『さぁ、いよいよ噴水広場仲良し同盟のラストホイーラー、ダニエルが飛び出しました!絶対王者、ジャックに一矢報いる事が出来るか!それともこのまま圧倒的なパワーを前に膝を折るのか!』
『2人を相手にしているとは言え、ジャックのLPは6650!フィールドには2体の『レッド・デーモン』!これは厳しい!』
アクションフィールド、『伏魔殿ー悪魔の迷宮』にて、2人のD-ホイーラーが漆黒の機体を操り駆ける。
かたやファーストホイーラー、このシティのキング。黒に走る赤く光るラインが映えるD-ホイール、ホイール・オブ・フォーチュン・Dに乗ったジャック・アトラス・D。
かたや噴水広場仲良し同盟のラストホイーラー、雄々しくも天に反り立つ角を伸ばした重厚な黒のD-ホイール、グラファ号Rに乗った赤帽子の少年、ダニエルことコナミ。
ターンはダニエルの1ターン目から。トニーが自爆特攻した事でジャック・Dのバックが整っていない今が最大のチャンス。奇襲をかけ、一気に片付けたいが――流石にそこまでは難しい。せめて『レッド・デーモン』を蘇生する『炎魔竜レッド・デーモン・ベリアル』は倒しておきたい所だ。
「オレのターン、ドロー!セットカードは――成程、ありがたい。さて、まずは、リバースカード、オープン!『貪欲な壺』!墓地の『デスカイザー・ドラゴン/バスター』、『戦神ー不知火』、『炎神ー不知火』、『機甲忍者ブレード・ハート』2体をデッキに戻し、2枚ドロー!さぁ、どうする?」
「……通す」
ダニエル 手札6→8
「アビスの効果は使わんか。慎重なのか、直感か……ならこれはどうだ?速攻魔法、『揺れる眼差し』!ペンデュラムゾーンを破壊し、2つの効果を適用!」
「そこで止めよう。アビスの効果で無効に」
僅かにジャックの眉が吊り上がり、思考を張り巡らされる。このカードの効果は互いのペンデュラムゾーンを破壊し、その数の効果を適用する。ジャックはペンデュラムを使わない為、2つ、500のバーンとペンデュラムカードのサーチ。
コナミは『貪欲な壺』をカモフラージュに使い、こちらを通したかったのだろう。そうでなくともドローが稼げる。こちらが通ればスケールを割りつつ、ペンデュラムカードをサーチ、セッティング出来る。
ジャックは彼の戦略をプラシドから教わっている。恐らく『慧眼の魔術師』か『竜脈の魔術師』をサーチ、最終的に竜脈のペンデュラム効果で『レッド・デーモン』の撃破を狙うつもりだろうと推測する。
ならばここで止めればスケールは割れず、『忍者』モンスターしかペンデュラム召喚出来ないジョウゲンとカゲンは置物と化す。コナミの戦術の基盤はペンデュラムによる展開だ。ペンデュラムを止めれば行動は制限される。
「『ジェスター・コンフィ』を特殊召喚!」
ジェスター・コンフィ 攻撃力0
「オレは手札の1枚をデッキトップに戻し、墓地の『ゾンビキャリア』を蘇生!」
「手札の『増殖するG』を切る!」
ゾンビキャリア 守備力200
ジャック・アトラス・D 手札1→2
「そして魔法カード、『モンスターゲート』を発動!『ジェスター・コンフィ』をリリースし、通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキトップからカードを墓地に送る!」
1、2、3、と次々とコナミの墓地にカードが送られていく。強力なモンスターを特殊召喚する事は運になるが、コナミがこのカードを使う理由はこの通り、大量の魔法や罠を墓地に送る為だ。彼のデッキの魔法、罠は大半が墓地にあっても有用なカード。3枚も落とせれば上出来だ。
「良し、4枚目、『E・HEROシャドー・ミスト』を特殊召喚する!」
E・HEROシャドー・ミスト 守備力1800
ジャック・アトラス・D 手札2→3
トニーが残した『ゾンビキャリア』を活用し、フィールドに現れたのは美しき青の髪を靡かせた漆黒の鎧を纏う『HERO』だ。他にも良いカードを墓地に送れた。これは幸先が良い。
