遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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改めて考えると

中断以外負けなし、カードを組み合わせたコンボで爆発的なデュエルをし、スターダスト系列による強固な防御力を誇るクリアマインド&セイヴァー持ちの遊星。

パワーパワーとワシのじゃ……的な事を言っているがテクニカルなデュエルも出来、口も達者なバーニングソウル&セイヴァー持ちジャック。

そんな2人に対してクロウはシグナー竜以外特殊なカードを持っていないにも関わらず、明確に食い下がって、時として勝利に貢献しているんですよね。
とんでもねぇ化物だなコイツ。

尚この3人+場合によってコナミ君とか言う癖のありすぎるイカれメンバーを纏め上げ、中断さえなければ遊星に黒星をつけた鬼柳とか言う一般人。
なんなのコイツ……?



第184話 飛べ、ブラック・バード

何故、と『失楽の聖女』は考える。

何故、神はこの身を見捨てたもうたのか。

 

神が夕食後に楽しみにしていた聖杯を盗み、一気にあおって飲み、いや不味いわと捨てたからか?

否、そんな事はない筈だ。

 

ならば神が大事にしていた聖槍を盗み出し、勢い良く投げ過ぎて地上にポイしてしまったからか?

否、そんな事もない筈だ。

 

ならば神の宝物である聖典を盗んでくしゃみをし、鼻水をべっとりとつけたからか?

むしろ感謝して欲しい。

 

考える度に理由が思いつかない。何故、神は聖女に怒り、この身を堕天させたのか。

もしかしたら神の器は思った以上に小さいのかもしれない。

そう思えばふつふつと彼女に怒りが沸いて来る。沸いているのは頭だと思うが(辛辣)。

何故聖女たるこの身がこんな目に合わなくてはならないのか。

彼女は神への復讐を誓い、その為に仲間を集う。

 

「と言う訳よ。デュエリスト、私と共に神を倒し、この世界の神となりましょう!」

 

「頭おかしいんじゃねぇのお前」

 

類友である。

 

ーーーーーー

 

「ふむ……予想していた事とは言え、凄まじい事になっているな、外は」

 

シンクロ次元、シティ、治安維持局デュエルルームにて。長官、ジャン・ミシェル・ロジェは目を細めながら外界の様子を観察していた。

遥か上空に浮かぶアーククレイドルの存在。プラシド曰くこの地に根差す守り神、赤き竜とやらを捕らえる為に用意したと言っていた為、ロジェに動揺はないが、こうして見るとやはり恐ろしいものだ。

ゴクリと生唾を呑み込む中、ガタリ、背後のドアが開き、1人の男と少女が現れる。

 

「来たかプラシド。そして初めまして……」

 

ニヤリと口角を持ち上げ、実に悪役らしい笑みでこちらを睨む少女を見据える。

ピンク色の髪をツインテールに結び、サファイアの瞳、白とピンクのライダースーツを身につけた少女、そう、彼女こそロジェ達アカデミアが狙う者の1人。

 

「柊 柚子さん……?」

 

「……貴方は……?」

 

「失敬、早とちりしてしまいましたね。私は治安維持局長官、ジャン・ミシェル・ロジェ。また、アカデミアではシンクロ次元における全指揮を担当させていただいております」

 

アカデミア、と言う言葉を聞き、柚子の唇がキュッ、と固く引き締められる。

この男が、このシンクロ次元におけるアカデミアの親玉。柚子が警戒を引き上げる中、ロジェはハァ、と溜め息を吐き、頭を抑える。

 

「最初は大変だったのですよ?少ない部下と共にここに来て、何とか長官まで登り詰め、なったらなったで部下は引き上げ、プラシドと2人だけで頑張って。それは良い、それは良いのです。必要な苦労なら問題ない。だが……だがっ……!お面ホイーラーは、あの阿呆の世話だけはっ……!長官の仕事じゃないだろうっ!無駄な苦労だろうっ!」

 

「た、大変なのね、悪の親玉も……」

 

ダンッ、机に拳を叩きつけ、最早涙すら流すロジェに対し、柚子が頬を引き吊らせて同情する。黒咲や沢渡辺りが聞けばザマァねぇぜと呟くだろうが。

 

「同情する必要はないぞ。悪の親玉なんだからな」

 

「プラシド貴様っ!」

 

尤もである。

 

「ですがそれも報われる。プラシドが手に入れた赤き竜の力を使い、このシティを私の国に……!」

 

瞬間、ズカンッ、大きな音を立て、部屋のドアが木っ端微塵に破壊される。

 

「なんなんだよもぉぉぉぉぉっ!!」

 

膝をつき叫ぶロジェ。そんな彼を、ダイナミック入室してきた赤馬 零児は、冷たい目で見下していた。

 

