今回も安定と信頼のが含まれます。これらにほんの僅かな抵抗でも感じた方は速やかに右転舵一杯で離脱してください。
「読まねば………」
と申す方のみお進み願います。
それではどうぞ!
護衛艦隊が帰還したトラック島の大型艦用のドックは活気に包まれていた。
そこから少し離れた鎮守府医務室では提督と通訳の金剛が米海軍の制服に身を包んだ艦娘の事情聴取を行っていた。
「君の艦名はなんて言うんだ?」
「W……………」
「あの、あなた方の言語で構いませんよ。」
「そうか、じゃあ日本語で………」
唖然とする金剛を置いて提督は質問した。
「君の艦名は………ってさっきと同じ質問だよな。」
「私はフランクリン。エセックス級航空母艦、5番艦よ。
それで、あなたは?」
「俺は日本海軍大佐でトラック泊地の指揮を任されてる。矢坂 拓海だ。」
フランクリンと名乗った艦娘は周囲を見回す。そして、思案する顔になる。
「私は……………」
「君はこっちが船団護衛を終えた時に漂流していたそうだ。それと失礼ながら、君の持っていた作戦書類を読ませてもらった。
君達はハワイ奪還の為に出撃したんだよね?」
「………………」
するとフランクリンは急に落ち着きが無くなる。それに気づいた提督はそっとフランクリンの手を握る。
「何があったか、ゆっくりで良いから話してくれないか?」
「はい………………」
フランクリンは口を開き、ハワイ奪還作戦の全容を話し始めた。
私はTF15.2に所属してハワイ奪還に参加しました。
あの日は少し曇っていましたが、作戦に支障は無く順調に進んでいました。
あの大型機と……………アレが来るまでは………………
「レーダーに反応!これは!?」
「何!?」
雲から超大型の航空機とそれより少し小さい航空機四機を従えて私達の前に現れたんです。
「対空戦闘始め!」
私達の艦載機が迎撃に行きましたが、その大型機にたどり着いた機はいませんでした。
そして、
「敵機来襲!突っ込んでくる!!」
「まさか!?」
数機の白黒のゼロが爆弾を抱えて、艦橋に体当たりしたのです。
フランクリンは窓の外を見ながら震える声で説明を終えた。
「すいません。
ここから先は覚えていないのです。」
「ん?その大型機ってエイみたいな形をしていたか?」
「えっ?は、はい。他の随伴機も似たような形でしたが…………」
それを聞くと提督は何かを思い出したかの様に手を叩き、何処かへ走り去って行った。
「な、なんなんですか?」
「いつものことネ。」
はてなマークを頭に浮かべるフランクリンをよそに金剛はやれやれといった感じだった。
一方、全速力で執務室に飛び込んだ提督は作戦指令書に同封されていた資料を取る。
「やはりそうか。」
そこには海上補給の指定曜日が記されていた。
「奴はここで海上補給か……………」
提督の指はあの洋上油田近海を指していた。
トラック島艦娘用宿舎
宿舎の廊下にはまったりとした時間と空気が流れる。訓練や遠征以外で待機している者の過ごす場所は食堂か自室、そして屋上である。
その中で、閑散とした食堂の一角を占領している航空巡洋艦がいた。
「Su-33の予備機は……………6機で……………」
難しそうな顔で書類をにらんでいるツァネフに忍び寄る影があった。その影はツァネフの背後に周り、抱きついた。
「えいや!」
「うおっ!だ、誰だ!」
驚いたツァネフは振り返り、抱きついてきた相手を確かめる。
「はぁ…………ブードゥシィ、そういう冗談はやめてほしいな。」
「えへへ」
ブードゥシィは悪びれもなくニコニコしている。ツァネフはため息をついて書類をまとめる。
「なにしてたの?」
「こちら関係の物ばかりだ。」
「ふぅ〜ん。」
ブードゥシィは興味無さそうに応える。ツァネフは書類をファイルにとじて立ち上がろうとした。
するとブードゥシィが袋を渡した。
「これは?」
「ま、間宮さんって艦娘に教えてもらったんだ。食べてね!」
そう言うとブードゥシィは何処か走り去ってしまった。
「可愛いやつめ……………」
ツァネフが呟くと同時にグムラクが現れた。
「どうしたそんな笑顔になって。」
「グ、グムラク!?いい、いや別にこれは…………!」
顔を赤くして慌てて言い訳をするツァネフにグムラクはクスリと笑う。
「言わなくてもいい、ブードゥシィから貰ったんだろ?」
「な、なんでそれを?」
怪訝そうに尋ねるツァネフにグムラクは肩をすくめながら言った。
「ブードゥシィが言ってたぞ。
”ツァネフさんに絶対に食べてもらうんだ!”
ってな。なんで同型艦の私ではないのかがさっぱりわからんがな。」
それを聞いたグムラクに対する優越感と幸福感でツァネフは知らぬまに頬がほころぶ。その笑顔はグムラクが今まで見たことない笑顔だった。
「ブードゥシィ…………」
「だめだこりゃ。」
グムラクはやれやれといった様子で頭に手を当てる。ツァネフは軽い足取りで自室へと向かった。
部屋に着くと書類を適当に置いて、袋を開けた。
「クッキーか……………」
中には不揃いな形のクッキーが数枚入っていた。そのひとつを齧ってみる。ほど良い甘さが舌全体に広がる。
「美味い……………」
もう一口かじる。そして袋の中に手を伸ばし、また一枚取り出して口へ運ぶ。そのペースは早くなっていく。気付けば残り一枚となっていた。
「ありがとうな…………」
その場にいない人物にそっと感謝して最後の一枚を口の中にいれた。
そしてツァネフは舌に残っている甘みの余韻に浸りながら書類整理を始めた。
いかがでしょうか?
もクソもないですね。相変わらずの酷い文章です。
もう…………自決してもいいよね?
なんて泣き言はこれくらいにして、次回かその次回あたりに戦闘させようかと構想しています。
それではまた次回、お会いしましょう!!