遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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第144話 これからが本当の勝負!

暗き夜空、弧を描く黄金の三日月の輝きの下、恐ろしい魔王城の迷宮と化したサーキットにて、2人のデュエリストがD-ホイールを疾駆させ、雌雄を決するデュエルに挑んでいた。

 

1人は赤帽子を被り、同色のジャケットを羽織った少年。友の機体、重厚な黒いのボディを煌めかせ、天に反り立つ2本の山羊角を伸ばしたグラファ号Rに乗ったコナミ。

彼はチームメイトである月影、トニーの力を合わせ、何とかジャック・アトラス・Dの強力な『レッド・デーモン』モンスターを打ち倒し、続く新型の『ABF』と旧型の『BF』を合わせたハイブリッドの『BF』デッキを扱うクロウ・ゴーストも薙ぎ倒し、やっとの思いでラストホイーラーまで引き摺り出した。

 

とは言え2人の強敵を相手にした為、消耗が激しい。一番不味いのは『ジャンク・コレクター』と『エレメンタルバースト』のコンボを2度も使わされた事だ。打てるとしても後1度、しかも2度も見せているとなれば成功するかも怪しい。幸いなのはもう1つの奥の手は見せていない事か。『エレメンタルバースト』を打つとすれば、2つの奥の手が揃った時。チャンスは1度となる。それ程までにコナミは身を削られ、対する相手はジャック・Dに肩を並べる力を持つ。

 

白帽子を被り、同色のジャケットを纏った、コナミと良く似た青年。彼は先端が二又に別れた、翼を持つ戦闘機のような巨大D-ホイールに搭乗している。

白コナミ。コナミが1度完膚なきまでに叩きのめされたデュエリストだ。

スタンダード次元の舞網市から今のシンクロ次元まで、この男を越える強敵は片手で数える程しかいない。だが、全くいなかったと言う訳ではない。その代表が――鬼柳 京介。彼との闘いを経た今ならば、そして白コナミとの対決からデッキ構築を変えた今ならば、この刃は喉元まで届く。

 

グンッ、気合いを込め、アクセルをかけるコナミの背後で、白コナミがデッキより5枚のカードを引き抜く。

その光景を――治安維持局長官、ジャン・ミシェル・ロジェはモニター越しに眺めていた。

 

「さて、ラストホイーラーまで引き摺り出されたか」

 

「奴がここまで成長しているとは思わなかったが……この程度ならば充分想定内だ」

 

「複雑な気分だな。私のセルゲイを倒した男と同じ顔同士が闘い、ムカつく方を応援せねばならんとは」

 

「そう言うな、しかしまだ1回戦と言うのに、これ程デュエルエナジーが溜まるとは――」

 

「確か赤き竜とやらを引き摺り出すと言っていたな……それより柊 柚子は見つかったのか?セレナはまだデュエルエナジー増幅の為に見逃せねばならんが、彼女はもう違うだろう」

 

「柊 柚子?あぁ、忘れてない、忘れていないさ……」

 

ロジェが彼の背後で控えるプラシドと会話し、企み、根回しをするプラシドに何やら違和感を覚える。おかしい。今まで予言者染みた発言で事を進めていたプラシドであるが――彼はまるで、自らの目的を達成すれば、後の事、柊 柚子達、プロフェッサー目的等、どうでも良いように見える。

 

「……どうした?」

 

「……いや、何でもないさ。ゆっくりと観戦しようじゃないか」

 

いや、気のせいだろうとロジェはモニターに振り向く。この時、ロジェがもっと彼の本心を引き出せば――あるいは、彼等の核心に触れていたのかもしれない。

 

――――――

 

コナミ達のデュエルを観戦しているのはロジェだけではない。ここ、評議会のビルにもまた、彼のデュエルを見守る者が1人、榊 遊矢だ。

自分の試合が終わった彼は自室に戻り、部屋に備え付けられたテレビの前に座り、試合の中継を見ていた。

 

「……コナミと同じ奴……やっぱり気のせいじゃ無かったんだな……」

 

その視線の先には、白コナミ。コナミと似た容姿の青年だ。遊矢は彼のような、コナミと似た者と会い、デュエルをした事が1度だけある。1度だけ、〟コナミ〝とデュエルをしたのだ。

 

黒の召喚法、エクシーズ、『No.39希望皇ホープ』をエースとする少年、黒コナミと。

その実力は言うまでもなく強く、融合召喚も得ていなかったとは言え、完膚なきまでに叩き伏せられた。成長した今でさえ勝てるか怪しいだろう。

そして恐らく、この白コナミもまた、彼に比肩する力を持っている。コナミの実力は彼のデュエルを見て知っている。彼の実力の方は、黒コナミや白コナミと比べれば――。

 

