遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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少しタグを改めました。しかしアニメは凄い事になってますね。
今回あれを出すのに少し複雑な気持ちになりました。


第12話 瑠璃ィィィィイイイイイイイイ!!!

物語はコナミが暗次達とデュエルしていた頃に遡る。舞網市の裏通り、細く人通りの少ない道。榊 遊矢は肩を落とし、暗い表情でその道を歩んでいた。足取りは重く、エンタメデュエルの時の笑顔も陰り、何時もならピンとくの字に立ったアホ毛も今は萎びており、遊矢は今にでも頭に着けたゴーグルを被りたかった。

 

「コナミー、何処だぁー。出てこないと柚子が恐いぞぉー。ハリセンだぞぉー」

 

まるで迷い猫でも捜すかのように、口に両手でメガホンを作り、棒読みで猫よりも生息地が不明な生物を捜す遊矢。コナミの捜索、それが遊矢が柚子より頼まれた依頼である。道場破りに出掛けたと言う事で、目立つ場所ではなく、尚且つデュエル塾のある道を選んだのだが、一向に見つからない。

 

因みに遊矢がコナミを捜すこの時に、コナミはとある幸薄系少女に捜し求める者が何たるかを説いていたのは皮肉な話である。捜し求める者、遊矢。求めている者がレア過ぎて見つかるかは別であるが。

 

「そう言えば、何でコナミって遊勝塾に入ったんだろ?」

 

ふと思う。彼程の実力者ならば、他にも引く手数多であろうに、それこそ、LDSでも上位に入り込み、チャンピオンシップの資格を取るのは楽になる筈だ。自分がペンデュラムを使うから?……いや、彼は自分がペンデュラムを使う事も知らなかった筈だ。

 

「はぁ……まぁいいか、正直、コナミが居て助かるし、な~んか同い年の兄貴がいる気分だよなぁ」

 

これまでのコナミと過ごした日常を思い返す。勉強を皆に教えてくれた事、機械の修理をしてくれた事、遊勝塾の為、闘ってくれた事、そして、チャンピオンシップで闘おうと誓った事。口数の少ない何でもできる、デュエルが好きな赤帽子の少年。彼が遊勝塾に来てくれて、本当に助かった。だがもしも。

 

「もしも……コナミが敵だったら、どうなってたんだろうな……」

 

その「もしも」は直ぐに叶えられる。

 

「久し振りだな」

 

「!?」

 

声が、響く。透明感のある、聞き覚えのある声。遊矢が捜していた、少年の声。声がした方向に振り向くと共に、ガチリ、と腕に装着したデュエルディスクに鎖が繋がれる。

 

「--え--?うおぉっ!?」

 

それと同時に、人並み外れた力で体が引っ張られ、重心が傾く。この裏通りより更に細く、狭い道に連れ込まれる。だが余りの急な展開に、遊矢の思考は追いつかない。何とか鎖の先を見て、ビルの上でこの鎖の主と思われる者が駆けている事だけが分かる。尋常ではない身体能力。一体、誰が--?其処まで考えた、瞬間。

 

遊矢の身体が、宙を飛んでいた。

 

「うぁっ、うわぁぁぁぁああああっ!??」

 

「喋るな、舌を噛むぞ」

 

遊矢の真上から声が響き、影が差す。先程の声の主であろう。しかし、その人物を確かめる余裕は今の遊矢にはない。現在、遊矢の頭の中には、走馬灯のように様々な事が駆け巡り、他の行動が起こせない。宙に浮いている時間が長く感じられる。そして、地面が見えてきた処で。

 

(あ……死ぬかも)

 

14歳の少年の脳裏に、明確でリアルな死が浮かぶ。まだやりたい事があるのに、父さんのようなエンタメデュエリストになって、コナミとの誓いを果たさなくてはならないのに--!

