榊 遊矢はシティを駆ける。赤いDーホイールで仲間の下へと。焦る想いを胸に疾走する。
あの後とんずらをこいたバレットから告げられた情報、それは遊矢を深く安心させたが――今は何故か、それとは別件で嫌な予感がする。
締め付けられるような感覚。この感覚には覚えがある。
あの時――ユートとユーゴがデュエルしている時。そして『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』が生み出された時のような感覚。自分が自分じゃなくなるような、理性と本能の境界が溶けてなくなるような感覚が遊矢を襲う。
胸が痛い位早鐘を打つ。頭が痛い位警報を鳴らす。
何故だが分からないが、このシンクロ次元に来て友となった少年に危機が迫っている気がする。
「ユーゴ……!」
そして、遊矢のこの直感は当たっていた。最短距離で自らの勘が告げる、ユーゴの下へと辿り着くだろう道筋を進み――彼は悲劇をその目にする。
着いたのはシティの外れにある、誰にも使われず、苔や植物が生えた廃墟。
その中で、三人の人物がいた。
1人は彼の知らない少年。遊矢、ユート、ユーゴと似た顔立ちをしており、恐ろしい竜を引き連れた紫の軍服を纏った少年。その右眼からは紅い光が漏れ出しており、その光を目にした途端、ズキリと遊矢の左眼が疼く。
次に目にしたのは柚子と似た顔立ちの少女。白いフードつきのマントとライダースーツを纏い、ふんわりとした緑の髪からアホ毛を伸ばしたリンだ。
そんな彼女が涙を流し、抱き着いて必死に肩を揺らしている少年こそ、探し求めた人物。ユーゴだ。その姿はボロボロに傷ついていて。
「ッ、ユーゴッ!」
嫌な予感が的中してしまった。遊矢は急いでDーホイールかれ飛び降り、ユーゴの下へと駆ける。彼の声にリンと軍服の少年、ユーリが目を見開いて遊矢に視線を移す。
「っ、遊矢……遊矢ぁ……!ユーゴが、ユーゴがぁっ……!」
目尻から大粒の涙を流し、言葉足らずながら遊矢に助けを求めるリン。遊矢も彼女の感情を剥き出しした表情を見て記憶が戻っているのかと戸惑うも、それよりもと頷き返し、ユーゴに視線を落とし、表情を歪める。
かなり酷い状態だ。身体中火傷だらけ、ライダースーツも所々破けている。流血もあり、かなり痛々しい。
「リン……ユーゴを俺のDーホイールに運ぶ。君はそのまま病院へ、俺は……」
そのまま遊矢は視線を横にして、目の前で殺気かと思う程の闘気を送るユーリを見据える。
「クク……忘れられてるのかと思ったけど、そうでもないみたいだねぇ」
「お前が、ユーゴを……!」
遊矢はユーリの姿を捉え、目を細める。怒りはあるが、冷静だ。遊矢の理性の強さもあるが、目の前の少年がそうさせる。
彼の放つ圧倒的な闘気。ユーゴを下したとあって強烈だ。間違いなく黒コナミやそのレベルに比肩する実力者。
少なくとも――遊矢にとって、格上の相手だ。
「今日は本当にラッキーだ。僕はユーリ、君、名前は?」
「……榊 遊矢」
「遊矢、良い名前だ。ユーゴだけじゃなく、2人目、遊矢にも会えるなんてねぇ。3人目もこの次元にいるのかな?何にせよ、君を倒せば、僕は更なる高みへ、より完成へ近づける訳だ」
「完成……だと……?」
「だけど、今日はやめておこう」
「ッ、逃がすと思っているのか!?」
「負けると分かっているのに?」
「……そんな事、分からない」
とは言ってみたものの、勝てるビジョンが全く沸かない。勝つ、ではなく、分からないと言ったのが証拠だ。
遊矢の実力は決して低くない。むしろ高い方だ。このシンクロ次元で多くのデュエリストとぶつかり成長して来た。
ジャック・アトラス、シンジ・ウェーバー、セルゲイ・ヴォルコフ、バレット。この短い期間で強者を倒した事により、デュエルの密度は濃くなっている。
しかし、それでも勝てない。これが数分前なら話は変わっただろう。数分前のユーリが相手なら、互角に渡り合えたかもしれない。
今のユーリは遊矢と互角レベルの実力を持つユーゴを下した事で、格段に進化したのだ。当たり前の事だ。遊矢も成長したように、ユーリもまた、成長している。一矢報いる事は出来ても、それまでだ。
「デュエルは終わるまで分からない!勝てる勝てないじゃない!俺はここで、お前を倒さなきゃいけないんだ!」
「フフ、良いねぇ……その気になっちゃいそうだよ。でも駄目だ。ユーゴとのデュエルが余りにも濃厚過ぎて胃もたれしてるみたいでね。これ以上は僕も不味い」
「だったら尚更だな!」
「止せ……遊矢……!」
尚もユーリに食い下がる遊矢の背に、予想外の人物から声がかかり、遊矢は振り返って驚愕の表情を浮かべる。
