遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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フルアーマード・ウィングカッコイイ……ブラック・フェザー・ドラゴンも救済されてるし組もうかぁと悩む所。


第133話 革命

「瑠璃!」

 

「兄さん!」

 

「瑠璃!」

 

「兄さん!」

 

「瑠璃ィ!」

 

「あの……そろそろやめない?」

 

「瑠璃ィッ!」

 

時は少しばかり遡り、セレナとデイモンのデュエルが佳境を向かえる頃、柚子を捜索していたコナミ達と、柚子と瑠璃達、そして万丈目と三沢が彼等のアジトで合流し、白い目で黒咲兄妹の茶番を見ていた。

何度も何度も瑠璃とばかり、他の言語を失ってしまった隼が連呼し、そろそろ面倒臭く、恥ずかしくなって来た瑠璃が制止しようとも止めようとしない。

 

「良い加減にしろ隼、ここは俺と三沢に任せ、お前は戻れ。試合が始まってからでは遅いぞ」

 

「や!」

 

「や!じゃない、このクソボケがっ!」

 

少し前に立てた計画、と言う程のものでもないが、試合のないユートが三沢と共に柚子と瑠璃を保護――ユートがいるのは流石に万丈目がいなくなり、三沢だけでは警護が薄くなるのと、そこまでの信頼を築いていないからだろう。柚子も会場に戻ると地下送りになってしまう為、こちらの方が断然良い。

遊矢達にも三沢の端末を使い、エヴァ――リンに柚子の無事を知らせた。後はコナミと隼、零羅がビルに戻れば一件落着なのだが――隼がブラコンを拗らせ、ひしっと瑠璃の腰にしがみつき、幼児退行して離れようとしない。まるで蝉である。思わずユートがキャラ崩壊して罵倒する。

 

「やだいやだい!俺、瑠璃と一緒にいるんだもん!」

 

「だもんじゃない!キモいわ!」

 

地面に転がり、駄々っ子のように手足をジタバタさせる隼。柚子と零羅はドン引きしており、瑠璃は恥ずかしそうに耳まで真っ赤になった顔を両手で覆っている。

その間にコナミは冷蔵庫から万丈目がちょっと贅沢したくて買ったステーキ肉を出して適当に焼き、テーブルに座ってバクバクと食っている。自由。

 

「……こんなのに俺は負けたのか」

 

「どうでも良いわ、俺はもう行くぞ」

 

こんな情けない男に負けたのかと三沢も顔を覆うが、万丈目は貴様も似たようなものだろうと内心思いながら出発の準備を整える。

その間コナミは万丈目お気に入りのティーセットを取り出し、これまたお高いブルーアイズマウンテンを淹れ、ゴクゴクと飲む。自由。

 

「おい瑠璃」

 

「え?何ユート」

 

「あっ、イケないんだーイケないんだーっ!俺を放って置いて2人でコソコソしてイケないんだーっ!……ユート、殺すぞ」

 

「最後だけガチなトーンになるのやめろ!」

 

こうなっては仕方無いと瑠璃にそっと耳打ちするユートだが、それを見た隼がブーブーと文句を言い、最後に今までアカデミア相手にも出さなかったような殺気をぶつける。思わず叫ぶユート。

その間コナミはテレビの前に寝転がり、傍にあったブルーレイを視聴。巨大ロボもののアニメを見る。ストライクフリーダム。

 

「わ、分かったわユート……やってみる……に、兄さん!」

 

「何だい瑠璃?」

 

ユートの助言を聞き、何やら決心した表情で頷く瑠璃。そして彼女は兄へ向き直って息を吸い込み――。

 

「わ、私、会場で闘う兄さんの格好いい姿、みたいなー☆」

 

「何をしている零羅、コナミ。ゴロゴロとするな。俺達のディステニーは会場にある」

 

キリッ、瑠璃の言葉を受け、隼が立ち上がり、漢らしい顔つきでコナミと零羅を叱咤する。零羅は完全にとばっちりである。ユートはヤレヤレと溜め息を吐き、コナミと零羅を小脇に抱え、行って来ると瑠璃に良い顔で言い放ち、会場へと戻る友の背を見つめる。