 

「ふっ!」

 

そこで鎖が手繰り寄せられ、ガッチリと胴を掴まれる。声の人物は鎖をロープのように廃墟となったビルの尖った部分に引っ掛け、衝撃を抑えて着地する。それと同時に、遊矢の身体が放り投げられる。

 

「あだっ!?」

 

思わず声を上げてしまう遊矢。だが予想していたような痛みはない。何故だろうか?

 

「……やはり、こうして見るとユートに似ているな」

 

遊矢の先で独り言を呟く人物。やはりその声は、遊矢にとって聞き覚えのあるものだ。流石に友人であろうと頭にキて苛立ちを含んだ声を上げる。

 

「何するんだよコナミ!死ぬかと思ったじゃない……か?」

 

しかし、遊矢の目の前に立つ少年は何時もと何処か違う。声も、顔立ちも、背格好も、遊矢の知る彼と酷似している。だが。

 

「……ん?ああ、前にお前の隣にいたアイツと勘違いしているのか?確かに名前は同じだが--ああ、いや、どう違うなんて私にも分からないが、少なくとも私はお前の知るアイツではない」

 

そう言って、やれやれと頭を振る目の前の少年、『コナミ』は左腕に嵌めた黄金の輝きを放つデュエルディスクを構え、薄く笑う。

 

「今度は逃がさないぞ、ユーリ。私とデュエルしてもらおう。瑠璃を、返せ」

 

(なんか……黒い……)

 

確かに目の前にいる『コナミ』は遊矢の知る『コナミ』と酷似している。だが、違うのだ。赤い帽子は黒の帽子に、マントのように羽織られたジャケットは黒のジャケットに、帽子の上に装着されていたゴーグルは消え、代わりのように首に重々しいヘッドフォンが掛けられている。全体的に黒を基調とした、赤い『コナミ』とは対照的な『コナミ』。

 

それだけなら遊矢の知る『コナミ』が服装を一新しただけ、と思い、辿り着くだろう。だがそんな事はない。何故だか分からないが、確信があるのだ。目の前の彼は『コナミ』であっても、遊矢の知る『コナミ』ではない、と。

 

仮にこの目の前の『コナミ』を黒コナミとしておこう。コナミと黒コナミが思想や性格、特技や趣味が同じだとしても、目の前の少年は遊矢達と過ごしたコナミではない。そんな、理屈ではない感情が遊矢を確信付ける。

 

だとしたら、この黒コナミは、自分に何のようがあるのだろう?黒コナミは遊矢の事をユーリと呼び、瑠璃を返せと言った。自分はユーリではないし、瑠璃が何なのかは分からない。ただの勘違いなら、直ぐに解こう。そう思い、手をつき、立ち上がろうとした時。その手に、嫌な感触が伝わる。

 

「ッ!?これはっ!?」

 

視線の先に、遊矢の後ろにあったものは大勢のデュエリスト。20人はいるであろう彼等は倒れ伏し、小さく呻き声を上げている。遊矢が黒コナミに放り投げられた時、彼等がクッションとなって、痛みを減らしてくれたのだろう。一体、誰がこんな事を--?など思うまでもない。

 

「--ああ、そいつ等なら、私を捕縛しようとデュエルを挑んで、返り討ちにした。中々楽しかったな」

 

何事もないように、軽々しく言葉を放つ黒コナミ。それが遊矢の癪に触った。

 

--ここまでする必要はあるのか?--コナミはこんな事はしない--!

 

「……いい顔になったな、ユーリ。だが、自分の事を棚に上げるなよ」

 

「俺はユーリとか言う奴じゃない!何を勘違いしているか知らないけど、それ以上コナミの姿で、顔で、声で、その手で誰かを傷つけようと言うなら、俺はお前を許さない!」

 

「ユーリじゃない?それが信じられると?お前こそ、その姿で好き勝手されては困る」

 

互いにデュエルディスクを構え、睨み合う2人のデュエリスト。基本、人畜無害でエンターテイナーを目指す遊矢にしては珍しい事である。黒いコナミも表面上では落ち着き払っているが、その奥に何を秘めているかは分からない。そして。

