いよいよ?バンカーショット作戦も終了です。
ここからは小説の残弾が欠乏しているのでかなり更新かわ遅くなるかも知れません。ご了承ください。
それではどうぞ!
南方戦線は雲ひとつない青空だが、パルバラ島上空は黒煙に覆われていた。
《本空域の敵航空勢力、50%を撃破。戦意は低いぞ、ここで叩け。》
ハウンド隊は編隊長を失いながらも防空戦を行っていた。零戦もそれぞれの所属空母に帰還、燃料補給と再装備してパルバラ島の空に上がる。
「対戦車砲!弾種、HE弾!距離450!Fire!」
ライノ隊は歩兵を援護しつつ塹壕を越えて前進する。
「金剛射撃指揮所了解。タ2-1からタ2-4の間に効力射、徹甲榴弾!撃ち方始め!」
沖合の艦隊は地上部隊支援任務を継続していた。
「提督、上陸部隊の一部が海岸防衛線を突破しました。」
参謀から報告が入る。提督は海岸で戦っている親友の身を案じつつ艦隊の指揮をする。だが、その胸中には一抹の不安がよぎる。
そう、本隊の上陸状況が全く入ってこないのだ。
「くそっ!なんでこの海岸に重戦車がいやがるんだ!
うぉっ!」
本隊2万の将兵達はトーチカや塹壕に加え、敵戦車が前進を阻んでいた。八九式が歩兵を従えて前進すると、森から角張った車体にアハト・アハト(8.8cm砲)を載せた重戦車が現れる。
「タイガーだ!後退しろ、支援を待て!」
「なんで独逸の重戦車がいるんだよ!」
八九式も主砲で砲撃するもティーガーの装甲に跳ね返されてしまい、カウンターの8.8cm砲弾をくらう。貫通した砲弾は車内の弾薬庫を吹き飛ばした。
「おい!航空隊を呼び出せ!虎が現れた!」
「海軍は何をしていたんだ!?」
「四号車被弾、炎上中!」
「航空支援はまだか!?」
だが、混乱しているのは陸、そして海もだった。
「目標地点を示せ!繰り返す、目標地点を示せ!」
各艦の通信室の無線がパンク寸前だった。
「何!?よく聞こえん!もう一度はっきり言え!」
通信室から漏れる怒鳴り声。艦載機に燃料や弾薬を補給でてんやわんやの飛行甲板と格納庫。艦娘達もこのピリピリした空気を嫌でも感じていた。
北部海岸は防御線をあと一歩で突き崩せる所にあった。
「コリンズ軍曹、分隊を率いてあそこのバンカーを制圧しろ!残りは私に続け!」
「ラジャー。」
コリンズと呼ばれた妖精はM16を片手に走り出す。
「第A隊、俺について来い!」
コリンズは未だ頑強に抵抗しているトーチカを目指して前進した。そのトーチカは左翼に弾幕を張り釘付けにしていた。
するとコリンズの近くを銃弾が掠める。
「気づかれた!応戦しろ!掘っ建て小屋からだ!」
一人がM240Bで小屋に制圧射撃を加え、数人が小屋に接近する。
「グレネードランチャーを使え!小屋ごと吹っ飛ばすんだ!」
擲弾妖精がM203を装填し、トリガーを引いた。発射された弾は弧を描いて小屋の窓に飛び込み爆発した。
「小屋を無力化!トーチカに肉迫する!」
コリンズと数人はトーチカに手榴弾を投げ込む。爆発と同時にトーチカ内の銃声が止む。
《敵沿岸守備隊の戦力、70%喪失。あと少しだ。》
右翼側は既に大多数がトーチカラインを抜けて内陸に進んでいた。左翼もあとひと押しで突破できる状態だった。
「戦車前へ!火力を集中させろ!」
蓮田は部隊員全員に伝えるために叫んだ。隊員達は未だに抵抗する陣地に射撃を集中させる。
「敵陣地突破!前進するぞ!」
歩兵と戦車が斜面を駆け登る。蓮田も拳銃を引き抜き前進する。
「通信兵、艦隊に連絡しろ。
我、沿岸防御陣地を突破す!」
「了解!」
通信兵は無線で信号を送る。
信号を送り終えると同時に通信兵よ頭を銃弾が貫通し、血を辺りに撒き散らす。
「狙撃手!2時方向!」
チヌが砲塔を回し、狙撃手の居る木に照準を合わせる。
「発射!」
撃ち出された榴弾は吸い込まれるようにして根本に弾着する。木の上にいた狙撃手は叩きつけられ絶命した。それと同時に空中管制機から通信が入る。
《全敵勢力の排除を確認。海岸周辺の安全を確保。バンカーショット作戦成功だ!》