 

「……いや、友達関係見直した方が良いかもなぁ……」

 

苦労人、ユート。その背には哀愁が漂っている。とは言え――ユートの受難はまだ終わらない――。

 

――――――

 

そして時は戻り、フレンドシップカップ会場、サーキットにて、そこではアクションフィールド、『チキンレース』となったコースにて、凌ぎを削る2人のデュエリストの姿があった。1人はチームランサーズのメンバー、エンタメデュエリスト、榊 遊矢。もう1人はチーム革命軍のリーダー、シンジ・ウェーバー。

どちらもラストホイーラー同士。互角の闘いが繰り広げられた末、彼等はどちらもLP4000、先攻後攻を決める為、フルスロットルでD-ホイールを走らせる。今の所、互角。しかし、コーナーでの闘いは――シンジが上だ。

 

「先攻は俺が貰う!ドロー!スタンバイフェイズ、増殖装置の効果で蒼猫にカウンターを乗せる!」

 

月光蒼猫 Aカウンター0→1

 

「『チキンレース』の二重効果でドロー!」

 

シンジ・ウェーバー LP4000→3000→2000 手札5→6→7

 

「さぁて、革命の始まりだぜ、コモンズの野郎共!魔法カード、『名推理』!」

 

「レベル3を選択」

 

「1、2、良し、『B・Fー早撃ちのアルバレスト』を特殊召喚!」

 

B・Fー早撃ちのアルバレスト 攻撃力1800

 

現れたのは蜂のモンスター。『B・F』、『BF』と似たカテゴリだろうか。

 

「コードAの効果により、蒼猫とコードAに乗ったカウンターを2つ使い、墓地の『エーリアン・マーズ』を蘇生!」

 

月光蒼猫 Aカウンター1→0

 

古代遺跡コードA Aカウンター1→0

 

エーリアン・マーズ 守備力1000

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター5→6

 

デイモンの残したカードを駆使し、闘うシンジ。シンジのデッキは『エーリアン』とは全く関係ない上、永続魔法はフィールドを圧迫するが、その残したカードが重なる事でシンジには出来ない戦術を生み出す。

 

スタンバイフェイズ、モンスターにAカウンターを乗せる『「A」細胞増殖装置』、フィールドからAカウンターが取り除かれる度に自身にAカウンターを乗せる『「A」細胞培養装置』、Aカウンターを使い、『エーリアン』を蘇生する『古代遺跡コードA』。この3つにより、シンジは自身のデッキと共に、『エーリアン』デッキを使うに等しい。

 

「『エーリアン・ヒュプノ』の効果で舞獅子姫を奪う!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、効果を無効!」

 

「ヒュプノを攻撃表示に、バトルだ!『エーリアン・ヒュプノ』で蒼猫に攻撃!」

 

「俺のデッキには『ムーンライト』はいないから、リクルートは無しだ」

 

「カードを2枚セット、ターンエンドだ」

 

シンジ・ウェーバー LP2000

フィールド『エーリアン・ヒュプノ』(攻撃表示)『エーリアン・マーズ』(守備表示)『B・Fー早撃ちのアルバレスト』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』セット2

手札4

 

「俺のターン、ドロー!『チキンレース』の効果を使う!」

 

榊 遊矢 LP4000→3000→2000 手札6→7→8

 

「魔法カード、『精神操作』!ヒュプノのコントロールを奪い、墓地の『シャッフル・リボーン』で戻してドロー!」

 

榊 遊矢 手札8→9

 

「良し……俺は『EMファイア・マフライオ』と『EMドラネコ』でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から4のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!『EMシルバー・クロウ』!『EMヘイタイガー』!」

 

EMシルバー・クロウ 攻撃力1800

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700

 

遊矢の後を追従し、2本の光の柱が出現、天空に光の線が結ばれ、魔方陣が浮かび上がる。そして遊矢の声と共に魔方陣に孔が開き、中より2つの光がフィールドに降り立ち、モンスターが姿を見せる。

