遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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第194話 ハイスピード・ライダーズ

チームARCー5D'sとチームネオ5D'sによるフレンドシップカップ決勝戦、特に遊矢と白コナミのデュエルはシティに大打撃を与えた。

無論、死者や負傷者は各々の活躍によって0。だが、建築物はそうはいかない。大なり小なり、白コナミの暴走で壊れてしまったものはある。

が、復興する時間はそうかからないだろう。今やシティは1つとなり、トップスもコモンズも多少の確執は残ったにしろ、協力し合おうと言う想いは同じなのだから。

 

変わらないものもあり、変わったものもあり、変わろうとしているものがある。

今のシティは、以前より傷ついているが、今の方が、余程街らしい。そんな様子を見て、行政評議会議長、ホワイト・タキは好々爺のような笑みを浮かべ、これからのシティを住民達に任せようと締め括ろうとして――ガシリ、肩を誰かに掴まれた。

 

「?一体誰だね――って、何でイェーガー君がここに!?」

 

その正体は、ピエロのような顔に小さな背丈の男、イェーガー。ペガサス達と共にスタンダード次元にいたが記憶を取り戻し、遊矢達の助けになろうと駆けつけたのだが、その必要はないらしい。

彼は何故だかニコニコとした笑顔を浮かべ、その小さな背に見合わぬ圧力を放っている。

 

「イェーガー君!?君確かに治安維持局を辞めてから家族と共に行方不明になった筈じゃ……」

 

「まぁ、私にも色々ありましてね。少し心配して様子を見に来てみれば、彼等には本当に感謝しかないですねぇ。おっと、今はそんな事は後にしましょう」

 

「いや結構重要な事じゃ……」

 

「タキ議長」

 

「な、何かな?」

 

何やら彼等にも色々あるらしい。旧知の仲のように話し合い――イェーガーが改めてタキへと向き直る。

 

「これからのシティを若者達に任せる。素晴らしい事だと思います」

 

「あ、ありがとう?」

 

「させませんよ」

 

「え?」

 

ニッコリとした笑顔が一瞬で引っ込み、イェーガーの目が据わる。とんでもない威圧感だ。流石に老体には堪えるのか、タキが初めて動揺し、怯えた表情に変わる。

 

「いきなり全責任を住民に任せ、自分達は伸び伸び隠居しようたってそうはいきません。これからの若者の為に……貴方達先人には、私と共に粉骨!砕身!たぁっぷり働いてもらいますよぉ……?」

 

「ヒェッ」

 

タキ達の丸投げにも近しい行為を諌め、シティの礎にしようとするイェーガー。ピエロのような顔のメイクもあいまって悪魔に見える。

 

「安心してください。当時私は何も出来ず、逃げ出した。償いとして、私も働きますよ。ですな、議長?」

 

「は、はい……」

 

シティは変わる。ならば先人として、正しく変わると言う事を導かねばならない。イェーガーは爽やかな笑顔を浮かべ、ホワイト・タキ達をこき使うのであった。

 

――――――

 

「オレのターン、ドロー!」

 

場所は変わって、シティ湾岸、白コナミの暴走でガードレールがボロボロに穴開き、ひび割れた公道で2人のデュエリストが激走していた。

1人はコナミ。友の愛機、重厚な黒のボディと山羊のような捻れた角が特徴的なDーホイール、グラファ号Rに搭乗した、赤い帽子のデュエリスト。

もう1人は白コナミ。今や大破し、通常のDーホイール並みに小さくなった純白のDーホイールに乗る、白帽子のデュエリストだ。

 

彼等は今、決着をつける為、3回目のデュエルに臨んでいた。

1戦目、スタンダード次元では圧倒的な白コナミの力を前に、コナミは敗北寸前まで追い詰められ、中断。

2戦目、シンクロ次元、フレンドシップカップでの連戦で、コナミが白コナミの進化を前に敗北。

そして不死鳥の如く復活を果たし、3戦目にて激突する。

 

今や白コナミと互角になる程パワーアップしてコナミのデュエルにより、現状彼の優勢。とは言え油断は出来ない。相手は白コナミなのだ。2回も敗北しておいて、調子に乗るなど愚かな事は出来ない。

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外し、『魂を吸う竹光』を戻してドロー!」

 

コナミ 手札4→5

 

「手札の『サンダー・ドラゴン』を捨て、同名カードを2体サーチ!速攻魔法、『リロード』!手札を交換する。『E・HEROソリッドマン』を召喚!」

 

E・HEROソリッドマン 攻撃力1300

 

「ソリッドマンの召喚時、手札のエアーマンを特殊召喚!」

 