「いや……勝てるさ。コナミは、俺がジャックと闘ってる時、俺の勝利を信じてくれたんだ……その俺が信じなくて、誰が信じるんだ」

 

この闘いが終われば、恐らく、ユートとユーゴのデュエルの時のように、どちらか一方が消えるだろうと、遊矢は確信している。

そう言う存在なのだと、何となく察しているのだ。遊矢と柚子、そしてコナミ。4つの次元で存在する彼等。それが何を意味するのかはまだ分からない。だから今は、今出来る事は、コナミの勝利を信じる事。

 

だが何故だろうか、胸騒ぎが、止まらない。遊矢の胸の奥が熱く、脈を打っている――。

 

――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ラストホイーラー、白コナミがクロウ・ゴーストが敗北した事で自動的にターンを引き継ぎ、デッキより1枚のカードを引き抜く。

彼の手札は全開の6枚、フィールドのカードは『エレメンタルバースト』によって0枚の状態、対してコナミのフィールドは『魔術師』ペンデュラムモンスターが5体、セットカードが2枚とペンデュラムが2枚。代償としてはLPが2900、まずまずの布陣だ。

だが、白コナミを全開の状態で相手取るなら、不安が残る。

 

「手札のモンスターを捨て、『クイック・シンクロン』を特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 守備力1400

 

白コナミの手札を撃ち抜き、フィールドに飛び出したのはテンガロンハットを被ったガンマン人形。煙を吹く銃に向かい、フッ、とキザに息を吐きかけ、クルクルと回転させてガンホルダーへ戻す。中々に様になっている。

レベル5のチューナー、特殊召喚も比較的容易であり、シンクロ素材にする場合、『シンクロン』チューナーの代わりとなって条件を補う、彼のデッキには欠かせないカードだ。

 

「そして墓地に送られた『ダンディライオン』の効果により、2体の『綿毛トークン』を特殊召喚する」

 

綿毛トークン 守備力0×2

 

更に『クイック・シンクロン』の両隣に顔を持った綿毛が降り立つ。これだ、手札コストさえも利用し、シンクロへ繋ぐ。『シンクロン』デッキにとって理想とも言える戦術。こう言ったものがある以上、手札コストは彼にとって有利に働くものでしかない。

 

「『デブリ・ドラゴン』を召喚」

 

デブリ・ドラゴン 攻撃力1000

 

続けて現れたのは彼のエースモンスターをミニチュア化させたようなドラゴンだ。青白い身体を持ち、翼を羽ばたかせ、フィールドに舞い降りる。

 

「召喚時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを蘇生する。来い、『ダンディライオン』」

 

ダンディライオン 守備力300

 

効果により、たんぽぽとライオンを合わせたようなモンスターが吊り上げられる。これで白コナミのフィールドには5体のモンスター。ペンデュラムも真っ青の展開力だ。これこそがこのデッキ最大の武器。

 

「レベル3の『ダンディライオン』とレベル1の『綿毛トークン』に、レベル4の『デブリ・ドラゴン』をチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500

 

シンクロ召喚――高速展開から繋ぎ、現れたのは彼のエースモンスター、彼の操るD-ホイールと同じく、白とミントグリーンの細い体躯を持った、まるで天使のような竜。星屑を纏った姿はコナミの使う『閃光竜スターダスト』と驚く程酷似している。早速エースモンスターの登場にコナミが警戒を強める。

 

「まだだ、『ダンディライオン』の効果で『綿毛トークン』を生成」

 

綿毛トークン 守備力0×2

 

「くっ――!」

 

まだ続く展開にコナミが歯を食い縛る。分かっていた事だが、面倒なものだ。

 

「レベル1の『綿毛トークン』3体に、レベル5の『クイック・シンクロン』をチューニング!集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ、『ジャンク・デストロイヤー』!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻撃力2600

 

2連続シンクロ。地を踏み砕き、降り立ったのは巨大ロボット型のモンスター。王冠のような角にX字の翼、胸に数個のコアを輝かせ、黒のボディを煌めかせる破壊神。彼のデッキの中でも特に凶悪なモンスターだ。

 

「『ジャンク・デストロイヤー』のシンクロ召喚時、チューナー以外の素材となったモンスターの数まで相手フィールドのカードを破壊する!賤竜と竜穴、セットカードを破壊!タイダル・エナジー!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、賤竜を対象とするモンスター効果を無効に!」

 

「チッ、ならばバトル!」

 