当然だ。声をかけたのは、ユーゴだったのだから。彼はリンに肩を預け、支えられながら遊矢だけに視線を合わせる。
「ユーゴ……!」
「……ふぅん?もう残りカスって感じだね。何時消えてもおかしくないのに……正直びっくりだよ。タフなもんだ」
「ッ!」
ギリッ、ユーリの一言に遊矢は表情を歪め、歯軋りを鳴らす。彼の他人事のような、罵倒するような口調もそうだが、もう、ユーゴは間に合わないと理解してしまったからだ。
怪我の状態ではない。前回、ユートとユーゴがデュエルした後のように、彼の存在そのものが消えてしまうのだ。
もしかすればユートのように復活するのかもしれないが、確証はない。
「失せなユーリ。テメェの顔を見ながら消えるなんてクソ食らえだ」
「負け犬の癖に偉そうだね君。まぁ良いよ、最期の願いだ。叶えてあげよう。じゃあね遊矢。また会おう、その時まで……どうか強くなってくれよ?」
ヒラヒラと手を振り、ユーリはデュエルディスクの次元移動装置を起動、リンにも見向きもせず、去っていく。
交わる遊矢の左眼とユーリの右眼。視線がぶつかり、両者は互いの胸に互いの名を刻む。何時か、2人は必ずどこかで激突するであろう事を予感して。
ユーリが素直に立ち去ったのは、ユーゴとの闘いで大きく消耗したのもあるが、最後まで彼は遊矢達にその事を悟らせなかった。
「……行ったか……ぐ……!」
「ユーゴ!」
「ッ、無茶するなユーゴ、早く病院へ……」
「そんな、隙はねぇ……!」
脇腹を抑え、眉を寄せるユーゴを見て、遊矢が駆け寄り、リンと共に心配をかける。が、ユーゴは彼等をはねのけ、自身のDーホイールまで歩み、背を預け、遊矢を睨む。
「自分の事は自分が一番分かってら……俺はこのまま、消えちまう。ユーリが言ったようにな」
「そんな……!」
両手で口を抑え、泣きそうな顔になるリン。現実離れした話だが、ユーリとのデュエルの後だ。ユーゴの真剣な表情も相まって信じざるを得ない。
「だけどその前に……」
「……まさか」
「察しが良くて助かるね……遊矢……俺と、デュエルしろ」
叩きつけられる友からの挑戦状。その余りにも突然の話を聞き、2人が更に驚く。
「何を……何を言ってるんだお前は!?そんな状態のお前とデュエルなんて、ふざけるのも大概にしろ!」
「そうよ何で……何で今……っ!」
「今だからだ。今しかねぇからだ。もう俺に残された時間は後僅か。その時間全部、テメェにくれてやる遊矢。本当はリンにやりてぇんだがな……感謝しろよ」
ユーゴはあくまで真剣だ。真剣に、残された時間を遊矢に捧げようとしている。その理由は、遊矢も分かっている。分かっているが――。
「俺はユーリと闘った。だから分かる。アイツと決着をつけるとしたら、お前かユートしかいねぇ。けど、ユートの奴はここにはいねぇし、任せるのは気に食わねぇ。だから……お前に任せる。その為に、ユーリと闘った俺を倒せ。俺を倒して、強くなれ。それ位出来なきゃ、お前はアイツに勝てねぇ」
理屈は分かる。分かってしまう。だけど、それではあんまりではないか。こんなボロボロなユーゴき、大切な友を相手に、まるで死人に鞭を打つような事をしなければならないなんて。
「同情なんていらねぇぞ。腑抜けてんじゃねぇぞ遊矢!お前、キングになるんだろ!このシティを1つにして、笑顔にすんだろ!?ユーリに食い下がった癖に俺には無理ですってか!?怪我がどうのなんて言うんじゃねぇぞ!この位唾つけりゃ何とかなんだよ!むしろ丁度良いハンデだ、来いよ遊矢。テメェの根性、叩き直してやる!」
「ユー……ゴ……」
「周りの事が気になるのは分かるさ……だが、俺を倒せねぇテメェに、誰かを助けられるとは思えねぇ」
ユーゴの事、今のシティの事。迷う遊矢に対し、ユーゴは敢えて突き放すような態度を取る。不器用なユーゴなりの叱咤だろう。幼馴染みであるリンはその事に気づき、覚悟を決める。ユーゴの覚悟に応える覚悟を。
「……闘ってあげて、遊矢」
「リン……?」
「こうなったら……1度決めたら、こいつ、意地でもやり通すんだから」
困ったように、その上でどこか誇らし気に彼女は笑う。男が闘うと決めたなら、それを見守り、待っているのもイイ女と言うものだ。何故なら、こんなにも待つ事は辛い事なのだから。
2人の絆を見て、遊矢もまた決心する。ユーゴと言う、目の前のデュエリストと正面から向き合う事を。
「……分かった、男と男の勝負だ、ユーゴ。本気で行くぞ!」
「へへっ、そう来なくちゃな!お前とは1度闘ってみたかったんだ!最高のエンタメデュエルを頼むぜ!」
