魔法少女リリカルなのは-リンカーコア科の医師-   作:融点

3 / 12
さて、最近俺のスマホ(iphone6 16G)をアスファルトに画面から落としてしまい、この小説を書いてるあいだも画面ビキビキにひび割れてます。
皆さんもスマホを画面から落とさないように、手帳型のスマホケースに入れて保護することをおすすめします。割とマジで。


まだ…まだ本体料金払い終わってないのに…
ウゾダドンドコドーーーン!!!!(。・ω・。)ぶわっ


てなわけで、俺の心のシャウトとともに本編どうぞ。


第2話 白い悪魔の治療②

クロノがリンカーコア科を訪れた数日後…。

病院の前には一人の男性と少女が佇んでいた。

 

 

「ふえぇ…大きいね、クロノ君。」

「まぁ、管理局御用達というか、専属のような感じの病院だからね。施設も最新のものだし、病床も多い。いつも任務の時の怪我人を受け入れてくれるんだ。」

「へぇー、凄いんだね!…で、私何でここに連れてこられたの?」

「…撃墜されたあの日からリンカーコアの治療をしてなかっただろ?ここにはそれを専門とする知り合いの医師がいるんだ。今から見てもらおうと思ってね。」

「リンカーコアの治療…?でも、その時のお医者さんは無理だって…。」

 

 

少女はその知り合いの医師に対して疑問を抱き始めた。治療が無理だと言っていたものを治療出来るという矛盾が生じているのだ。しかしクロノはその回答を覆すことはなかった。

それ以降会話のないまま、受付をスムーズに終わらせて診療科の前に来た。

 

 

「『リンカーコア科』…?」

「そう、次元世界どこを探してもここにしか存在しない診療科だよ。さぁ、だいぶ待たせてるから早く入r」

 

 

「早く入ろう」と言いかけ、扉に手をかけたその時、扉が突然開き部屋から出てきた何かがクロノを襲った。

その何かとは…

 

 

「いだだだだだだだだだだだだだだ!!!」

「ガルルルルルル…ガウッ!」ガブリッ

「っつ~~~~~~~~~~~~~!!!」

「ふぇ!?あ、青い狼さん?」

 

 

全体が透き通り、淡く青に光る狼だった。クロノの頭を狼が引っ切り無しにカミカミしている。

そうこうしていると、診療科の中から誰かが出てきた。深い青色の長髪を後ろで束ね、メガネをかけ、白衣を来ているところからその診療科の医師に間違いないだろう。

 

 

「30分の遅刻たぁ、いい度胸じゃねぇかクロノォ?」

「し、シグレ!済まなかったいだだだだだだだだだだだだだだ!!!」

有罪(ギルティ)。とりあえずヴォルフスフィア、噛め(バイト)。」

「あーーーーーーーーーーーーー!!」

「な、何なの?……って、え?スフィアって…これ、魔力スフィアなの?」

 

 

少女はその狼の形をしたスフィアを見やる。牙、目、毛並みまでまんま狼であるのに、魔力で出来ているとは驚くどころの話ではない。その少女自身、こんなに精密な魔力操作を見たことがない。

思考に耽っていると、その医師と目があった。その黒い瞳は吸い込まれるように深い色合いだった。

 

 

「あんたが"高町 なのは"だな?」

「ふえ?は、はい!高町 なのはです!」

「俺はリンカーコア科(ここ)の担当医師をしてるシグレ・シュヴェーアト。とりあえずここではなんだろうから、部屋に入りな。この約束に遅れてくるような(まっくろくろすけ)はとりあえずヴォルフスフィアに任せる。」

「え、ええ?放っておいていいんですか?」

「あぁ、問題ねぇ。ヴォルフスフィアは俺の魔力を糧に作ってるから俺が与えた命令には忠実だ。でも噛み加減はしっかりしてやってっから大丈夫だろ?とりあえず気の済むまで噛ませて、その後に引きずってまっくろくろすけを持ってきてもらうわ。」