「罠発動!『ワンダー・エクシーズ』!慧眼と相生でエクシーズ召喚を行う!エクシーズ召喚!『No.39希望皇ホープ』!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

「『ジャンク・デストロイヤー』で『ホープ』に攻撃!デストロイ・ナックル!」

 

「『ホープ』のORUを1つ取り除き、攻撃を無効に!ムーンバリア!」

 

『ジャンク・デストロイヤー』が巨大な剛腕で『ホープ』に襲いかかるも、『ホープ』が周囲に回転するORUを弾き飛ばし、翼に吸収、盾として眼前に突き出して攻撃を反らす。流石に重い一撃で反らすので精一杯と言った様子だ。

 

「『スターダスト・ドラゴン』で『刻剣の魔術師』に攻撃!シューティング・ソニック!」

 

「『ホープ』の効果で無効!」

 

続けて『スターダスト・ドラゴン』が大気をアギトに集束し、光のブレスとして『ホープ』に向かって吐き出す。これも何とか防ぐが――代わりとして、全てのORUを失ってしまった。

 

「カードを2枚セットし、ターンエンドだ。さぁ、約束通り力をつけたようだな。満足させて見せろ!」

 

白コナミ LP4000

フィールド『スターダスト・ドラゴン』(攻撃表示)『ジャンク・デストロイヤー』(攻撃表示)

セット2

手札1

 

「オレのターン、ドロー!魔法カード、『貪欲な壺』!墓地から『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』、『閃光竜スターダスト』、『竜穴の魔術師』、『E・HEROエアーマン』2体をデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

ダニエル 手札3→5

 

「手札のアクションマジックを捨て、墓地の『ジェット・シンクロン』の効果で自身を特殊召喚!」

 

ジェット・シンクロン 守備力0

 

「レベル6の賤竜に、レベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500

 

再びフィールドに現れる二色の眼の灼熱竜。流星を砕く為、コナミのデッキに宿ったモンスターだ。雄々しき咆哮を上げ、赤と青の眼で白コナミを射抜く。

 

「メテオバーストの効果により、ペンデュラムゾーンの『竜穴の魔術師』を特殊召喚!」

 

竜穴の魔術師 守備力2700

 

ペンデュラムゾーンからモンスターゾーンへ、『竜穴の魔術師』がメテオバーストの背に転移する。このデュエル中、2度目の光景。ここから導き出される展開は――。

 

「エクシーズか……!」

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻撃力2800

 

シンクロからエクシーズ、炎の竜が氷の竜へと生まれ変わる。『スターダスト・ドラゴン』が振り撒く星屑を氷の結晶に変え、三日月の下吠え猛る。

 

「刻剣の効果でこのカードと『ジャンク・デストロイヤー』を除外する!バトルだ!」

 

「罠発動!『バスター・モード』!『スターダスト・ドラゴン』をリリースし、デッキより『スターダスト・ドラゴン/バスター』を特殊召喚!!」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

『バスター・モード』。コナミのチームメイトであるトニーも使ったシンクロモンスターの更なる進化形態がフィールドに君臨する。疾風に、旋風に、嵐に星屑を乗せ、青と白の鎧を纏い、細い肉体を逞しく成長させた『スターダスト・ドラゴン』が、神々しく、雄々しく、敵であるコナミを睥睨する。

 

「『/バスター』……そんなものまで……!」

 

「万事に備えてこそ真のデュエリスト。心構え位出来ていないのか?」

 

「いや、予感はあった……!竜脈で『/バスター』へ攻撃!この瞬間、アブソリュートのORUを取り除き、効果発動!攻撃を無効に!」

 

「『/バスター』の効果!このモンスターをリリースし、モンスター、魔法、罠の効果を無効にし、破壊!」

 

アブソリュートが氷の結晶を模したバリアを作り出し、その中より仲間を呼ぼうと咆哮を上げようとするも、『/バスター』がアブソリュートの首を掴み、もう1つの腕を振るい、次元を割り、その先の空間に共に飛び込む。瞬間、アブソリュートも何とか応戦しようと最後に凍風のブレスを『/バスター』に向かって放つ。が――白い冷気を裂き、『/バスター』が無傷のままに引き摺り込む。

 

「忘れたか?アブソリュートの効果により、エクストラデッキから『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』を呼ぶ!!」

 

オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン 攻撃力2500

 

アブソリュートが最後に放った凍風が逆巻いて竜巻となり、中から斬撃が切り裂き、天候を司る竜が姿を見せる。深緑の体躯に4枚の翼、嘴を持った二色の眼の竜。ボルテックスがアブソリュートと入れ替わって現れた。

 

「特殊召喚時、セットカードをバウンス!竜脈でダイレクトアタック!」

 