「シャドー・ミストをリリースし、アドバンス召喚!『ジャンク・コレクター』!」
ジャンク・コレクター 攻撃力1000
「ッ!そのモンスターは……!」
現れたモンスターを見て、ジャックが息を呑む。思考が辿り着いたのだ。『揺れる眼差し』までもがカモフラージュ。更に加えるなら、この男は『ゾンビキャリア』の本来デメリットである、手札1枚をデッキトップに戻す効果でさえ有用に扱ったのだと。流石にいきなり彼が奥の手を出して来るとは思わなかった。それだけジャックが強いと言う事もあるが。
「お前が相手だ。最初から全開で行く!墓地に送られたシャドー・ミストの効果により、『E・HEROエアーマン』をサーチ!そして『ジャンク・コレクター』の効果発動!このカードと墓地の『エレメンタルバースト』を除外し、その効果をコピーする!コストを無視し、相手フィールドのカード全てを破壊するマジックだ。楽しいデュエルがお望みだろう?存分に味わえ!バーストッ!」
『ジャンク・コレクター』の身体が眩い先行に包まれ、弾け飛び、4つのエレメントによる災害を生み出す。魔王城から噴き出す灼熱のマグマと荒々しく巨大な津波。嵐と礫が魔竜を呑み込む。
「くっ、『シンクローン・リゾネーター』の効果により、『レッド・リゾネーター』を回収!おのれ……我が『レッド・デーモン』をコケにするか……!」
「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外、ペンデュラムゾーンのカゲンをデッキに戻し、1枚ドロー!」
ダニエル 手札6→7
「『竜穴の魔術師』をペンデュラムゾーンにセッティング!ペンデュラム召喚!『竜脈の魔術師』!『E・HEROエアーマン』!」
竜脈の魔術師 攻撃力1800
E・HEROエアーマン 攻撃力1800
ジャック・アトラス・D 手札3→4
ペンデュラム召喚を駆使し、コナミのフィールドに『魔術師』と『HERO』が姿を見せる。両刃の短剣を持った若い『魔術師』と背からファンの翼を伸ばした青い『HERO』だ。
粒揃いのコナミの頼れるカード達。ペンデュラムが通ればコナミのペースだ。
「エアーマンの召喚時、デッキから『E・HEROエアーマン』をサーチ!行くぞ!レベル6の『デスカイザー・ドラゴン』に、レベル2の『ゾンビキャリア』をチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚!『閃光竜スターダスト』!」
閃光竜スターダスト 攻撃力2500
ジャック・アトラス・D 手札4→5
ペンデュラムからシンクロへ。フィールドに飛翔するのはジャックが持つ『レッド・デーモン』の宿命の好敵手、眩き閃光と星屑を純白の翼から散らす細身の、まるで天使のような竜だ。このモンスターの登場にジャックが、そしてベンチの白コナミが獰猛な笑みを浮かべる。
「来たか、我が宿敵……!」
「カードを2枚セット!『スターダスト』でダイレクトアタック!流星閃撃!」
ジャック・アトラス LP6650→4150
「ぐぅぅぅぅっ……!?」
竜のアギトに光が集束し、ジャック・Dに向かってブレスが撃ち出され、ホイール・オブ・フォーチュン・Dに激突、白煙を上げながらクルクルと回転する。
「『竜脈の魔術師』でダイレクトアタック!」
「調子に乗るな!手札の『血涙のオーガ』の効果発動!2回目のダイレクトアタックが宣言された時、このカードを特殊召喚し、攻守を1度目のダイレクトアタックを行った『スターダスト』と同じにする!」
血涙のオーガ 攻撃力0→2500→3000
ここで現れたのは目から赤い涙を流す青い鬼。『スターダスト』の攻撃が通った為、『バトル・フェーダー』等の手札誘発がないと思えば――まさかこのカードがあったとは。コナミは舌打ちを鳴らしながらも布陣を整えるチャンスだと思考を切り替える。場には『スターダスト』がいるとは言え、ジャックが『レッド・デーモン』を復活させれば相性が悪い。