 

「罠発動!『奈落の落とし穴』!残念だがそのモンスター達には退場してもらうぜ!」

 

「くっ、除外か……!」

 

ところがシンジがセットしていたカードを使い、折角ペンデュラムしたモンスターが姿を消す。しかもこのカードはペンデュラムにとって天敵と言えるものだ。除外されれば再度ペンデュラムは出来ない。

 

『遊矢、ペンデュラム召喚するも破られる!』

 

『しかも『奈落の落とし穴』は除外する為、エクストラデッキには送れない!』

 

加えて『奈落の落とし穴』は対象を取らない為、同時召喚すればした分だけ除外される。遊矢はペンデュラム召喚の権利を放棄し、カードを失う事になってしまった。

 

「だけど俺のフィールドにはセレナが残した舞獅子姫がいる!バトルだ!舞獅子姫で『エーリアン・マーズ』へ攻撃!全滅効果を発動!」

 

「『B・Fー早撃ちのアルバレスト』が破壊された場合、手札の同名モンスターを特殊召喚する。その前に舞獅子姫の効果でリベンジャーが破壊され、コードAにカウンターが溜まる」

 

古代遺跡コードA Aカウンター0→1

 

B・F早撃ちのアルバレスト 守備力800

 

舞獅子姫の刃が振るわれ、シンジのモンスターを破壊するも、彼の手札から後続が呼び出され、壁となる。

 

「2回目の攻撃!」

 

「手札にアルバレストはねぇ」

 

「カードを2枚セット、ターンエンドだ。『シャッフル・リボーン』の効果で手札を除外」

 

榊 遊矢 LP2000

フィールド『月光舞獅子姫』(攻撃表示)

セット2

Pゾーン『EMファイア・マフライオ』『EMドラネコ』

手札2

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『強欲で貪欲な壺』!」

 

シンジ・ウェーバー 手札3→5

 

「『チキンレース』の効果でドロー!」

 

シンジ・ウェーバー LP2000→1000 手札5→6

 

「コードAと培養装置のカウンターを使い、リベンジャーを蘇生!」

 

古代遺跡コードA Aカウンター1→0

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター6→4→5

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2200

 

「効果発動!」

 

月光舞獅子姫 Aカウンター1→2

 

「魔法カード、『蘇生の蜂玉』を発動!墓地のアルバレストの効果を無効にし、蘇生!」

 

B・Fー早撃ちのアルバレスト 攻撃力1800

 

「速攻魔法、『天使のサイコロ』!サイを振り、出た目×100、リベンジャーの攻撃力をアップ!3だ!」

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2200→2500

 

「バトルだ!リベンジャーで舞獅子姫に攻撃!Aカウンターの数だけ舞獅子姫の攻撃力を300ダウン!更にアクションマジック、『突撃』!リベンジャーの攻撃力を600アップ!」

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2500→3100

 

月光舞獅子姫 攻撃力3500→2900

 

榊 遊矢 LP2000→1800

 

舞獅子姫がリベンジャーによって砕かれる。折角セレナが残してくれた切り札も失ってしまった。

 

「アルバレストでダイレクトアタック!」

 

「『EMドラネコ』のペンデュラム効果でダメージを0に!」

 

「チッ、カードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

シンジ・ウェーバー LP1000

フィールド『B・Fー早撃ちのアルバレスト』(攻撃表示)『エーリアン・リベンジャー』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』セット2

手札3

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「罠発動!『砂塵の大嵐』!お前のペンデュラムスケールを破壊!」

 

徹底的に遊矢のペンデュラムの邪魔をするシンジ。それだけ遊矢のペンデュラムを警戒しているのだろう。単純だが、かなり有効な手だ。何しろ遊矢の戦術はペンデュラムを基盤に作られている。こうして元から刈り取ってしまえば、融合、シンクロ、エクシーズと強力な展開も断ち切れる。

 

