いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ネタすら浮かばないストライクイーグルです。
今回も安定と信頼の文、ちょっと残酷な描写、迷走しているストーリーが含まれています。それからまたもや東方projectのキャラが登場します。
それでも
「これぞ天祐!全機突撃せよ!」
と申される方はそのままお進みください。
それではどうぞ!


第二十七話 operation firestorm

南洋の海中深くに巨大な鉄の鮫が静かに進んでいた。

特殊部隊を載せた伊401が洋上油田を目指す。その海上をトラック艦隊が進む。

 

「提督、間もなく予定海域に侵入します。」

「わかった。全艦、対艦対空戦闘用意。対空監視を厳となせ。」

 

提督は自軍の艦艇を見つめる。バザードからは索敵機及び哨戒機が発艦と着艦を繰り返していた。随伴しているのはシバリーだ。

金剛を旗艦とした第一艦隊はバザード、シバリー、グムラク、ヴァルキリーそしてタナガーの順に単縦陣で進む。

そして、支援艦隊は復帰した榛名を旗艦として、翔鶴、瑞鶴、最上、三隈、秋月の順で第一艦隊の両翼に展開する。

 

「対空電探に感あり。機数1、方位133、距離2万3000。

敵哨戒機と思われます。」

「よし、さっさと電文を放ってほしいもんだ。」

「今回はdummyデスカラネ。」

 

提督は制帽を被り直し、指示を出した。

 

「第一艦隊はそのまま直進。支援艦隊は攻撃隊発艦用意と同時に北に避退せよ。」

《了解しました提督。》

 

榛名の柔らかい声が無線から伝わる。その安心感は何にも変え難い。

 

《こちらシバリー、敵機からの電波を探知。》

「了解。直掩に対処させろ。」

 

敵哨戒機を排除すべく、二機のF/A-18Eが敵機を追尾する。

 

<銃手!右斜め上方に敵機!>

<くそっ!>

 

深海棲艦機は機銃でF/A-18Eを追い払おうとするが、その前にサイドワインダーの的となり炎上しながら落ちていった。

 

「敵機を撃墜。」

《了解、帰投して下さい。》

 

一狩り終えたスズメバチは母艦に機首を向けた。

 

一方その頃、哨戒機からの電文を受け取った洋上油田と護衛艦隊は直ぐに戦闘態勢に入る。

 

<護衛艦隊を直ちに出撃させろ!>

<対空班は所定の持ち場に付け!>

 

護衛艦隊はリ級二隻と駆逐艦で編成された遊撃艦隊とル級二隻とヲ級、そして護衛艦で構成された任務部隊に分かれていた。

 

<リ級二連絡シロ、”我二続ケ”>

 

旗艦のル級は通信員に命令を伝えて艦を動かす。少し離れた位置に停泊したヲ級と護衛のイ級はそのまま待機する。

 

トラック第一艦隊は支援艦隊と別れ、油田に直行する。支援艦隊は第一次攻撃隊の発艦準備を整える。

 

「翔鶴殿!第一次攻撃隊、発艦準備用意宜し!」

「全機、発艦始め!」

 

翔鶴の飛行甲板からは万を持して攻撃隊が大空へ舞う。ヲ級も迎撃機と攻撃隊を飛ばす。

 

「直掩の発艦急いで!」

 

バザードも艦橋から指示を飛ばす。

 

《ハウンド1、発艦を許可する。》

「ハウンド1了解。発艦する。」

 

新たに再編されたハウンド隊のF-14が青空へと舞い上がる。第一艦隊もタナガーを先頭に単縦陣を組み直す。

 

「ハウンド隊全機へ

奴らを一機も通すな。確実に仕留めろ。」

《了解。》

 

すると、高高度を飛んでいるAWACSから通信が入る。

 

《こちらAWACSヘビークラウド。敵攻撃隊は真っ直ぐ第一艦隊へ向かっている。

ハウンド隊は高度6000でポイントD-3-0-1で待機。

「こちらハウンド1、ウィルコ。」

 

アフターバーナーを点火し、一気に指定高度まで上昇する。

その頃、翔鶴、瑞鶴から飛び立った攻撃隊は敵遊撃艦隊と交戦を開始する。

 