「アクションマジック、『大脱出』!」

 

「ボルテックスの効果で無効!」

 

「手札の『速攻のかかし』を捨て、攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了!」

 

竜脈からのボルテックスと『ホープ』による挟撃で一気に叩こうとその時、白コナミの手札からサングラスをかけ、三角帽子を被ったかかしが現れ、2本の木の棒で2体の攻撃を防ぎ、ニヒルに笑う。

 

「カード2枚セットし、ターンエンドだ」

 

「この瞬間、『/バスター』がフィールドに戻る」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

ダニエル LP2500

フィールド『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『竜脈の魔術師』(攻撃表示)

セット2

Pゾーン『曲芸の魔術師』

手札3

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『暗黒界の取引』。手札を交換」

 

「罠発動!『貪欲な瓶』!」

 

「通す」

 

「墓地の『妖刀竹光』、『黄金色の竹光』、『貪欲な壺』、『アメイジング・ペンデュラム』、『ジェット・ウォリアー』を戻し、1枚ドロー!」

 

ダニエル 手札3→4

 

「『カードガンナー』召喚!」

 

カードガンナー 攻撃力400

 

新たに現れたのは丸いガラスヘッド、赤いボディと腕に大砲、青いタンクの下半身を持った機械族のモンスターだ。下級モンスターや墓地肥やしを大量に投入する傾向が強い為、こう言ったカードが出て来るであろう事は予想済みだ。

 

「効果発動!デッキトップから3枚のカードを墓地に送り、攻撃力をアップ!」

 

カードガンナー 攻撃力400→1900

 

「バトル!『/バスター』でボルテックスへ攻撃!」

 

ダニエル LP2500→2000

 

「ぐっ――!」

 

『/バスター』がボルテックスの放つ嵐と雷を引き裂き、荒々しく首を掴んで地に叩きつける。余りの力に地が割れ陥没する。

 

「『カードガンナー』で『ホープ』へ攻撃!」

 

「ORUが無い為、自壊する……そしてこの瞬間、効果でモンスターが破壊された為、ペンデュラムゾーンの『曲芸の魔術師』を特殊召喚!」

 

曲芸の魔術師 守備力2300

 

「攻撃変更!竜脈を攻撃!」

 

ダニエル LP2000→1900

 

「チッ!」

 

怒濤の攻め込みでコナミの戦力を削り、モンスターを全滅させる白コナミ。凄まじい展開力から繋がれる高速攻撃は侮れない。

 

「ターンエンドだ」

 

白コナミ LP4000

フィールド『スターダスト・ドラゴン/バスター』(攻撃表示)『カードガンナー』(攻撃表示)

手札0

 

「オレのターン、ドロー!罠発動!『貪欲な瓶』!墓地のカード5枚を回収し、ドロー!」

 

ダニエル 手札5→6

 

貪欲カードを使い回し、デッキ切れを抑える。こちらにも気を回さなければならないのが辛い所だ。

 

「スタンバイフェイズ、刻剣とデストロイヤーがフィールドに戻る。そして刻剣と『/バスター』を除外」

 

「『/バスター』をリリースし、無効にして破壊!」

 

「魔法カード、『アメイジング・ペンデュラム』!エクストラデッキから『竜穴の魔術師』と『竜脈の魔術師』を回収!セッティング!ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『相生の魔術師』!『刻剣の魔術師』!『貴竜の魔術師』!」

 

賤竜の魔術師 攻撃力2100

 

相生の魔術師 守備力1500

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

貴竜の魔術師 守備力1400

 

「賤竜の効果で墓地の慧眼をサルベージ!更に光属性モンスター、『相生の魔術師』をリリースし、デッキから『オッドアイズ・ドラゴン』を墓地に送り、手札より『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』を特殊召喚する!出でよ、絶望の暗闇に差し込む、眩き救いの光!『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 攻撃力2800

 

現れたのはコナミが友、榊 遊矢から譲り受けた絆のカード、白銀の鎧に身を包み、背から黄金の剣を伸ばした二色の眼の竜。『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』だ。

 

「更にレベル5の曲芸に、レベル3の貴竜をチューニング!シンクロ召喚!『閃光竜スターダスト』!」

 

閃光竜スターダスト 攻撃力2500

 

更に現れたのは白コナミの『スターダスト』と対を成す、コナミの『スターダスト』。リベンジに燃え、気高き咆哮を放って白コナミを睨み付ける。

 

「『刻剣の魔術師』の効果により、このカードと『カードガンナー』を除外!『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』で『ジャンク・デストロイヤー』へ攻撃!」

 