「『チキンレース』の効果でドロー!」

 

榊 遊矢 LP1800→800 手札3→4

 

「永続罠、『リビングデッドの呼び声』を発動!」

 

「無駄だ!カウンター罠、『ギャクタン』!罠の発動を無効にし、デッキに戻す!」

 

「くっ、ならモンスターとカードをセット、ターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP800

フィールド セットモンスター

セット2

手札2

 

「俺のターン、ドロー!速攻魔法、『ツイン・ツイスター』!手札を1枚捨て、セットカード2枚を破壊する!更に培養装置のカウンターを使い、コードAの効果で『エーリアン・キッズ』を蘇生!」

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター5→3→4

 

エーリアン・キッズ 攻撃力1600

 

「バトルだ!リベンジャーでセットモンスターを攻撃!」

 

「セットモンスターは『EMオッドアイズ・ミノタウロス』、破壊される……!」

 

「『チキンレース』の効果でダメージは与えられない、ターンエンドだ」

 

シンジ・ウェーバー LP1000

フィールド『B・Fー早撃ちのアルバレスト』(攻撃表示)『エーリアン・リベンジャー』(攻撃表示)『エーリアン・キッズ』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』

手札2

 

『B・F』と『エーリアン』、異なるカードを組み合わせて展開、魔法、罠で邪魔を無くし、攻め込む。堅実な手を見せるシンジ。お蔭で遊矢のフィールドはボロボロ、カード1枚も存在しない。だからこそ――取れる手がある。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『カップ・オブ・エース』!コイントスを一回行う……表だ。カードを2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札2→4

 

「俺のフィールドのモンスターが相手フィールドより2体少ない事で手札の『魔導ギガサイバー』を特殊召喚!」

 

魔導ギガサイバー 攻撃力2200

 

「だが『エーリアン・キッズ』の効果で特殊召喚したモンスターにはAカウンターが乗る」

 

魔導ギガサイバー Aカウンター0→1

 

「Aカウンターは1つ……だけど攻守ダウン効果は重なるから600ダウンか」

 

「その通りだ」

 

「ならターゲットはアルバレスト!ギガサイバーで攻撃!」

 

シンジ・ウェーバー LP1000→600

 

「アルバレストの効果発動!」

 

B・Fー早撃ちのアルバレスト 攻撃力1800

 

「カードを1枚セット、ターンエンド」

 

榊 遊矢 LP800

フィールド『魔導ギガサイバー』(攻撃表示)

セット1

手札2

 

「俺のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、増殖装置の効果でAカウンターをギガサイバーに乗せる!」

 

魔導ギガサイバー Aカウンター1→2

 

「更にリベンジャーの効果でカウンターを散りばめる!」

 

魔導ギガサイバー Aカウンター2→3

 

「培養装置のカウンターを使い、墓地の『エーリアン・マーズ』を蘇生!」

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター4→2→3

 

エーリアン・マーズ 守備力1000

 

「俺のLPを減らした事が仇となったな。バトル!『エーリアン・リベンジャー』でギガサイバーへ攻撃!」

 

「手札の『クリボー』を捨て、ダメージを0に!」

 

魔導ギガサイバー 攻撃力2200→400

 

あわや敗北となりそうな所で遊矢の下に毛むくじゃらの悪魔が現れ、膨れ上がって盾となる。だがまだシンジのモンスターは残っている。ここからどう捌くのかが見物だ。

 

「アルバレストでダイレクトアタック!」

 

「永続罠、『EMピンチヘルパー』!攻撃を無効にし、デッキから『EMインコーラス』をリクルート!」

 

EMインコーラス 守備力500 Aカウンター0→1

 

ここで遊矢を助けたのはお馴染みの『EMピンチヘルパー』。今までも遊矢を助け、モンスターを展開する優秀な防御カードだ。デッキより飛び出すのはこのカードとコンビを組んだ3羽のカラフルなインコ。音波を飛ばし、遊矢を守る。

 

「なら『エーリアン・キッズ』で攻撃だ!」

 

