いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ストライクイーグルです。
今回はブリーフィング回です。ただ、それだけです。はい。
それと今回も安定と信頼のクオリティが含まれます。これらに嫌な予感がした方は両舷後進一杯で撤退してください。
「読め!読み続けろ!」
と言って下さる方だけお進み下さいませ。


第三十三話 戦支度

トラック島会議室

 

会議室内にはトラック艦隊に所属する艦娘が集められ、ブリーフィングの開始を待っていた。

沈黙する会議室に提督と書類ファイルを携えた大淀が入ってくる。

 

「提督に敬礼!」

 

大淀の一声で全員が敬礼し、提督も答礼する。

 

「とりあえず席についてくれ。」

 

「休め!」

 

号令で艦娘達は定位置に座る。提督は用意した書類に目を通しながら説明する。

 

「今日ここに集められたから薄々感ずいてると思うが艦隊総司令部から通達が入った。

攻撃目標はP-1112 アイガイオン。」

 

それを聞いた面々からどよめきが上がる。バザードが恐る恐る質問した。

 

「それってあの白鯨ですか?」

 

「あぁ、空中艦隊と呼んでる五機の大型機だ。艦隊総司令部から白鯨を始末しろとの命令だ。」

 

全員が頷くと今度は榛名が手を挙げた。

 

「あの参加兵力はどのくらいなのですか?」

 

「俺らトラックの他にパラオ、ラバウルと共同で作戦を展開する。既にパラオ艦隊はこちらに向かって進軍中だ。こっちも全力出撃になる。」

 

提督の表情がより厳しくなる。それを見た全員は厳しい戦いを覚悟する。

 

「作戦を説明する。

まず、このホ3-1-0で戦爆連合が先にアイガイオンを攻撃する。

その後、敵補給艦隊との会合点と予測されるへ3-3-0で連合艦隊は待ち伏せし、一気に叩く。」

 

納得のいった表情をする者、不安がる者、強敵と戦える喜びをあらわにする者とそれぞれ別々の表情をする艦娘達に提督は最後に一言付け加える。

 

「無論、補給艦隊も叩くが護衛も強力だ。最も激しい戦闘を覚悟しろ。各員の健闘を期待する。

解散。」

 

提督が退室すると残った艦娘達はそれぞれ集まり、詳細情報を確認する。

 

「小隊長以上の航空機妖精及び空母艦娘は速やかにバザードに集合せよ。航空隊のブリーフィングを行う。」

 

該当する艦娘と妖精は足早にバザード艦内のブリーフィングルームに向かう。初めてバザードに乗艦する者もおり、キョロキョロと見回していた。

全員が集まるとブリーフィングルームの照明が消え、モニターが明るくなる。脇にはパソコンを操作するバザードと説明用の書類を手にした翔鶴がいた。

 

「皆さん集まりましたね。

これより航空隊専門の作戦説明を行います。」

 

モニターには太平洋全域が映されてあり、妖精達がモニターに集中する。全域図の一部がズームされる。

 

「敵空中艦隊の予想針路と迎撃点です。敵は旗艦であるアイガイオンを中心に電子戦機のP-1113 コットス、近接航空火力支援機P-1114 ギュゲスがそれぞれ二機います。」

 

翔鶴の説明と同時にアイガイオン

、コットス、ギュゲスの画像が映し出される。瑞鶴は食い入るように画像の航空機を見つめる。

 

「敵戦力に関する情報は以上です。それからアイガイオンについてです。

このアイガイオンは常時空中にいる為、空中給油が必要でその燃料補給口が機体前方にあります。

ここからが重要です。

この時、アイガイオンは前方の動体を認識する事が不可能に近い状態になります。指定された高度と針路を維持すれば、気付かれる事無く接近できます。」

 

妖精達の顔はいつになく真剣そのものだ。集められた瑞鶴と葛城も緊張する。

そして今度はバザードが説明する。

 

「それとこの攻撃終了後は速やかに攻撃隊を再編成して出撃してもらう。情報は追って伝えるが、あらゆる状況に対応できる準備をしてもらいたい。

厳しい戦闘が予想されるが、君達ならできると信じている。

解散。」

 