――――――

 

「どうした小僧、その程度か」

 

「ぐっ……!」

 

シティの中心部、ビル群が並ぶ高層エリアにて。権現坂 昇がボロボロになって膝をついていた。

彼が相手取るデュエリストは巨大な体躯を誇る老人。そう、老人だ。イリアステル三皇帝、ホセ。長く伸ばした髭を手ですき、マスクで覆われた口からくぐもった声を出す。

 

彼のフィールドに存在するのはプラシド、ルチアーノも扱う『機皇帝』が一角、『機皇帝グランエル∞』。下半身が戦車のような車両型となっている合体ロボットだ。

眩いオレンジカラーを煌めかせ、右腕に盾を、左腕が銃となったモンスター。その胸部には何と、権現坂のエースモンスター、『超重荒神スサノーO』の姿。

 

黒咲達に対しては効果を発揮出来なかったが、彼等の『機皇帝』シリーズが持つ異名はシンクロキラー。つまりシンクロモンスターの力を吸収してパワーアップすると言う個性を持っているのだ。

当然シンクロ使いである権現坂にはその効果が深く突き刺さり、苦戦を強いられていると言う訳だ。

しかもこのホセは三皇帝の中でも最強。一番の年長者だけあり、慎重なデュエルタクティクスを練り、隙を見せてくれない。

 

そして権現坂の背後には、コモンズとトップスの少年の姿。恐らく2人で遊んでいたのだろう。幼いからこそ垣根を気にしていない彼等は、今では怯えて肩を震わせている。

 

「もう諦めたらどうだ?貴様等がどう足掻いてもアーククレイドルはどうにも出来ん。その子供達のように、例え最初は希望にすがっていも、私のように成長するにつれ、自らの無力に絶望するのだ。皮肉なものだ。もしも今その子供を守っても、彼等は未来で学び、知り、格差を自覚する。そして貴様は絶望する。争う彼等を見て、何の為に闘っていたのだと」

 

ホセが目を細め、自らの過去、いや、この場合は未来だろうか。を思い返し、経験を元に権現坂達に忠告する。

絶望と言う名の毒を、優しく、権現坂に勧めているように。

お前は良くやった、と。だから休めと。その姿はまるで、人々に絶望を与える番人か、若人を想う先人か。

優しく甘い誘惑。差し伸べられた手に、権現坂は。

 

「……年寄りの世迷い言だ」

 

「……何?」

 

鼻で笑って、切り捨てる。

 

「何故貴様がこの子達の未来を決める?何故貴様が俺の未来を決める?貴様のデュエル、大樹のように地に根差したデュエル、尊敬すらした。だがどうやら間違いだったようだ」

 

「何が、言いたい……?」

 

「貴様のデュエルは不動などではない!ただ諦めただけだ!希望にすがる事を、未来に進む事を!自ら枯れ果てた樹が、若葉の芽を摘もうとするな!」

 

思い返すは自らの親友。どこまでも諦めの悪い少年の事。彼は例え自分が傷つき、ボロボロになったとしても、決して絆を諦めない。

倒れても倒れても、立ち上がって来た。不動の心で突き進んで来た。

最早自分が守る事も必要のなくなった彼。権現坂はそんな彼の成長に深く感動し、同時に少し嫉妬してしまった。まるで自分が置き去りになったかのように思って。

自分はどうすれば良いのだろうと迷って。そんな中、多くのデュエリストと出会い、闘う間、権現坂は様々な想いに触れ、決心した。

彼は守る必要がない程成長した。自分よりも前に。ならば彼と肩を並べられるよう、努力しようと。彼に負けない男になろうと。

 

「見せてやる……俺達の、未来の可能性を!」

 

――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

一方、シティを包むように設置されたサーキット。ビル群の明かりが浮かぶ中、クロウはDーホイールのデュエルディスク、デッキホルダーからカードを1枚引き抜く。

相手は自らをコピーし、その上で強化したクロウ・ゴースト。そんな彼のデュエルに苦戦は必至、状況は不利に傾いている。

だがここでクロウが負ければ……その時点でチームARCー5D'sは敗北するだろう。

遊矢は決して弱くない。過去を忘れていて、情報の差があったとは言えジャックを倒す程の実力らある。

だが、このクロウ・ゴーストを倒した上でラストホイーラー、白コナミの相手をしなければならないと来れば。そんな事、ジャックにもクロウにも出来ない。

 

「ここでコイツを止めなきゃゲームオーバーってか。とんだクソゲーだぜ……!魔法カード、『シンクロ・クリード』!互いのフィールドにシンクロモンスターが3体以上存在する事で2枚ドロー!」

 

クロウ・ホーガン 手札1→3

 