EMインコーラス 守備力500→0

 

「インコーラスが戦闘破壊された事でデッキから『EMギッタンバッタ』をリクルート!」

 

EMギッタンバッタ 守備力1200 Aカウンター0→1

 

インコーラスの次はシーソーのようなバッタだ。ロングフォーン・ブルが使えない今、墓地に送っても役立つこのカードを選ぶ。

 

「カードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

シンジ・ウェーバー LP600

フィールド『B・Fー早撃ちのアルバレスト』(攻撃表示)『エーリアン・リベンジャー』(攻撃表示)『エーリアン・マーズ』(守備表示)『エーリアン・キッズ』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』セット1

手札1

 

「くっ、俺のターン、ドロー!速攻魔法、『魔力の泉』!アクションフィールドを合わせ、お前のフィールドのカードは4!俺の場は3!よって4枚ドローし、3枚捨てる!」

 

榊 遊矢 手札1→5→2

 

「せめてAカウンター……『エーリアン』を何とかすれば……『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800

 

現れたのは継ぎ接ぎだらけのハット、黒いマスクにトランプのマークを散りばめた燕尾服を纏った道化師。ここで引けたのは大きい。軽やかなステップを刻んだドクロバット・ジョーカーはパラパラとトランプを取り出し、中より1枚のカードを遊矢に手渡す。

 

「効果で『EMギタートル』をサーチし、『EMレ・ベルマン』と共にセッティング!ギタートルのペンデュラム効果でドロー!」

 

榊 遊矢 手札0→1

 

「ペンデュラム召喚!『EMオッドアイズ・ミノタウロス』!『EMインコーラス』!『EMファイア・マフライオ』!」

 

EMオッドアイズ・ミノタウロス 攻撃力1200 Aカウンター0→1

 

EMインコーラス 攻撃力500 Aカウンター0→1

 

EMファイア・マフライオ 攻撃力800 Aカウンター0→1

 

「バトル!ドクロバット・ジョーカーで『エーリアン・マーズ』へ攻撃!」

 

古代遺跡コードA Aカウンター0→1

 

マーズに向かい、ドクロバット・ジョーカーがトランプを手裏剣のように投げつけて切り刻む。だがまだまだ遊矢の手は止まらない。ファイア・マフライオが口から炎を吐き出し、輪となってドクロバット・ジョーカーの前に浮かぶ。

 

「ファイア・マフライオの効果!ペンデュラムモンスターが相手モンスターを破壊したダメージ計算後、ドクロバット・ジョーカーの攻撃力を200アップし、もう1度攻撃出来る!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800→2000

 

「『エーリアン・リベンジャー』へ攻撃!この瞬間、『EMオッドアイズ・ミノタウロス』の効果でリベンジャーの攻撃力は俺のフィールドの『EM』、『オッドアイズ』カードの数×100ダウン!」

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2200→1400

 

火の輪を潜り抜け、ドクロバット・ジョーカーが『エーリアン・リベンジャー』を切り裂く。止まらない快進撃。遊矢は更に手を打つ。

 

古代遺跡コードA Aカウンター1→2

 

「インコーラスで『エーリアン・キッズ』へ攻撃!」

 

『おおっと、ここで遊矢自爆か!?』

 

「ミノタウロスの効果発動!」

 

「Aカウンター作動!」

 

EMインコーラス 攻撃力500→200

 

エーリアン・キッズ 攻撃力1600→800

 

榊 遊矢 LP800→200

 

「踏み止まった……!」

 

「そしてインコーラスの効果でデッキから『EMハンマーマンモ』をリクルート!」

 

EMハンマーマンモ 攻撃力2600 Aカウンター0→1

 

LPギリギリで踏み止まりつつ、上級モンスターを展開。肉を切らせて骨を断つ。強気の戦法だ。遊矢の背後に鼻先をハンマーに変えたマンモスが現れる。

 

「ハンマーマンモで『エーリアン・キッズ』へ攻撃!この瞬間、相手の魔法、罠をバウンス!」

 