「言っておくけど、私も乗るからね。文句なんて言わせないから。今のアンタ1人じゃ危なっかしいわ」
「そいつは良い……勝利の女神がついてんだ。負ける訳がねぇ」
ユーゴとリンが、遊矢が互いのDーホイールに搭乗し、遊矢がアクションフィールドを発動する。
ライディングデュエルはユーゴが、アクションデュエルは遊矢が、互いが最も得意とする2つを合わせたこれなら全力でぶつかれると判断しての事だ。
辺り一面が光の粒子に包まれ、カードが散らばっていく。『クロス・オーバー・アクセル』。2つの次元のデュエリストが、スピードの世界で交差する。
「「ライディングデュエル、アクセラレーション!!」」
Dーホイールが唸り声を上げて、一気に飛び出す。ライディングデュエルを得意とするユーゴならば最近始めたばかりの遊矢に負ける筈がないが――ズキリと脇腹が痛み、スピードが緩む。
「ユーゴ……!」
「安心しな、事故は起こさねぇよ……説得力ねぇか」
不本意ながら先攻を取った遊矢がデッキから5枚のカードを引き抜く。相手はユーゴだ。満身創痍とは言え、油断は出来ないし、怪我を理由に手を抜く等、男として、友として、デュエリストとしてしたくない。置き去りにする勢いで行く。
「俺のターン!『EMギタートル』と『EMユーゴーレム』でペンデュラムスケールをセッティング!」
「融合じゃねぇ!ユーゴだ!ッテテ……!」
ユーゴでは無く、ユーゴーレムである。何時も通りの突っ込みをするユーゴであるが、この時ばかりは的外れだ。
リンはユーゴに対し、やや冷たい視線を向けた後、遊矢のDーホイールに追従するように現れた光の柱を見つめる。
中にギターの形状をした亀とU字をした命持つ岩石が出現、天空に光の線を結び、魔方陣を描き出す。これが遊矢の得意とするペンデュラム。こうして直に見るのは初めてか。
「気を抜くんじゃないわよユーゴ!蹴っ飛ばすからね!」
「分かってらぁ!へっ、おちおち出来ねぇな、こいつは……」
「ギタートルのペンデュラム効果で1枚ドロー!」
榊 遊矢 手札3→4
「魔法カード、『手札断殺』!互いに手札を2枚捨て、2枚ドロー!そしてこれでレベル2から5のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!『EMヘイタイガー』!『EMギッタンバッタ』!」
EMヘイタイガー 攻撃力1700
EMギッタンバッタ 守備力1200
魔方陣に孔が開き、中から2本の光が降り注ぎ、フィールドを激震、晴れて遊矢の仲間が姿を現す。
赤い軍服を纏った虎の兵士とシーソーのようなバッタだ。
「カードを1枚セット、ターンエンドだ」
榊 遊矢 LP4000
フィールド『EMヘイタイガー』(攻撃表示)『EMギッタンバッタ』(守備表示)
セット1
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札0
「未来のキング様への挑戦だ、全力で行くぜ!」
「フフ、もうこの際勝っちゃいなさい、ユーゴ!」
「最初から負ける気なんてねぇよ!俺のターン、ドロー!」
互いに軽口を交わせながら、士気を高めるユーゴとリン。デッキトップから1枚のカードを引き抜き、前方を走る遊矢を睨む。
「行くぜ遊矢!『SRアクマグネ』を召喚!」
SRアクマグネ 攻撃力0
ユーゴの手札から飛び出したのは磁石の悪魔。固いギッタンバッタ相手なら充分に適したモンスターだ。
「アクマグネの効果!このカードとギッタンバッタで風属性シンクロモンスターをシンクロ召喚する!」
「そう処理して来たか……!」
相手モンスターを利用してのシンクロ召喚、ユーゴらしいトリッキーな戦法だ。そして予想外でもある、1ターンに1度の戦闘耐性を持ち、優れた壁として機能するギッタンバッタがこうも簡単に破られるとは。
「レベル4のギッタンバッタに、レベル1のアクマグネをチューニング!その躍動感溢れる剣劇の魂。出でよ、『HSRチャンバライダー』!」
HSRチャンバライダー 攻撃力2000
シンクロ召喚、遊矢のペンデュラムに対抗するように、ユーゴ得意の召喚法が炸裂、ギッタンバッタを1つのリングとなって弾け飛ぶアクマグネが包み込み、光の矢がリングごとギッタンバッタを撃ち抜く。5つの星が明滅し、1体のモンスターの姿が浮き彫りとなる。
日本刀を模したバイクの下半身を持った、二刀流の侍。ユーゴのDーホイールを抜き去り、遊矢の隣で並走、居合いの構えを取り、ヘイタイガーを狙う。
「バトル!チャンバライダーでヘイタイガーは攻撃!この瞬間、チャンバライダーの攻撃力は200アップする!」
