いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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最近、サブタイトルが浮かばないストライクイーグルです。
今回からまたトラック島です。
そして、安定と信頼の文です。
それでも構わない方はお進み下さいませ。
それではどうぞ!


第二十六話 とある一日

現在 トラック島

 

デザートから話を聞き終えた提督は執務室に戻り、書類の山との戦いを始める。その時、責任者妖精が執務室に入る。提督は顔を上げずに用件を聞いた。

 

「てーとくさん!開発しないのですか!」

「んぁ?開発?」

 

責任者妖精の目が異様にキラキラと光っていた。適当に理由を探そうとすると一つの要望書を見つける。

 

「んん?これは……………特殊部隊から?」

 

その要望書には自前で使える航空機が欲しいと書かれていた。責任者妖精もその要望書を見つめる。

 

「やるしかないですよ!!」

「ちょっ、おい!」

 

責任者妖精は提督の手を引っ張り、工廠へと向かった。途中、特殊部隊長を引きずり出した。到着直後に責任者妖精は書類を取りに行く。

 

「40秒で戻って来ます!」

 

全速力で部屋の奥に消える。その間、特殊部隊妖精と会話をする。

 

「そう言えば名前を聞いていなかった。なんて言うんだ?」

「サンドマンって呼んでくれればいい。」

「わかった。」

 

そして、40秒ぴったりに待合室に書類を持ってくる。

 

「では、サインと投入量を書いて下さい!今回はこちらで用意した高速建造材を使用します!」

 

提督は特殊部隊妖精と相談して航空機が出やすい投入量を書き込む。

 

「それでは少しの間待っていて下さい!」

 

すると工廠内のクレーンが作業を始め、作業員と妖精が慌ただしく作業を進める。

 

「これでろくなのが出来なかったらあの責任者を絞め落としていいか?」

「やめろ。」

 

そうこうしてるうちに責任者妖精が完成したと報告し、隣接してある格納庫に向かう。

 

「ジャジャーン!お披露目でーす!」

 

やけにテンションの高い責任者妖精が扉を開けると、真っ黒なヘリが止まっていた。

 

「えーとですねぇ。まずは『MH-6 リトルバード』ですね。それから『MH-60S ステルスホーク』です。それから……………!?」

 

責任者妖精は自分の目を疑った。提督とハミルトンもその書類を手に取る。

 

「なになに?『ストライカーICV』?」

 

迷彩が施されたM2重機関銃を搭載のM151プロテクターを載せた装輪装甲車がいた。

車体からサイドテールで髪を結んだ気弱そうな少女が降りてくる。

 

「えーと、君があの装甲車の陸娘?」

「は、はい……………」

 

ヘリ妖精達が一斉に陸娘の方を向く。その視線にみるみる萎縮していく陸娘。

 

「はぁ…………とりあえず、これは全部サンドマンの部隊に配属で良いかな?」

「あぁ。各ヘリ妖精は十分後に射爆場に集合しろ。」

「「イエッサー!」」

 

妖精達はそれぞれのヘリに乗り込み、タキシングしながら格納庫を出ていった。

 

「さて、君はどうするか…………」

「しれーかーん!!」

 

その時、吹雪がメモを持ってくる。

 

「はぁ………はぁ…………。司令官、大淀さんからの伝言を持ってきました。」

「あぁ、ありがとう。」

 

吹雪は提督の後ろに隠れるようにしている陸娘を見つける。

 

「えっと、新しい陸娘さんですか?」

「そうだ。」

 

陸娘は不安そうに吹雪と提督を見つめる。提督は陸娘を前に出す。

 

「名前はなんて言うんですか?」

「え、えっと、ストライカーすICVです…………」

「初めまして。特型駆逐艦の吹雪です!よろしくね!」

 

こくりと頷くストライカーに吹雪は笑顔で迎える。

 

「それじゃあ私が案内するね。」

 

吹雪はストライカーの手を引いて司令部へと走り出した。提督はそれを見送って執務室へと戻っていった。

 

「ねぇ、ストライカーちゃん。」

「ひゃ、ひゃい!」

 

やってしまったと顔を隠すストライカーに吹雪は微笑んだ。

 

「これからストライカーちゃんって呼んでいい?」

「えっ?いいけど…………」

 

ストライカーが別方向に歩こうとした時、何か柔らかい物に当たる。

 

「あぁ?誰だお前は?」

 

耳の様な艤装に眼帯を付けた少女がストライカーに顔を近付かる。

 

「新しい陸娘さんですよ?」

 

吹雪が固まっているストライカーに変わって説明する。眼帯の少女が納得した表情になる。

 

「そうか。

俺の名前は天龍、怖いか?」

「え、ストライカーICVで、です…………」

 

軽い紹介だけすると吹雪の後ろに隠れる。吹雪は少し膨れながら天龍に抗議する。

 

「天龍さん!新入りの子を怖がらせちゃダメですよ!」

「ハハハ、悪かったって。よろしくな!」

 

その頃、執務室にはある一枚の指令書が届いており、提督は数人を集めた。

 

「洋上石油採掘施設攻撃か……………。どう思う?」

「そのまま沈めれば良いんじゃないですか?」

 

海月は怪訝な顔で提督に提案するも、即座に反対される。

 

「それが出来ればこの仕事はかなり楽になるんだがな。」

 

提督は指令書のある文書を指す。

そこには人質が居ると言う文書が書かれていた。

 

「中には名家の令嬢も人質にとられている。海兵隊でなんとか出来ないか?」

 

ベルツは難しい顔をしながらコーヒーを飲む。

 

「不可能ではないが、リスクは高い。専門の訓練を受けさせるにも時間がない。ここはサンドマンの特殊部隊を使うのはどうだろう?」

「でもどうやって接近するんですか?護衛には二個艦隊がついているんですよ?」

 

バザードが周辺図と戦力配置図を見つめる。周辺図には小さな島が二つと洋上油田が書かれており、敵性艦隊を示す赤いピンが二つあった。

 

「またパラオに頭を下げるか。」

「へっ?」

 

提督はため息混じりに話す。

 

「囮としてうちの艦隊がドンパチやってる間に潜水艦に載せて油田に近づく。後は油田に配置されている対空砲と人質奪還を行い、海兵隊が最後の仕上げをやる。」

 

一同は頷き、ベルツはペンを走らせてメモをとると何処かへ行ってしまった。

 

「再編した第一艦隊と第二艦隊を支援艦隊として派遣する。各員は物資の積み込み作業及び、出航作業を行え!」

「「了解!」」

 

ヴァルキリーにステルスホークとリトルバード、そしてブラックホークが飛行甲板に着艦する。

 

「全分隊、乗船始め!」

 

海兵隊員もヴァルキリーに乗り込んでいく。

目指すは洋上石油採掘施設だ。




いかがでしょうか?
パルバラ回で失われた艦これ要素の復活に躍起になってますが、上手くいかないものですね。
戦闘描写と、日常描写が上手くなりたい……………
そんな訳で、次回もまた読んでいただければ嬉しいです。
それではまた次回お会いしましょう!

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