遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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ハカメモをプレイして感動。お使いプレイが苦でない方、濃厚なストーリーが好きな方にオススメです(ダイマ)。
さて、メダロットクラシックスをプレイしましょうか……(ステマ)


第115話 3ターン

コンコンコン、と、自身に振り当てられた部屋のドアがノックされる音を耳に入れ、少年、榊 遊矢はジッ、と集中して見ていたテレビから目を離して振り向き、来訪者へと応える。

 

「はーい、どちら様ですかーっと……」

 

ガチャリ、ドアノブを捻り、開けると、そこにいたのは見慣れた、しかしここ数日では顔を合わせていなかった赤帽子の上にゴーグルをかけた少年の姿。遊矢は少しだけ目を見開いた後、口元に笑みを浮かべている。

 

「ようコナミ、お前もここに来たのか」

 

「ああ、入るぞ」

 

「ん」

 

短い言葉と共に通じ合い、コナミが部屋に上がり込む。遊矢がこの評議会によって作られた、フレンドシップカップの選手達の大部分が占める者達が宿泊しているのは、脱出の際、月影によってランサーズの事情を聞いた評議会が保護した為だ。やはり月影は有能。

 

その際、ランサーズの実力を見せる為、こうしてフレンドシップカップに出場する事になってしまったが。コナミも芋づる式に保護され、ユート、ユーゴ、柚子、鬼柳、セクト、ジルと共にここに来た。尤も、ユートと零児、エヴァは大会に参加しないようだが。

 

遊矢とコナミは近況を報告し合い、その度に2人の表情が変わる。

コナミがユートの復活、柚子の無事を語り、遊矢が目を丸くした後、嬉しそうにはにかみ、遊矢がクロウや牛尾の事を口にすればコナミが口元を緩めて相槌を打つ。チームサティスファクションの事、収容所のデュエル、そのどれもに2人は目を輝かせ、笑みを浮かべる。

そして――話が落ち着いた時、コナミが一通の手紙を遊矢に渡す。柚子からの手紙だ。遊矢は差出人を聞き、急いで手紙を手に取り、封を開いて目を通す。

 

「柚子が……!?ちょっ、ちょっと見せてくれ……!」

 

「手紙には、何と?」

 

「……自分の無事と、俺の心配ばかりだよ。ハハ、全く……こんな時まで人の心配なんてな……」

 

一通り目を通した後、遊矢の指先が震え、視界がボヤける。いや、これは――頬を伝う、暖かい雫、涙だ。コナミはそんな遊矢を見て、帽子を深く被って見ずまいとし、遊矢はそんなコナミに感謝してゴシゴシと腕で涙を拭き取る。

これでも遊矢は年相応、中学二年生の少年だ。大切な人の無事に安心し、気が緩んだのだろう、無理も無い。彼にとって、誰かの代わりなんて思い付けないのだから。

 

「辛いなら、肩を貸そう。何、オレは帽子を被っている。肩が濡れても気にしない」

 

「ッ――ごめん、コナミ。ありがとう……!」

 

そうして笑顔の絶えない少年は、赤帽子の少年の肩に顔を埋め、嗚咽を溢す。目から溢れる感情はきっと、誰かの幸せに対する、嬉し涙だったのだろう。また、遊勝塾で皆揃って笑い合う事を願い、〝少年〟が想いを馳せる。

 

「俺……柚子のこう言う、自分の事より人を気にかける所……嫌いだ……」

 

「あぁ……そうだな」

 

「小さい頃から俺がイジメられたら、権現坂よりも母さんよりも早く、イジメっ子に向かって行く所なんか、大嫌いだった」

 

「……そうか」

 

「会ったら、文句の一つでも言ってやる」

 

「フ、その時はオレも付き合おう、男同士の約束だ」

 

全て溢し、スッキリとした表情でコナミから離れ、目元を赤くしながら遊矢が笑う。もう迷いは振り切った。コナミもそんな遊矢を見て笑みを浮かべる。

そんな時だった――遊矢の部屋のドアがギィッ、と小さく開き、権現坂や沢渡、隼にアリト、デニスと沢渡の子分が団子のように重なってこちらの様子を伺っているのが遊矢の目に写ったのは。

 

「……」

 

「……」

 

「見てた?」

 

コクコクと、遊矢が素に戻った放った問いかけに対し、気不味そうに汗を浮かべて頷く5人。途端、遊矢は素早くベッドに突撃し、毛布を頭から被って奇声を上げながら部屋をゴロゴロのたうち回る。

 

「うっきゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

『まぁまぁ』

 

「うるさいよ!」

 