 

「「デュエル!!」」

 

互いに忘れられないであろう、デュエルが今、始まった。

 

「私のターンだ。私は手札の『ゴゴゴゴーレム』を墓地に送り、魔法カード『オノマト連携』を発動。デッキより、『ガガガマジシャン』と『ゴゴゴジャイアント』を手札に加え、『ガガガマジシャン』を召喚」

 

ガガガマジシャン 攻撃力1500

 

「ガガガッ」と声を上げ、現れたのは全体的にだらり、と気を抜いた姿をし、チェーンを巻いた不良魔術師。レベルの変動においては代表的なモンスターである。

 

「更に私は『ガガガキッド』を特殊召喚する」

 

ガガガキッド 攻撃力800

 

『ガガガマジシャン』の隣に現れた『ガガガマジシャン』を小さくしたような少年魔術師。彼は手に持ったアイスバーを口に含み、半眼で遊矢にガンを飛ばす。

 

「そして、『ガガガキッド』のレベルは『ガガガマジシャン』と同じレベル4となる」

 

ガガガキッド レベル2→4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築」

 

直後、黒コナミの背に、輝く星々が浮かぶ渦が巻き起こる。2体のモンスターは渦に吸い込まれ、そして--黄金の装飾を纏う白き塔が立つ。

 

「エクシーズ召喚!現れよNo.39!我が戦いはここより始まる!白き翼に望みを託せ!光の使者、希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

『ホォォォォォプ!!』

 

塔が音をたてて変形し、戦士の姿となり咆哮する。腰に携えた2刀、黄金の装飾、雄々しき白の翼。そして--右肩に浮かぶ39の赤き紋様。『No.39希望皇ホープ』。遊矢がこのモンスターを目にするのは2度目である。1度目はコナミ、そして2度目は、この黒コナミの手より繰り出された。あの時は零児のペンデュラム召喚した『DDD制覇王カイゼル』の力により、その効果が無効化されていた為、遊矢にはその効果は分からない。あのコナミが操っていたモンスターだ。警戒をより一層高いものに引き上げる。

 

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

黒コナミ LP4000

フィールド『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)

セット1

手札2

 

目の前に立ち塞がる希望の翼を広げる皇。このモンスターより伝わる圧倒的な覇気に思わず退きそうになる遊矢。だが--逃げるわけにはいかない--!

 

「俺のターン!俺は、『時読みの魔術師』をペンデュラムスケールにセットし、『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800

 

ポン、と星を散らし、華麗に参上したのは仮面を被った道化。彼は怪しく笑いながらステップを刻む。

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果!召喚に成功した時、デッキから、このモンスター以外の『EM』、『魔術師』ペンデュラム、『オッドアイズ』モンスターの内、1体を手札に加える!俺は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を手札に加える!」

 

ドクロバット・ジョーカーがシルクハットから数枚のトランプを取り出し、自らの主である私の遊矢に向かい投げつける。その中から遊矢は1枚のカードを掴み取り、全てのトランプが小さな煙を起こし消える。残ったのは遊矢の手の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』。ドクロバット・ジョーカーのトランプが姿を変えたのだろう。何とも凝った演出である。

 

「俺は、スケール4の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』既にセットされたスケール8の『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル5から7のモンスターを同時に召喚可能!」

 

遊矢のデュエルディスクの両端に2枚のカードが設置され、七色の光を放つ。続いて上空に光の柱が伸び、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『時読みの魔術師』が現れ、幾重もの線が結ばれ巨大な魔方陣を描く。

 

「……ペンデュラム……!?」

 

ここで黒コナミが初めてその表情を驚愕に変える。どうやら彼はペンデュラムの事を知らないようだ。だが彼がコナミと同じくこの街の者ではないならそれも納得できるか、と遊矢は考える。尤もコナミのようにペンデュラムを持っていれば遊矢としては堪ったものではないが。

 

「揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!」

 

魔方陣の中心が開き、2つの閃光が遊矢の前に降り注ぎ、地響きを起こす。

 

