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夢じゃ…ないよね?
本当に、本当にありがとうございます!
さらには、ご意見ご感想、御指摘をしてくださった皆さんにはとても感謝しております!
これから作品がもっと良くなるように頑張って行きますのでよろしくお願いします!
今回は説明が長いので注意です。
「……………………………え?」
「もう一度言うぞ。お前が今日ここに来なきゃお前の寿命はあと数年だった。」
なのはは心臓が一瞬止まったように思えた。それもそうだ。まだ若く、仕事の疲れ以外の病気は無かったのに…。いきなり余命宣告されてしまったのだから。シグレの言葉が何度も頭を巡り、自然と涙が溢れて来てしまう。そして身体がカタカタと震え始める。もう数年してしまうと死んでしまう。そんな考えで、頭がいっぱいになった。
シグレはその心情を汲み取った上で口を開いた。
「だが、お前は
「ほ、ほんとう…?わたし…長生き、出来るの?」
「あぁ、必ず救ってみせるさ。」
そう言うと、なのはは暗闇に生まれた一筋の光を見たように明るい笑顔を見せた。本当に、聞いただけで絶望だったんだろう。
自分で作り出した空気だが、その空気を変えるべくシグレは手を叩いた。
「さて、じゃあこの目の前の奴を説明しつつ、インフォームド・コンセント(患者への治療方針の説明)すんぞ。あと、辛いこと聞くようだがリンカーコアを出されたこと聞くからな。」
「は、はい!よろしくお願いします!」
「その前に…。」と呟き、白衣のポケットから空色のハンカチを出し、なのはの顔を優しく拭った。
「うっし、これでよし!お前みたいな将来綺麗になる可愛い子が、いつまでも涙見せてちゃいけねーな。笑った方が可愛いと思うぞ。」
「……ふぇ!?/////」
「じゃあ、とりあえずこの目の前の奴の説明な!」
なのはの顔が茹でだこのようになっているのを知ってか知らずか(高い確率で後者)、シグレは丸い玉と歪な物体の説明をしだした。
「まず、この綺麗な球体は正常で健康なリンカーコア。そして…隣の、いつ崩れてもおかしかねぇこの物体は…高町、お前のリンカーコアだ。」
「…っ!私の…リンカーコア。」
「俺は魔力の糸の先から魔力を扇状に流して縦、横、高さ形状を割り出して、魔力を固めてこの模型を作った。だから間違いはねぇ筈だ。
で、ここからが重要なことなんだが、高町、お前はおそらく魔法文化のない世界の出だな?」
「え!?は、はい。『地球』って言えばわかりますか?」
「なるほどな…。よし、そして…魔法に出会ったのは突発的…突然だったな?」
「ど、どうしてそこまで!?私、何も言ってないですよね!?」
「…それを今から説明してやる。どうやってこの状態からその情報を割り出したかをな。ちーとだけ長くなるぞ。」
※ここからはシグレの説明が始まります。…早く治療しろよとか、そんなのいらん!って人は軽く流してください。まぁ色々な仮説を語ってくので色々おかしなところもあるかと思いますが、そこは二次創作の産物だと思ってくれると幸いです。※
「まず、リンカーコアの存在について説明せにゃならねぇ。言っちゃ悪いがこの次元世界全てに於いて、高い確率でほぼすべての人間、野生動物にはリンカーコアと言う器官が存在する。さらには、目には見えないほどに細い魔力菅という魔力伝導の役割を担う器官も存在する。じゃあなぜ、すべての人間が魔力を持たず、特定の人間が魔力を行使できるか?それは、文化の違いによるもんだ。
リンカーコアってのは空気中に存在する魔力素、通称『マナ』の刺激を受けねーと魔力を生産する器官にゃならねぇんだ。よって、魔力を使う文化が昔から発展してる世界の生物が魔力を使える。それはマナの吸収は、皮膚呼吸も同じ要領で行われるところから来てんだ。
高町、お前はなぜ、魔力文化のない次元世界で魔法を使えた?魔法を覚えるきっかけを掴んだんだ?」
「えっと、ジュエルシードを巡った事件…通称『
「あー、なるほどね。ジュエルシードってのは魔力の塊、そりゃあ大量のマナを空気中にまき散らすわ。その濃密なマナを吸収したおかげで、お前のリンカーコアは覚醒したんだな。で、お前のような、外部からの刺激で後天的にリンカーコアが覚醒することを『後天的マナ吸収による後天性リンカーコア覚醒』という。こういう点から、"お前の出身地は魔法文化のない次元世界で、魔法に出会ったのは突発的だった"っつー結論に至ったわけだ。」