皆が孫を見るような優しい眼差しで遊矢を見つめ、青春してるなぁと思いながら大丈夫だと語りかけるが、今の遊矢にはその優しさが辛い。羞恥心で顔を真っ赤にしながら部屋をゴロゴロのたうち回って暴走する中、デニスが遊矢が弾き飛ばしたビデオテープに視線を移す。

 

「ん――遊矢、これは何だい?」

 

「えっ、あ――これは――」

 

デニスの言葉を受け、遊矢がモゾモゾと毛布の中で芋虫のように這い出し、顔を出してビデオテープを見て声を漏らす。

途端、ランサーズメンバーが何だ何だとテープを見つめる。

 

「おっ、何だ遊矢。エッチなビデオか?」

 

「けしからん!そうなのか遊矢!?」

 

「遊矢にはまだ早い、俺が没収しておこう」

 

「待て黒咲、抜け駆けは許さんぞ」

 

「どれどれ、この俺様が審査してやろう」

 

アリト、権現坂、隼、コナミ、沢渡の順に口を開き、ガヤガヤと騒ぎ出す。こう言う所はやはり男と言う事か。コナミと隼がビデオテープを取り合い、剣呑な空気を発し、デュエルディスクを構え出したその時――。

 

「どれどれ、ジャック・アトラス?何だ遊矢、お前外人系が好きなのか?ん?ジャック……男の名前だよな?ホモビかテメェ!?」

 

「コナミ、争いはやめよう。これはお前に託す」

 

「それがレジスタンスのやり方か……!」

 

沢渡がげぇっと声を出すと共に、隼がセットした掌をオープンし、やたら綺麗な眼でビデオを押し付ける。ぶっちゃけコナミとしてはホモビでもワンチャンあるが、そのやり口の汚さに歯軋りを鳴らす。

 

「違うって!ほら、俺、明日フレンドシップカップのエキシビションに出る事になったから、評議会の人に対戦相手のキングの今までのデュエルの記録を持って来て貰ったんだ。どんな相手か分からないけど、ビデオを見れば戦略とかも分かるかなって」

 

「へぇ……ってこれ全部かい!?凄い量だね……」

 

「ある程度は早送りしたりしてるよ。見る度にその強さを見せつけられるよ」

 

もう羞恥心は消えたのか、再びテレビの前に座り、画面に視線を移す遊矢。勉強熱心な事だ。もう何時間もこんな状態なのだろう。消化されているビデオもまた、山積みとなっている。

そんな遊矢を見て――6人は顔を合わせて頷く。

 

「オレも手伝おう。権現坂、後2台程ならばこっちにテレビを移せる筈だ、手伝ってくれ」

 

「了解した」

 

「山部、柿本、大判!俺達はデュエルの展開をノートに書き取るぞ!」

 

「了解ッスよ沢渡さぁーんっ!」

 

「じゃあ俺とデニスはビデオの厳選だな。参考にならない奴は少しでも省こう」

 

「OK!分かったよ!」

 

「全員余ったカードを出せ、俺は対策となるカードを割り出そう」

 

テキパキと、コナミと隼を中心として役割を振り、少しでも遊矢の助けになろうと行動を開始するランサーズメンバー。そんな彼等を見て、ポカンと遊矢が呆けた表情を浮かべる。

 

「皆、少しでもお前の力になりたいんだ。忘れるな、お前は1人じゃない。オレ達が最高のバックアップをしてやる。だから、勝ってくれ。テレビが運び終わったら許可を取って遊矢のD-ホイールを仕上げる!手が空いている奴は手伝ってくれ!」

 

コナミ達が良かれと思い、彼の為に必死で動く。そんな彼等の優しさが、友情が、遊矢の胸に染み込んでいく。やはり、自分は幸せ者だ。こんなにも自分に与えてくれる、力となってくれる人間がいる。

絶対に、ジャック・アトラスに勝つ。皆の想いを無駄にしたくない。自分に協力してくれる彼等の強さを証明する為に――代表者として、遊矢は覚悟を決める。

 

ジャック・アトラスは、確かに強く、気高く、遊矢よりもずっとエンターテイナーとして、デュエリストとして一流だろう。

だけど――遊矢には、この孤高の王には無い、絆がある。負けられない、自分の為にも、皆の為にも。ジッ、とジャックのデュエルを研究する遊矢。そんな彼の目に写るジャック・アトラスは――どこか、不満足そうに見えた――。

 

――――――

 

そして、あっと言う間に1日が過ぎた。あれから皆はジャックの対策をそれぞれ立て、遊矢のデッキのコンセプトや事故に繋がらないように強化を施してくれた。

気がつけば皆疲れ、1つの部屋で眠りこけてた程だ。だがそれだけあって、準備は万端、控え室でイメージトレーニングを行う中、1人の少年が1枚のカードを差し出して来た。

 