「アクションマジック、『ダメージ・バニッシュ』!戦闘ダメージを0にする!」

 

「だがこれでフィールドはがら空きだ!やれ、『スターダスト』で、ダイレクトアタック!」

 

「甘いわ!墓地の『光の護封霊剣』を除外し、ダイレクトアタックを封じる!」

 

がら空きとなった所に『スターダスト』のブレスを放つコナミだが、白コナミの手に光の剣が形成され、閃光が切り裂かれる。恐らく『カードガンナー』で墓地に送られていたのだろう。

 

「カードを1枚セットし、ターンエンド!」

 

「この瞬間、『/バスター』がフィールドに戻る」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

ダニエル LP1900

フィールド『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』(攻撃表示)『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『竜穴の魔術師』『竜脈の魔術師』

手札4

 

「俺のターン、ドロー!バトル!『/バスター』で『閃光竜スターダスト』へ攻撃!」

 

「バトル前に『エフェクト・ヴェーラー』を手札から捨て、『/バスター』の効果を無効!『スターダスト』の効果で自身を守る!」

 

「墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外し、その効果を無効!」

 

ダニエル LP1900→1400

 

「む、ぐっ――!」

 

『/バスター』と『スターダスト』、2体のブレスが鬩ぎ合い、『/バスター』のブレスが波のように押して衝撃がコナミと『スターダスト』を貫く。破壊を逃れる為に工夫を凝らしたつもりだったが――それも無効にされてしまった。

 

「カードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

白コナミ LP4000

フィールド『スターダスト・ドラゴン/バスター』(攻撃表示)

セット1

手札0

 

「オレのターン、ドロー!刻剣と『カードガンナー』がフィールドに戻る。そして刻剣の効果!このカードと『/バスター』を除外!」

 

「無効にする!」

 

「手札の慧眼を捨て、『竜穴の魔術師』のペンデュラム効果により、セットカードを破壊!」

 

「チッ、罠発動!『裁きの天秤』!俺の手札とフィールド、お前のフィールドのカードの差分ドローする!3枚ドローだ!」

 

白コナミ 手札0→3

 

どうやらこちらがペンデュラム召喚し、刻剣と『カードガンナー』がいなくなった後にでも発動するつもりだったのだろう。舌打ちを鳴らしながら破壊されるよりマシ、と『裁きの天秤』によってカードをドローする白コナミ。コナミとしては相手の目論見を打破出来て嬉しいばかりだ。

 

「ペンデュラム召喚!『刻剣の魔術師』!『曲芸の魔術師』!『相生の魔術師』!」

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

曲芸の魔術師 守備力2300

 

相生の魔術師 守備力1500

 

「刻剣の効果で『カードガンナー』を除外!バトルだ!『賤竜の魔術師』でダイレクトアタック!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外し、バトルフェイズを終了!」

 

賤竜が白コナミのフィールドへと踏み出し、駆け出したその時、賤竜の眼前に円盤状の物体が飛び出し、賤竜の鼻先を通過し、攻撃を躊躇わせる。更に円盤は赤と青の稲妻を放出しながらクルクルとブーメランのように白コナミのフィールドに戻っていき、電磁の障壁を作り出す。

 

「ッ、カードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

「『/バスター』がフィールドに戻る」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

ダニエル LP1400

フィールド『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)『曲芸の魔術師』(守備表示)『相生の魔術師』(守備表示)

セット2

Pゾーン『竜穴の魔術師』『竜脈の魔術師』

手札2

 

「俺のターン、ドロー!バトル!『/バスター』で『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』へ攻撃!」

 

「罠発動、『スキル・サクセサー』!『オッドアイズ』の攻撃力を400アップ!」

 

「チッ、『/バスター』をリリースし、効果を無効!」

 

コナミが『スキル・サクセサー』を使う事によって『/バスター』を迎え撃とうとするも、白コナミはその効果を使ってエスケープする。だがこれで戦闘破壊を逃れた。

 

「モンスターをセット、カードを1枚セットし、ターンエンド」

 

「『/バスター』を帰還」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

白コナミ LP4000

フィールド『スターダスト・ドラゴン/バスター』(攻撃表示)セットモンスター

セット1

手札2

 

「オレのターン、ドロー!フィールドに刻剣が戻り、効果発動!このカードと『/バスター』を除外!」

 

「しつこい奴だ。無効にする」

 

「ペンデュラム召喚!『刻剣の魔術師』!」

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

刻剣の効果、そしてペンデュラムの特性を活かし、無敵の『/バスター』を一時的にとは言え戦線離脱。その間に攻め込む戦術を確立させる。

 