「『EMカレイドスコーピオン』!」

 

EMカレイドスコーピオン 守備力2300

 

遊矢の前に両腕の盾を構えた、万華鏡の尾を持つ真紅の蠍が現れる。お世辞にも高いステータスを持っているとは言えないが、懸命に主を守ろうとする姿は可愛らしい。

 

「『EM』の重鎮。地響きとともにただいま降臨!『EMハンマーマンモ』!」

 

カレイドスコーピオンの隣に並ぶのは、シルクハットを被り、玩具のハンマーを鼻に着けた巨大な象。その姿は何処か愛嬌がある。

 

「バトルだ!『EMハンマーマンモ』で希望皇ホープに攻撃!ここでハンマーマンモの効果発動!相手フィールド上の魔法、罠カードを全て手札に戻す!」

 

ハンマーマンモのハンマーが地を叩き、黒コナミのセットカードを手札に戻す。

 

「いたたぎマンモー!」

 

気の抜けた攻撃名と共に再びハンマーが振られ、希望の皇へと迫る。しかしこの程度の攻撃で怯む程、黒コナミとこのモンスターは甘くはない。

 

「希望皇ホープのORUを1つ取り除き、効果発動。モンスターの攻撃を無効にする。ムーンバリア」

 

ホープが翼の1つを前方に展開し、ハンマーマンモの攻撃を防ぐ。攻撃無効効果。目の前に立ち塞がる皇の力に無意識に舌を巻く遊矢。合計2回の攻撃を無効にされるのは厄介なものだ、と。

 

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。ここで『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のペンデュラム効果発動!このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター1体を手札に加える!俺が手札に加えるのは『EMペンデュラム・マジシャン』だ」

 

榊 遊矢 LP4000

フィールド『EMハンマーマンモ』(攻撃表示) 『EMドクロバット・ジョーカー』(攻撃表示) 『EMカレイドスコーピオン』(守備表示)

セット2

Pゾーン 『時読みの魔術師』

手札1

 

3体ものモンスターを展開し、次のターンの準備も整えた遊矢。一方の黒コナミは遊矢のプレイングに感心し、見た事もないペンデュラムカードに目を輝かせ、興奮を隠しきれない様子だ。その姿に遊矢は思わずコナミの姿を重ねてしまう。2人が酷似している為、イメージに拍車がかかる。しかし、遊矢の感情がそれを拒絶する。目の前の『敵』は決してコナミではない。奴はこの場にいるデュエリスト達を傷付けたのだと、そんな奴が自らの友と同じ筈がない。

 

「ペンデュラム……面白いものを使うなユーリ?アカデミアで作ったものか?」

 

口元を歪め、遊矢へと語りかける黒コナミ。未だに遊矢の事を『ユーリ』なる人物と勘違いしているようだ。

 

「だから!俺はユーリじゃない!遊矢だ!」

 

「どうだかな?その顔、その目、その声。それがお前がユーリだと物語っている」

 

バッと右腕を差し出し、遊矢を指差す黒コナミ。その黒帽子の奥底に眠る瞳にはギラギラと肉食獣のような獰猛な輝きが宿っており、見るだけで背筋を寒気が襲う。

 

「あの時、私が『奴』に足止めされなければ瑠璃を守る事が出来た……!すまない瑠璃……!瑠璃ィィィィイイイイイイイイ!!!」

 

天に向い激しい咆哮を上げる黒コナミ。彼の並々ならぬプレッシャーを間近で受けた遊矢は思わず尻餅をついてしまう。それと同時に驚愕する。別人とは言え、コナミと同じ顔をした人物がこうまで感情を露にするのか、と。

 

「……このような感情はデュエルに持ち込むべきではないな……、デュエルを続けよう。私のターン、ドロー」

 

先程までの興奮を内に秘め、落ち着き払い、デッキの上のカードを引き抜く黒コナミ。

 