「犬鷲1から全機へ

まずは敵の中核艦から叩く。編隊を崩せ。」

 

指揮官機の命令でロッテを組みつつ、展開する彗星艦爆に猛烈な弾幕を張る。

 

「爆撃手、リ級は捉えたか?」

「捉えました!針路修整右0.2!」

「ヨーソロー!!」

 

爆撃コースに乗った彗星は一気に降下を開始する。目標は旗艦であるリ級だ。

 

「投弾!」

 

投下された爆弾は速度を増しながらリ級に向かっていく。そして、リ級後部の第三砲塔に直撃する。

 

「よし、命中だ!」

《こちら雉鳩隊、これより雷撃を敢行せり!》

 

海面近くを飛行していた天山は多少の被害を受けつつも難なく投下位置まで飛行する。

 

「野郎、これでも喰らえ!」

 

投下レバーを引き、魚雷を落とす。リ級は回避行動を取るも、同様に回避行動を行っていたホ級と衝突してしまう。

 

<両舷後進!急ゲ!>

 

だが、スクリューが逆回転する前に魚雷が命中する。

竜骨をへし折られたリ級は真っ二つになる。

さらにその時に生じた爆炎がホ級を包み込み誘爆する。

生き残った艦は独自で対空射撃を行うが、指揮系統を失った艦隊は総崩れ寸前に追い込まれていた。

 

「いいぞ、敵さんの陣形が乱れてる。止めを刺すぞ。」

 

爆弾を持っていた彗星は駆逐艦に狙いを定め、急降下を開始する。

駆逐艦の乗員はただそれを見ているしかなかった。

 

《敵艦隊の脅威度の低下を確認。

待て、敵機の接近を確認!

距離1万、方位060、高度800、機数10。会敵予想時刻、1101。》

「こちら八咫烏隊了解した。ヘビークラウド、誘導願う。」

 

AWACSから正確に情報が伝わり、その情報と誘導を元に烈風は迎撃点に向かう。

 

《迎撃点に到達、会敵に備えよ。》

「了解。各機、目標を発見次第撃墜しろ。なんとしても攻撃隊に近づけるな。」

 

そして、深海棲艦機と会敵予想時刻ぴったりに交戦を開始する。

敵はコルセアを中心とした部隊だった。

コルセア達も目の前の脅威を排除しようと散開する。

追いつ追われつ、複雑な機動を交わせる戦闘機の群れ。

 

《八咫烏4!左に急旋回しろ!喰われるぞ!》

《分かってる!》

<容赦するな。>

<ちっ、ケツを取られた。援護してくれ。>

 

一方、主力である第一艦隊にも深海棲艦による攻撃が始まった。

防空担当のトムキャットはAWACSの指示を受け会敵し、深海棲艦の攻撃隊を食い散らかす。

 

《ハウンド3、そのまま回り込め。》

《ウィルコ。》

<くそっ!機体に穴が空いた!脱出す……………>

<編隊指揮官機から各機へ。編隊を密にしろ。繰り返す、編隊を密にしろ!>

 

そして、作戦の要である特殊部隊を載せた伊401艦内では 隊員達が装備の最終点検を行っていた。

 

「潜望鏡深度まで浮上。」

「りょ〜か〜い」

 

シオイは潜望鏡を覗きながら一周して周囲を観察する。

 

「海上、空中共に敵影なしか…………聴音手、そっちはどう?」

「海上、海中共に不審音源なし。」

「わかった。浮上する。」

 

バラストタンクから水を排水し、浮力を得た巨体は海上にその姿を現せる。格納筒には晴嵐ではなく、ゾディアックゴムボートが搭載されていた。

 

「乗船しろ。」

バラクバラを被った隊員達がボートを海に落とす。

 

「サンドマンさん!」

「なんだ?」

 

シオイがサンドマンを呼び止める。他の隊員は淡々と作業を進める。

 

「ご武運をお祈りします。」

「ありがとう……………」

 

一言伝えるとサンドマンもボートに乗り込む。

二隻のボートに載った十二名は油田へと向かう。途中で潜水装備を身につけ、海中に姿を消した。

 