HSRチャンバライダー 攻撃力2000→2200
榊 遊矢 LP4000→3500
「ヘイタイガー……!」
ヘイタイガーが戦闘の意志を示すチャンバライダーに対し、腰からサーベルを引き抜いて応戦。至近距離で互いの刃を振るい、激しい剣戟の音が響き渡る。
チャンバライダーが振るう右手の刃をヘイタイガーのサーベルが防ぎ、空いた手に持った長銃の引き金が引かれ、胸元に吸い込まれるように飛ぶ。
しかし、突如動きが速くなったチャンバライダーが左手の刃で弾丸を切り裂き、そのままヘイタイガーに突きを放つ。
だがヘイタイガーも負けてはいない。驚きつつも虎の牙で刃に食らいつき止める。
互角の勝負。そう思われた時、チャンバライダーが腰を浮かせ、第3の刃、日本刀バイクで燕返しを放ち、ヘイタイガーを真っ二つに斬り、光の粒子に変える。
「チャンバライダーは1度のバトルフェイズに2度攻撃出来る。食らいな遊矢っ!」
「まだだ、速攻魔法、『イリュージョン・バルーン』!俺のモンスターが破壊されたターン、デッキトップから5枚を捲り、その中から『EM』1体を特殊召喚する!来い、『EMゴムゴムートン』!」
EMゴムゴムートン 守備力2400
しかし光の粒子は遊矢のフィールドで逆巻き、グルグルと回転、球状となった後に弾け、嵐となって吹き荒ぶ。そして中より5つの風船が出現、視界を覆い尽くす。
チャンバライダーが斬擊を飛ばし、パァンと音を鳴らして割ると、中よりゴム質の毛を持った羊が登場。壁となって遊矢を守る。
「2回目の攻撃を行い、チャンバライダーの攻撃を上げておくぜ」
HSRチャンバライダー 攻撃力2200→2400
倒せはしないが、チャンバライダーの攻撃は無駄にならない。攻撃を続け、チャンバライダーを強化するユーゴ。冷静な判断だ。
「さて、カードを5枚セット、ターンエンドだ!」
「全伏せ!?」
何とここで5枚のカードをセット、これは遊矢も予想外。目を見開いて驚く。
ユーゴ LP4000
フィールド『HSRチャンバライダー』(攻撃表示)
セット5
手札0
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『地砕き』!チャンバライダーを破壊!」
「カウンター罠、『魔宮の賄賂』!魔法、罠の発動を無効にし、破壊。相手は1枚ドローする!」
榊 遊矢 手札0→1
「『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」
EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800
「召喚時効果で『EMペンデュラム・マジシャン』を――」
「カウンター罠、『無償交換』!今度はモンスター効果の発動を無効にし、破壊。相手は1枚ドローする!」
「くっ、両方かよ……!」
榊 遊矢 手札0→1
「永続魔法、『補給部隊』を発動!ペンデュラム召喚!『EMドクロバット・ジョーカー』!」
EMドクロバット・ジョーカー 守備力100
遊矢のデッキのキーカード。継ぎ接ぎだらけのシルクハットと燕尾服を纏い、黒い仮面を被った道化師、ドクロバット・ジョーカーが登場するも、得意のマジックを披露する前にフィールドから追い出される。再度登場するも、ドクロバット・ジョーカーの効果は召喚時のみ。ポケットの中に何も入っていない事、マジックの種がない事を明かし、肩をすくめる。
「ターンエンドだ」
榊 遊矢 LP3500
フィールド『EMドクロバット・ジョーカー』(守備表示)『EMゴムゴムートン』(守備表示)
『補給部隊』
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札0
「俺のターン、ドロー!おいおいどうした?その程度かよ遊矢ぁ!フィールド魔法、『チキンレース』!LPを1000払い、ドロー!」
ユーゴ LP4000→3000 手札0→1
「今度は魔法カード、『成金ゴブリン』だ!相手のLPを1000回復させる代わりにドロー!」
榊 遊矢 LP3500→4500
ユーゴ 手札0→1
「3枚目、魔法カード、『一時休戦』!互いにドロー、次のターン終了までダメージを0に!」
ユーゴ 手札0→1
榊 遊矢 手札0→1
「『SRシェイブー・メラン』を召喚!」
SRシェイブー・メラン 攻撃力2000
召喚と共にユーゴの手に巨大なブーメランが出現、フィールドに投擲すると音を立てて変形、刃を煌めかせるロボットと化す。
「バトル!チャンバライダーでゴムゴムートンへ攻撃!」