名前はサム。彼はこれをジャックに返して欲しいと言い、カードに秘められた思い出を語った。

何でも――彼がまだ、コモンズにいて、コモンズからのし上がったジャックに、どうやったら貴方みたいになれるかと問いかけた時、彼はこのカードを渡し、彼に相応しいカードだ、と言ったらしい。

レベル1で、攻守0、余り強いとは言えない、どちらかと言うと弱いカード。それを見て――サムはジャックが弱いお前には弱いカードがお似合いだ、と言ったように思ったらしい。

だが遊矢は、そのカードを受け取り、サムの肩に優しく手を乗せる。

 

「分かった、返すよ。だけど、そんな事言わないで欲しい。確かに、このカードは弱いのかもしれない。でも、このカードを作った人の気持ちを考えてくれないか?このカードに込められた想いを、知ってくれないか?」

 

「え――」

 

「弱いカードでも、このカードにも、このカードだから出来る役割がある筈なんだ。それがきっと、このカードの闘えるフィールドなんだ」

 

デュエルモンスターズと言うものには、膨大な量のカードがある。1枚1枚に込められた想い、カードの心。それを知って欲しいと、遊矢はサムを諭す。

そんな遊矢を見て、サムは呆然とする。今はまだ、分からないのかもしれない。だけど――きっと何時か、分かる筈だ。このカードに込められた、ジャック・アトラスの魂の想いが。

 

「ちょっとトイレに行って来る」

 

「あ――はい」

 

去っていく遊矢の背を見て、サムは考える。あのカードに込められた、ジャックの想いを――。

 

――――――

 

「うぉー、トイレトイレ……」

 

サムにカードについて語った後、遊矢は選手控え室近くにあるトイレに駆け込み、用を足していた。何とか間に合った。スッキリとし、社会の窓を閉め、手を洗おうとしたその時――。

 

「……そこに誰かいるのか?」

 

「え――」

 

トイレの個室から、声がかけられる。太く男らしく、威風堂々とした、まるで王と言うイメージが纏う、凛々しい声に反応し、遊矢が個室トイレに向き直る。一体誰なのだろうか。

 

「すまないが――用を足したのは良いが、紙が無くてな、取ってくれないか?」

 

どうやら紙が無いらしい。成程、それなら仕方無いと遊矢はポンと手を合わせ、隣の個室から紙を取り、開けられたドアの隙間から中の人に渡す。

 

「む、礼を言う」

 

カラカラとペーパーが回り、暫くして――水が流れる音が響き、トイレからスッと出て来た男を見て、遊矢の表情が驚愕に染まる。白を基調としたライダースーツ、金髪にアメジストの瞳。毅然とした長身の男。そう、彼は――。

 

「ジャック……アトラス……!」

 

「ほう、俺の事を知っているか。ならば話は早い、サインをやるからこの事はファンに黙っていてくれ」

 

「え、と――俺、榊 遊矢って言います。貴方の今日の対戦相手です。今日は――貴方に、勝ちに来ました」

 

毅然と、遊矢はジャックを見据え、挑戦状を叩きつける。それを見てジャックはほうと頷き、鋭い目付きで遊矢を睨む。

 

「ふん、果たして俺を満足させられるか?正直、そうは思わんがな」

 

「えっと……チャック開いてますよ?」

 

鼻を鳴らし、遊矢を見下すジャックを前にして、遊矢は親切に教える。チャック・アイテマス。最高に激ダサな瞬間だった。

 

「……礼を言う」

 

「兎に角、俺は負けるつもりは無いです。お互い、デュエルを楽しみましょう」

 

ニコリと微笑み、スッと手を差し出す遊矢。しかし――。

 

「……楽しむ、か。甘いな……どうでも良いが、せめて手を洗ってからにしろ」

 

「……そっスね」

 

結局、最後まで格好のつかない2人であった――。

 

――――――

 

そして――ついにフレンドシップカップ、エキシビションマッチの舞台のサーキットへ。巨大なスタジアムの外周には観客席が設けられ、トップスとコモンズを問わず、多くの人々がデュエルを見物しようと入場している。その大多数は、ジャック・アトラスのデュエルが見たいが為。先にサーキットへD-ホイールを走らせ入場した遊矢は、今か今かと王者を待っている。

上空にはバリバリと音を鳴らして飛ぶヘリ。中からこの大会の実況、解説を預けられた駆け出しの、カウボーイハットを被ったメリッサ・クレールとリーゼントが特徴的な男性が顔を出す。

 