《メタル0-1、搬入口に歩哨二名。》

《了解。あんたに合わせる。》

 

そっとナイフを抜き、水中で待機する。サンドマンが歩哨の足を引っ張り、水中に引きずり込む。引きずり込まれた相方を見て、咄嗟に無線の受話器に手を伸ばすが、同様に引きずり込まれた。

 

「搬入口クリア。」

「人質は最上階の制御区画と、その下の区画に二手に分かれて捕えられている。迅速に対応しろ。」

 

サプレッサー等のアクセサリーを取り付けたM4やSCARを構え、静かに移動する。

 

「吹き抜けに敵を確認。」

「排除しろ。」

 

破裂音のしない銃声が鳴ると同時に、深海兵は真っ逆さまに海に落ちた。

 

「クリア。」

「死角に注意。」

 

階段の踊り場に着くと、上から話し声が聞こえてくる。

 

<敵はどうやら艦隊が狙いらしい。>

<こっちには興味なしか……………>

 

サンドマンはサプレッサー付きのガバメントに持ち替える。

 

「おやすみ。」

 

手に反動が伝わり、階段から二つの死体が転がり落ちる。足元に注意を払いながら階段を上がる。

 

「ジャクソン、4人連れて対空砲を始末しろ。残りは人質の救出だ。」

 

ジャクソンは愛銃のSCARに持ち直し、4人の隊員を連れてハシゴを登る。

 

「居住区画に到着。」

 

するとヴァルキリー艦内の指揮所から通信が入る。

 

《メタル0-1、人質には爆薬が取り付けられていると推測される。注意せよ。》

「メタル0-1了解、out。」

 

遠くからは砲声がこだまする。遂に主力同士の対決が始まったのだ。

 

「撃ちマス!Fire!」

「主砲斉射〜」

 

金剛、タナガー対ル級二隻の殴り合いが展開されていた。砲弾が飛び交い、互いに夾叉させようと狙いを絞る。先に夾叉させたのはタナガーだった。

 

「目標夾叉!」

「斉射開始!斉射開始!」

「撃ちまくって〜。」

 

タナガーの40.6cm砲から徹甲弾が発射される。装填速度の差を活かして、一気に砲弾を叩き込む。

それを見ていた金剛の闘争心に火がついた。

 

「最新鋭艦に負けられないネ!ALL GUN FIRE!!」

 

八門の砲が一斉に火を吹き、ル級に砲弾の雨を降らせた。

 

「目標に命中!やりましたよ金剛さん!」

「その調子ネ!」

 

上機嫌の金剛の艦尾に一発砲弾が命中した。

 

「Shit! 油断したネ…………」

《金剛さん、大丈夫ですかぁ?》

 

タナガーが心配して無線を入れたが、金剛はニヤリと笑いながら返答した。

 

「これぐらいNo problem!

タナガーはそのままル級を殺るデース!」

《分かりました〜》

 

タナガーはそのままル級を袋叩きにする。すでにル級のあちらこちらから火の手が上がり、戦闘能力が失われつつあった。

 

「そのまま仕留めてね〜。」

「アイアイマーム!」

 

止めの一撃が貫通し、ル級は沈み始める。

金剛と一対一の殴り合いをしていたル級の上部構造物から火の手が上がる。

 

「敵艦、炎上中!」

「逃がさないネ!Fire!」

 

第二斉発を行い、ル級を大破させる。すると、残存艦艇が撤退を開始する。

 

「提督〜、敵が敵が撤退してますよ?」

《そうはさせない。》

 

上空からは対艦ミサイルをぶら下げたF/A-18Eが逃げる敵艦を追いかける。

 

《サーベラス1、ウィルコ。さて、新生サーベラス隊の出番だ!》

 

ハルバード隊を解体し、サーベラス隊として再編したF/A-18Eが襲いかかる。指揮官は無論、

軽巡二隻をロックし、対艦ミサイルに追うべき相手を教える。

 

「FOX3!FOX3!」

 

四発の対艦ミサイルは正確に軽巡を海底に送った。

 

「へっ、どんなもんだい!」

《サーベラス隊、速やかに帰投せよ。》

「了解。サーベラス隊、帰投する。」

 