E・HEROエアーマン 攻撃力1800

 

並ぶ2体のモンスター、地と風の『HERO』。先のターンと同じような光景だ。

 

「そしてエアーマンの特殊召喚時、お前のフィールドの『アームズ・エイド』とセットカードを破壊!」

 

「罠発動、『裁きの天秤』!俺のフィールドと手札、そしてお前のフィールドのカードの差分、ドロー!俺のフィールドは4枚!お前のフィールドは6枚!よって2枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→2

 

「ダーク・ロウの効果発動!1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合手札1枚を除外する!」

 

「っ!」

 

白コナミのドローを削る、ハンデス効果。相手のみの墓地除外も合わせ、頼もしいカードだ。ダーク・ロウがいる限り、白コナミの勝手は許されない。

 

「面倒なカードだ……!」

 

「セット状態のエアーマンを攻撃表示に変更、バトル!光牙で『ドリル・ウォリアー』へ攻撃!」

 

白コナミ LP2000→1400

 

「くっ……!」

 

光牙がガードレールを踏み台にして飛び上がり、『ドリル・ウォリアー』に向かって急降下、朝陽をバックにして視界を塞ぎ、手の甲から伸びる刃を交差、X字に切り裂く。

 

「エアーマンでダイレクトアタック!」

 

「手札の『バトル・フェーダー』の効果発動!相手モンスターのダイレクトアタック時、このカードを特殊召喚し、バトルを終了させる!」

 

バトル・フェーダー 守備力0

 

M・HERO光牙 攻撃力2500→3000

 

リン、ゴーン。鐘の音と共に現れたのは福音を抱く小さな悪魔。エアーマンの攻撃を遮り、白コナミのフィールドに鎮座する。やはりそう簡単にはいかせてくれないらしい。

 

「メインフェイズ2、オレはエアーマンとソリッドマンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が戦いはここから始まる!白き翼に望みを託せ、現れろ『No.39』!エクシーズ召喚!『希望皇ホープ』!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

コナミの背後に星を散りばめた渦が発生し、小さな銀河の中にエアーマンとソリッドマン、2体の『HERO』が光となって突入、同時に渦が収束して爆発。

辺り一帯を黒煙が覆う中、鋭い剣閃が煌めき、スモークを切り裂いて見参したのは新たなモンスター。

黄金の鎧纏う、白き翼の騎士。左肩に39の紋様を刻む、『No.』の1体だ。

黒煙の中から飛び出し、コナミと白コナミのDーホイールに追従するように剣を構え、雄々しく咆哮する。

 

「カードを1枚セット、ターンエンド!『シャッフル・リボーン』の効果で手札を除外する」

 

コナミ LP3100

フィールド『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『M・HERO光牙』(攻撃表示)『M・HEROダーク・ロウ』(攻撃表示)『E・HEROエアーマン』(攻撃表示)

セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!速攻魔法、『大欲な壺』!除外されているモンスターを3体、デッキに戻してドロー!」

 

白コナミ 手札0→1

 

「魔法カード、『命削りの宝札』を発動!手札が3枚になるようにドロー!」

 

白コナミ 手札0→3

 

「ダーク・ロウの効果発動!」

 

「魔法カード、『カップ・オブ・エース』。……当たりだ」

 

白コナミ 手札1→3

 

「永続魔法、『補給部隊』を発動。モンスターをセット」

 

M・HERO光牙 攻撃力3000→3500

 

「カードをセット、ターンエンド!」

 

白コナミ LP1400

フィールド『バトル・フェーダー』(守備表示)セットモンスター

『補給部隊』セット1

手札0

 

「オレのターン、ドロー!『ジェット・シンクロン』を召喚!」

 

ジェット・シンクロン 攻撃力500

 

コナミの手札からジェットエンジンを模した青と白のカラーリングのモンスターが飛び出す。コナミが良く使用するレベル1のチューナーだ。白コナミがデッキの主軸にしている『シンクロン』の1種でもある。

 

「レベル4のエアーマンに、レベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『ジェット・ウォリアー』!」

 

ジェット・ウォリアー 攻撃力2100

 

融合、エクシーズに続き、コナミが持つ第3の召喚法が炸裂する。シンクロ召喚、白コナミも得意とする召喚法だ。

この分野では白コナミに劣るものの、コナミも決して負けはしない。

 

翼を広げるエアーマンの真上に『ジェット・シンクロン』がリングとなって弾け飛び、エアーマンが潜ると共に閃光が放たれる。

そして風と炎が混じり合い、飛び出したのは重厚な黒のボディを輝かせた機械戦士。背部に取り付けたエンジンから炎を吹かせ、ジェット機のように猛スピードで白コナミの眼前まで移動。ギャリギャリと脚部の刃が地面を抉り、足跡を描き出す。