「刻剣と『カードガンナー』を除外、バトル!賤竜でセットモンスターに攻撃!」

 

「セットモンスターは『スターダスト・ファントム』!破壊された事により、墓地の『スターダスト・ドラゴン』を蘇生!」

 

スターダスト・ドラゴン 守備力2000

 

「『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』で攻撃!」

 

「アクションマジック、『回避』!攻撃を無効にする!」

 

「魔法カード、『一時休戦』。互いに1枚ドローし、次のターン終了までダメージを0に」

 

ダニエル 手札2→3

 

白コナミ 手札2→3

 

「カードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

「『/バスター』がフィールドに戻る」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

ダニエル LP1400

フィールド『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)『曲芸の魔術師』(守備表示)『相生の魔術師』(守備表示)

Pゾーン『竜穴の魔術師』『竜脈の魔術師』

手札2

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『手札抹殺』!互いに手札を捨て、その分ドローする!速攻魔法、『サイクロン』!『竜穴の魔術師』を破壊!『金華猫』を召喚!」

 

金華猫 攻撃力400

 

現れたのは珍しいスピリットモンスター。毛を逆立てた青い猫。レベル1モンスターを使うデッキならばかなり優秀なカードだ。

 

「召喚時効果で墓地のレベル1モンスター、『救世竜セイヴァー・ドラゴン』を蘇生する!」

 

救世竜セイヴァー・ドラゴン 守備力0

 

ニヤリ、白コナミがゾッとするような笑みを浮かべ、呼び出したのは透き通った桜色の身体を持つ、小さな竜。蜻蛉等の昆虫にも見えるその小さな身には強大な力を秘めており、このカードの登場にコナミが表情を驚愕に染める。こんなカードまで、と言った様子で。

 

「『セイヴァー』……!」

 

「クク、隠し種を用意していたのはお前も俺も同じと言う訳だ。俺はレベル8の『スターダスト・ドラゴン』とレベル1の『金華猫』に、レベル1の『救世竜セイヴァー・ドラゴン』をチューニング!」

 

ギュン、救世竜の小さな身体が急激に巨大化し、『スターダスト・ドラゴン』と『金華猫』がその中に入り、眩き光を放つ。

 

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光差す道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、『セイヴァー・スター・ドラゴン』!!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン 攻撃力3800

 

閃光と共に現れる、救星の竜。クリスタルのように透き通った体躯に、腕を無くし、代わりに4枚の美しき翼を持った、進化した『スターダスト』が降臨する。『/バスター』と同じ、いや、それ以上の進化形態。フィールドにこの2体が並ぶのは、壮観であり、厄介だ。

 

「『セイヴァー・スター・ドラゴン』の効果発動!『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』の効果を無効にし、奪い取る!サブリメーション・ドレイン!」

 

効果無効に加え、そのまま無効にした効果を自分に取り込む強力な効果。しかも奪われたのは――『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』の対象を取らない破壊効果。

 

「『スターダスト・ファントム』を除外し、『セイヴァー・スター・ドラゴン』に耐性を与え、バトル!『セイヴァー・スター・ドラゴン』で『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』へ攻撃!シューティング・ブラスター・ソニック!」

 

「ぐっ――!」

 

『セイヴァー・スター・ドラゴン』が4枚の翼を展開し、音をも越えた光速の領域に踏み出し、『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』を貫き倒す。

 

「効果で『相生の魔術師』を破壊!『/バスター』で賤竜を攻撃!」

 

「がはっ――!」

 

2体の星屑竜の猛攻でコナミのモンスターが消し飛ばされる。他のカードを使い、応戦しようにも『セイヴァー・スター・ドラゴン』には『/バスター』と同じく効果無効に加え、その際に相手フィールドのカードを全て破壊する『サンダー・ボルト』と『ハーピィの羽帚』を合わせたような効果がある。無効も加えれば『神の宣告』もか。だがこれだけ強力なモンスターだ。当然代償もある。『セイヴァー・スター・ドラゴン』はエンドフェイズにエクストラデッキに戻る。『/バスター』の効果もある事だ。このターンを凌げば――。

 

「このターンを凌げば何とかなる、か?」

 

「ッ!」

 

「カードを1枚セット、ターンエンドだ。この瞬間、『セイヴァー・スター・ドラゴン』の効果が発動。それにチェーンし、永続罠、『ステイ・フォース』。発動!」

 

「その、カードは……!?」

 

発動されたカードが、コナミを更なる絶望に落とす。このカードの効果は――。

 

「LPを1000払い、このターンのエンドフェイズ時、モンスターがフィールドを離れる効果を無効にする!」

 