「メインフェイズ2、2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が戦いはここから始まる!白き翼に望みを託せ、現れろ!『No.』39!エクシーズ召喚!『希望皇ホープ』!」
No.39希望皇ホープ 攻撃力2500
ジャック・アトラス・D 手札5→6
今度はエクシーズ召喚、今まで闘った月影とトニーの戦法を辿るようにコナミが呼び出したのは、黄金の鎧を纏い、純白の翼を広げた、二振りの剣を持った皇。右肩には赤く発光する39の紋様を走らせ、天に向かって雄々しく吠える。このカードと『スターダスト』が揃えば並みの戦術では突破出来ない。
「ターンエンド。『シャッフル・リボーン』の効果で手札1枚を除外する」
ダニエル LP4000
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)
『補給部隊』セット2
Pゾーン『竜穴の魔術師』『黄昏の忍者ージョウゲン』
手札1
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『打ち出の小槌』を発動。手札を交換。永続魔法、『補給部隊』を発動!『パワー・インベーダー』を召喚!」
パワー・インベーダー 攻撃力2200→2700
「そしてデッキトップをコストに『グローアップ・バルブ』を蘇生!」
グローアップ・バルブ 守備力100
「墓地の『レッド・ライジング・ドラゴン』を除外し、墓地から『シンクローン・リゾネーター』と『バリア・リゾネーター』を蘇生!」
シンクローン・リゾネーター 守備力100
バリア・リゾネーター 守備力100
「レベル5の『パワー・インベーダー』に、レベル1の『バリア・リゾネーター』をチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ワイバーン』!」
レッド・ワイバーン 攻撃力2400
「まだだ!レベル6の『レッド・ワイバーン』に、レベル1の『シンクローン・リゾネーター』をチューニング!シンクロ召喚!『エクスプロード・ウィング・ドラゴン』!」
エクスプロード・ウィング・ドラゴン 攻撃力2400
「『シンクローン・リゾネーター』の効果で『バリア・リゾネーター』を回収!そしてレベル7の『エクスプロード・ウィング・ドラゴン』に、レベル1の『グローアップ・バルブ』をチューニング!王者の決断、今赤く滾る炎を宿す、真紅の刃となる!熱き波濤を超え、現れよ!シンクロ召喚!炎の魔神、『クリムゾン・ブレーダー』!」
クリムゾン・ブレーダー 攻撃力2800
怒濤の3連続シンクロ。一歩一歩レベルを上げ、フィールドに現れたのは真紅の鎧を纏った炎の剣客。ジャックにしては回り道をしての登場だ。
『3連続でシンクロ召喚!流石はジャックと言った所でしょうか!』
「バトルと行こう。『血涙のオーガ』で『ホープ』に攻撃!」
「ホープのORUを1つ取り除き、攻撃を無効に!ムーンバリア!」
『血涙のオーガ』が金棒を振り回し、『ホープ』へ下ろそうとしたその時、『ホープ』の翼が盾となって展開して行く手を遮る。火花を散らす金棒と盾、オーガはその身を弾かれ、ジャックのフィールドへ戻り、後続へバトンタッチする。
「『クリムゾン・ブレーダー』で追撃!レッドマーダー!」
「なら『スターダスト』の効果発動!『ホープ』の破壊を防ぐ!波動音壁!」
今度は『クリムゾン・ブレーダー』が炎を纏った剣を振るい、『ホープ』に迫る。2体がかりの攻撃、コナミも応戦しようと『スターダスト』を向かわせ、タッグマッチに持ち込む。『スターダスト』の咆哮で『ホープ』の周囲に光のバリアが展開され、『ホープ』が『クリムゾン・ブレーダー』と切り結ぶ。
ダニエル LP4000→3700
「……ダメージを与えられただけ良しとするか……カードをセット、ターンエンドだ」
ジャック・アトラス・D LP4150