「ゴムゴムートンの効果で戦闘破壊を――」
「逃がさねぇよ!永続罠、『追走の翼』!チャンバライダーに戦闘、効果破壊耐性を与え、レベル5以上のモンスターと戦闘を行う際、ダメージステップ開始時に破壊!攻撃力をターン終了まで吸収する!おっと、チャンバライダーの攻撃力アップ効果も忘れずにな!」
HSRチャンバライダー 攻撃力2400→2600→3500
「『補給部隊』の効果でドロー!」
榊 遊矢 手札1→2
「返しの刃もあるぜ!やれ、チャンバライダー!ドクロバット・ジョーカーを攻撃!」
「チィッ!」
HSRチャンバライダー 攻撃力3500→3700
二刀流の剣技が炸裂し、ゴムゴムートンとドクロバット・ジョーカーが容易く撃破されてしまう。神速とも言える連擊。遊矢が減速し、ユーゴと並ぶ。
「来な、遊矢。テメェの本気、見せてみろよ」
クイクイと指先で遊矢を挑発するユーゴ。これではどちらが怪我人か分からない。とんでもないタフさだ。
ユーゴ LP3000
フィールド『HSRチャンバライダー』(攻撃表示)『SRシェイブー・メラン』(攻撃表示)
『追走の翼』セット2
『チキンレース』
手札0
「俺のターン、ドロー!この野郎……!ちょっとは大人しくしろ!墓地の『ギャラクシー・サイクロン』の効果発動!このカードを除外し、『追走の翼』を破壊!ペンデュラム召喚!『EMドクロバット・ジョーカー』!『EMゴムゴムートン』!『EMボットアイズ・リザード』!」
EMドクロバット・ジョーカー 守備力100
EMゴムゴムートン 守備力2400
EMボットアイズ・リザード 守備力1200
再び揺れ動くペンデュラム。遊矢のエクストラデッキの2枚、そして手札にある1枚のカードが天空の魔方陣へと光となって吸い込まれ、孔が開き、フィールドに降り注ぐ。
チャンバライダーとシェイブー・メランから遊矢を守るように現れるモンスター達。道化師にゴムの羊。モノクルをかけたリザードと実に個性豊かだ。
「ボットアイズ・リザードの効果!このカードを召喚、特殊召喚したターンのメインフェイズに1度、デッキから『オッドアイズ』モンスターを墓地に送り、そのモンスターの名前を得る!俺は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を選択!」
「む……!」
「『EMトランプ・ウィッチ』を召喚!」
EMトランプ・ウィッチ 攻撃力100
今度はドクロバット・ジョーカーと対となるようにデザインされたトランプのマークを各所に散りばめたドレスを纏い、ステッキを持った幼い魔女。これでピースは揃った。
「トランプ・ウィッチをリリースし、デッキから『置換融合』をサーチ!」
「痴漢ユーゴ……最低ね」
「ち、違っ!遊矢が勝手にっ……!てか融合じゃねぇ、ユーゴだ!」
遊矢が手札に加えたカードを見て、リンが冷ややかな眼差しをユーゴに浴びせ、ユーゴが少しずつドキリとしながら弁明を始める。正直遊矢にとってはどうでも良い。
「発動!フィールドの『オッドアイズ』と化したボットアイズ・リザードとドクロバット・ジョーカーで融合!融合召喚!出でよ、秘術ふるいし魔天の龍!『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」
ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000
融合召喚、遊矢の背後に青とオレンジの渦が広がり、2体のモンスターが中にて溶け合い、1体の竜となって宙を駆る。魔を封じ込めた眼を金属で覆い隠し、背に満月を思わせるリングを伸ばした真紅の竜。ズシンと地に降り立ち咆哮、チャンバライダーを睨む。
「ユーゴーレムのペンデュラム効果!自分フィールドにモンスターが融合召喚された場合、エクストラデッキ、または墓地のペンデュラムモンスターの中から『オッドアイズ』、『EM』、『魔術師』の内1体を回収する!ここは『EMドクロバット・ジョーカー』を回収しようか」
「面倒なのが渡りやがったな……!」
「バトル!ルーンアイズでシェイブー・メランへ攻撃!」
「づぁっ……!」
「しっかりしないさいユーゴ!」
「分かって、らぁ!」
ルーンアイズの背のリングに2ヶ所、光が灯り、その内の1つが一直線に伸び、シェイブー・メランを撃つ。攻撃力3000のモンスターの攻撃だ。重く、ユーゴに響く。
「レベル4以下魔法使い族のモンスターを使用した事でルーンアイズは2回攻撃が可能!チャンバライダーへ攻撃!連擊のシャイニーバースト!」