すると無線からは歓声と拍手が溢れ出す。
《勝った!勝ったんだ!》
《イヤッホー!!》
《俺達だってやれるんだ!!》
思い思いに拳や小銃を天高く突き上げる。 生き残った者同士で互いの生存と作戦の成功を喜んだ。
北東海岸も多くの犠牲を出しながら上陸に成功した。
北部海岸上陸部隊の死傷者2000名、戦車9両、航空機40機だった。
北東海岸上陸部隊は死傷者7500名、戦車30両、航空機80機だ。
だが、まだパルバラ島を巡る攻防はまだ始まったばかりだった。
上陸後の北部海岸には大発やLCACが物資や追加部隊を満載してピストン輸送を行っていた。その中で先に上陸した部隊は休息をとっていた。
「やったな…………」
エイブラムスは同じ部隊の姉妹と共に海岸で行ったり来たりを繰り返す船艇を眺めていた。すると深海棲艦側の兵士4人が手に縄を掛けられて俯きながら進んでいた。
「さながら死刑台への行進の様だな。なぁ、デザート?」
場違いな砂漠用迷彩の施された妹に聞いた。
「そうですね…………」
興味ないといった様子のデザートは横になって目を瞑る。他の姉妹はと言うと一人は本を読み、もう一人は装填妖精と一緒にレーションをかじっていた。ふと空を見上げる。
「今日も生き残ったな……………」
この誰に向けたものでもない呟きは車両の轟音でかき消された。
そこへ迷彩服を着た記者が現れる。
「どうも、清く正しい射命丸 文です。」
エイブラムスは立ち上がり、手を差し出す。文はその手を握った。
「あたしはエイブラムス。どうしたんだ文屋さんよ。」
するとカメラをエイブラムスに向けた。
「なるほどねぇ………
なら少し待ってくれ。」
そう言うとエイブラムスは自身の戦車へ駆けていった。 そして、車外へと装填妖精を引きずり出す。
「あたしの戦車をバックにコイツと一緒に撮ってくれないか?」
「喜んで。」
文はカメラを構える。エイブラムスは腕を組み、装填妖精は恥ずかしそうにピースを作る。
カシャッ、という音が鳴りエイブラムスは文に少ないが金を手渡す。
「撮ってくれたお礼だ。受け取れ。」
装填妖精はそそくさと車内に戻り作業を再開した。
「いえ、こちらこそありがとうですよ。お陰でいい記事が書けそうです。」
「そうか、良かったな。おっと、そろそろ指揮所に行かなきゃな。
それじゃあな。」
エイブラムスは臨時指揮所に向かって歩き出す。文は海岸線に戻り取材を始めた。
同時刻、ポートモレスビー周辺の哨戒のために2機の零戦が飛行していた。
《ぎ〜ん翼連ね〜て 南の前線》
「二番機、私語は慎め。それにそりゃ『ラバウル航空隊』だろ?ここはポートモレスビーだ。」
僚機の賑やかなおしゃべりが始まったと内心、ため息をついた。
《えっ?いいじゃないですかー。
同じ南の前線の部隊なんですからー》
呆れ混じりに息を吐いた。このおしゃべり癖は幾ら言っても直らない。しかし暇潰しにもってこいなのは確かで事実、心の何処かで楽しいと思っていた。
ふと見上げれば上空に何かがいたが太陽と被って目視しづらい。
「なんだ…………?」
すると凄まじい轟音と共に何かが通過した。
「なんだ!?おい、二番機!」
僚機を見ると風防が血で染まっており、エンジンからは火を吹いて爆散した。
「くそっ!」
機体を捻らせ、何かを射線に捉えようとする。すると雲の中からは細長い円柱のような胴体に三角形の翼を備えている白黒の機体を見つける。
「もしや噴式機!?しかし、我が軍にはないはずだ!」
そう思った矢先にもう一機が背後から忍び寄り、AAMを発射した。何で殺されたのか分からずに哨戒機はバラバラになった。
<こちら青7、敵機を撃墜。帰投する。>
哨戒機を撃墜した噴式機は何事も無かったかのように哨戒空域を後にした。
どうでしょうか?
文章、ストーリー共に崩壊していますね。はい。
見切り発車故の過ちですかね……………
さて、いつになるかはわかりませんがまた次話でお会いしましょう!