「罠発動!『攻撃の無敵化』!ダメージを0に!」

 

EMハンマーマンモ 攻撃力2600→2300

 

こちらも何とか踏み止まって防ぐ。一気に逆転、一転して遊矢の有利となった。Aカウンターに関するカードも手札に戻された。『魔力の泉』の隙を突くナイスプレイだ。

 

「ミノタウロスでアルバレストへ攻撃!」

 

B・Fー早撃ちのアルバレスト 攻撃力1800→1000

 

続け様にミノタウロスが斧を振り上げ、アルバレストを切り裂く。これでシンジのモンスターは全滅だ。

 

「ターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP200

フィールド『EMハンマーマンモ』(攻撃表示)『EMオッドアイズ・ミノタウロス』(攻撃表示)『EMドクロバット・ジョーカー』(攻撃表示)『EMファイア・マフライオ』(攻撃表示)『EMギッタンバッタ』(守備表示)

『EMピンチヘルパー』

Pゾーン『EMギタートル』『EMレ・ベルマン』

手札0

 

「俺のターン、ドロー!そうでなくちゃ面白くねぇ……!ここからが俺達の革命だ!魔法カード、『暗黒界の取引』!手札を交換、永続魔法、『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』を発動!コードAの効果!ギッタンバッタとファイア・マフライオのカウンターを使い、『エーリアン・リベンジャー』を蘇生!」

 

EMギッタンバッタ Aカウンター1→0

 

EMファイア・マフライオ Aカウンター1→0

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター0→1

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2200

 

「Aカウンター散布!」

 

EMハンマーマンモ Aカウンター1→2

 

EMドクロバット・ジョーカー Aカウンター0→1

 

EMオッドアイズ・ミノタウロス Aカウンター1→2

 

EMファイア・マフライオ Aカウンター0→1

 

EMギッタンバッタ Aカウンター0→1

 

「バトル!リベンジャーでハンマーマンモを攻撃!」

 

EMハンマーマンモ 攻撃力2600→2000

 

再び蘇ったリベンジャーがハンマーマンモを鋭き爪で切り刻む。やはりこの『エーリアン』パーツは厄介だ。倒しても倒しても『エーリアン』が現れ、Aカウンターによって次第に押されていく。キリが無い。

 

「カードをセット、ターンエンドだ」

 

シンジ・ウェーバー LP600

フィールド『エーリアン・リベンジャー』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』セット1

手札0

 

「俺のターン、ドロー!ペンデュラム召喚!『EMインコーラス』!」

 

EMインコーラス 攻撃力500

 

「このままドクロバット・ジョーカーとギッタンバッタでエクシーズっていきたいけど……ダーク・リベリオンはユートに返したからな……今更ながら便利さを痛感するよ。バトル!インコーラスでリベンジャーへ攻撃!」

 

「罠発動!『デストラクト・ポーション』!リベンジャーを破壊し、LPを攻撃力分回復!加えて墓地の『仁王立ち』を除外し、リベンジャーに攻撃を絞る!」

 

シンジ・ウェーバー LP600→2800

 

古代遺跡コードA Aカウンター0→1

 

「ッ、ドクロバット・ジョーカーとファイア・マフライオ、ミノタウロスを守備表示に変更、カードを1枚セットし、ターンエンド」

 

榊 遊矢 LP200

フィールド『EMドクロバット・ジョーカー』(守備表示)『EMオッドアイズ・ミノタウロス』(守備表示)『EMファイア・マフライオ』(守備表示)『EMインコーラス』(攻撃表示)『EMギッタンバッタ』(守備表示)

『EMピンチヘルパー』セット1

Pゾーン『EMギタートル』『EMレ・ベルマン』

手札1

 

「俺のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、増殖装置のAカウンターをドクロバット・ジョーカーへ!」

 

EMドクロバット・ジョーカー Aカウンター1→2

 

「『チキンレース』の効果を使い、ドローと回復、2つを行う!」

 

シンジ・ウェーバー LP2800→1800→800 手札1→2

 