フィールド『クリムゾン・ブレーダー』(攻撃表示)『血涙のオーガ』(攻撃表示)
『補給部隊』セット1
手札3
「オレのターン、ドロー!」
「罠発動、『針虫の巣窟』。俺のデッキの上から5枚のカードを墓地へ」
「あの状況でここまで整えるか……エアーマンを召喚!」
E・HEROエアーマン 攻撃力1800
「効果で『E・HEROブレイズマン』をサーチ!ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『E・HEROブレイズマン』!」
賤竜の魔術師 攻撃力2100
E・HEROブレイズマン 守備力1800
現れたのは先のターンも姿を見せた『魔術師』と炎の鬣を燃やす赤い『HERO』だ。
「賤竜の効果で墓地の『竜脈の魔術師』を、ブレイズマンの効果で『置換融合』をサーチ!リバースカード、オープン!速攻魔法、『揺れる眼差し』!ペンデュラムを破壊し、500のダメージを与え、『貴竜の魔術師』をサーチ!」
「『ダメージ・ダイエット』を除外し、ダメージを半分に」
ジャック・アトラス・D LP4150→3900
「『竜脈の魔術師』をセッティング!魔法カード発動!『置換融合』!フィールドのエアーマンとブレイズマンで融合!融合召喚!『E・HERO GreatTORNADO』!」
E・HERO GreatTORNADO 攻撃力2800
だがしつこさならコナミも負けていない。融合召喚、第4の召喚法を使い、コナミの背後に青とオレンジの渦が発生、風と炎の『HERO』が混ざり合い、渦より突風が吹き荒れ、新たな英雄が目を覚ます。黒い外套を纏った嵐の『HERO』。コナミが最も使用する融合『HERO』だ。
「融合召喚時、相手モンスターの攻守を半減!タウンバースト!」
クリムゾン・ブレーダー 攻撃力2800→1400
血涙のオーガ 攻撃力3000→1500
GreatTORNADOが竜巻を束ね、竜の形となったそれをジャックのフィールドにぶつけ、力を削ぐ。これで攻撃面での不安は消し飛んだ。
「バトル!GreatTORNADOで『クリムゾン・ブレーダー』に攻撃!スーパーセル!」
ジャック・アトラス・D LP3900→2500
GreatTORNADOが風の弾丸を撃ち出し、『クリムゾン・ブレーダー』の鎧に風穴を空ける。このモンスターはこちらの特殊召喚を封じてくる為、早々に倒しておきたい。
「ぬぅ……『補給部隊』の効果でドロー!」
ジャック・アトラス・D 手札3→4
「『スターダスト』でオーガへ攻撃!」
ジャック・アトラス・D LP2500→1500
続けて『スターダスト』のブレスがオーガを粉々に砕く。これで、場はがら空き。
「『ホープ』でダイレクトアタック!」
「墓地の『クリアクリボー』を除外し、カードを1枚ドロー!」
ジャック・アトラス・D 手札4→5
「そしてそれがモンスターならば特殊召喚し、攻撃を引き受ける!来い、『ダーク・リゾネーター』!」
ダーク・リゾネーター 守備力300
「『ダーク・リゾネーター』は1ターンに1度、戦闘で破壊されない」
「賤竜で『ダーク・リゾネーター』へ攻撃!」
「手札の『バリア・リゾネーター』を捨て、『ダーク・リゾネーター』を戦闘破壊から守る」
「ターンエンドだ」
ダニエル LP3700
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『E・HERO GreatTORNADO』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)
『補給部隊』セット1
Pゾーン『竜脈の魔術師』
手札1
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『暗黒界の取引』。手札を交換。自分フィールドにチューナーが存在する事で、手札の『奇術王ムーン・スター』を特殊召喚!」
奇術王ムーン・スター 攻撃力900→1400