「す、すごいですね…。え、でも私、魔法を初めて発動する時にデバイス…レイジングハートのキーを言ってたような…」
「ありゃあマナの吸収を促す呪文みたいなもんだ。それとデバイスの発動キーを同じにすればどっちも可能だろ?」
「そうですね…。じゃあ、こんなにボロボロなのは…何でですか?」
「じゃあ、これも少し長いが、治療をやる前に理解しといた方が良いだろ。説明すんぞ。
実はこの『後天的マナ吸収による後天性リンカーコア覚醒』で覚醒したリンカーコアにゃ、特徴が3つある。一つ目は"そのリンカーコアから生成される魔力は無属性のことが多い"ってことだ。こりゃちょっと考えりゃわかるんだが、魔法文化がねぇ世界で"魔法で火を起こす"とか普通考えが沸かねぇし、イメージしようにも出来ねぇ。そりゃあ漫画やアニメじゃ普通に使ってんだろうがそんなの現実的に考えるやつはいないだろ?だから魔力に属性が"つかない"っつーよりか"つけられない"ってのが表現としちゃいいかもな。次元世界で魔法文化がある世界で属性転換を持つ奴はほとんどが先天的なことが多いしな。
で、二つ目。これがお前にゃ重要で俺も聞きたかったことにも繋がるんだが…"そのリンカーコアは…外部からの衝撃に極端に耐性を持たない"ってことだ。高町、そろそろ聞くが…『リンカーコアが体から出たことがある』ってのはどういうことだ?」
「えっと…『闇の書事件』という事件で、闇の書の莆集の時にリンカーコアを抜かれて、魔力もほとんどそれで吸われてしまって…。」
「あー、再生機構のある元"夜天の書"な。事件の文献を読んだから分かるわ。なるほどね。多分きっかけはそれだ。リンカーコアは体の中にある臓器と一緒で外部から抜き取られることはまずありえねぇもんだ。それを無理やりぶっこ抜かれて、しかも無理やり魔力ぶんどったりしたらそりゃそうなるわ。ちなみにそれは魔法を覚えてどれくらいたった頃だ?」
「…大体7ヶ月くらい?一年はたってなかったかな…?」
「…『後天的マナ吸収による後天性リンカーコア覚醒』で覚醒したリンカーコアってのは定着に一年以上かかんだ。定着しないあいだにそんな衝撃受けたらボロボロにもなるな。それでもなんで魔法が使えたんだろうな?これは三つ目に答えがある。
"そのリンカーコアの成長は、そのリンカーコアの持ち主の心情を強く反映する"。『強くなりたい』『助けたい』っつーポジティブな感情から『殺したい』『壊したい』っつーネガティブな感情まで、その想いが強いとリンカーコアもそれに応えようとすんだよ。高町、お前はその時、どんなことを強く願った?もしくは強く思ったんだ?」
「…闇の書、今は夜天の書ですけど、その騎士さん達とお話したい。話を聞いて欲しいって思ってました。」
「それだけその想いが強くて、リンカーコア自身もそれに応えてやりたかったんだ。リンカーコアもお前の体の一部だからな。…さて、これらを踏まえた上で、お前の病状を言うぞ。
お前の病状を名前にすると、『外部衝撃による魔力源結合崩壊』だ。」
長々と説明をしたシグレの口から出た病名は、なのはも初耳だった。
「『外部衝撃による魔力源結合崩壊』?」
「つまりは、定着もしてないリンカーコアに強い外部からの衝撃を受けて、リンカーコア自体の魔力結合を維持できず、自然崩壊してってる訳だ。魔力が抜かれた時、虚脱感…力が抜ける感覚を覚えなかったか?抜かれて体から力が抜けるほど影響力がある物がなくなっていく、つまり…体の健康状態も維持出来なくなるってことだ。だからほっといたら本当に数年後にゃ土の中だ。」
「で、でも…それ以降も魔法を使えて……まさか、特徴三つ目の!?」
「覚えててくれて、説明した身とすりゃ嬉しいことだねぇ。そう、リンカーコアはお前の夢を叶えてやりたくて今まで頑張って来たんだよ。でも、それすらも出来ないほどにボロボロになっちまったんだ。ここらで一旦、ケアしてやらねぇとな。」
なのはは一筋の涙を流しながら、両手を胸に当てた。
「ありがとう…リンカーコア……。今まで無茶させて…ごめんね?」
「そう言ってくれて、そいつも嬉しいだろうな!さて、それじゃあ治療の方法を説明すんぞ。」
「はい!私のリンカーコアを…治して下さい!」