「魔法カード、『暗黒界の取引』を発動。『レッド・スプリンター』を召喚!」

 

レッド・スプリンター 攻撃力1700

 

確かに『BF』の戦力、カードプールはクロウ・ゴーストの方が広く深い。対応力の差は大きいが、これはチーム戦。

ジャックが残してくれた『レッド・ミラー』を活用し、カードプールの差を埋める。

ジャックもチームプレーを覚えたんだなと謎の感動をしながら炎の黒馬を呼び出す。

 

「『レッド・スプリンター』の効果発動。墓地の『レッド・リゾネーター』を特殊召喚するぜ!」

 

レッド・リゾネーター 守備力200

 

「『レッド・リゾネーター』の効果発動!オニマルの攻撃力分、回復!」

 

クロウ・ホーガン LP4600→7600

 

ジャックが愛用するモンスター、『レッド・リゾネーター』が現れ、音叉を鳴らす。波打つ音はオニマルへと響き、力を吸収、クロウへと注がれる。

 

「レベル4の『レッド・スプリンター』に、レベル2の『レッド・リゾネーター』をチューニング!シンクロ召喚!『BFー星影のノートゥング』!」

 

BFー星影のノートゥング 守備力1600

 

「ノートゥングの効果発動!ライキリの攻守をダウン!『レッド・ミラー』を回収!」

 

クロウ・ゴースト LP4500→3700

 

ABFー驟雨のライキリ 攻撃力2600→1800

 

少しずつ、少しずつだがダメージを与えていく。地道であれど、800のダメージは馬鹿に出来ないのだ。

 

「バトル!ノートゥングでライキリへ攻撃!」

 

「アクションマジック、『回避』!攻撃を無効に!」

 

「カードを1枚セット、墓地の『ADチェンジャー』を除外、ノートゥングを守備表示にする。ターンエンドだ」

 

クロウ・ホーガン LP7600

フィールド『BFー星影のノートゥング』(守備表示)

セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー。ライキリの効果発動。ノートゥングとセットカードを破壊」

 

「アクションマジック、『ミラー・バリア』!ノートゥングを効果破壊から守るぜ。更に破壊されたリバースカードは『運命の発掘』!墓地に存在するこのカードの数までドローする!墓地には……このカードを合わせ、4枚だ!」

 

「4枚……ジャック・アトラスの『モンスター・ゲート』……!」

 

ジャックのカードを最大限に利用しての大量ドロー。上手い立ち回りだ。このチーム戦のメリットを活かすのもクロウの強みと言える。

 

クロウ・ホーガン 手札1→5

 

「『BFー月影のカルート』を召喚」

 

BFー月影のカルート 攻撃力1400

 

現れたのは黄色と赤の鶏冠を持つゲイルに似たモンスター。本来は強力な手札誘発としての運用が基本となるが、手札のモンスターがこのカードのみの登場だ。

 

「『黒い旋風』の効果で『BFー疾風のゲイル』をサーチ」

 

「特殊召喚」

 

BFー疾風のゲイル 攻撃力1300

 

「効果発動。ノートゥングの攻守を半分に」

 

BFー星影のノートゥング 守備力1600→800

 

「レベル3のカルートに、レベル3のゲイルをチューニング。漆黒の力!大いなる翼に宿りて、神風を巻き起こせ!シンクロ召喚!吹き荒べ、『BFーアームズ・ウィング』!」

 

BFーアームズ・ウィング 攻撃力2300

 

守備固めすら許さない。そう言わんばかりに新たなモンスター、アームズ・ウィングが呼び出される。

攻撃力アップに貫通効果を持ったこのカードを呼ぶと言う事は、防御に徹しても無駄と威嚇しているのだろう。

 

「ホーク・ジョーの効果により、ソハヤを蘇生」

 

ABFー五月雨のソハヤ 攻撃力1500

 

「カードをセット、バトル、アームズ・ウィングでノートゥングへ攻撃。この瞬間、攻撃力を500アップ。ブラック・チャージ!」

 

「『レッド・ミラー』を『レッド・スプリンター』と交換!更に手札の『BFー蒼天のジェット』を捨て、ノートゥングを戦闘破壊から守る!」

 

「だがダメージは受けてもらう」

 

BFーアームズ・ウィング 攻撃力2300→2800

 

クロウ・ホーガン LP7600→5600

 

「ぐぁっ!?」

 

アームズ・ウィングがノートゥングの振るう剣をかわして接近、高速で切り結ぶ中、一瞬の隙を突き、右足を潜り込ませ、ノートゥングの剣をかち上げる。

ノートゥングが宙をクルクルと舞う剣に気を取られる中、アームズ・ウィングは銃剣の切っ先を向け、カシャリとスライド、がら空きの腹に向かって銃撃を連射する。

ズドドドド、と激しき音が轟いてノートゥングが後退、余りにも強い衝撃は背後のクロウにも伝わり、体勢がふらつく。

 