『ハーイ!いよいよ始まるフレンドシップカップ!そのエキシビションマッチとして、サーキットには挑戦者である少年、榊 遊矢クンがD-ホイールに乗り、我等の王者の来訪に緊張している様子!何でも彼は珍しいカードを使うとか!そのカードを使い、果たして彼はキングにどのようなデュエルを見せるのか!』

 

『因みにこのデュエルはライディングデュエルに加え、フィールドに散らばったカードを拾い、それを使ってデュエルを有利に進めるアクションデュエル、と言うものを取り入れている!つまり、アクションライディングデュエルと言う訳だ!キングも始めて行うデュエル!チャレンジャーにも勝機はある!勝つのは常勝無敗、絶対王者、ジャック・アトラスか!それとも無銘の少年、榊 遊矢か!さぁ、ここでキングの登場だぁーっ!』

 

リーゼントのMCの熱い台詞と共にサーキットにスモークが上がり、その中を突っ切って真っ白な、1つの車輪によって走行するD-ホイール、ホイール・オブ・フォーチュンが出現する。瞬間、爆発したかのように歓声が上がり、それに応える為、ホイール・オブ・フォーチュンに搭乗したジャックが指先で天を差し、高々と王者の咆哮を上げる。

 

「キングは1人!この俺だ!」

 

――――――

 

「フ、キングは1人、ですか……」

 

治安維持局、長官室にて、そこではフレンドシップカップの様子が写ったモニターを見て、ニヤリと笑みを浮かべる男性、長官であるジャン・ミシェル・ロジェの姿と、その背後のテーブルに座る、白帽子を被った青年と、大男の姿があった。白コナミとセルゲイだ。彼等は暇を持て余し、ロジェの所持品であるチェスをしている。

 

「そう、キングは1人、2人もいらないのですよ。ねぇ、プラシド?」

 

ねっとりと、絡み付くような台詞を聞き、部屋の片隅に陣取り、モニターを見つめる、ケープとローブを纏った青年、プラシド――と本人は名乗っている。はフンと鼻を鳴らし、白コナミ達が座っていない、もう1つのテーブルに視線を移す。

そこにいるのは、プラシドと同じく、ケープとマントを羽織った長身の男と、やや背の低い男。

背の低い男は灰色の眼を地に落とし、何をするまでも無くボーっとしており、対して長身の男はケープから覗く赤い瞳でモニターの中のジャック・アトラスを睨む。まるで、憎んでいるかの如く。

 

「……あぁ、そうだな――」

 

プラシドは想いを馳せる。この大会で、榊 遊矢が何処まで成長してくれるかと。サーキットを、完成するに至るのかと。

 

――――――

 

一方、評議会のビル、コナミ達が保護されたそれの、沢渡の部屋にて、そこではコナミと権現坂、沢渡に隼、アリトとデニス。沢渡の子分が集まり、フレンドシップカップの様子を写したテレビの前に集っていた。目的は勿論、遊矢の勝利を願っての観戦だ。

 

「どうでも良いけどよ、何で俺の所に来るんだよ」

 

「どうでも良いなら言うな」

 

「テメェ黒咲!俺の部屋でポテチの袋を開けんじゃねぇ!カスが散るだろうが!」

 

「バリッ!バリバリッ!さぁて一体どうなる事やら。権現坂はどう思うよ?」

 

「ぜってーお前はそうなると思った!アリトテメェめっちゃ溢してんじゃねーかバーカバーカ!」

 

男が数人1つの部屋に集まった時の恒例として隼がどこからともなくポテチを出し、皆が食べられるように所謂、パーティー開きにして広げ、コナミとアリトと共に雑に頬張る。ボロボロと落ちるカス、容赦無しである。沢渡が顔を真っ赤にして怒り狂うのも仕方無いだろう。

 

「ビデオを見る限り、ジャック・アトラスの力は本物だ。エースカードに一点特化した豪快な戦術。エースを立たせ、他のカードはその1枚だけをサポートする布石。だが誰もが手がつけられない、正しく王道」

 

「黄金のワンパターンって奴だね。厄介なのは相手が対策の対策を持っていて、下手なものじゃ通用しない事だ。こっちが立てたものも何処まで通用するか」

 

「その点は特にアテにしていない。防げれば儲けもの。最終的には単純に遊矢を強化する形になったしな。己の武器でぶつかるしか無いだろう。バリッ!バリッ!」

 

「真面目な顔して散らしてんじゃねぇー黒咲ィ!」

 

再び遊矢の対戦相手であるジャック・アトラスを分析する。彼の戦法は突出した1枚のエースカードを中心とし、他のカードはそのカードを維持、通す為の物と割り切った、ある意味ファンデッキと言って良いデッキだ。だが、その完成度とデッキを操る本人の実力と才能が並外れている。単純なゴリ押しが、彼の強みとなっている。