現れたのは紫の衣装を纏い、星と月の飾りをつけたステッキを握る悪魔だ。
「『クリエイト・リゾネーター』を召喚!」
クリエイト・リゾネーター 攻撃力800→1300
次は扇風機を背負った『リゾネーター』。ムーン・スターの隣に並び、音叉を鳴らす。
「ムーン・スターの効果により、このカードのレベルを墓地の『デーモンの騎兵』のレベルに合わせる!」
奇術王ムーン・スター レベル3→4
「レベル4のムーン・スターに、レベル3の『クリエイト・リゾネーター』をチューニング!天頂に輝く死の星よ!地上に舞い降り生者を裁け!シンクロ召喚!降臨せよ!『天刑王ブラック・ハイランダー』!」
天刑王ブラック・ハイランダー 攻撃力2800→3300
現れたのは巨大鎖鎌を持ち、黒いマントを纏った大悪魔。天に浮かぶ三日月に鎌を翳し、コナミを裁こうとギロリと睨む。
「バトル!ブラック・ハイランダーでホープへ攻撃!死兆星斬!」
「ORUを取り除き、攻撃を無効に!」
これで『ホープ』のORUは尽き、攻撃対象になるだけで破壊されるだろう。しかし、コナミのフィールドには『スターダスト』が存在する。迂闊に手を出せばダメージを負うのはジャック・Dだ。
「ターンエンドだ」
ジャック・アトラス・D LP1500
フィールド『天刑王ブラック・ハイランダー』(攻撃表示)『ダーク・リゾネーター』(守備表示)
『補給部隊』
手札1
「オレのターン、ドロー!魔法カード、『地砕き』!ハイランダーを破壊!」
「『補給部隊』の効果でドロー!」
ジャック・アトラス・D 手札1→2
「バトル!『ホープ』で『ダーク・リゾネーター』へ攻撃!」
「『ダーク・リゾネーター』は1ターンに1度、破壊されない!」
「承知している!『スターダスト』で追撃!」
『ホープ』と『スターダスト』、黒と白のエースの合体攻撃で『ダーク・リゾネーター』の強固な防御が崩れ去る。残るは本丸、ジャック・Dのみ――。
「GreatTORNADOで攻撃!」
「手札の『速攻のかかし』を捨て、攻撃を無効にし、バトルを終了!」
だが通らない――。キングは膝を折らず、むしろ食いかからんばかりにコナミの火の粉を払いのける。いち早く倒したいのにと、コナミが焦りで舌打ちを鳴らす。
「ターンエンドだ」
ダニエル LP3700
フィールド『閃光竜スターダスト』(攻撃表示)『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)『E・HERO GreatTORNADO』(攻撃表示)『賤竜の魔術師』(攻撃表示)
『補給部隊』セット1
Pゾーン『竜脈の魔術師』
手札1
「俺のターン、ドロー!魔法カード、『手札断殺』。互いに手札を2枚交換、俺と貴様が今手札に加えたアクションマジックもな……魔法カード、『星屑のきらめき』!墓地より『グローアップ・バルブ』、『奇術王ムーン・スター』、『パワー・インベーター』を除外!合計レベル9のアビスを蘇生する!!」
炎魔竜レッド・デーモン・アビス 攻撃力3200
ここで現れたのは効果無効のアビス。ベリアルでないのは確実にコナミのモンスターを削る為か。
「魔法カード、『地割れ』!賤竜を破壊!」
「『補給部隊』の効果でドロー!」
ダニエル 手札2→3
「バトル!アビスで『ホープ』に攻撃!」
「攻撃対象になった瞬間、ORUを持たない『ホープ』は自壊する」
「攻撃対象変更!『スターダスト』を葬れ!」
「『スターダスト』の効果発動!」
『ホープ』が破壊された事により、攻撃が巻き戻り、飢えた竜は狙いを変え、宿敵である閃光の竜へ襲いかかる。瞬間、自身の能力で障壁を張るが――。
「アビスの効果で無効化!」
アビスの爪を前に、溶けるように消え、『スターダスト』を貫こうとする。
「罠発動!『マジカルシルクハット』!デッキより2枚の魔法、罠カードをセット!『スターダスト』もセットし、シャッフルする!」