榊 遊矢 LP200→1200

 

「そしてコードAの効果でドクロバット・ジョーカーのカウンターを使い、リベンジャー蘇生!」

 

EMドクロバット・ジョーカー Aカウンター2→0

 

エーリアン・リベンジャー 攻撃力2200

 

「A」細胞培養装置 Aカウンター1→2

 

「リベンジャーの効果発動!」

 

EMドクロバット・ジョーカー Aカウンター0→1

 

EMオッドアイズ・ミノタウロス Aカウンター2→3

 

EMファイア・マフライオ Aカウンター1→2

 

EMインコーラス Aカウンター0→1

 

EMギッタンバッタ Aカウンター1→2

 

幾度も降りかかるAカウンター。大量展開する遊矢にとってこの効果は非常に凶悪だ。このままではカウンターは増える一方、尽きる事なくコードAの弾丸となる。

 

「さぁ、革命の始まりだ!」

 

「……!?」

 

ニヤリ、突如シンジが不敵な笑みを描き、拳を振り上げて観客席にいるコモンズに向かってさけぶ。これから起きるのは彼等コモンズ達による下克上、シンジはそれを束ねるリーダーとなって遊矢に刃を向ける。

 

「俺達コモンズ達はトップス共に虐げられて来た!だがこの榊 遊矢が見せたように、ジャック・アトラスに勝ち、俺達がキングとなれば全ては変わる!変えられるんだ!今こそその時、さぁ、俺達で勝つんだ!勝ってこのシティを変えるんだ!俺達コモンズが!」

 

『ちょっ、ちょっと何言っちゃってんのー!?』

 

その言葉は腐り落ち、全てを諦めたコモンズの魂に火を灯す。希望の道に、光を照らし出す。まるでそれは、地獄に垂らされた蜘蛛の糸。シンジはカリスマを持って人々を惹き付け、束ね――その夢を叶えようとする。コモンズより降り注ぐシンジへのエール。それに押されるようにシンジのD-ホイールが加速し、今は『チキンレース』に変わったレーンに乗り上げ、大きく跳躍する。

 

「さぁ、行くぞ!バトルだ!『エーリアン・リベンジャー』で、インコーラスへ攻撃!」

 

「ピンチヘルパーを墓地に送り、ダメージを0に!」

 

EMインコーラス 守備力500→0

 

「インコーラスの効果でデッキから『EMロングフォーン・ブル』をリクルート!」

 

EMロングフォーン・ブル 守備力1200

 

後続として現れたのは青い牡牛のモンスターだ。角には受話器がかけられており、インコーラスの飛ばした音波に反応してジリリと音を鳴らす。

 

「効果で『EMセカンドンキー』をサーチ!」

 

「メインフェイズ2、『B・F必中のピン』を召喚!」

 

B・F必中のピン 攻撃力200

 

「ピンの効果!相手に200のダメージを与える!」

 

榊 遊矢 LP1200→1000

 

「ッ!」

 

現れた小さな蜂が毒針を飛ばして遊矢を追い詰める。ステータスも低く、効果も地味だが――今この時ではかなり厄介だ。

 

「魔法カード、『一時休戦』!」

 

シンジ・ウェーバー 手札0→1

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「ターンエンド!さぁ、行くぞ!野郎共!」

 

シンジ・ウェーバー LP800

フィールド『B・F必中のピン』(攻撃表示)『エーリアン・リベンジャー』(攻撃表示)

『「A」細胞増殖装置』『「A」細胞培養装置』『古代遺跡コードA』

手札1

 

小さな者達の声を、力を合わせ、シンジは遊矢と闘う。束ねられた力。それは――遊矢も目指すデュエルの形。それに対し、遊矢はどう出るのか――。

 




海外のレギュレーションでアストログラフと覇王スターヴが規制されたと聞いてビクビクしてます。使ってるのもあるんですけどストーリーに関わるカードなんで彼のデュエルで出せるかが不安。ダーク・ヴルムも規制されてるし、ラスボス強い……。

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