白コナミ LP4000→3000

 

『セイヴァー・スター・ドラゴン』をフィールドに留まらせる、最悪の罠。

 

白コナミ LP3000

フィールド『セイヴァー・スター・ドラゴン』(攻撃表示)『スターダスト・ドラゴン/バスター』(攻撃表示)

『ステイ・フォース』セット1

手札0

 

「オレのターン、ドロー!この瞬間、フィールドに刻剣が戻る。刻剣の効果発動!このカードと『セイヴァー・スター・ドラゴン』を除外する!」

 

「迷わず来たか、良いだろう!その心意気に応えてやる!『セイヴァー・スター・ドラゴン』をリリースし、その効果を無効にし、破壊!更に相手フィールドのカードを全て破壊する!スターダスト・フォース!」

 

ゴウッ、『セイヴァー・スター・ドラゴン』が4枚の翼を広げ、流星の如くフィールドを駆け、コナミのフィールドに落ち、ソニックブームが広がり、全てのカードを砕く。こちらも迷わず『セイヴァー・スター・ドラゴン』の効果を使って来た。どうせ刻剣はペンデュラムを復活させれば再び召喚されると思っての行動だろう。それに墓地に眠られせた方が何かと都合が良い。ペンデュラムさえなければ刻剣はエクストラに眠ったままだ。

 

「全破壊がお前だけのものだと思うなよ」

 

「気にしてたのか……モンスター1体とカード2枚をセット、ターンエンドだ」

 

ダニエル LP1400

フィールド セットモンスター

セット2

手札0

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「罠発動、『貪欲な瓶』!」

 

「通そう」

 

「墓地のカード5枚を戻し、1枚ドロー!」

 

ダニエル 手札0→1

 

「『カードガンナー』の効果発動!」

 

カードガンナー 攻撃力400→1900

 

「更に罠発動、『星屑の残光』!墓地の『スターダスト・ドラゴン』を蘇生する!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃力2500

 

再びフィールドに舞い戻る星屑の竜。『セイヴァー』や『/バスター』には劣るものの、このカードもまた、コナミの手を遮る制圧型のモンスター。やりにくいものだ。

 

「『天輪の葬送士』を召喚!」

 

天輪の葬送士 攻撃力0

 

「効果発動!墓地の『エフェクト・ヴェーラー』を蘇生!」

 

エフェクト・ヴェーラー 守備力0

 

現れたのは棺のような形状の天使族と白い法衣を纏い、翼を広げた妖精のようなモンスター。光属性、魔法使い族、レベル1、攻守0と多くのサポートを受けられるチューナーモンスターだ。

 

「シンクロモンスターが2体……一方はチューナー……来るか!」

 

「レベル1の『天輪の葬送士』に、レベル1の『エフェクト・ヴェーラー』をチューニング!集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光差す道となれ!シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー、『フォーミュラ・シンクロン』!」

 

フォーミュラ・シンクロン 守備力1500

 

2体のレベル1のモンスターが混ざり合い、フィールドに光の速度で駆けつけたのはF1カーを模したレベル2のシンクロチューナー。シンクロを更なる高みへ引き上げる為のモンスターだ。尤も、シンジの試合を見る限り、シンクロチューナーだけならば何ら特別では無いのだろうが。

 

「シンクロ召喚時、1枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→1

 

「魔法カード、『貪欲な壺』!墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

白コナミ 手札0→2

 

「見せてやろう、貴様に俺の本気を!この俺の究極形態を!」

 

「何――!?」

 

ニヤリ、白コナミが獰猛な笑みを浮かべ、不吉な言葉を放つと共にD-ホイールにあるスイッチを押す。すると座席が展開し、円柱状のパーツが飛び出す。そして――。

 

「とう――っ!」

 

白コナミが突然にその場で大きく跳躍、月光を浴びる。これは一体どうした事か。

 

「なっ!?」

 

『おおっとコナミどうした事か!D-ホイールから飛び出したーっ!?』

 

目を剥くコナミとメリッサ、MC、そして観客達。唯一驚いていないのはジャック・Dのクロウ・ゴースト位か。ジャックは何やら頭を抑え込んでいるが。

その間にも白コナミに変化が訪れる。何と――彼の下半身が変形し出したのだ。もう1度言おう、彼の下半身が変形し出したのだ。下ネタ的な意味ではなく、文字通り、冗談抜きで。

 

『え、うえぇぇぇぇっ!?』

 

『何とぉぉぉぉ!?』

 

そのまま白コナミの上半身はD-ホイールの円柱状のパーツと連結、D-ホイールと合体し、キメキメのポーズを取る。

 