だがそうはさせまいとコナミがリバースカードを使い、デッキから2枚のカードを投擲、『スターダスト』と共に巨大なシルクハットに閉じ込められ、シャッフル。アビスの行く手を遮る。
「なら確実に倒せるモンスターへ変更する。GreatTORNADOを攻撃!」
ならばとジャック・Dは『スターダスト』を諦め、剥き出しとなっている風の『HERO』を仕留める。アビスが『スターダスト』に向けていた体躯をクルリと回転し、腕についた刃でGreatTORNADOを切り裂く。
ダニエル LP3700→3300
「くっ――!」
「アビスの効果により、墓地から『レッド・リゾネーター』を蘇生!」
レッド・リゾネーター 守備力200
「効果でアビスの攻撃力分LPを回復する!」
ジャック・アトラス・D LP1500→4700
これで再びジャック・DのLPが大幅に回復。防御が更に固くなった。
「ターンエンドだ」
ジャック・アトラス・D LP4700
フィールド『炎魔竜レッド・デーモン』(攻撃表示)『レッド・リゾネーター』(守備表示)
『補給部隊』
手札0
「オレのターン、ドロー!墓地の『置換融合』を除外し、GreatTORNADOをエクストラデッキに戻し、1枚ドロー!」
ダニエル 手札4→5
「魔法カード、『地砕き』!」
「アビスの効果で効果を無効に!」
「『慧眼の魔術師』をセッティング!破壊し、『竜穴の魔術師』をセッティング!装備魔法、『妖刀竹光』を『スターダスト』に装備、魔法カード、『黄金色の竹光』を発動!2枚ドローする!」
ダニエル 手札0→2
「ペンデュラム召喚!『賤竜の魔術師』!『慧眼の魔術師』!『黄昏の忍者ージョウゲン』!」
賤竜の魔術師 攻撃力2100
慧眼の魔術師 攻撃力1500
黄昏の忍者ージョウゲン 攻撃力2000
「賤竜の効果により、『貴竜の魔術師』サルベージ!召喚!」
貴竜の魔術師 攻撃力700
現れたのは紅玉を散りばめた純白の衣を纏う幼き『魔術師』。ペンデュラムであり、チューナーでもある特異なモンスターだ。
「レベル4の『慧眼の魔術師』に、レベル3の貴竜をチューニング!シンクロ召喚!『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500
再びシンクロ召喚、大地を踏み砕き、赤き炎を流し込むのは真紅の体躯を唸らせる、二色の眼の竜だ。雄々しき咆哮を放ち、コナミの背後を追従するペンデュラムゾーンから『魔術師』が竜の背に転移する。
「特殊召喚時、ペンデュラムゾーンの『竜穴の魔術師』を特殊召喚!」
竜穴の魔術師 守備力2700
「まだまだ!メテオバーストと竜穴でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!!」
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻撃力2800
シンクロの次はエクシーズ。竜穴が錫杖を竜の背に突き刺し、自身の身体ごと凍結、月光を反射する氷に包まれる。そしてひび割れ、氷を鎧として纏い、メテオバーストが青銀の氷竜へと生まれ変わる。炎の次は絶対零度の鱗を煌めかせる『オッドアイズ』。180度異なる竜の登場に観客が沸き立つ。
「バトル!賤竜で『レッド・リゾネーター』へ攻撃し、アブソリュートのORUを取り除き、攻撃を無効!」
『自分の攻撃を無効!?何考えてんのぉーっ!?』
「……」
「その後、墓地に眠る『オッドアイズ』を呼ぶ!再びフィールドへ『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻撃力2500
「成程、強力なモンスターを増やしたか」
「ジョウゲンで『レッド・リゾネーター』を攻撃!貫通ダメージを食らえ!」
ジャック・アトラス・D LP4700→2850
「『補給部隊』の効果でドロー!」
ジャック・アトラス・D 手札0→1
