いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ストライクイーグルです。
今回はどうでもいいちょっとしたものなので飛ばしても構いません。(とんでもなく酷い文章だなんて言えない…………)
それでも良いという方はお進み下さい。
それではどうぞ。


第七話 交流弐

昼下がりの間宮でパフェを無心に頬張っているフリゲート艦娘が居た。

「凄く美味しいよ!このパフェ!」

レンツは生まれて初めて甘い物を口にして喜んでいた。船だった頃は乗組員が食べているのを見ているだけだった。それを見た駆逐艦達は連れて来て良かったと思った。打ち解け合うにはこういう物が一番だ。

「新しい艦娘さん?」

奥から割烹着姿の艦娘が現れる。

「あっ、間宮さん!」

雷達が黄色い声を上げる。

どうやらパフェを作っていた本人のようだとレンツは思った。

間宮の周りに駆逐艦達は集まり、おしゃべりを楽しんでいる。レンツはそれがなんとなく羨ましく思っていた。

今頃、同型艦の仲間達は祖国の為に戦っているのかと胸が痛んだ。自分一人、こうして平和と安寧に身を置いているのだから。

「レンツさん?」

電が心配そうに見ている。どうやら顔にも出ていたらしい。

「大丈夫だよ。」

そう言いながら最後の一口を口に運ぶ。窓を見るとシバリーと駆逐艦が戻って来た。それと新たに1隻の迷彩色の空母が入港していた。

 

 

 

「天城型航空母艦三番艦、葛城よ!」

迷彩色の着物に身を包んだ少女が名乗る。それと、

「新たにこのトラック泊地に配属になりました。海月 早苗であります。階級は少佐です。」

海軍士官の制服を着用している二十歳前半の女性だ。因みに提督の階級は大佐だ。

「俺はこのトラック泊地で提督を務めている矢坂 拓海だ。よろしく頼む。」

握手するため手を出そうとした瞬間、扉が”破壊”された。

「テートクゥ!!」

「うぉ!?」

勢いそのままに椅子に座る提督に抱きつく。提督と椅子が耐えきれるはずもなく倒れる。

「金剛、とりあえずどいてくれ人が見ているんだから。」

「Oh,sorryネ」

どこか渋々といった感じに提督から降りる。

「はぁ…………」

唖然とする葛城と海月。しかし、海月はこの提督はやり手だと判断していた。

このトラック泊地は補給基地として機能している。ならば戦艦、空母は派遣されない。それなのにこの泊地には戦艦が2隻もいる。それに設備が段違いだ。滑走路もアスファルト舗装されているし、ドックも前線から一歩後ろに位置しているとはいえ本国に劣らぬ設備だ。

「矢坂大佐、本国より預かりました。作戦指示書です。」

一通の封筒を手渡す。厳重な封を開け、書類に目を通す矢坂。

「やはりか…………まぁ、あいつが居るし大丈夫か。」

海月は首をかしげる。

「スマンが大淀、赤城を呼んでくれ。」

すると元扉から大淀が現れる。眼鏡を正すと

「わかりました。それと書類は早めに片付けてくださいね。」

と、どす黒い笑顔で釘を刺す。提督といえど人なんだなと痛感する二人。提督はため息をして二人に戦況と部隊の配置状況を身振り手振りで示しながら伝える。

ここで葛城はある島を指さす。

「提督、この島は?」

「あぁ?これか…………ここはパルバラ島だ。

元は英軍と米軍の補給基地だ。だが、前に深海棲艦の攻撃を受けて陥落した。奴らはここを使って南方戦線に補給や重爆を送り込んでいる。まぁ未だに英軍第7機甲師団と米第5師団の生き残りがいるって話らしい。」

葛城は熱心に話を聞いていた。そこへ、

「航空母艦 赤城、ただいま参りました。なんでしょうか提督。」

赤城が執務室へ入ってきた。提督は話を一旦中断し赤城へ向き直る。

「急な話だが君は南方戦線に転属。再度、航空母艦 加賀と第一航空戦隊を再編せよって命令だ。

赤城、今まで世話になったな。ありがとう。」

赤城は一瞬だけ硬直し時間が止まる。提督は振り返り窓を見つめる。

「わかりました。転属命令を受領しました。お世話になりました。」

赤城は敬礼し、部屋から去った。

「矢板大佐…………」

海月は心配そうに声を掛けるが提督は笑っていた。

「まるで娘を何処かへやるみたいな感じだな。まぁ、戦友と戦えるんだ。これ以上、此処にいられてもすることがないからな。」

矢板は振り返り中断した話を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も鬱蒼としたジャングルを進む。砲塔からセンチュリオンが顔を覗かせる。

「小隊長、今日は何をするのですか?」

砲塔に座っていた小隊長は少し考え、ある決断をする。

「なぁ、前よりだいぶ北に進んだよな?」

「へっ?あっ、はい。」

突然の問いに慌てるセンチュリオン。

「なら北にある敵レーダーを破壊しに行くか。」

「はい!………………ええっ!?しょ、正気ですか!?」

この1000万ポンド級の爆弾発言に部隊員全員が小隊長を見る。

「なんだよ…………」

全員、時々突拍子もないことを考えつく小隊長に慣れていたがこれは想像をはるか太平洋の向こう側まで超えていた。

「北にあるレーダー基地ってハイエル岬の?」

伍長はスコープのレンズを磨きながら聞く。小隊長はニヤリと笑いながら説明する。

「あぁそうだ。確かに”今の状態”なら守備隊に皆殺しにされるだろうよ。

ならどうするか?

簡単だ。状況を変えてしまえばいい。」

これを聞いた隊員はすぐさま反論を始めるが小隊長は手で制する。

「文句なら後にしてくれ。そ状況を変える為の説明をするから。」

隊員達は黙った。センチュリオンもノートとペンを取り出す。車体に載せている荷物から島の地図を取り出し説明を始める。

「ここが今、俺たちのいる場所。そしてここがハイエル岬レーダー基地だ。ここからそう遠くはないが本隊はここの洞窟に腰を据える。そして、レーダー基地と洞窟から離れた監視所や、敵の補給トラックを襲う。そうすりゃ、レーダー基地守備隊は嫌でも戦力を供出しなけりゃならない。そして、守備隊の戦力が少なくなった所を奇襲してレーダーをぶっ壊す。」

隊員達は頷いた。伍長もライフルを装填する。この第5小隊の強みはこの士気の高さだ。

「よし、今度はメンバー決めだ。

まずは撹乱チームだな。アレン上等兵とダン兵長は決定だ。お前らは戦闘スキルが高いからな。それとカークス伍長、お前もだ。それから…………カイル上等兵、お前だ。」

呼び出された隊員は前に出る。ダンとアレンはアメリカ人だ。小隊長はメンバーを見渡し、勝利を確信した。

「よし、お前らは隠密が基本だが暴れる時はとことん派手に暴れてやれ。分隊長はダン、お前がやれ。いいな?

よし、残りはハイエル岬偵察だ。どんな些細な事でもメモしろいいな?

行動は明日から開始だ。今日は洞窟へ向かうぞ!」

「「ラジャー!」」

威勢の良い返答が返ってくる。小隊長はポケットに仕舞った家族写真に手を当て、移動した。




本当に申し訳ありません。
実は初めてのほのぼのなんですこれ。嫌いな方は遠まわしに言って下さい。速やかに対応、修整致します。
それではまた次話でお会いしましょう!

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