「ホーク・ジョーでノートゥングへ攻撃」

 

だがクロウ・ゴーストの猛攻は終わらない。アームズ・ウィングの背後でホーク・ジョーが飛び立ち、翼を折り畳み、弾丸の如く飛来、神速の突きでノートゥングの耐久力の薄くなった腹を破る。

 

「オニマルでダイレクトアタック」

 

「この瞬間、手札の『BFー熱風のギブリ』の効果発動!特殊召喚する!」

 

BFー熱風のギブリ 守備力1600

 

ピンチの連続、一撃防いでも次の一撃がクロウに降りかかり、気を休める事も許してくれない。それにオニマルの、攻撃力6000の攻撃だけは防がなければならない。

クロウの手札からふさふさとした赤い鶏冠と身の丈以上ある巨大な羽を6枚3対伸ばした雛鳥が現れ、翼を前方に突き出し、オニマルの刀を防ぐ盾となる。

 

「攻撃変更、オニマルでギブリへ攻撃」

 

しかしどんな盾を使ってもこのオニマルの攻撃は防げまい。容易くギブリが切り裂かれ、直ぐ様がら空きになってしまう。

 

「ライキリでダイレクトアタック」

 

「アクションマジック、『フレイム・チェーン』!ライキリの攻撃力を400ダウン!」

 

ABFー驟雨のライキリ 攻撃力1800→1400

 

クロウ・ホーガン LP5600→4200

 

「うっ……!」

 

「ソハヤでダイレクトアタック」

 

クロウ・ホーガン LP4200→2700

 

「ずあっ……!?」

 

淡々と、ただひたすら機械的な声と共に『BF』が群れをなしてクロウへ襲いかかる。『レッド・リゾネーター』の効果で回復していなかったら今頃LPは0を刻んでいただろう。

 

「ターンエンド」

 

クロウ・ゴースト LP3700

フィールド『ABFー神立のオニマル』(攻撃表示)『ABFー驟雨のライキリ』(攻撃表示)『ABFー五月雨のソハヤ』(攻撃表示)『BFTー漆黒のホーク・ジョー』(攻撃表示)『BFーアームズ・ウィング』(攻撃表示)

『黒い旋風』セット1

手札0

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『強欲で金満な壺』!エクストラデッキから6体のモンスターを裏側表示で除外し、2枚ドロー!」

 

クロウ・ホーガン 手札3→5

 

「良し、引けたぜ、こっちもな!永続魔法、『黒い旋風』!『レッド・スプリンター』を召喚!」

 

レッド・スプリンター 攻撃力1700

 

「『レッド・リゾネーター』を蘇生!」

 

レッド・リゾネーター 守備力200

 

「『レッド・リゾネーター』の効果により、オニマルの攻撃力分回復!」

 

クロウ・ホーガン LP2700→5700

 

「レベル4の『レッド・スプリンター』に、レベル2の『レッド・リゾネーター』をチューニング!シンクロ召喚!『BFー星影のノートゥング』!」

 

BFー星影のノートゥング 攻撃力2400

 

「ノートゥングの効果発動!オニマルの攻守をダウン!『レッド・ミラー』も回収だ!」

 

「罠発動、『シンクロ・バリアー』。ソハヤをリリースし、次のターン終了までダメージを0に」

 

ABFー神立のオニマル 攻撃力3000→2200

 

「そしてノートゥングの効果により、『BF』の召喚権を増やす。俺が召喚するのは『BFー極北のブリザード』!」

 

BFー極北のブリザード 攻撃力1300

 

現れたのは広い嘴と白い羽毛が特徴的な『BF』。『BF』なのに白とは如何に、と思いかもしれないが、このカードはかなり優秀だ。

 

「ブリザードの効果発動!このカードの召喚時、墓地のグラディウスを特殊召喚する!更に『黒い旋風』の効果でオロシをサーチ!」

 

BFー白夜のグラディウス 守備力1500

 

「レベル3のグラディウスに、レベル2のブリザードをチューニング!シンクロ召喚!『BFー煌星のグラム』!」

 

BFー煌星のグラム 攻撃力2200

 

2連続シンクロ召喚。相も変わらず飛ばすクロウの元に現れたのは、金を散りばめた白銀の鎧を纏う鳥人剣士。ノートゥングの大剣とは対をなす片手剣。柄が鳥の脚を模した片刃の得物を振るい、クロウ・ゴーストに敵意を示す。

 

「グラムの効果発動!手札から『BFー鉄鎖のフェーン』を特殊召喚!」

 