「アブソリュートでアビスへ攻撃!墓地より『スキル・サクセサー』を除外し、攻撃力を800アップ!」
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻撃力2800→3600
ジャック・アトラス・D LP2850→2450
アブソリュートが大地を踏み締めると共に地面から鋭い氷柱が飛び出し、飛び立とうとするアビスの翼を貫き、動きを封じる。出来る一瞬の隙。アブソリュートは狙いを定め、アギトに大気を集束、冷気を帯びさせながら吐き出し、氷の弾丸がアビスに命中。腹を貫き、氷像に変える。
「ッ!アビスが……!」
「『スターダスト』で攻撃ィ!」
「手札の『バトル・フェーダー』の効果を――使えない……!?」
「メテオバーストがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズ中、モンスター効果を使えない!」
「何だと!?くっ、ここで退場か……!無念……!」
ジャック・アトラス・D LP2450→0
白竜のブレスが見事ジャック・Dに命中し、LPを焼き尽くす。ダニエルVSジャック・アトラス・D、勝利をもぎ取ったのは、ダニエル。
しかし――まだ1勝、ラストホイーラーにして漸くファーストホイーラーを倒したに過ぎず、まだ2人の相手が残っている。ジャック・Dも2人を倒して尚、コナミのカードを消耗させて見せた。上々の成果だろう。
彼はゆっくりとホイール・オブ・フォーチュン・Dをピットへ走らせ、セカンドホイーラーへとバトンを渡す。黒いローブを纏った正体不明のセカンドホイーラーだ。ジャック・Dはフンと鼻を鳴らし、どこがで見た事のある白いD-ホイールに搭乗する彼に語りかける。
コナミはそんな彼等に僅かに眉をひそめる。本当に、彼のD-ホイールはどこかで見た事があるのだが――と、ハッと思い出す。そう、色が違った為、分からなかったが、このD-ホイールは――。
「ッ!奴は――」
同時に、月影がガタリと立ち上がり、男を見て驚愕する。そう、彼は月影の治安維持局潜入を阻んだ、あの時の男。
「次は貴様の番だ。なに、勝敗に拘る事はない。貴様はまだ生まれたばかり――奴のデュエルから、学んで来ると良い――クロウ・ゴースト」
バサリ、男の纏ったローブが宙に翻ると共に、その姿が月下に晒される。鳥の羽を模した飾りをつけたヘルメットに、バイザーの奥で輝く鋭い双眸、顔中には黄色いマーカーを幾つも走らせ、ブラウンのジャケットを着、専用に改造された、D-ホイール、ブラック・バード・アルビオンに搭乗した彼の姿は――1回戦、第2試合、敗北したチーム革命軍のサブリーダー。
「……了解……」
クロウ・ホーガンと、全く同じものだった――。
「何……だと……!?」
キュイッ、黒曜石の輝きを見せるカメラアイが鳴り、コナミを射抜く。ファーストホイーラー、ジャック・アトラス・Dに続き、セカンドホイーラー、クロウ・ゴースト。どうやらこの勝負、一瞬たりとも気は抜けないらしい。
コナミは深く帽子を被り直し、苦笑いを浮かべるのであった――。
このクロウ・ゴーストと言うキャラ、ジャック・Dと同じく公式キャラとなっています。登場作品はタッグフォース6の牛尾さんシナリオ、ハートイベント4。
オリジナルを越えたと豪語するプラシドのゴーストのタッグパートナーとして、最強のゴーストとして立ちはだかります。
しかしこのクロウの強さのみを真似れば最強じゃろうと言うプラシドの考えに牛尾さんが激昂、初期のあの台詞が飛び出し、ボコボコにされ、胴体をもがれてしまいます。哀れプラシド・ゴースト。
自分の感想ですがこの牛尾さんシナリオだけでもタッグフォース6を購入する価値がありますね。無論他のシナリオも面白いですが。
ちなみに6には5に登場し、メインキャラクターとしてスチルをゲットまでした偽ジャックは登場しないので夢のタッグは組めません。悲しい。
しかし産地偽装蟹のZONEとは組めます。最早蟹って言うかザリガニ位別物ですが。