いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも皆さん、ストライクイーグルです。
今回も安定した文です。
それでも
《読むぞ!ペイバックタイムだ!》
と言って読む方はどうぞお進み下さい。
それではどうぞ!


第二十話 ビスマルク海峡防空戦

横須賀三日目

 

この日、ラバウル方面等の前線の艦隊は早々と各地に戻っていった。

トラック艦隊は補給物資や試作兵器の積み込みが進んでいた。

 

「それは積み込んで!

あと、そっちは輸送船に! 」

 

緑色の髪を持つ少女がテキパキと指示する。そこへ提督がやってくる。

 

「君が技術開発局本部から派遣の技術士官か。」

「そうであります!」

 

少女は見事なまでに完璧な海軍式の敬礼をする。胸元の名札には河城の文字があった。

一方、シバリーはと言うとバザードの前に正座させられていた。

 

「んで、貴女が付いていながらなんであんな爆買いをしてしまったの?」

「い、いえこれは……………不可抗力というものが働いて…………」

 

シバリーからは滝のように冷や汗が流れる。バザードは怒ることは滅多にないがその分、怒らせると何をするかわからない。

 

「不可抗力…………ねぇ…………」

 

バザードの片眉が吊り上がる。シバリーの脳内では警報が鳴りっぱなしだ。バザードがゆっくりと口を開く。シバリーは目をつぶり、来るべき落雷に備える。

 

「次からは気を付けなさい。」

「へっ?」

 

予想外の反応に戸惑うシバリー。バザードはため息をついて空母に戻っていった。シバリーは理解が追いつかない。

 

「た、助かった?」

 

シバリーは仰向けになり、空を見つめる。命の危険が去った今、シバリーはしばらく流れていく雲を眺める事にした。

輸送船では積み込み作業がほぼ終わる。そして、トラック艦隊も出航準備を整える。ここからまた三日間の船旅が始まる。

 

「提督、全艦出航用意宜し!」

「さて、トラック島に帰るぞ。」

 

タグボートに押されて岸から離れる。まずは電と雷が先に湾口に向かう。続いてシバリー、バザード、金剛の順で湾から離れた。試作兵器を搭載したトラック島行きの輸送船団を護衛しながら大海を進む。

艦隊がビスマルク海峡を通過しようとした時に、シバリーのレーダーにボギーが映り込む。

 

「敵機発見。方位020、距離10万、高度6000、機数40!」

「対空戦闘用意!」

 

この情報はすぐさま全ての艦に伝わる。輸送船団を輪形陣の中に入れ、空母からはE-2がホーネットが発艦する。

 

「直掩機は速やかに対応せよ。それから待機中の機にもイエローで待機。」

《こちらハルバードリード、ウィルコ。》

 

対空砲が敵機の来ると思われる方角に砲身を向ける。

 

「SAM発射始め!サルボー!」

 

シバリーのVLSから5発程のシースパローが放たれる。すると別の方角から高速で接近する機影を捉える。

 

「…………!

急速に接近する機影を補足!」

「何!?」

 

シバリーもレーダーを見つめる。明らかにレシプロ機ではない速度で艦隊に近付く5つの点があった。それを聞いた提督は会議で士官が言っていたある情報が呼び出される。

 

「そいつらは恐らく噴式機だ!」

 

それを聞いた金剛と妖精は目を丸くする。

 

「それはどういう事デス!?」

「会議の時に見たんだが深海棲艦も開発に成功したらしい。」

 

数機のホーネットが迎撃に向かう。

 

《こちらハルバード2-4、敵機を視認……………あれは!?》

「どうした!」

 

ハルバード2-4はこの世界に在るべきではない物を見た。

 

《敵機は……ユークのMiG-21 バラライカ…………》

 

それを聞いた一同は驚きを隠せなかった。

 

「全艦に伝えろ!何がなんでも奴らを近づけるなと!」

 