BFー鉄鎖のフェーン 守備力800

 

「魔法カード、『モンスター・ゲート』!フェーンをリリースし、デッキから通常召喚可能なモンスターが出るまでカードを墓地へ!1、2……『BFー蒼炎のシュラ』!」

 

BFー蒼炎のシュラ 攻撃力1800

 

「オロシを特殊召喚!」

 

BFー突風のオロシ 守備力600

 

「突き放してやるよ!レベル5のグラムに、レベル1のオロシをチューニング!シンクロ召喚!『BFーアームズ・ウィング』!」

 

BFーアームズ・ウィング 攻撃力2300

 

続けて3連続シンクロ召喚。クロウ・ゴーストに負けじとギアを上げ、アクセルを全開にする。スタミナ切れもお構いなしだ。

 

「オロシの効果でオニマルを守備表示に変更。バトル!蒼炎のシュラでオニマルへ攻撃!」

 

高い攻撃性を誇るオニマルであるが、弱点はある。例えばその守備力。2000と案外打たれ弱く、弱体化すれば簡単に下級モンスターに負けてしまう。これでオニマル突破。厄介なモンスターを倒した。

 

「シュラの効果により、デッキから『BFー尖鋭のポーラ』をリクルート!」

 

BFー尖鋭のポーラ 攻撃力1300

 

ここはピナーカを出し、次なるシンクロへ繋げたい所だが、それでは厄介なモンスターを1体残す心配がある。我慢し、召喚したのはスカーフを巻いたキザっぽい鳥人だ。

『BF』では珍しい墓地発動効果を持った上級モンスター。攻撃力は1300とかなり低い。

 

「ノートゥングでホーク・ジョーへ攻撃!」

 

「攻撃変更!ライキリに移す!」

 

「ハッ、気づきやがったか!ならポーラでホーク・ジョーを、アームズ・ウィング同士で相撃ちを狙うぜ!」

 

相撃ちと言うかなり泥臭い攻撃だが、これでクロウ・ゴーストのモンスターを全滅させた。一気に形勢逆転。『BF』使いのベテランとして意地を見せる。

 

「どうだ!腕じゃ負けねぇんだよ!俺はこれでターンエンド!」

 

クロウ・ホーガン LP5700

フィールド『BFー星影のノートゥング』(攻撃表示)『BFー蒼炎のシュラ』(攻撃表示)

『黒い旋風』

手札1

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキから10枚のカードを除外し、2枚ドロー!」

 

クロウ・ゴースト 手札0→2

 

「魔法カード、『暗黒界の取引』を発動。『BFー逆巻きのトルネード』を召喚!」

 

BFー逆巻きのトルネード 攻撃力1000

 

ピンチに陥り、計算が狂ったのかクロウ・ゴーストが珍しく声を荒げながら新たなモンスターを呼び込む。ブリザードと似た効果を持ったレベル4の『BF』。尤も、こちらは非チューナーであるが。

 

「トルネードの効果でピナーカを蘇生!旋風の効果で『BFー大旆のヴァーユ』をサーチ」

 

BFー上弦のピナーカ 守備力1000

 

「レベル4のトルネードに、レベル3のピナーカをチューニング!漆黒の翼濡らし、そぼ降る雨に響け、雷鳴の一撃!シンクロ召喚!突き抜けろ!『ABFー涙雨のチドリ』!」

 

ABFー涙雨のチドリ 攻撃力2600→6800

 

1枚で直ぐ様素材を確保し、シンクロ召喚。現れたのは翼に何枚もの刃を隠した鳥人剣士。ライキリと同じ刀剣の銘を持つカードだ。攻撃力も同じ。と思いきや、登場した途端、爆発的に跳ね上がる。

 

「他の『ABF』同様、チューナー化する効果を持ち、墓地の『BF』の数×300攻撃力をアップする!」

 

「それで攻撃力6800か……次々とヤバい奴出しやがって……!」

 

オニマルを倒したと思ったら今度はオニマルより高い攻撃力を持つモンスターの登場。クロウとしては勘弁して欲しい所だ。

 

「バトル!チドリでシュラへ攻撃!」

 

「墓地の『仁王立ち』を除外、ノートゥングに攻撃を絞る!」

 

「ノートゥングへ攻撃!攻撃宣言時、アクションマジック、『オーバー・ソード』!チドリの攻撃力を500アップ!雷鳴の一撃ライトニング・スラッシュ!」

 

BFー涙雨のチドリ 攻撃力6800→7300

 

クロウ・ホーガン LP5800→800

 

「『レッド・ミラー』と『レッド・スプリンター』を交換っ、ぐわぁぁぁぁっ!?」

 