 

「『ジェット・ウォリアー』のシンクロ召喚時、セットカードを対象として効果発動!対象のカードをバウンス!更に『ジェット・シンクロン』がシンクロ素材になった事でデッキから『ジャンク・コレクター』をサーチ!」

 

そして『ジェット・ウォリアー』は己の拳を勢い良く地面に下ろす。瞬間、ドドドと地面を裂いてソニックブームが発生、白コナミのセットカードを吹き飛ばそうとする。

 

「おあいにく様だな。罠発動、『強制脱出装置』!ダーク・ロウをバウンス!」

 

「チッ……!『ジェット・ウォリアー』で『バトル・フェーダー』へ攻撃!」

 

「モンスターが破壊された事で『補給部隊』の効果発動!カードを1枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→1

 

『ジェット・ウォリアー』が再度鉄拳を振るい、白コナミに追従する『バトル・フェーダー』を殴打、鐘がひしゃげて歪な音色が響き渡り、白コナミが鐘の中から飛び出したカードをその手に取る。

 

「続けて『希望皇ホープ』でセットモンスターへ攻撃!ホープ剣・スラッシュ!」

 

「セットモンスターは『スケープ・ゴースト』!リバース効果で俺のフィールドに4体の『黒羊トークン』を特殊召喚する!」

 

黒羊トークン 守備力0×4

 

M・HERO光牙 攻撃力2500→4500

 

更に『ジェット・ウォリアー』の背後から、『ホープ』が飛び立ち、回転しながら急降下、2つの刃でセットモンスターを切り裂き――黒い毛並みの羊が分裂、4体になって行く手を遮る。

 

「そう来るか……残るは光牙!『黒羊トークン』へ攻撃!」

 

「だがそれでも俺の場には3体のトークンが残る」

 

「ターンエンドだ」

 

コナミ LP3100

フィールド『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『M・HERO光牙』(攻撃表示)『ジェット・ウォリアー』(攻撃表示)

セット1

手札2

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『カップ・オブ・エース』!……当たりだ!」

 

白コナミ 手札1→3

 

「速攻魔法、『手札断殺』!互いに手札を2枚交換。手札のモンスターを墓地に送り、『クイック・シンクロン』を特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 守備力1400

 

「レベル1の『黒羊トークン』3体に、レベル5の『クイック・シンクロン』をチューニング!集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ、『ジャンク・デストロイヤー』!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻撃力2600

 

ズズン、激しい地鳴らしを響かせ、コナミのモンスター達の前に巨大なシンクロモンスターが姿を見せる。

頭部には王冠のように伸びる角、胸には幾つかのコアを持ち、4本の腕とX字の翼を広げた巨大ロボットのようなカードだ。

その名の通り、強力な破壊力を秘めている。

 

「『ジャンク・デストロイヤー』のシンクロ召喚時、チューナー以外に素材にしたモンスターの数まで相手フィールドのカードを破壊する!3体のモンスターを破壊!タイダル・エナジー!」

 

「読んでいたさ!墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、『ホープ』を対象に取るモンスター効果を無効!」

 

「チッ、ターンエンドだ!」

 

白コナミ LP1400

フィールド『ジャンク・デストロイヤー』(攻撃表示)

『補給部隊』

手札0

 

「オレのターン、ドロー!『貴竜の魔術師』を召喚!」

 

貴竜の魔術師 攻撃力700

 

コナミがデュエルディスクに1枚のカードを叩きつけると共に、汚れ1つない純白の法衣を纏う、幼い顔立ちの『魔術師』が現れる。

融合、エクシーズ、シンクロに続き、今度はペンデュラムモンスター。更にこのカードはペンデュラムの特性を持ちながらチューナーでもある。

 

「バトル!光牙で『ジャンク・デストロイヤー』を攻撃!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外し、バトルを終了!」

 

光牙が鋭い爪で『ジャンク・デストロイヤー』に襲いかかるも、眼前に赤と青の光を放つ円盤状の物体が出現。

クルクルと回転して電磁バリアを発生させ、攻撃を防ぐ。

 

「相変わらずだな……!」

 

「互いにな」

 

「フッ、メインフェイズ2に移り、レベル5の『ジェット・ウォリアー』に、レベル3の『貴竜の魔術師』をチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚!『閃光竜スターダスト』!」

 

閃光竜スターダスト 攻撃力2500

 