妖精達は同僚と打ち合わせをしながら出口から出ていく。残された空母艦娘は海域確認する為に海図を見つめていた。

 

トラック島港湾施設

 

港では急ピッチで物資の積載作業に追われていた。

 

「いそげ〜、もうすぐ出発だぞ〜。」

 

「積み込み作業が終わった艦から沖合に待機させろ!」

 

クレーンや作業員、港湾妖精は慌ただしくコンテナを運んでいた。各艦艇の燃料タンクが満たされていく。

 

「第一艦隊の作業はまだ終わらんのか!」

 

「戦艦の積載作業がまだです!」

 

「ちゃっちゃとやれ!」

 

港湾妖精と作業員の尽力により、予定時刻には全艦が出航可能となった。

艦隊旗艦の金剛艦橋に提督が上がる。

 

「提督が艦橋に上がられました。」

 

艦橋にいた妖精が一斉に敬礼する。提督は答礼して艦長席に座る。そこへ参謀妖精が報告する。

 

「現在、パラオ第一、第二艦隊は予定より早めに目標海域手前に居り、ラバウル主力艦隊も出撃しています。」

 

「到着予定は?」

 

「はっ、翌1430には予定海域に到着を予定しております。」

 

「ん、わかった。」

 

提督は双眼鏡を手に水平線を見つめる。そこで見張り妖精がトラック島の異変に気付いた。

 

「提督、トラック島をご覧下さい。」

 

「なんだ?」

 

提督はトラック島に目を向ける。

そこでは海兵隊や守備隊、作業員達が手か海軍旗を振っていた。その熱気は艦隊の方まで届きそうなほどだった。

 

「発行信号

”戦果ヲ期待シテ待テ”」

 

「りょ〜かいっ!」

 

見張り妖精はトラック島海岸に信号を送った。その上空からは飛行場から発進した艦載機群が編隊を組んで通過する。

 

「空母群は艦載機の収容作業中。」

 

提督は見張り台に出て空を見上げた。既に太陽は水平線下に沈みつつあった。

 

「暗くなってきたな……………対潜警戒を厳に」

 

「らじゃー!」

 

提督はひとあくびをする。それを見た参謀妖精がすかさず声をかけた。

 

「提督、お休みになられては?」

 

「いいのか?それじゃ、お言葉に甘えて眠らせてもらうよ。」

 

「はい、あとはお任せ下さい。お休みなさい。」

 

提督は制帽を脱いで艦長室に向かった。艦内は暗く、とても静かだった。艦長室の扉に手をかけ、ノブを捻った。

誰も見ていないのをいい事に大の字になってベッドにダイブする。

 

「眠すぎる………………」

 

その台詞を最後に提督は夢の世界へ旅立った。

 

その頃、深海棲艦の補給艦隊もアイガイオン向けの物資を積んで密かに出航していた。

 

<棲姫様、全艦出航致しました。>

 

<ウム、サッサト終ワラセタイモノダ。>

 

戦艦棲姫は退屈そうにしながら艦隊を見る。補給艦の周りを巡洋艦、駆逐艦が取り囲んでいる。

戦艦棲姫には何故ここまでする必要があるのかわからなかった。

本来なら艦隊決戦の為に温存されていた彼女だが、速力の関係で急遽ル級から変更されたのだ。

 

<チッ、南方棲戦姫メ…………何ヲ考エテイル?>

 

今頃は泊地でふんぞり返っているであろう上官を恨んだ。

だが旗艦を任された以上、務めは果たさなければならない。

 

<マァ、アイツモソウ長クハナイダロウナ……………>

 

戦艦棲姫はらしくもないと感じながら一人呟いた。不思議と南方棲戦姫の事を気にかけてしまうのだ。

変な思考を頭から追い出し、暗い海に視線を向けた。




いかがでしょうか?
もクソもない出来ですね。これじゃお気に入り登録が減るわけだ………………
今回はこれくらいにして、次回から戦闘回です。これだけは確実です。
次回も読んでくださると非常に嬉しいです。
それではまた次回、お会いしましょう!!!

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