一刀両断。チドリが目にも止まらぬ速度で空を駆け、降り立ち際に切れ味鋭い刀でノートゥングを真っ二つに切り裂く。更に刀から青い雷光がバチバチと広がり、クロウに大量のダメージを与える。プスプスと黒煙を上げ、苦悶の表情を浮かべるクロウ。間一髪命を繋いでいるが、風前の灯火だ。

 

「上等だぜクソッタレ……!百倍返しにしてやらぁ!」

 

「ターンエンド。ピナーカの効果で『BFー月影のカルート』をサーチする」

 

クロウ・ゴースト LP3700

フィールド『ABFー涙雨のチドリ』(攻撃表示)

『黒い旋風』

手札2

 

クロウのLPは800、対するクロウ・ゴーストのLPは3700。かなりの差が開いているが、それで諦めるクロウではない。この程度の逆境は昔から慣れているからだ。

それに先程のホーク・ジョー+オニマルの布陣よりは遥かにマシ。チドリ1体のみなら気が楽だ。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『一時休戦』を発動!」

 

クロウ・ホーガン 手札1→2

 

クロウ・ゴースト 手札2→3

 

「『レッド・スプリンター』を召喚!」

 

レッド・スプリンター 攻撃力1700

 

「魔法カード、『命削りの宝札』!3枚ドロー!」

 

クロウ・ホーガン 手札0→3

 

骨が何本折れようが、気骨さえ残っていればクロウにもそれで充分なのだから。肋骨がイカれていてもライディングデュエルを続ける男は違うのだ。

 

「墓地の『ネクロ・ディフェンダー』を除外し、『レッド・スプリンター』に耐性を与え、同じく墓地のポーラを除外し、シュラを対象に効果発動!このターン、対象のモンスターは戦闘破壊されず、ダメージも0になり、戦闘を行ったモンスターをダメージ計算後に破壊する!バトル!シュラでチドリへ攻撃!」

 

「ッ!」

 

先程のターン、シュラの効果でポーラを選んだのもこの時の為だ。また強力なモンスターが出た際の、先を見越した対策。流石は年期が違うと言う事か。

経験の差が物を言う。チドリがシュラの喉突きを受け、爆発し、黒煙が吹き上げクロウ・ゴーストの機体が揺れる。

 

「よっしゃあ!見たかこのヤロー!新型だか何だか知らねぇが、鉄砲玉のクロウ様を嘗めんじゃねぇ!」

 

しかし。

 

「あ……ん?」

 

黒煙が逆巻き、クロウ・ゴーストのフィールドでどんどん凝縮。人型の影を作り出し、その背中から漆黒の翼が伸びていく。そして――バシュン、竜巻のようになった煙が、内部から切り裂かれ、次なる刺客を呼び起こす。

 

ABFー神立のオニマル 攻撃力3000

 

「ッ、蘇生効果かよ……!」

 

「チドリが破壊された事で、墓地の鳥獣族シンクロモンスターを蘇生する」

 

「そういや遊矢が言ってたなぁ……俺はカード3枚をセット、ターンエンドだ」

 

クロウ・ホーガン LP800

フィールド『BFー蒼炎のシュラ』(攻撃表示)『レッド・スプリンター』(攻撃表示)

『黒い旋風』セット3

手札0

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「罠発動!『ゴッドバードアタック』!シュラをリリースし、オニマルと『黒い旋風』を破壊する!」

 

「ッ!だがオニマルは効果で破壊されない!」

 

「速攻魔法、『禁じられた聖杯』!オニマルの効果を無効にするぜ!更に罠発動!『異次元グランド』!このターン墓地に送られるモンスターは除外される!これで突破だ!」

 

ABFー神立のオニマル 攻撃力3000→3400

 

抜け目のなさも一流。速度で負けても上手さで負けていない。

 

「魔法カード、『強欲で謙虚な壺』。デッキトップの3枚を確認し、『虚無空間』を手札に。モンスターをセット、永続魔法、『強欲なカケラ』を発動。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

クロウ・ゴースト LP3700

フィールド セットモンスター

『強欲なカケラ』セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『強欲で貪欲な壺』を発動!2枚ドロー!」

 

クロウ・ホーガン 手札0→2

 

「『レッド・スプリンター』をリリース、アドバンス召喚!『BFー漆黒のエルフェン』!」

 

BFー漆黒のエルフェン 攻撃力2200

 

現れたのは真っ黒に彩られた鳥の被り物と翼を広げたホーク・ジョーと同じ異名の『BF』。仲間がいればリリース無しで召喚出来る優秀さを持つのだが、クロウのフィールドに他の『BF』はいない。

 

「エルフェンの効果でセットモンスターを攻撃表示に変更、『黒い旋風』の効果発動!」

 

「永続罠、『虚無空間』を発動!」

 