シンクロ召喚、『貴竜の魔術師』が手に持った音叉を振るうと共に『ジェット・ウォリアー』が5つの星に分裂、貴竜も3つのリングに変化、リングが星と光に撃ち抜かれ、天空に竜の星座を描く。

そして浮き上がり、フィールドに降り立つは星屑纏う純白の竜。まるで天使のような見た目の竜だ。

白コナミのエース、『スターダスト・ドラゴン』に酷似した決闘竜の1体、『スターダスト・ドラゴン』と互換の関係にあるが、汎用性では軍配が上がるだろう。

 

「ターンエンドだ」

 

コナミ LP3100

フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『M・HERO光牙』(攻撃表示)

セット1

手札2

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『アドバンスドロー』!レベル8以上のモンスター、『ジャンク・デストロイヤー』をリリースし、カードを2枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→2

 

「面倒なモンスターが揃ったものだ……『ミスティック・パイパー』を召喚!」

 

ミスティック・パイパー 攻撃力0

 

「効果発動!自身をリリースし、ドロー!ドローカードはレベル1モンスター、よって更にドローする!」

 

白コナミ 手札1→2→3

 

「カードを2枚セット、ターンエンド!」

 

白コナミ LP1400

フィールド

『補給部隊』セット2

手札1

 

「防戦一方か?オレのターン、ドロー!バトル!」

 

「バトル前に手札の『エフェクト・ヴェーラー』を捨て、このターン中、光牙の効果を無効に!」

 

「光牙でダイレクトアタック!」

 

「罠発動!『星堕つる地に立つ閃光』!特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が俺のLPを上回っている場合、攻撃を無効にし、俺は1枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→1

 

白コナミが光牙の攻撃に反応し、デッキからカードを引き抜くと同時に海面から一筋の閃光が上昇、ギュルリと螺旋回転してフィールドに降り立ち、粒子を散らして竜の影を作り出す。

 

「その後、エクストラデッキから『スターダスト』モンスターを呼ぶ。飛翔せよ!『スターダスト・ドラゴン』!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500

 

その正体は白コナミが誇るエース、『スターダスト・ドラゴン』。今、『閃光竜スターダスト』と睨み合い、一触即発の空気を醸し出す。

先に動いたのは――『閃光竜スターダスト』だ。

 

「『閃光竜スターダスト』の効果発動!このカードに1ターンに1度の破壊耐性を与える!波動音壁!そして『スターダスト・ドラゴン』を攻撃!流星閃撃!」

 

「永続罠、『ディメンション・ガーディアン』!『スターダスト・ドラゴン』の戦闘、効果破壊を防ぐ!迎え撃て、シューティング・ソニック!」

 

『閃光竜スターダスト』が、『スターダスト・ドラゴン』が、互いに光と風をアギトに集束、増幅させて解き放つ。

鬩ぎ合うブレスは中心で爆発、辺り一面を黒煙で染め上げる。

 

「防いだか……ターンエンド!」

 

コナミ LP3100

フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『M・HERO光牙』(攻撃表示)

セット1

手札3

 

「俺のターン」

 

M・HERO光牙 攻撃力2500→3000

 

「ドロー!魔法カード、『マジック・プランター』!永続罠、『ディメンション・ガーディアン』を墓地に送り、2枚ドロー!」

 

白コナミ 手札1→3

 

「『金華猫』を召喚!」

 

金華猫 攻撃力400

 

ピョンと白コナミの手札から飛び出し、彼の肩に乗ったのは毛を逆立たせた青い猫。珍しいスピリットと呼ばれるモンスターの1体だ。ターン終了と共に手札に戻る習性を持っている。

 

「召喚時、墓地のレベル1モンスターを特殊召喚する。『スケープ・ゴースト』を蘇生!」

 

スケープ・ゴースト 守備力0

 

「!」

 

『金華猫』がゴロゴロと喉を鳴らし、ペッと何かを吐き出す。その正体は『スケープ・ゴースト』。ヨダレで汚れ、ヌラヌラと光っている。

 

「レベル1の『金華猫』に、レベル1の『スケープ・ゴースト』をチューニング!集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光差す道となれ!シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー、『フォーミュラ・シンクロン』!」

 

フォーミュラ・シンクロン 守備力1500

 

白コナミの背後に光輝く渦が発生し、中より一筋の光が矢の如くフィールドを駆け抜ける。

その正体はF1カーの姿を模した『シンクロン』カード。シンクロモンスターでありながら、チューナーでもあると言う特異性を持つカードだ。

 

そしてこれで――フィールドにシンクロモンスター、『スターダスト・ドラゴン』とシンクロチューナー、『フォーミュラ・シンクロン』が揃った。

ここから導き出される答えは――シンクロモンスターとシンクロチューナーによる、シンクロの先を行くシンクロ、アクセルシンクロ。

 