権現坂が闘って来た中で、最も強いデュエリスト、バレットとは正反対に見える。堅実で搦め手を混ぜ、相手のデュエルのリズムを崩して来る彼とは違い、こっちは豪快に攻めて来る。それが手がつけられない。だが――彼等とて、そんなジャックを倒す為、遊矢に協力したのだ。

 

「コナミ、お前はどう思う?」

 

ここで――今の今まで黙々とポテチを頬張っていたコナミへと振り向き、権現坂が問う。彼だけが意見を出していない。それが気になったのだ。

するとコナミはん?とポテチを頬張る事を止め、口元をギトギトの油まみれにしながら首を傾げ、あっけからんと言ってのける。

 

「確かに――ジャックは強い。だが、この勝負、遊矢の勝てる要素は充分にある」

 

その言葉に、誰もが目を丸くし、顔を合わせて笑う。結局、この場には誰1人、遊矢の勝利を疑う者はいなかった――。

 

――――――

 

そして――場所は再びフレンドシップカップ、スタジアム、サーキットへと移る。対戦者である遊矢とジャックは準備万端、互いにD-ホイールを並び停止させる。あと少しでデュエルが始まろうとするその時、ジャックが右腕を上空に向かって突き上げ、指先で天を差す。

 

「諸君!このデュエル!俺は3ターンで勝利して見せよう!1ターン目で俺が先行し!2ターンで榊 遊矢の活躍を見せてピンチを演出し!3ターン目で圧倒的なパワーで全てを砕き、捩じ伏せる!」

 

何と――デュエルが始まる前に、勝利宣言。しかもターンまで縛ってある。キングの勝利宣言を聞き、観客がまたも盛り上がる。

 

『おおーっとジャック、早くも勝利宣言!最早恒例となった王者の公約はこのデュエルでも果たされるのか――っ!?』

 

ビデオで見た通り、エンターテイナーとして盛り上げる為の公約をその目で生で見て、遊矢がニヤリと笑う。そっちがその気なら、こっちも――何度も研究したのだ。腕、指の角度、再現する等、朝飯前だ。声までもそれっぽく真似、遊矢も高らかに叫ぶ。

 

「ならば俺も宣言しよう!俺はある筈の無い、失われた幻の4ターン目を向かえ、その瞬間を王者交代にすると!」

 

「――何……!?」

 

『何とぉ!?遊矢もジャックに対し、勝利宣言ーッ!このような返しは初めてだぁっ!これは面白くなって来たぞぉッ!』

 

意趣返しに勝利宣言、ジャックに便乗する形で放たれたそれは会場を更に盛り上げる。尤も、やはり実績の無い遊矢に対し、観客の感情は別れるが。なぁにデュエルで証明すれば良い。ブーイングも軽やかに流し、自分に注目を集める。アドリブに咄嗟に対応してこそエンタメデュエリストなのだから。

 

「貴様……ぬけぬけと……そのふざけた戯言ごと、叩きのめしてやる!」

 

「俺はアンタに乗っただけだぜ?観客だって盛り上がってる。あ、チャック開いてますよ」

 

「貴様ぁ……!……開いてないではないか!」

 

「あっはっは」

 

猿真似をされ、激昂するジャックに対しても遊矢は余裕を持って対応する。どんなに凄まれても、隼や怒った柚子よりも怖くない。妙な経験を経て、遊矢の神経は太く、いや、図太くなっているらしい。ようするにクソ度胸が良いのだ。ここら辺はコナミや沢渡、権現坂、デニスのものか。

 

『さぁ両者共に準備はOK?では始めましょう!3!』

 

デュエル開始のランプが灯る。全部で3個、まずは1個目、2人はブォンとエンジンを唸らせる。

 

『2!』

 

さぁ、いよいよだ。楽しさで胸を膨らませ、遊矢は今か今かとデュエルを待ちわびる。

 

『1!』

 

「「ライディングデュエル、アクセラレーション!!」」

 

多くの強者が見つめる中、道化と王者のデュエルが今、火蓋を切る。D-ホイールを発進し、コーナーを取ったのはジャックだ。やはりD-ホイールの扱いにおいてはジャックが有利。アクションデュエルで鍛えている為、コナミ達がD-ホイールを点検した為、圧倒的なまでに差は開いてはいないが、ついて行くので精一杯だ。

速い、しかもスタートが遅れてしまった。ジャックはそんな遊矢を見て、鼻を鳴らし、デッキから5枚のカードを引き抜く。

 

「やはり口だけか?俺のターン、俺は『レッド・スプリンター』を召喚!」

 

レッド・スプリンター 攻撃力1700

 