提督は参謀妖精を呼び出し、命令を伝える。参謀妖精は命令を聞くやいなや直ぐに通信室へと向かう。

 

《こちらハルバードリード、間もなく会敵する。》

《こちらハルバード2-4!現在、MiGと交戦!》

 

全ての艦の艦内が一気に慌ただしくなる。金剛の主砲に三式弾が装填される。

 

「射程内に入り次第撃ち落とせ!」

 

提督は艦橋から指示を飛ばす。

その頃、ミグと交戦しているハルバード2-4は苦戦を強いられた。

相手は第三世代機とは言え5対1の戦闘だ。

 

《もう少し……………もう少し…………そこだ!!》

 

サイドワインダーがミグの排熱を探知して追尾する。ミグはループでやり過ごそうとするも間に合わずに餌食となった。だが、撃墜の余韻を味わうこと無くホーネットは左にhighGターンをする。

 

<青7が落とされた!>

<落ち着け、まだこっちが優勢だ。>

 

ミグはロッテを組んでホーネットに襲いかかる。2-4が荒々しく機体を捻る。すると元の居たところに弾が通過する。捻らなければ20mmに縫い込まれる所だった。

 

《ハルバード2-4!助けに来た!》

 

僚機のF-14がフェニックスを放つ。4機の内の2機を落とすも残りはチャフを撒いて撹乱する。

 

《こちらハウンド2-2。

これよりミグと交戦を開始する!》

 

2-2がアフターバーナーを使い、ダイブする。咄嗟にミグは左右に別れる。その内の一機に食らいつく。

 

《FOX2 FOX2!》

 

ミグはフレアとチャフを撒きながらロールをうつ。AAMはあらぬ方向に向かい、爆発する。

 

<押されてるぞ!>

<怯むな!>

 

ミグは新手のトムキャットに食らいつくが、その後ろには怒りに燃えるスズメバチがいた。

 

《好き勝手にやりやがって!!》

 

スズメバチから射出された細長い金属の針が正確にミグを吹き飛ばす。

 

《これでラストだ!》

 

上昇して逃れようとするミグにハルバード2-4は止めを刺す。

 

<うおぉァァァ!>

 

断末魔をあげながらミグは海へと還っていく。

その頃、艦隊は直掩機をすり抜けて来た攻撃隊に弾幕射撃をしていた。

 

「左舷10時に雷撃機多数!」

「右舷からも接近中!」

 

数は少ないが複数方向から攻撃を仕掛けてきた。

 

《高度3000、方位310から爆撃機!》

「今ネ!ALL gun fire!」

 

主砲から三式弾が発射される。一定の距離に達すると信管が作動し、周囲に散弾をばら撒く。

 

「敵爆撃機、4機中3機の撃墜を確認!1機は逃走した模様!」

「very good every one!!」

 

金剛は妖精達を鼓舞する。提督は気が気でない様子で双眼鏡を覗く。

敵機の一部は爆弾を投棄して逃げていた。

 

《こちらハルバード2-4、敵戦闘機を全て撃墜。

これより帰投する…………》

 

その声には疲れがあった。

敵機もほとんど落とし、残りは逃げていった。

 

「ふぅ…………」

 

提督はため息をついて席を立つ。

 

「ちょっと風に当たってくる。あとは頼んだ。」

「了解。」

 

提督は甲板に降りて煙草を吹かす。そこからはバザードは着艦作業を行っている場面が見える。

 

「今日も犠牲は無しか……………」

 

提督は手すりにもたれかかる。

先程まで戦闘をしていたとは思えないほど穏やかな海だった。

しかし、彼の胸中はある不安を抱えていた。

 

(しかし、ここは我が軍の実効支配圏のはずだ…………

それが何故こんなに容易く侵入されているのだ?)

 

提督は煙草と共に不安を海に投げ捨て、艦橋へと戻った。




どうでしょうか?
全く持って駄文ですね。
それからお気に入り登録が50件越えました。ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
それではまた次回でお会いしましょう。

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