「『フォーミュラ・シンクロン』のシンクロ召喚時、カードを1枚ドロー!」

 

白コナミ 手札2→3

 

「レベル8の『スターダスト・ドラゴン』に、レベル2のシンクロチューナー、『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング!集いし願いの結晶が新たな進化の扉を開く。光差す道となれ!アクセルシンクロ!」

 

ゴウッ、白コナミのDーホイールが疾風を纏い、段々とその姿がズレ、分身したかのように変化、そして――プツン、と、突如姿が空気に溶けるように消える。

その直後、コナミの背後が陽炎のように揺らめく。

 

「生来せよ、『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

その中から弾丸の如く2つの影が飛び出す。

1つは勿論白コナミ。そしてもう1つは――空気抵抗を抑えるべく発達したヘルメットのような頭部と戦闘機を思わせる翼、逞しい四肢を持つ『スターダスト・ドラゴン』の進化体と思われる白亜の竜。

空を翔る流星が、コナミの前に立ち塞がる。

 

「来たか……!」

 

「ここからが本当の勝負と言う事だ!」

 

ガンッ、白コナミとコナミのDーホイールがぶつかり、火花を散らして並走する。荒っぽい運転だ。

白コナミのDーホイールが元の巨体を保っていればコナミの方が弾き飛ばされていただろう。だがもうそうはならない。2人の力は、互角だ。

 

「オレは最初から、そのつもりだっ!」

 

ガンッ、コナミのDーホイールが競り勝ち、白コナミのDーホイールが弾かれる。と、そこで丁度トンネルへ突入、壁を伝い、コナミの真上を走る白コナミ。

見事なテクニック、そのままグルリと回転移動し、コナミより前方を走る。

 

「『シューティング・スター・ドラゴン』の効果発動!デッキトップから5枚のカードをめくり、その中のチューナーモンスターの数だけ攻撃権を得る!当然……!」

 

ギャンブル性の高い、連続攻撃効果。ちなみに攻撃権を増やす、ではなく得るものなので1枚もチューナーが引き込めなければ攻撃が不可能となってしまうのだ。尤も。

 

「全てチューナーだがな」

 

この男には縁遠い話であるが。白コナミが5枚のカードを引き抜き、扇のように広げて見せつける。

『ニトロ・シンクロン』、『ドリル・シンクロン』、『エフェクト・ヴェーラー』、『ロード・シンクロン』、『幽鬼うさぎ』。彼の言う通り、5枚全てチューナーモンスターだ。

そのまま白コナミはトンネルの前でDーホイールをコナミの眼前に立ち塞がるように横に倒し、背後に存在する『シューティング・スター・ドラゴン』に指示を出す。

 

「バトル!『シューティング・スター・ドラゴン』で『M・HERO光牙』へ攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

 

「光牙の効果発動!」

 

「速攻魔法、『禁じられた聖杯』!光牙の攻撃力を400アップし、効果を無効にする!」

 

「罠発動、『スキル・サクセサー』!光牙の攻撃力を400アップ!」

 

M・HERO光牙 攻撃力3000→3400→3300

 

「ッ!」

 

『シューティング・スター・ドラゴン』が赤、青、黄とオーラロを思わせる色合いで5体に分裂し、その内の一体が光牙へと来襲。応戦し、相討ちとなる。

 

「『補給部隊』の効果でドロー……!」

 

白コナミ 手札2→3

 

「バトルを終了。手札の『クリボーン』を捨てる事でこのターンに破壊されたモンスター、『シューティング・スター・ドラゴン』を蘇生する……!!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

光牙を道連れにした『シューティング・スター・ドラゴン』が直ぐ様復活し、上空へと飛翔する。とは言え押しているのはコナミ。その証拠に1度とは言え『シューティング・スター・ドラゴン』に土をつけられた白コナミが歯軋りを鳴らしている。

 

「カードを2枚セット、ターンエンドだ」

 

白コナミ LP1400

フィールド『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)

『補給部隊』セット2

手札0

 

「オレのターン、ドロー!装備魔法、『妖刀竹光』を『希望皇ホープ』に装備!魔法カード、『黄金色の竹光』を発動!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札2→4

 

「『竜脈の魔術師』を召喚!」

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

コナミが『黄金色の竹光』の効果で引き抜いた2枚の内、1枚をデュエルディスクに叩きつけ、同時にフィールドに魔方陣が出現、中より白い法衣を纏った金髪の青年『魔術師』が登場し、両端に刃がついた剣を振るう。

 