スコアを稼いだサーベラス隊は母艦に機首を向けた。

一方、油田では特殊部隊が人質の居る部屋の前に到着する。

 

「ここだな。突入用意。」

 

扉に爆薬を仕掛け、加害範囲ぎりぎりで待機する。

 

「突入!」

 

起爆と同時に四隅に展開、深海兵を片っ端から無力化させる。僅か10秒の出来事だった。だが、サンドマンは舌打ちして無線を入れる。

 

「くそ、こちらメタル0-1、人質は既に死亡。繰り返す、人質は既に死亡。」

《……………了解。残りの人質は何としても生きて救出しろ。out》

 

移動を開始しようとした時に、大型無線機が鳴る。

 

<居住区画、応答しろ。おい、誰かいないのか!?>

 

サンドマンは少し考え、死体にC4とクレイモアを隠す。

 

「行くぞ、お客様がおいでだ。」

 

全員が身を隠すと数人の兵士が警戒しながら居住区画に入っていく。そこで居住区画のC4が起爆する。

 

「各員、自由射撃を許可!」

「了解。」

 

無駄のない正確な射撃で深海兵達を圧倒する。

 

「 リロード!」

「カバー!」

 

互いに援護しあいながら前進する。上層の制御区画に辿り着くまでそう時間はかからなかった。

 

《0-4から0-1へ、対空砲を無力化。》

「了解、LZの確保に行け。」

 

隊員達は二箇所の扉に取り付く。中から怒鳴り声が漏れ、銃声が響く。

 

「時間がない、すぐに突入するぞ。」

 

扉を蹴破ると一人が人質の頭に拳銃を突きつけ、残りはこちらに銃を向けていた。サンドマンは迷うことなく人質に銃を向けている兵士に風穴を空ける。

他の隊員も深海兵の頭を狙い撃つ。

 

「クリア!」

「メタル0-1、”籠の中の鳥”を確保。籠を開けて、LZに待機する。」

《ヴァルキリー指揮所了解。現在そちらへ向けてヘリが進行中。》

《こちらピークォド、LZ到着は五分後の予定。》

「メタル0-1了解out。」

 

開放された人質の中に二人の少女がいた。今回の最重要目標であるスカーレット家の令嬢だ。サンドマンは確認の為に声をかける。

 

「済まない、君がレミリア・スカーレットか?」

「そうよ……………何か?」

「いや、確認だけだ。それからそっちの金髪の子がフランドール・スカーレットだな?」

「えぇ…………」

 

レミリアはそっとフランの手を握る。サンドマンは人質5名を一箇所に集めて露天甲板に移動させる。その間も敵の攻撃に警戒しながら進む。

 

《こちらピークォド、LZに到着。待機する。》

「了解ピークォド、待っててくれ。」

 

サンドマンは人質を見回す。一人ふらつきながら立っている者がいた。フランドール・スカーレットだ。良く見ると、足元が血で滲んでいた。

 

「頑張れ、もうすぐだ。」

 

サンドマンがフランを背負い、露天甲板まで上がる

露天甲板には黒いヘリがホバリングしていた。隊員は周辺の防御を固め、展開する。ヘリはゆっくりと降下し、着陸する。

 

「早く乗って!すぐに出発します!」

 

ヘリのガンナー妖精が叫び、早く乗るように促す。苦労しながら人質全員を乗せる。その後に隊員達もヘリに乗り込む。

 

《上昇します。》

 

緩やかにスロットルを入れ、回転数を上げる。遠くに海兵隊を乗せたブラックホークとリトルバードが見える。

 

「こちらピークォド、これより帰投するover」

《ヴァルキリー指揮所了解。よくやったout。》

 

この後、トラック艦隊は後続の部隊と交替した。洋上油田の設備は無傷だった為、すぐに稼働を再開させた。これにより、前線の慢性的な燃料不足が解消される事になった。




いかがでしょうか?
といってもろくな物になってないですけどね…………
さて、戦闘しましたがイマイチな戦闘描写です。
早く上手くなりたい……………
そんな訳で次回も気長に待っていただけると嬉しいです。
それではまた次回お会いしましょう!

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