「それでもっ、チャンバライダーは自身の効果で攻撃力を上げ、3000となる!よってこのバトルは……!」
「相撃ち、だぁっ!」
HSRチャンバライダー 攻撃力2800→3000
ゴウッ、ルーンアイズが発射した光線とチャンバライダーが両の刃を合わせた斬擊がぶつかり合い、大爆発。互いのモンスターが壁となり、2人へのダメージを防ぐ。
豪快な戦法だ。折角召喚したルーンアイズを失ってまでチャンバライダーを破壊して来た。
「『補給部隊』の効果でドロー!」
榊 遊矢 手札2→3
「更に『置換融合』を除外し、ルーンアイズをエクストラデッキに戻し、ドロー!」
榊 遊矢 手札3→4
「LPを1000払い、『チキンレース』を破壊」
榊 遊矢 LP4500→3500
「カードを1枚セット、ターンエンドだ」
榊 遊矢 LP3500
フィールド『EMゴムゴムートン』(守備表示)
『補給部隊』セット1
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札3
「俺のターン、ドロー!誰がここまでやれと言ったよ……!チクショウが」
「あらユーゴ、諦めるの?」
「へっ、馬鹿言うな!こんなカッコ悪いまま終われっかよ!とは言えヤバいな……ここは守りに徹するか、カードを1枚セット、ターンエンドだ!」
ユーゴ LP3000
フィールド
セット3
手札0
「俺のターン、ドロー!『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」
EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800
「効果発動!」
「罠発動、『もの忘れ』!このターン、ドクロバット・ジョーカーの効果を無効にし、守備表示に変更!」
「やるな……!だけど……これはどうかな?チェーンして速攻魔法発動!『ディメンション・マジック』!ドクロバット・ジョーカーをリリースし、手札の『降竜の魔術師』を特殊召喚!」
降竜の魔術師 攻撃力2400
ドクロバット・ジョーカーが棺のような装置に閉じ込められ、幾つもの鎖が巻きつき、締め付けて破壊する。次の瞬間、中から飛び出したのは竜の血をその身に宿す『魔術師』だ。
「『降竜の魔術師』の効果でこのカードをドラゴン族に変更!ゴムゴムートンと共にリリース!出でよ!野獣の眼光りし獰猛なる龍!『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」
ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000
そしてルーンアイズに続き、融合『ペンデュラム・ドラゴン』がフィールドに呼び出される。獣骨の鎧と青い体毛を纏う野性の竜。大型モンスターの連続にユーゴの頬が引き吊る。
「この召喚は融合召喚じゃない為、ユーゴーレムのペンデュラム効果は使えない。ペンデュラム召喚!『EMドクロバット・ジョーカー』!『EMゴムゴムートン』!」
EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800
EMゴムゴムートン 守備力2400
「バトル!ビーストアイズでダイレクトアタック!ヘルダイブバースト!」
「させっかよぉ!罠発動!『リジェクト・リボーン』!バトルフェイズを終了し、墓地のシンクロモンスターとチューナーを効果を無効にし、蘇生!来い、チャンバライダー、アクマグネ!」
HSRチャンバライダー 守備力1000
SRアクマグネ 守備力0
「止めるか……ターンエンドだ!」
榊 遊矢 LP3500
フィールド『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『EMドクロバット・ジョーカー』(攻撃表示)『EMゴムゴムートン』(守備表示)
『補給部隊』セット1
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札1
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『強欲で金満な壺』!エクストラデッキから6枚のカードを除外し、2枚ドロー!」
ユーゴ 手札0→2
「チャンバライダーを攻撃表示に変更し、魔法カード、『ハイ・スピード・リレベル』!墓地のシェイブー・メランを除外、除外したシェイブー・メランのレベル×500の攻撃力をチャンバライダーに加え、レベルはシェイブー・メランと同じになる!」
