いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうもです。
今回は繋ぎ回なので非常に短いです。
《仕方ない…………今回だけだぞ。》
と言ってくれる寛容な方のみ前進してください。
それではどうぞ。


第二十一話 大型艦建造

日本から戻った派遣艦隊は補給と整備を行っていた。しばらくの間は大きな作戦は無い。

そんな中、

 

「”大型艦建造”………ねぇ………」

 

一枚の書類を見つめる。海月が手際よく作業を進めていたお陰で大型艦建造用のドックが完成したのだ。

 

「えーと、資材は…………結構持ってかれるなぁ…………」

 

提督は開発許可証を携えて技術開発棟へと向かった。

 

「てーとく!どーもです!」

 

責任者妖精が出迎える。提督は開発許可証を見せて、大型艦建造を行う手続きをする。資材記入欄には全て700と書き込まれていた。

 

「それではこの書類にサインをして下さい。」

 

提督はペンを走らせ、サインする。

書類を受け取った責任者妖精は部屋の奥に消える。

しばらくして、責任者妖精は一枚の紙を手渡す。そこには『10時間』と書かれていた。

 

「戦艦が来てくれれば万々歳なんだけどなぁ。」

「てーとく、お茶が入りましたよ〜。」

 

妖精が麦茶を渡す。提督は高速建造資材の使用を指示する。

 

「時間短縮で5分後にはお会いできますよ!」

 

責任者妖精が敬礼してまた奥へと消える。提督はその間、机に伏せる。

そこへ、バザードと金剛がやって来る。

 

「寝ちゃってるデース…………」

「本当にこの人はよく寝ますね…………」

 

金剛は愛おしそうに寝ている提督を見つめる。バザードは呆れ混じりにため息をする。

すると、責任者妖精が勢い良く入室する。

 

「てーとくさん!

ってあれ?寝ちゃってる?」

 

金剛とバザード、そして責任者妖精の三人がかりで提督を起こす。

 

「てーとくさん!建造が終わりましたよ!」

 

その一言で提督の脳が覚醒し、走早にドックへと向かう。それを急いで追いかける金剛達。

 

 

「一体どんな子が来るんだろう?」

「とりあえず大物ですよね。」

 

一同は期待と僅かな不安が混じった目でドックを見る。

そこには三連装砲を三機備え、低い位置に艦橋がある戦艦が眠っていた。

 

「戦艦だぁ!」

 

子供のようにはしゃぐ提督。

だが、バザードは目を丸くして、金剛は敵を見るような目で見ていた。

 

「あ、あれって……………」

 

バザードの声が震えている事に気付い提督は双眼鏡を使って観察する。

よく見ると上部構造物の中にCIWSやトマホーク発射機が備えられていた。

 

「知っているのか?」

 

バザードの記憶の中でこのシルエットに該当する戦艦は一隻しか居ない。

そこへ一人、見慣れぬ制服を着た紺のセミロングの髪を持つ少女が近づく。

 

「…………」

 

バザードからは滝の様に汗が流れる。

 

「君が新しく来た艦娘だね?」

 

提督はニコニコとしながら握手を求める。少女は握手しながら口を開いた

 

「タナガー級戦艦一番艦のタナガーですー。これからよろしくね〜」

 

ほんわかした口調に提督と金剛の空気も柔らかくなる。

だが、バザードは固くなる。

 

「なぁ、バザード。新人が来て緊張するのは分かるがもう少し肩の力を抜いたらどうだ?」

「で、できるわけないじゃないですかぁ!

彼女は”無敵艦隊”と呼ばれた最強艦隊の艦隊旗艦を務めた方なんですよ!!」

 

冷や汗を流しながら話すバザードに何故かただならぬものを感じる提督。

 

「バザードさん?」

「ひゃ、ひゃい!」

 

タナガーに声をかけられ、思わず声が上ずるバザード。

 

「確かに前世はエイギル艦隊の旗艦はしたけど、それはそれ、もう旗艦じゃないし仲良くやりましょ〜」

 

ニコニコと笑うタナガーだが、直立不動のまま動かない。

 

「と、とりあえずタナガーは後で執務室に来てくれ。」

「はーい。」

 

提督の後をついて行くタナガーに金剛は何処か不満なようだ。

 

「battleshipならココに居るデース!」

 

その叫びを聞いたのはすぐ隣にいたバザードのみだった。

 

陸軍射爆場では現在、海兵隊と海軍陸戦隊が独占している状態だった。

トラック駐留軍の全戦力がパルバラ島に投入されているのだ。

 

「全くなんでアタシらが後方に戻されにゃならないんだ?」

 

エイブラムスは不満げに呟く。トラック島に帰還の命令が出てからずっとこの調子だ。

 

「仕方ないですよ。戦闘はパルバラ島だけじゃないんですから。」

 

姉を宥めるデザート。そこへ提督がやって来る。

 

「調子はどうだい?」

「「!!」」

 

急いで立ち上がり敬礼する。提督は苦笑いしながら答礼する。

 

「いや、楽にしてくれ。」

「分かりました。」

 

デザートの車体に乗る提督。エイブラムスとデザートも地べたに腰を下ろすか車体に座るなどをした。

 

「んで、提督さんは一端の戦車に何の御用で?」

 

エイブラムスはM9を弄りながら訪問理由を問う。提督はデザートの頭を撫でながら言った。

 

「パルバラ島の戦闘の様子とか聞かせてほしいからだ。」

 

二人は顔を見合わせて頷く。

 

「分かった。じゃあデザート、後腹頼んだ。」

「えっ?二人で説明するんじゃ!?」

 

エイブラムスは早速と自分の戦車へと戻って何処かへ行ってしまった。

 

「なんか………済まない。」

「いえ、良いんですよ。それよりも話を聞くのでは?」

 

提督は頷いて姿勢を正す。

 

「分かりました。」

 

デザートは提督にパルバラ島の出来事を語り始めた。




いかがでしょうか?
って言えないです。今回は非常に残念です。
それから次回からはパルバラでの戦闘が始まります。
すぐに更新出来るかは分かりませんが、急いで仕上げるのでお待ち下さい。
それではまた次回で!

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