「『BFー月影のカルート』をサーチ!」

 

エルフェンの効果でクロウ・ゴーストのフィールドにセットされていたモンスターの正体が明らかとなる。学ランを纏い、下駄を履いた小さな鳥獣族モンスター。

クロウの思った通り、『BFー大旆のヴァーユ』だ。攻撃力は僅か800。だがこのカードをセットしていたと言う事は、クロウ・ゴーストの手札にあるのは自分『BF』の攻撃力を1400アップする『BFー月影のカルート』。つまりヴァーユは攻撃力2200となり、エルフェンと相打つ事となる。

クロウもそうなる事を見越し、手札にカルートを呼んだのだが。

 

「速攻魔法、『魔力の泉』!3枚ドローしてアクションカードを含めた3枚を捨てる!」

 

クロウ・ホーガン 手札2→5→2

 

「バトル!エルフェンでヴァーユへ攻撃!手札のカルートを切る!」

 

BFー漆黒のエルフェン 攻撃力2200→3600

 

「ッ」

 

クロウ・ゴースト LP3700→900

 

ここでカルートを切ってもダメージを抑えるだけ。攻撃を受けてもLPは残ると踏んだのだろう、クロウ・ゴーストは一瞬考え込んだ後、無言で攻撃を受け止める。

 

「カードをセット、ターンエンドだ!」

 

クロウ・ホーガン LP800

フィールド『BFー漆黒のエルフェン』(攻撃表示)

『黒い旋風』セット1

手札0

 

「俺のターン、ドロー!カケラに強欲カウンターが乗る!」

 

強欲なカケラ 強欲カウンター0→1

 

「魔法カード、『マジック・プランター』!『虚無空間』をコストに2枚ドロー!」

 

クロウ・ゴースト 手札1→3

 

「墓地に存在するヴァーユの効果を発動!このカードと墓地のチドリを除外し、合計レベルとなる『BF』シンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!吹き荒べ嵐よ!鋼鉄の意志と光の速さを得て、その姿を昇華せよ!『BFー孤高のシルバー・ウィンド』!」

 

BFー孤高のシルバー・ウィンド 攻撃力2800

 

呼び出されたのは銀色の翼を持ち、嘴状の被り物を纏ったレベル8の『BF』シンクロモンスター。素材が重く、シンクロ召喚しにくいが為、こうしてヴァーユを経由して呼び出される事が多いモンスターだ。

クロウ・ゴーストも例に漏れず、クロウと似た方法で召喚に出た。

 

「この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となる。カードをセット、バトル!シルバー・ウィンドでエルフェンへ攻撃!カルートを墓地に送り、攻撃力アップ!」

 

BFー孤高のシルバー・ウィンド 攻撃力2800→4200

 

「罠発動!『パワー・ウォール』!デッキから4枚のカードを墓地に送り、ダメージを0にする!」

 

「止め、られたっ……!?」

 

粘り強く、自身の猛攻に耐え抜くクロウのデュエルにクロウ・ゴーストが動揺を見せる。

何故、開始時点では間違いなくクロウ・ゴーストは優勢だった筈。にも関わらず、たった1ターンで逆転され、今ではクロウ・ゴーストの方がペースを握ろうと焦っている。

狂う計算、想定を超える戦術。一体何が起こっているのか分からない。性能ではクロウ・ゴーストが上回っており、これは事実なのに、新型のクロウに、旧型のクロウが互角以上に渡り合っている。

 

「どうした新型、何時まで経っても自分が勝てねぇのが、そんなに不思議か?」

 

「ッ」

 

「分からねぇなら教えてやるよ。それはテメェに、テメェ自身がねぇからだ」

 

「俺、自身……?」

 

「自分が自分自身である個性、それが余りにも薄っぺらいんだよ。自分の意志が、闘う理由が、負けられねぇ理由がねぇんだよ。それに、テメェが『BF』を使う理由もな!」

 

「何を……」

 

「デッキに自分がこれっぽちも乗ってねぇ。勝ちたいからとかデッキが好きだからとか、何だって良い。だがテメェはそのデッキを使えと言われたから使ってるだけだろうが!」

 

クロウ・ホーガンとクロウ・ゴーストの違い。その最も大きいのはこれだろう。クロウは自らが望んだからこそ闘っている。シティで暮らす仲間や子供達を守りたいから闘い、『BF』が好きだから使っている。仲間以前に自分自身が望んだからここにいる。

 

だが、クロウ・ゴーストにはそれがない。自分の意志もなく、そうしろと言われたから闘い、使えと言われたから『BF』を使い、自分自身の意志で何かをしたいと思った事もない。

そこには大きな壁がある。いくら性能を上げても決して埋まらぬ差が。

 

