いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ストライクイーグルです。
1ヶ月ペースとは言いましたが、このように不定期で投下します。ごめんなさい………
とまあ二話目をどうぞ。


第二話 敵哨戒線突破

穏やかな海の上を一隻の空母が進む。その艦の艦橋に1人の少女がいる。

バザードは艦内放送を入れた。

《これより本艦は敵哨戒線を突破する。総員第一種戦闘配置。繰り返す、これより敵哨戒線を突破する。総員第一種戦闘配置。》

妖精達はそれぞれの部署に向かい。飛行士達はパイロットスーツに着替える。機体には対艦兵装及び対空兵装が搭載される。保有している電子戦機の内2機は対潜装備をする。対潜哨戒ヘリ2機だけでは広範囲の哨戒は不可能だ。

一方、艦橋では

「航海長、進路の作成は?」

「既に出来ています!」

バザードは頷くと機関を始動させる。

「抜錨します。両舷半速、面舵2.5。」

シャフトを通じてスクリューに動力が伝わる。約20ノットで海原を進む。

「対空、対潜警戒を厳にせよ!」

 

 

 

 

 

 

深海棲艦封鎖艦隊はいつもの哨戒を行っていた。封鎖初期は艦娘共が封鎖を突破しようと仕掛けてしたがその都度返り討ちにしていた。その張本人であるヌ級はこの哨戒に飽きていた。奴等を見つけ殺せると思うと、言い知れぬ興奮が身体を駆け巡る。それがいつしか快感となっていた事にヌ級はまだ気付いていなかった。飛行甲板を眺める。数機の艦載機が発艦していく。

「探セ赤イ血ヲ、ソシテ流セ赤イ血ヲ、ドクドク流シテ海ヲ血ニ染メテシマエ。」

艦橋から呟くヌ級。ピケット艦である。ホ級から通信が入るがノイズが激しく何を言っているのか聞き取れない。そして通信が切れる。できの悪い無線機を罵った。

この時、高高度に艦隊の動向を静かに見つめる者が居ることをまだ知らない。

 

 

《こちらホークアイ2-1、敵封鎖艦隊を捕捉駆逐艦2、軽巡2、重巡1、軽空母1。また空中哨戒に数機の戦闘機が付近を飛行中over》

《こちらバザード了解。直ちに作戦を開始せよout》

そして、封鎖艦隊上空を飛んでいたE-2が一部周波数を除いた周波数帯において妨害電波を発信する。

一方、バザードでは攻撃隊が次々と発艦する。今回は隠密性を重視している為、20機全てがF-35だ。少し雲が掛かっおり攻撃隊は雲の中へ飛び込む。バザードは攻撃終了後の艦載機を収容するべく所定の海域へと向かう。

 

 

 

 

 

 

《こちらレイブンリードからレイブン全機に継ぐ。敵航空機部隊を確認。やるぞ。》

制空担当のF-35が雲から飛び出す。突然の出来事に理解が追いつかない深海棲艦機。フレアやチャフを持たない深海棲艦機は次々とミサイルの餌食となり、3分と経たずに10機の深海棲艦機は撃墜された。

《レイブンリードから全機へ

これより敵哨戒艦隊を攻撃する。ハルバード隊ばかりにいい思いはさせるな。全機攻撃開始!》

編隊長機の指示により一斉に降下を開始する鋼の鴉達。深海棲艦側も対空砲による弾幕を展開する。配置は軽空母を中心とした輪形陣であり、対空戦闘向きの陣形だ。

だが、対空砲火の僅かな隙間を縫い艦隊に接近する。ウェッポンベイが開き、対艦ミサイルを発射する。

「弾幕ヲ張レ!ナントシテデモ奴等ヲ落セ!」

リ級は近づけさせまいと対艦ミサイルを狙うが、飛行機よりも小さく速い目標に当てるのには無理があった。リ級の真上を通過したミサイルはヌ級の飛行甲板に着弾した。そこには発艦待ちの戦闘機が待機しており、次々と誘爆し飛行甲板に穴を空けた。

《敵空母大破、軽巡アルファは大破炎上中、軽巡ブラボーは轟沈、駆逐艦ブラボーは艦隊から脱落、残るは重巡と駆逐艦アルファのみです。》

《了解、トドメを刺してやれ。》

20mmバルカンが火を噴き、イ級の魚雷発射管に命中。弾頭の炸薬に引火しイ級は真っ二つに船体が割れ、深海へと消えた。重巡はと言うと、度重なる機銃掃射に船体を穴だらけにされていた。バイタルパートには傷が付く程度だが、露出している高角砲砲手や機関銃手はズタズタに引き裂かれていった。それと、残った対艦ミサイルによる飽和攻撃も起こなった。一発は機関部に、もう一発は艦橋に命中した。リ級の無線手は救援を要請しようとモールスを打つも、電波妨害の影響で誰も受信する事はなかった。機関部が完全に死んだリ級は漂流を余儀なくされた。

 

 

気が付くと飛行甲板に待機していた艦載機が燃えていた。艦橋から見渡せばリ級は漂流し、イ級は真っ二つに折れ、ホ級は炎上していた。それは自分の艦隊がズタズタにされた事実を突きつけるには充分すぎた。

「ワタシモ逝クノカ……………マタ……………」

ヌ級が気を失うと同時に大爆発を起こし沈んだ。

《こちらレイブン隊、敵艦隊を無力化した。これより帰投する。》

ひと仕事終えたF-35の編隊は雲海の中に身を隠し、母艦へと戻った。

 

 

攻撃終了後の海域に6隻の艦影があった。

「これはどう言うことネ?」

巫女風の服を着た少女が眼前に広がる深海棲艦の残骸について、海軍の軍服に身を包んだ青年に尋ねる。

「何者かがやった………としか考えられないが……………大淀、付近に俺達以外の友軍艦隊の情報は?」

提督と呼ばれた青年は艦隊通信用の短波無線で情報を確認する。

《いいえ、ありません。》

無線からは友軍艦隊不在の報を受けてますます疑問が浮かび上がる。

「赤城に加命、偵察機を飛ばすように伝えてくれ。それと各艦に通達、対空、対潜警戒を厳となせ。」

一通りの指示を与え、艦長席に座る。

「金剛はどう思う?何か思うところあれば言ってくれ。」

金剛は少し考える仕草を見せ、

「よくわからないケド、もしかしたらアンノウンな何かが艦隊を全滅させたんじゃないデスカ?」

「その推論は合っているかもな。まぁ、赤城の飛ばしてくれた偵察機が何か見つけてくれるさ。」

この偵察機からの報告が新たな邂逅と戦闘になるとは誰も予想しなかった。




いかがでしょうか?
いよいよ、艦これ組が次回辺りに登場します。一体、どんなことになるのやら。楽しみです。
それとイマイチな戦闘で申し訳ありません。日々、努力してますが全てイマイチなんです。本当に臨場感あふれる戦闘描写の書ける人って凄いですね。
とにかく、また次回お会いしましょう!

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