現れたのは炎の鬣と角を持つ馬のようなモンスターだ。召喚、特殊召喚時にレベル3以下の悪魔族チューナーを手札、墓地から特殊召喚する効果を持つが、デメリットとして自分フィールドに他のモンスターが存在すれば効果は使えない。彼のデッキでは優秀な働きをするカードだ。

しかしこのカードを召喚したとなると、このターンに彼のエースカードが出る事は無いか。恐らくは布石となるカードの召喚を行うのだろう。彼の性格上、宣言を行い、いきなり主役を出す可能性は低い。

 

「召喚時、フィールドに他のモンスターが存在しない事で手札の『レッド・リゾネーター』を特殊召喚!」

 

レッド・リゾネーター 守備力200

 

次は炎のローブを纏い、音叉とステッキを構えた真っ赤な小さな悪魔。レベル2のチューナーモンスター、と言う事はレベル6のシンクロに繋げるか。彼が持つレベル6のシンクロモンスターは遊矢の知る限り2種類、一方はエースカードに繋げる為のカード、とすると――『レッド・リゾネーター』が鋭い目付きを閃かせ、音叉とステッキを合わせて虚空に波紋を広げる。

 

「『レッド・リゾネーター』の特殊召喚時効果!フィールドにいる表側表示のモンスター、『レッド・スプリンター』の攻撃力分、LPを回復する!」

 

ジャック・アトラス LP4000→5700

 

「レベル4の『レッド・スプリンター』に、レベル2の『レッド・リゾネーター』をチューニング!赤き魂、ここに1つとなる!王者の雄叫びに震撼せよ!シンクロ召喚!現れろ、『レッド・ワイバーン』!」

 

レッド・ワイバーン 攻撃力2400

 

シンクロ召喚、『レッド・リゾネーター』の身体が2つのリングとなって弾け飛び、『レッド・スプリンター』を包み込み、閃光がリングの中を貫く。光が晴れ、現れたのは後頭部と翼から炎を吹かせ、ワインレッドの体躯を唸らせた翼竜だ。

やはりこのカードが来た。予想通りの展開に遊矢は目を細める。

 

『1ターン目からシンクロ召喚!この砦を守るワイバーンを前に、遊矢はどう出るか!』

 

『相手の攻撃に備える!正に宣言通りだ!』

 

「俺は永続魔法、『補給部隊』を発動。カードを2枚セットし、ターンエンドだ。貴様の最後のターン、良く考え、噛み締めると良い!」

 

ジャック・アトラス LP5700

フィールド『レッド・ワイバーン』(攻撃表示)

『補給部隊』セット2

手札0

 

ジャックのターンが終了し、遊矢のターンへ。ジャックの宣言通りならばこのターンが遊矢の最初にして最後のターン。気を引き締め、デッキよりカードを引き抜く。

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール6の『EMギタートル』とスケール2の『EMドラネコ』でペンデュラムスケールをセッティング!ギタートルのペンデュラム効果で1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札4→5

 

遊矢のD-ホイールに追従するかのように彼の背後に2本の柱が伸び、中にギターの形をした亀と銅羅の形をした猫が登場し、演奏を始め、上空に線を結び、魔方陣を描き出す。幻想的な光景、始めて見るペンデュラムに観客達は騒ぎ出す。

 

『これまた不思議!遊矢が謎の2枚のカードをデュエルディスクに設置!これが彼の持つ珍しいカードか!』

 

「ペンデュラム……ふん、見せてもらおうか、俺に大口を叩くに相応しいものか!」

 

「これでレベル3から5のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!『EMセカンドンキー』!『EMロングフォーン・ブル』!」

 

EMセカンドンキー 守備力2000

 

EMロングフォーン・ブル 攻撃力1600

 

天空の振り子が揺れ動き、魔方陣に孔が開いて中から2体のモンスターが登場する。ロバのモンスターと頭の角に受話器をかけた牡牛のモンスター。同時召喚に観客がどよめき、ジャックが目付きを鋭くする。

 

「成程……」

 

『何と同時召喚!これがペンデュラムの力かぁーっ!』

 

『恐らくは2枚のペンデュラムの間にあるレベルのモンスターを特殊召喚するものだろう、見事な展開だぁーっ!』

 

「特殊召喚されたセカンドンキーとロングフォーン・ブルの効果により、俺はデッキから『EMドクロバット・ジョーカー』と『EMスライハンド・マジシャン』をサーチ!」

 

「速攻魔法、『相乗り』!相手がサーチ、サルベージする度にドローする!」

 

ジャック・アトラス 手札0→1→2

 

「そしてドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800

 

登場したのは『EM』のキーカード、継ぎ接ぎのシルクハットに黒い仮面、トランプのマークを散りばめた燕尾服を纏った金髪の道化だ。彼は遊矢のD-ホイールに良く似た三輪車に乗り、キコキコと走らせる。