ジャック・Dにはそれがあった。自分自身の意志が。彼はジャック・アトラスの偽物であったが、同時に本物のジャック・アトラス・Dだった。

ジャック・Dとクロウ・ゴーストは偽物同士。そこに違いはない?否、違うのだ。

 

「俺が俺である理由……そんなもの、教えてもらって……」

 

「それは教えてもらうもんじゃねぇ。自分で見つけるもんなんだよ」

 

ジャックは己の偽物と闘った訳じゃない。ジャック・アトラス・Dと言う1人のデュエリストと闘った。

ただの偽物ではなく、ジャック・Dだからこそ1度敗北したのだ。ただの偽物ごときに、誰かも分からぬ者に、クロウは負けない。

 

「墓地へ送られた『絶対王バック・ジャック』の効果でデッキトップを操作するぜ!」

 

「~~~ッ、ターンエンドだ!」

 

「バック・ジャックを除外しデッキトップの罠をセットだ」

 

クロウ・ゴースト LP900

フィールド『BFー孤高のシルバー・ウィンド』(攻撃表示)

『強欲なカケラ』セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!『BFー精鋭のゼピュロス』を召喚!」

 

BFー精鋭のゼピュロス 攻撃力1600

 

現れたのはエルフェン達と同じく嘴の被り物を被り、強固な鎧を纏った鳥人。攻撃力は1600。準アタッカークラスと決して高くないが、このカードの強みは別の所にある。

 

「『黒い旋風』の効果でデッキからゲイルをサーチ、特殊召喚する!」

 

BFー疾風のゲイル 攻撃力1300

 

「ゲイルの効果発動!シルバー・ウィンドの攻守を半分にする!」

 

BFー孤高のシルバー・ウィンド 攻撃力2800→1400

 

「レベル4のゼピュロスに、レベル3のゲイルをチューニング!黒き旋風よ、天空に駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!『BFーアーマード・ウィング』!」

 

BFーアーマード・ウィング 攻撃力2500

 

シンクロ召喚、クロウのフィールドに現れたのは鳥獣と言うには余りにも生物感のない、機械族と思ってしまうような2足歩行の黒い機械鳥。

漆黒に煌めく美しいボディに頭部の嘴の中で赤のマシンアイが怪しく輝く。

『BF』の中で、クロウが最も信頼し、長い間連れ添って来たシンクロモンスターだ。

 

「『レッド・ミラー』を回収。墓地の『ギャラクシー・サイクロン』を除外して『強欲なカケラ』を破壊!バトル!アーマード・ウィングで攻撃!ブラック・ハリケーン!」

 

「アクションマジック、『ダメージ・バニッシュ』!戦闘ダメージを0に!」

 

「こっちもアクションマジック、『セカンド・アタック』!アーマード・ウィングに2回目の攻撃権を与える!ダイレクトアタックだ!」

 

「罠発動!『フェイク・フェザー』!手札の『BF』を墓地に送り、お前の墓地に存在するカード、『リジェクト・リボーン』の効果をコピーする!」

 

「ッ、こいつは……!」

 

クロウ・ゴーストのマシンアイが音を鳴らし、クロウの墓地のカードを捉える。『リジェクト・リボーン』。このカードはクロウのカードではない。『モンスター・ゲート』により、ジャックのデッキから落とされたカードだ。

クロウがジャックのカードを利用したように、クロウも墓地のカードを利用して来た。しかもこちらは、相手のカードを。

 

「相手のダイレクトアタック時、墓地のシンクロモンスター、『ABFー五月雨のソハヤ』と『シンクローン・リゾネーター』を特殊召喚する!」

 

ABFー五月雨のソハヤ 守備力2000

 

シンクローン・リゾネーター 守備力100

 

『BF』専用の『墓荒らし』のような効果。トリッキーな罠カードを前に、クロウの猛攻が遮断される。『リジェクト・リボーン』の効果で蘇生したモンスターの効果は無効化されるが、素材として使用するなら問題はない。

 

「ターンエンドだ」

 

クロウ・ホーガン LP800

フィールド『BFーアーマード・ウィング』(攻撃表示)

『黒い旋風』セット1

手札1

 

サーキットを駆け抜ける黒と白のDーホイール。本物と偽物のデュエリスト。

自分を持たぬ敵を相手に、クロウは自分を武器に優勢に立つ。

そんな中、クロウ・ゴーストは冷静さを欠き、己のアイデンティティーに大きく苦悩する。このまま彼は負けるのか、それとも。




まさかアームド・ドラゴンが強化されるとは……効果がサンダーを意識しまくってて面白いですね。
こう言うの見るとつい作中で使いたくなります。万丈目さんや沢渡さんはデュエル構成も楽しいですし。

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