HSRチャンバライダー 攻撃力2000→4000 レベル5→4
「バトル!チャンバライダーでドクロバット・ジョーカーへ攻撃!」
ゴムゴムートンが存在する限り、ビーストアイズを狙おうと戦闘破壊を防がれる。ならばよりダメージを与える為、ドクロバット・ジョーカーを討とうとするも、ドクロバット・ジョーカーは余裕の表情を浮かべ、クルリと自身のシルクハットの奥を見せるように持つ。
不味い、ユーゴの直感が警報を鳴らす。
「罠発動!『魔法の筒』!その攻撃を無効にし、チャンバライダーの攻撃力分のダメージを与える!」
斬擊がシルクハットの中へ吸収、ギュルリと渦巻き、跳ね返される。そのダメージは実に4000、一撃でゲームエンドとなる数値だ。攻撃反応系と言うのはタイミングが限定される為、デッキから抜かれる事が多いが――だからこそ、この奇襲のような形で活かされる。
「ユーゴ!何とかなさい!」
「やる事えげつねぇよアイツ。罠発動、『ピケルの魔法陣』!このターンの効果ダメージを防ぐ!」
「防いだか……」
「心臓に悪いぜ全く……」
「こっちの台詞よ……遊矢って意外と容赦無いわよね」
「敵味方問わずに笑顔にして来る奴だからな。オラ笑顔になれやって」
「風評被害だ!」
やや誇張が入った自身の評価に文句を言う遊矢。間違ってはいない気がする。
「カードを1枚セット、ターンエンドだ。チャンバライダーの攻撃力は元に戻る」
ユーゴ LP3000
フィールド『HSRチャンバライダー』(攻撃表示)『SRアクマグネ』(守備表示)
セット1
手札0
「俺のターン、ドロー!バトル!ビーストアイズでチャンバライダーへ攻撃!」
「永続罠、『強制終了』!アクマグネを墓地に送り、バトルフェイズを終了させる!」
「ハハッ、そう来なくちゃな!カードを1枚セット、ターンエンドだ!」
榊 遊矢 LP3500
フィールド『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『EMドクロバット・ジョーカー』(攻撃表示)『EMゴムゴムートン』(守備表示)
『補給部隊』セット1
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札1
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『マジック・プランター』!『強制終了』を墓地に送り、2枚ドロー!」
ユーゴ 手札0→2
「悪かねぇ、速攻魔法、『魔力の泉』!テメェのフィールドに存在する表側表示の魔法、罠は4枚!よって4枚ドローし、俺のフィールドに存在する表側表示の魔法、罠、2枚分を捨てる!」
ユーゴ 手札1→5→3
「『SRーOMKガム』を召喚!」
SRーOMKガム 攻撃力0
現れたのはレベル1のチューナー。基本、打点の低い『スピードロイド』においてギャンブル性があるとは言え重宝するカードだ。ガムの箱の状態から変形、ロボットとなってポーズを決める。
「レベル5のチャンバライダーに、レベル1のOMKガムをチューニング!十文字の姿持つ魔剣よ、その力で全ての敵を切り裂け!シンクロ召喚!現れろ、『HSR魔剣ダーマ』!」
HSR魔剣ダーマ 攻撃力2200
現れたのはけん玉の姿を模した魔を宿す剣。凄まじい速度でフィールドを駆け、ユーゴに並走する。
「チャンバライダーが墓地に送られた事で、除外されたシェイブー・メランを回収。OMKガムの効果でデッキトップを墓地に送る。『スピードロイド』モンスターだ。よってダーマの攻撃力は1000アップする!」
HSR魔剣ダーマ 攻撃力2200→3200
「ビーストアイズの攻撃力を超えた……!」
「そうやって誘導しようったって無駄だぜ。ダーマの効果でアクマグネを除外し、500のダメージを与える!」
榊 遊矢 LP3500→3000
「バトル!ダーマでドクロバット・ジョーカーへ攻撃!」
「手札の『EMバリアバルーンバク』を捨て、戦闘ダメージを0に!『補給部隊』の効果でドロー!」
榊 遊矢 手札0→1
「ここで防ぐかねぇ。カードを2枚セット、ターンエンドだ!」
ユーゴ LP3000
フィールド『HSR魔剣ダーマ』(攻撃表示)
セット2
手札1
「俺のターン、ドロー!ゴムゴムートンをリリース、アドバンス召喚!『EMダグ・ダガーマン』!」
EMダグ・ダガーマン 攻撃力2000
現れたのは短剣を持った奇術師のような出で立ちのモンスター。攻撃力は2000、中々のものだがダーマには敵わない。