「これこそが俺の究極形態、俺の真の姿だ!」

 

ババーンと擬音がつきそうな光景である。まさかのD-ホイールとの合体。最早白コナミが機械族でしたと言われても驚かない。

 

「何と言う事だ……!」

 

『コナミ、D-ホイールと合体――勝利へ賭ける執念を見たーっ!』

 

そして割りと受け入れるシンクロ次元。この次元はどこかおかしい。頭のネジが2、3本ぶっ飛んでいる。

 

「さぁ、行くぞ!レベル8の『スターダスト・ドラゴン』に、レベル2の『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光差す道となれ!アクセルシンクロ!」

 

D-ホイールと文字通り1つとなった白コナミが風を引き連れ、空気の層がずれていく。そしてカッ、と眩き閃光が放たれ――白コナミの姿が消える。

 

『き、消えたっ!?』

 

そして――白コナミが消え去った地点から更に後ろに穴のようなものが開き、中よりヘルメットのような頭部、空気抵抗をなくす為の戦闘機のような翼を伸ばし、強靭な体躯を持った白亜の竜を連れた白コナミが現れる。

 

「生来せよ、『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻撃力3300

 

夜空に煌めく美しき流星竜。シンクロモンスターを超越した、アクセルシンクロモンスターが今、顕現した――。

 

『こ、このモンスターは――!?』

 

「効果発動!デッキトップから5枚を捲り、その中のチューナーの数だけ攻撃権を得る!」

 

一見ギャンブルとも言える効果だ。チューナーを大量に投入しなければ意味がなく、それでも2、3枚出れば充分。1枚も出なければ攻撃は出来ない。何せ攻撃権を増やすのではなく、得るのだ。しかし――この男相手に、確率論は通じない。

 

「1枚目!チューナーモンスター、『ジャンク・シンクロン』!2枚目!チューナーモンスター、『クイック・シンクロン』!3枚目!チューナーモンスター、『エフェクト・ヴェーラー』!4枚目!チューナーモンスター、『ドリル・シンクロン』!5枚目!チューナーモンスター、『ターボ・シンクロン』!当然!全てチューナー!」

 

『えぇぇぇぇっ!?どうなってんのぉぉぉぉっ!?』

 

本当に積み込みでもしているとしか思えない光景だ。コナミは最早見慣れているから何も言わないが、観客達は大騒ぎ。当然だろう、5枚連続全てチューナー、5回連続の攻撃。ふざけているとしか思えない。

 

「また俺何かやっちゃいましたぁ?」

 

「ぐっ……!」

 

「クク、バトル!『シューティング・スター・ドラゴン』でセットモンスターを攻撃!更にダイレクトアタック!スターダスト・ミラージュ――グォレンダァ!」

 

「墓地の『光の護封霊剣』を除外し、ダイレクトアタックを防ぐ!」

 

「『/バスター』で無効!」

 

「アクションマジック、『ブラインド・ブリザード』!バトルを終了!」

 

シューティング・スターが夜空に飛翔、月光を背にオーロラのように赤、青、緑と5体に分裂し、美しき輝きを見せる。そのまま弾丸の如くその身を撃ち出し――コナミのモンスターと彼に迫る。が、コナミの眼前に氷が飛び出し、柵のように行く手を遮る。

 

どうやら『シューティング・スター・ドラゴン』の5回連続攻撃への対策として投入した『マジカルシルクハット』や墓地除外での防御カードが活きているようだ。そうでないと困る。何せデッキを改造したのは本来、この男を倒す為だったのだから。

 

「フン、『カードガンナー』を守備表示に変更。魔法カード、『一時休戦』を発動!」

 

白コナミ 手札1→2

 

ダニエル 手札1→2

 

「ターンエンドだ。早々には終わらんらしいな。面白い、そうでなくては困る。さぁ、成長したならばその力の全てを見せてみろ!この俺を満足させられるか!?」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター 攻撃力3000

 

白コナミ LP3000

フィールド『シューティング・スター・ドラゴン』(攻撃表示)『スターダスト・ドラゴン/バスター』(攻撃表示)『カードガンナー』(守備表示)

『ステイ・フォース』

手札2

 

並び立つ2体の流星、『スターダスト・ドラゴン』の進化体、『シューティング・スター・ドラゴン』と『スターダスト・ドラゴン/バスター』。この強力無比な二大エースを相手に、コナミは活路を見出だす事が出来るのか――。

 

「オレの、ターンッ!」

 

デュエルは、続く。

 




黒コナミ→アストラル体へ。
白コナミ→究極形態へ。
紫コナミ→覇王へ。
赤いの以外は第2形態を備えています。

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