「私は永続魔法『エクシーズ・チェンジ・タクティクス』を発動。『希望皇ホープ』モンスターがエクシーズ召喚された時、500LPを払う事で、1枚ドローする事ができる。私は『No.39希望皇ホープ』でオーバーレイ・ネットワークを再構築、カオスエクシーズ・チェンジ!現れよCNo.39!混沌を光に変える使者!希望皇ホープレイ!」

 

CNo.39希望皇ホープレイ 攻撃力2500

 

希望皇ホープが塔の姿に戻り、渦に飲み込まれる。そして、次の瞬間、塔は更なる変形を見せ、希望皇ホープの新たな姿となる。白く輝く皇は漆黒に染まり、そのフェイスも厳ついものへ、純白の翼は烏のような黒く攻撃的なものに変わり、2振りの剣とは別に、背に1本の大剣が背負われる。右肩の39の紋様は左翼に移り、赤き輝きを放った。

 

「カオス……ナンバーズ……?」

 

目の前で起こった皇の変貌に動揺する遊矢。エクシーズ・チェンジは見た事がある。LDS襲撃の際に、エクシーズコースの志島 北斗が見せた戦術だ。だがあの時と今では明らかに違う。希望皇ホープは目の前で明確な進化を遂げた。

 

それに『CNo.』、そもそも『No.』と言うモンスター自体、遊矢には聞き覚えがない。39と言う事は他にも『No.』と名のつくモンスターがいるのだろうか?そしてその数は?数次第ではとんでもない脅威になる。

 

「500LPを払い、『エクシーズ・チェンジ・タクティクス』の効果、発動。デッキからカードを1枚ドロー」

 

黒コナミ LP4000→3500 手札3→4

 

黒コナミの発言により、ハッと我に返る遊矢。そうだ今はそんな事を気にしている場合じゃない。今はデュエルに集中しなければ、と黒コナミを見据える。すると彼は先程引いたカードを見て、ニヤリと笑っている。ゾクリと遊矢の背に寒気が走る。

 

「いいカードを引いた。私は友情の証、『RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース』を発動!自分フィールドのランク4のモンスターをランクが1つ高い『CNo.』モンスターにランクアップする!」

 

「ランク……アップ……!?」

 

ヤバい。あのカードはヤバい。遊矢の全身が警報を鳴らす。これから出るカードは今まで自分が見てきたどのようにカードよりもヤバいと。体が震える。嫌な汗が止まらない。だがそんな事、黒コナミには関係ない。

 

「ランク4の希望皇ホープレイでオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!」

 

ホープレイの装甲が赤の力を纏い、刺々しく鋭角的な鎧へと変わり、深紅に染まる。腰の2刀は1つに合わされ、まるで薙刀のような曲刀へと変わっていく。

 

「出てよ、CNo.39!混沌を統べる赤き覇王。悠久の戒め解き放ち赫焉となりて闇を打ち払え!」

 

フェイスは獣のような凶悪なものになり、その姿は皇と言うには邪悪で、暴君と言った方が正しい。赤き両肩、銀のヘルム、どす黒い翼。そして今までよりも赤く輝く39の紋様が左肩に宿る。その皇の名は。

 

「降臨せよ、希望皇ホープレイV!」

 

CNo.39希望皇ホープレイV 攻撃力2600

 

遊矢の眼前に、儚き希望の光が今、降り立った。

 




おまけ

クロワッサン「くっ!コナミとはぐれてしまった……!」

――瑠璃ィィィィイイイイイイイイ!!!――

カン☆コーン!

クロワッサン「瑠璃!?どこだ瑠璃!?瑠璃ィィィィイイイイイイイイ!!!」(共鳴)

――――――

――瑠璃ィィィィイイイイイイイイ!!!――

カン☆コーン!

茄子「……やっと見つけたぞぉ……!コナミィ!!」(狂化)

おまけのおまけ

破壊皇セールゲイV(ヴォルコフ)「その足掻きは美しい……だが見苦しい!」(ブイブレードシュート)

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