「魔法カード、『置換融合』!フィールドのビーストアイズとダグ・ダガーマンで融合!融合召喚!現れ出でよ!気高き眼燃ゆる獰猛なる龍!『ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」
ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000
3連続融合。最早ユーゴへの嫌がらせかと疑うレベルで融合を行う遊矢。魔天と野獣の竜に続き、炎を掻い潜って現れたのは勇者の竜。『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を正当進化させたような逞しい四肢と雄々しい角が特徴的なモンスターだ。効果も実に強力、これ1枚でデュエルに決着をつけるポテンシャルを持っている。
「融合召喚時、お前のモンスターの攻撃力を0にする!ユーゴーレムのペンデュラム効果でエクストラデッキから『EMドクロバット・ジョーカー』を回収!」
「次から次へと……!」
HSR魔剣ダーマ 攻撃力3200→0
「まだだぜ!墓地の『置換融合』を除外し、ビーストアイズをエクストラデッキへ戻し、ドロー!」
「永続罠、『便乗』!そいつを待ってたんだ。テメェがドローフェイズ以外でドローした場合に発動し、次からドローフェイズ以外でドローする度、俺はそれに『便乗』し、2枚ドローする!」
榊 遊矢 手札1→2
「成程、刺さりそうなカードだ……!ペンデュラム召喚!『EMダグ・ダガーマン』!『EMゴムゴムートン』!」
EMダグ・ダガーマン 攻撃力2000
EMゴムゴムートン 守備力2400
「ダグ・ダガーマンがペンデュラム召喚した事で効果発動!手札の『EM』を墓地に送り、1枚ドロー!『EMギッタンバッタ』を蘇生!」
「早速来たか、『便乗』の効果でドロー!」
榊 遊矢 手札1→2
ユーゴ 手札1→3
EMギッタンバッタ 守備力1200
「バトル!ブレイブアイズでダーマを攻撃!灼熱のメガフレイムバーストッ!」
「罠発動!『王者の調和』!その攻撃を無効にし、攻撃対象となったシンクロモンスター、ダーマと墓地のチューナー、OMKガムを除外し、その合計レベルとなるシンクロモンスターをシンクロ召喚する!」
ブレイブアイズがそのアギトに大気を吸い込み、発火。巨大な火球を作り出し、撃ち出したその時、ダーマが光輝き、そのシルエットが竜を模したものに変化、火球を突き破り、天空へ飛翔する。
「合計レベルは――7!来るか!」
「へへっ、レベル6のダーマに、レベル1のOMKガムをチューニング!その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!」
ドクン、遊矢とユーゴ、2人の心臓が脈打ち、今白き影が閃光を放ち、そのシルエットが明らかとなる。
「シンクロ召喚!現れろ、『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃力2500
ミントグリーンの薄く、刃のように鋭い双翼、青と白の美しいカラーリング、ユーゴの信頼するエースモンスターが今、雄々しく咆哮する。
「フッ、やっとエンジンがかかって来たか。カードを1枚セット、ターンエンドだ、さぁ来い、ユーゴ!」
榊 遊矢 LP3000
フィールド『ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『EMダグ・ダガーマン』(攻撃表示)『EMゴムゴムートン』(守備表示)『EMギッタンバッタ』(守備表示)
『補給部隊』セット2
Pゾーン『EMギタートル』『EMユーゴーレム』
手札1
変幻自在、千変万化、凄まじい速度で成長し、次々とモンスターを繰り出すエンタメデュエリスト、榊 遊矢。
予想もつかない、何が来るか分からないびっくり箱のようなデュエルをする彼に対し、ユーゴはズキズキと痛み、今にも消え去りそうな衝動を鋼の理性で抑え込み、遊矢とリンに心配をかけぬようにニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
尤も、この笑みは自然に溢れたもの。ずっと闘いたかったライバルとのデュエルだ。楽しくて堪らない。嬉しくてしょうがない。
前方を走る彼を追うべく、更に加速、大切な少女を背に、頼れるカードと共に駆け抜け、その背へと迫る。
まだだ、まだこんな所で終われない。せめて、この待ち望んだデュエルだけは、未来のキングとのデュエルだけは、最後まで。
(もってくれよ……俺の魂……!)
何が何でも、やり抜いてみせる。
「お楽しみは、これからなんだからよぉ!」