 

「召喚時、『EMペンデュラム・マジシャン』をサーチ!」

 

ジャック・アトラス 手札2→3

 

「そしてセカンドンキーをリリースし、『EMスライハンド・マジシャン』を特殊召喚!」

 

EMスライハンド・マジシャン 攻撃力2500

 

お次は赤い衣装を纏い、下半身が水晶と化しているマジシャンだ。攻撃力は2500、『レッド・ワイバーン』を上回っているが――。

 

「この瞬間、『レッド・ワイバーン』の効果発動!シンクロ召喚したこのカードが表側表示で存在する限り1度だけ、このカードより攻撃力が高いモンスターが存在する場合、フィールドで最も攻撃力の高いモンスターを破壊する!」

 

「――2歩先を行く!速攻魔法、『禁じられた聖槍』!スライハンド・マジシャンの攻撃力を800ダウン!これでフィールドで最も攻撃力が高いモンスターは、『レッド・ワイバーン』自身だ!」

 

「何――っ!?」

 

EMスライハンド・マジシャン 攻撃力2500→1700

 

『レッド・ワイバーン』がそのアギトから火炎弾を放とうとするも、スライハンド・マジシャンがステッキを槍に変え、『レッド・ワイバーン』の頭蓋を貫き、暴発、『レッド・ワイバーン』が火炎に呑まれる。散り行く火花を浴び、クルクルとジャックの機体が回転する。

 

「おのれ……!『補給部隊』の効果でドロー!」

 

ジャック・アトラス 手札3→4

 

「バトル!スライハンド・マジシャンでダイレクトアタック!」

 

スライハンド・マジシャンがパッと右手から幾つかのボールを見せ、フィールドに放った後、1つだけボールを握り、ステッキで弾く。まるでビリヤード、キューによって弾かれたボールは全てのボールを弾き、ジャックへ向かって襲いかかる。

 

「させん!罠発動、『リジェクト・リボーン』!相手モンスターのダイレクトアタック時、バトルフェイズを終了し、墓地のシンクロモンスターとチューナーを効果を無効にし、特殊召喚する!来い!『レッド・ワイバーン』!『レッド・リゾネーター』!」

 

レッド・ワイバーン 攻撃力2400

 

レッド・リゾネーター 守備力200

 

しかし王者はやはり簡単に通してくれないらしい。しかも2体のモンスターの蘇生のおまけ付きだ。

 

『遊矢、『レッド・ワイバーン』の効果を逆手に取り、果敢に攻めるも防がれた!果たしてこのターンが彼の最後のプレイングとなるか!?』

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ!」

 

榊 遊矢 LP4000

フィールド『EMスライハンド・マジシャン』(攻撃表示)『EMドクロバット・ジョーカー』(攻撃表示)『EMロングフォーン・ブル』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『EMギタートル』『EMドラネコ』

手札1

 

ここで『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を出すか迷うが――焦りはしない。ダーク・リベリオンはあくまで攻めのカード、次のターン失ってしまえばむざむざジョーカーを知られた上、再び出すには下準備がかかる。

そして宣言の3ターン目、果たしてこのターンを乗り越え、幻の4ターンに辿り着けるか。

 

「俺のターン、ドロー!少しは出来るようだが――このターンで終わりだ!魔法カード、『打ち出の小槌』により、手札を1枚交換、俺はカードを1枚セット!そしてレベル6の『レッド・ワイバーン』に、レベル2の『レッド・リゾネーター』をチューニング!王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むが良い!シンクロ召喚!荒ぶる魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』ッ!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻撃力3000

 

そして――ついに、ジャック・アトラスの最強の僕、代名詞と呼べるエースモンスターが君臨する。赤黒の体躯を唸らせ、山羊のような捻れた悪魔の角、背からは一対の双翼を広げた強靭の竜。しかしその右角、右腕は折れ、ギプスが巻かれており、強者の闘いでつけられた爪痕が胸に刻まれている。

光る傷痕、緋の光、右におった傷。スカーライトの名を得、赤き魔竜が雄々しく咆哮し、空気を震撼させる。その気迫を受け、遊矢も苦笑いを見せる。

このモンスターこそが、ジャック・アトラスに勝利を運ぶ絶対王者。その登場に会場が沸き起こる。

 

『出たぁーっ!ジャックのエースカード、スカーライト!凄いぞー、格好良いぞー!』

 

「さぁ、刮目せよ!スカーライトの効果発動!このカード以外の、このカードの攻撃力以下の特殊召喚された効果モンスターを全て破壊し、破壊したモンスター×500のダメージを与える!弱者を捩じ伏せろ!アブソリュート・パワー・フレイム!」

