくドローする。敵の実力は良く知っている。だからと言って――退く理由にはならない。

 

「オレのターン、ドロー!」

 

反撃の狼煙が今、上がる。

 

――――――

 

――その頃、権現坂道場、遊矢のチャンピオンシップ出場の資格を賭け、火花散らす権現坂とのデュエル。その裏側では。

 

「おお!バレット!久し振りだな!」

 

「キー!」

 

「セレッ……セレレレレッ!セレナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

「え!?知り合い!?ちょっ!取り敢えずその人黙らせてッ!遊矢にバレるッ!」

 

バレットが男泣きしていたのだった。

 

 

 

 




刃「なんかツッコむの疲れてさ」

バレット「セレナ様、見つかっちゃった」

茄子「この裏切り者ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

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