「承ったぞ!じゃあ、ここからはちと図面で説明してやる。」
そう言うと、シグレの前に半透明のホログラムが現れた。これもシグレの魔力ができる芸当である。
「まず、お前のリンカーコアまでさっきみたいに俺の魔力の糸を伸ばして、そこからリンカーコアを魔力の糸で元の丸い形にコーティングする。そこに……。」
再びシグレが手をなのはの前に出すと、魔法陣が現れた、そこから凄まじく細い管のようなものが出てきた。
「この、俺の魔力で作ったチューブで…カートリッジに貯蔵してある魔力を注ぎ込む。そうするとコーティングした形に魔力が満たされて、お前のリンカーコアがそれを吸収し始める。カートリッジ内には治療魔法の術式を組み込んだ魔力を補填してあるから、それらが内部から治療を促す。それで徐々にヒビをなくし、形を整えていく。心配しなくても中に入った魔力は寝ているあいだにお前の魔力となるからな。」
「なるほど…。その治療ってどれだけの期間必要なんですか?」
「リハビリとかを踏まえれば…2週間か「2週間!?」な、なんだよいきなり…。」
「いやいや、2週間なんてそんな!?だって教導隊の研修も立て込んでるし他にも色々…「天誅っ!」あいたっ!?」
「まだガキなのにな…」と呟きつつ、なのはの額にデコピンを決めながらなのはをジト目で見つめた。この子、明らかに社会に毒されつつある。
「お前はお前の体を大事にしろダアホ。管理局の嘱託やってんだろ?体が資本なのにそんなボロボロで行って何になるよ?きちんと治せ。ドクターストップかけてやっから。」
「えっ!?でも上司が…。」
「んなもん俺が黙らせてやるって。いいから入院しとけ。…っと。とりあえずこの治療方針に賛成ってことでいいな?」
「は、はい…。」
「うっし、わかった。治療に関しては明日からやるから、今日は荷物持って病室で休んでな。個室を用意してある。.っと、そうだった。高町ぃ?」
「えっと、何でしょう?」
そろそろ終わるかと思い、帰り支度をし始めたなのはにシグレがストップをかけた。
「とりあえず帰りがけに採血して行ってくれね?」
「え?でも体は何ともないんですが…。」
「一応、保険のためにとっといてくれ。きっと役に立つから。」
「……?わかりました…。」
「やっぱり、お医者さんってわからないの…。」と言いつつ、帰りに採血をしっかりとして、荷物を持ちになのは
「おーい、ティファ(前話あとがきおまけの看護師さん)?まっくろくろすけの治療終わったかー?」
『いだだだだだだだっ!?ちょっ、締めすぎだって!?って!?ちょっ、近、近いですって!?』
『あらあらふふふ♪何も照れることないじゃない?それに…痛がってるクロノさん、すごくそそられるわぁ…♡』
『い、いやぁ…僕には…婚約を決めた人が…』
『いいじゃない…♡た の し み ま しょ♡』
「てめぇら…ここはいつからラブホになったんだよ…。」
シグレは、カーテン越しにある治療室にいるであろう男女に向かい呆れたように天井を見る。
「これから忙しくなるぞ…。とりあえずあいつの上司を隣のまっくろくろすけに聞いて
この血液検査が、後に本当になのはの身を守ることになるのだが…それをまだ、なのはは知らない。
すげー長くなりました…。それに、自論を展開するのはいいけど、スマホで入力するのは骨だな…
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説明の補足
・じゃあなぜ、リンカーコアがみんなにあるのに魔法が使えない人がいるの?
→マナを吸収したとしても覚醒するかはリンカーコアの親和性と潜在的能力に左右されることが多い。よって、リンカーコアを持っていても覚醒しない、または覚醒しても反応や作用が微弱という生物が出てくる。
☆おまけ☆
クロノ「…………。」←服がとても乱れてる。
シグレ「よぉ、まっくろくろすけ。隣で楽しんできたか?」
クロノ「シグレ……頼むからヴォルフを出したあとにティファさんのところに連れてくのやめてくれ。」
シグレ「んだよいい思いしてる癖に…、嫌味か?」
ティファ『あらァ?ならシグレ先生も、私を味わってみ る?♡』
シグレ「…今度から治療はやってやる。」
クロノ「…助かる。」
ティファ『冗談よぉ♡』
ティファのあだ名……「
クロノくんは捕食された模様(意味深)。