 

「させないっ!お待ちかねのっ、カウンター罠、『大革命返し』!フィールドのカードを2枚以上破壊するモンスター、魔法、罠の発動を無効にし、除外する!スカーライトの頬に捩じ込めっ!」

 

「ふん、『大革命返し』なら王者に従っておけ!これが真の2歩先を行くデュエル!カウンター罠、『レッド・バニッシュ』!『レッド』モンスターが存在する場合、セットしたターンでも発動出来、魔法、罠の発動を無効にし、破壊する!」

 

対策として投入したカードも通じない。スカーライトのアギトから放たれる炎のブレスがスライハンド・マジシャンとロングフォーン・ブルを焼き尽くす。正に絶対王者。孤高の独裁者だ。炎が地を焦がし、あおられた遊矢の機体がよろめく。

 

榊 遊矢 LP4000→3000

 

「くっ――!」

 

「後は邪魔な道化のみ!踊るが良い!無様に!俺は『スピア・ドラゴン』を召喚!」

 

スピア・ドラゴン 攻撃力1900

 

今度は槍のように尖った頭部を持つ竜のモンスター。攻撃力1900、ドクロバット・ジョーカーに殴り勝ち、スカーライトと合わせて遊矢のLPを上回っている。

 

「やれ!『スピア・ドラゴン』でドクロバット・ジョーカーに攻撃!」

 

榊 遊矢 LP3000→2900

 

『スピア・ドラゴン』がドクロバット・ジョーカーを突き刺し、破壊する。微量なダメージで体勢を立て直した遊矢の機体が、またもよろめく。そしてそこに――魔竜が牙を剥く。

 

「ダメージステップ終了時、『スピア・ドラゴン』は守備表示に。さぁ、フィナーレだ!スカーライトでダイレクトアタック!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニングッ!!」

 

スカーライトのアギトから放たれる赤き炎、それは遊矢に向かって撃ち出され、彼の視界、ゴーグルを覆う。そして――着弾、激しき轟音を響かせ、黒い爆煙が遊矢がいた付近からモクモクと上がる。

 

『決まったー!宣言通り、ジャックが3ターンで勝利!ウィナー、ジャーック……』

 

『違うメリッサ!良く見ろ!』

 

ジャックの勝利、そう、誰もが思った時――MCの言葉と共に、赤き閃きが黒煙を裂き、ジャックの真横を駆け抜ける。そう、その正体は無論――。

 

「Ladies and Gentlemen!!」

 

スカーライトの攻撃を受けて尚、無傷の榊 遊矢――。

 

「馬鹿、な……!?一体何故!?どうやってスカーライトの攻撃を!確かに着弾した筈だ!」

 

想定外、予想外の展開にジャック・アトラスでさえ狼狽える。彼は勝利を宣言し、本気で潰しにかかった筈なのに――。その問いに、遊矢はニヤリと白い歯を見せる笑みを浮かべ、指を鳴らして軽やかに答える。

 

「お答えしましょう!私は確かに、スカーライトの攻撃を受けました!ですがその攻撃宣言時、ペンデュラムゾーンの『EMドラネコ』の効果を発動していたのです!」

 

「ッ!ペンデュラム――」

 

「直接攻撃で発生するダメージを0にする――と言う効果をね」

 

これが――遊矢の答え。キング、ジャック・アトラスの知識の外にある、ペンデュラムを使って、攻撃を受けはしたが、ダメージを0にしたのだ。

しかも遊矢は自らのエース、スカーライトで止めを刺して来るであろう事も予測していた為、ダメージも軽減出来た。

見事な腕前、あのジャックの裏を、いや、2歩先を行くプレイング。

 

「ク、クククククッ、クハハハハ!成程、面白い!良いぞ榊 遊矢!合格だ!もっと俺を楽しませろ!満足させろ!その小細工ごと砕いてやろう!手品は割れた!最早容赦はせん!俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ!」

 

ジャック・アトラス LP5700

フィールド『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』(守備表示)『スピア・ドラゴン』(守備表示)

『補給部隊』セット1

手札1

 

『凄い凄い!何と遊矢!ジャックの宣言を回避したぁーっ!ターンは幻の4ターン目へ!前代未聞、ここからどのようなデュエルをみせてくれるのかぁーっ!』

 

高らかに笑い、激しき闘争心を剥き出しにし、爛々と眼を輝かせるジャック。ここからが本番、無敗の王者を倒す為、遊矢は勇気を振り絞って挑む。

 

「お楽しみは、これからだっ!!」




これにて今年の投稿は終了……と思いきや31日があったでござる。もうちょっと続くんじゃ。

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