「そして手札を1枚墓地に送り、墓地の『ジェット・シンクロン』の効果発動!このカードを特殊召喚!」

 

ジェット・シンクロン 守備力0

 

「レベル4の『竜脈の魔術師』に、レベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『アクセル・シンクロン』!」

 

アクセル・シンクロン 守備力2100

 

カッ、コナミの真横に1つのリングが出現し、その中を極太の光の柱が通り抜け、1体のモンスターがコナミの目の前を走行する。

紅白のバイク――いや、Dーホイールのタイヤより、手足を生やした『シンクロン』モンスターだ。両の眼を輝かせ、Dーホイールに変形、コナミの隣で並走する。

白コナミが持つ『フォーミュラ・シンクロン』と同じ、シンクロチューナーだ。このモンスターを召喚して来たと言う事は白コナミのアクセルシンクロに対抗するつもりなのだろう。

 

「『アクセル・シンクロン』の効果発動!デッキから『シンクロン』モンスターを墓地に送り、墓地に送ったモンスターのレベル分、このモンスターのレベルを変化させる!オレは『ジャンク・シンクロン』を墓地に送る事で、『アクセル・シンクロン』のレベルを3つダウンする!」

 

アクセル・シンクロン レベル5→2

 

『シンクロン』モンスターを墓地に送りつつ、レベルを変化させる効果。これこそがコナミが持つシンクロチューナーの力だ。白コナミの『フォーミュラ・シンクロン』よりも更にシンクロ向けのカードと言える。

 

「『スターダスト』の効果発動!『希望皇ホープ』に破壊耐性を与える。さぁ、行くぞ!レベル8の『閃光竜スターダスト』に、レベル2の『アクセル・シンクロン』をチューニング!星流れる痕に紡がれる全ての想い……!絆と共にこの世界を満たさん!アクセルシンクロ!」

 

コナミが先程の白コナミのように、風を纏い、猛スピードで駆け抜け、白コナミへと激突しようとしたその時、スウッと空気に溶けてなくなるように消え、疾風が白コナミの頬を撫でる。

一体どこに行ったのか、白コナミが辺りを見渡したその時、彼の真横に黄金の光が輝き、風となって吹き荒れる。

 

「光来せよ!『真閃光竜スターダスト・クロニクル』!」

 

真閃光竜スターダスト・クロニクル 攻撃力3000

 

風の中より現れたのはコナミと姿を変えた『スターダスト』。『シューティング・スター・ドラゴン』と対をなすような眩い黄金の光を放つ竜が降臨した。

 

「面白い……!」

 

ニヤリ、白コナミが獣のような獰猛な笑みを浮かべると共に、互いのDーホイールとアクセルシンクロモンスターが交差するように駆け抜ける。

シンクロ次元においても珍しいアクセルシンクロモンスター。それが敵味方、2人のフィールドに存在し、今正に激突しようとしている。信じられない光景だ。

黄金と白金、高貴な光を放つ2竜が上空に軌跡を描く。どちらもまだ睨み合いの状況。先に動くのは――。

 

「バトル!」

 

コナミだ。

 

「『希望皇ホープ』で、『シューティング・スター・ドラゴン』へ攻撃!ホープ剣・スラッシュ!」

 

「『シューティング・スター・ドラゴン』の効果発動!相手モンスターの攻撃宣言時、そのモンスターを対象とし、このカードをエンドフェイズまで除外し、対象モンスターの攻撃を無効にする!」

 

現在コナミの墓地には先のターン使われた『スキル・サクセサー』が存在し、その上で『希望皇ホープ』には『スターダスト』に与えられる耐性がある。

このまま放置すれば『シューティング・スター・ドラゴン』が攻撃力3300となった『希望皇ホープ』に一方的に破壊される。そう考えた白コナミは直ぐ様攻撃を無効にし、『シューティング・スター・ドラゴン』を逃がす。

が、同時にこれで白コナミのフィールドががら空きになってしまった。一方のコナミのフィールドには、アクセルシンクロモンスター、『真閃光竜スターダスト・クロニクル』が健在。千載一遇のチャンス。

 

「クロニクルでダイレクトアタック!流星煌閃撃」

 

「させん!罠発動!『パワー・ウォール』!デッキトップから戦闘ダメージが0になるよう、ダメージ500につき1枚カードを墓地に送る!ダメージは3000!よって6枚のカードを墓地へ!」

 

しかし、これも防がれる。白コナミは直ぐ様デッキからカードを引き抜き、空に向かって投げる。6枚のカードは重なってバリアを作り出し、クロニクルの攻撃を何とか逸らす。

 

「カードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

「この瞬間、『シューティング・スター・ドラゴン』が帰還する」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

コナミ LP3100

フィールド『真閃光竜スターダスト・クロニクル』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)

『妖刀竹光』セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『命削りの宝札』!3枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→3

 

「魔法カード、『ガルドスの羽根ペン』!墓地の風属性モンスター2体をデッキに戻し、フィールドのカード1枚を手札に戻す。確かそのドラゴンには完全耐性を得る効果があったな。ここはセットカードをバウンスしよう。墓地からは『スターダスト・ドラゴン』と『クイック・シンクロン』を回収!」

 

「チッ!」

 

「そして『シューティング・スター・ドラゴン』の効果発動!『ジャンク・シンクロン』、『デブリ・ドラゴン』、『ジャンク・アンカー』、『灰流うらら』、『ニトロ・シンクロン』、5体全てチューナーだ。5回の攻撃権を得、バトル!『シューティング・スター・ドラゴン』で『真閃光竜スターダスト・クロニクル』を攻撃!」

 

「墓地の『仁王立ち』を除外し、『希望皇ホープ』を対象に効果発動!相手はこのターン、対象のモンスターしか攻撃出来ない!」

 

「チッ、ならそいつに攻撃する!」

 

「『ホープ』の効果発動!ORUを1つ取り除き、攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

 

『仁王立ち』で攻撃対象を絞った上で『ホープ』が翼を展開、『シューティング・スター・ドラゴン』の眼前に盾として突き出す事で攻撃を防ぐ。

が、余りにも強力な一撃。防いだは良いが、盾には巨大な穴が空き、摩擦熱で黒煙が吹き出しているではないか。こうなっては仕方無い。直ぐ様盾を捨て、もう一方の翼を展開する。が。

 

「第2撃!」

 

「ORUを1つ取り除き、無効!」

 

一瞬の内に破壊、『ホープ』を守るものが全てなくなってしまう。凄まじい一撃だ。だが息つく暇など与えてくれない。

 

「第3撃!」

 

「ORUのない『ホープ』が攻撃対象となった事で、このカードは破壊される。そして墓地に送られた『妖刀竹光』の効果で『黄金色の竹光』をサーチ!」

 

3回目の攻撃が突き刺さろうとしたその時、翼を失った『ホープ』の身体が崩れ、砕け散る。『仁王立ち』の効果を受けた『ホープ』が破壊された事で、同時に『シューティング・スター・ドラゴン』が標的に出来るモンスターがいなくなってしまった。

 

「モンスターとカードをセット、ターンエンドだ」

 

白コナミ LP1400

フィールド『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)セットモンスター

『補給部隊』セット2

手札0

 

「オレのターン、ドロー!魔法カード、『アームズ・ホール』!『妖刀竹光』を回収し、クロニクルに装備!魔法カード、『黄金色の竹光』を発動!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札2→4

 

「『手札抹殺』!互いに手札を全て捨て、捨てた枚数分ドロー!尤もお前の手札は0、ドローするのはオレだけだかな。オレは3枚のカードを捨て、3枚ドロー!『暗黒界の狩人ブラウ』の効果でドロー!」

 

コナミ 手札3→4

 

「オレは『曲芸の魔術師』と『竜穴の魔術師』をセッティング!」

 

コナミがペンデュラムカードをデュエルディスクの両端に叩きつけると同時に、デュエルディスクに虹色の光が灯り、PENDULUMの文字が浮かび上がる。

そして彼の背後に2本の柱が出現。中に錫杖を構える『竜脈の魔術師』の師にあたる『竜穴の魔術師』と、派手な衣装の『魔術師』が現れ、それぞれの得物を天に掲げ、天空に光で線を結び、輝く魔方陣を描き出す。

 

これぞコナミが誇る第4の召喚法。融合、シンクロ、エクシーズに続く、ペンデュラムの力だ。

他のコナミが持たぬ、コナミだけの特別性。

 

「これでレベル3から7のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ、光のペンデュラム!虚空に描け魂のアーク!ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『貴竜の魔術師』!」

 

竜脈の魔術師 攻撃力1800

 

貴竜の魔術師 守備力1400

 

そして魔方陣に巨大な孔が開き、中から2つの柱がコナミのフィールドに降り注ぎ、粒子を散らしてモンスターとなる。

『アクセル・シンクロン』の素材となり、エクストラデッキに送られた『竜脈の魔術師』と、自身の効果でデッキに戻り、『手札抹殺』で引き込まれた『貴竜の魔術師』の登場だ。

 

「チューナーと非チューナー……!」

 

「レベル4の『竜脈の魔術師』に、レベル3の『貴竜の魔術師』をチューニング!シンクロ召喚!『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500

 

そしてペンデュラムからシンクロへ。これこそがペンデュラムの真価。展開されたモンスターを使い、更なる召喚法へ昇華させる。ペンデュラムはコナミにとって土台となる戦術なのだ。

これによりズシンと地響きを轟かせ、脚部の爪で力強く大地を抉り砕いて降臨したのは、赤と青、異なる虹彩のオッドアイを輝かせる、炎を思わせる真紅の鱗持つ竜。

流星砕きし『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』だ。

登場した途端、耳をつんざくような咆哮を放つ。

 

「『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』は特殊召喚時、自身の攻撃権を放棄する代償にペンデュラムゾーンのモンスター1体を特殊召喚する!来い、『竜穴の魔術師』!」

 

竜穴の魔術師 守備力2700

 

瞬間、光の柱の中にいた『竜穴の魔術師』がフッ、と姿を消し、『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』の背に飛び乗る。そして自身の手の中の錫杖をクルリと回し、柄を竜の背に突き刺す。

 

「魔法カード、『シンクロ・クリード』!2枚ドロー!」

 

コナミ 手札0→2

 

「メテオバーストと竜穴でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻撃力2800

 

更にシンクロからエクシーズへ。『竜穴の魔術師』が『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』に突き刺した錫杖から氷が走り、全身を凍てつかせる。そして中のメテオバーストが氷を粉砕し、新たな姿へ変化する。

蒼銀の氷を鱗と化した二色の眼の竜。『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』だ。

 

「魔法カード、『シンクロキャンセル』!『シューティング・スター・ドラゴン』を選択!」

 

「罠発動、『亜空間物質転送装置』!『シューティング・スター・ドラゴン』をエンドフェイズまで除外!」

 

「バトル!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』でセットモンスターへ攻撃!この瞬間、アブソリュートのORUを1つ取り除き、効果発動!この攻撃を無効に!続くアブソリュートの効果で、手札、墓地から『オッドアイズ』モンスター1体を特殊召喚する!来い、『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500

 

アブソリュートが氷の結晶を模した盾を作り出し、その中から結晶を砕き、再びメテオバーストが現れ、2体の『オッドアイズ』がフィールドに並び、3体のドラゴンが揃う。

 

「メテオバーストでセットモンスターへ攻撃!」

 

「『補給部隊』の効果でドロー!」

 

白コナミ 手札0→1

 

「クロニクルでダイレクトアタック!」

 

「罠発動、『リジェクト・リボーン』!相手モンスターの直接攻撃宣言時、バトルを終了させ、墓地のシンクロモンスターとチューナーモンスターを効果を無効にし、蘇生する!来い、『ジャンク・ガードナー』!『フォーミュラ・シンクロン』!」

 

ジャンク・ガードナー 守備力2600

 

フォーミュラ・シンクロン 守備力1500

 

バトルフェイズこと終了する最上級の防御に加え、2体のモンスターを蘇生する効果。これで白コナミのフィールドに更なるシンクロ召喚の為の布石が揃った。

 

「カードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

「『シューティング・スター・ドラゴン』を帰還」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

コナミ LP3100

フィールド『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』(攻撃表示)『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』(攻撃表示)『真閃光竜スターダスト・クロニクル』(攻撃表示)

『妖刀竹光』セット1

Pゾーン『曲芸の魔術師』

手札0

 

コナミのフィールドには強力なドラゴンが3体、対するコナミのフィールドにも3体のシンクロモンスター。内2体の効果は無効になっているとは言え、『シューティング・スター・ドラゴン』が存在する。

コナミのモンスターはどれもこのモンスターの攻撃力には届かず、その上このモンスターは毎ターンの如く5回の攻撃を仕掛けてくる。恐らく次のターンも成功してくるだろう。

つまりコナミはこの『シューティング・スター・ドラゴン』の5回攻撃を防がなければ勝機はない。

現状コナミと白コナミの戦況は互角に等しい。ここからペースを握るのはどちらになるか。

 

「さぁ、どこからでもかかって来い!」

 

堂々と、雄々しく啖呵を切り、白コナミを迎え撃つコナミ。そんなコナミに対し、白コナミはフッ、と笑みを溢し、ふつふつと熱き闘争心を燃やす。

シティ中を駆け巡る、熱戦、ライディングデュエルは更なる速度に突入し、2人は更なる高みへ突き進む。

 

「面白い……!」

 

新たな力を手にし、自身を相手に果敢に攻め立てるコナミを見て、白コナミはデッキよりカードを引き抜く。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

勝者はどちらか。


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