「………あなた、お医者さんですよね?」

「そうだぞ?なんなら医師免許と試験の問題用紙、受験票だして確認するか?」

「あ、大丈夫です…。」

 

 

それで良いのか医療職…。

ともかく話をそこそこに、なのはとシグレは診療科に入っていった。クロノの断末魔の叫びを聞きながら…。

入ると病院独特な消毒の匂いと清潔感溢れる白を基調とする部屋、レースのカーテン、ごくごくありふれた医務室という印象だ。

なのははそこの部屋にある回転式の椅子に誘導され、素直に腰をかける。

 

 

「さ、てと。それじゃあ自分の中で魔法を行使するにあたって違和感とか無かったか?」

「うーん、私としてはあまり実感湧いてないんですよね。確かに疲れは残るけど多分仕事してるからだろうし…。あ、そう言えば!」

「ん?思い当たる節でもあったか?」

「は、はい。よく周りの人から『砲撃を放つとき魔力溜め過ぎ』とか言われました。ほら砲撃魔法ってたしか『溜めた魔力と同等の魔力量を流し、押し出すように撃つ』って言いますし!だから同じくなるように…。」

「…よし、何となく分かったわ。じゃあちょっと背中向けてくれないか?」

 

 

淡々と状況だけを飲み込んでいき、空間投影型ディスプレイに打ち込んでいくシグレ。それを見ているなのはからすれば…これだけで何が分かったのかがさっぱりわからない。

「お医者さんって、わからないの…。」などと言いながらもとりあえず回転式の椅子を回してシグレに背を向ける。

 

 

「今から、俺の魔力を通してお前のリンカーコアを直接触れながら触診するな。あぁ、勘違いしないで欲しいんだけどよ…。別に身体を不用意に触ることはまず無ぇから、不快に思った行為があったら言ってくれ。そんときゃきちんと直してからやるから。」

「ま、魔力で…リンカーコアを…触診!?そんなこと出来るんですか…?」

「ああ、出来るぞ?何なら前からやって見せようか?…あまりおすすめはしないが。」

「…お願いします。」

 

 

「好奇心旺盛だな」と呟き、椅子を回してなのははまたシグレに向かい合う。ちょうど左胸あたりにシグレが手を翳すと、三角形を2つ重ねたような小さめな魔法陣が展開される。見るからに「ベルカ式魔法陣」だろう。その魔法陣から数本の糸が出ている。

 

 

「まぁ要するにこの糸を身体に入れて触診する訳なんだが、入ってるところ見ると、たまーに気分を逆に悪くする人がいるからよぉ…。いつもは後ろを向いてもらうんだが…。」

「大丈夫です!リンカーコアを外に出された(・・・・・・)こともありますし!」

「っ!…その話、後で詳しく説明してもらうからな。とにかく、やるぞ。」

 

 

シグレはなのはの「外に出された」という、本人としては何気ない会話の一部だと思っていることを聞き逃さなかった。しかし、今は検査をすることに集中することにする。

魔法陣から出た糸はやがてなのはの胸の中に入っていった。

 

 

「……気分悪いとかは無いか?今、ちょうどリンカーコアを触ってるんだが。」

「大丈夫です!…って……あれ?そう言えば、魔力って人体をすり抜けるものでしたっけ?(・・・・・・・・・・・・・・・・)

「普通は不可能だぞ。でも、俺の魔力は特別だかんな。」

 

 

なのはの抱いた質問…。『魔力は人体をすり抜けるものなのか』。

普通はシグレが言った通り不可能だ。魔力はいわば形のない空気を形を成すようにして可視化したもの、つまりは密度の濃い集合体なのだ。だから本来なら人体をすり抜けることは出来ないのだが…、シグレにはそれを可能とするものがある。

目を閉じ、真剣に検査をするシグレの顔を見て「うわぁ、かっこいいな」となのははちょっとだけ思った。

数分後、検査も終わったらしく魔力の糸を体から出し、少しだけ息を吐く。手を胸の位置にで止め、掌を天井に向けると掌に魔法陣が現れる。

 

そこから出てきたのは、ツルツルとした小さな丸い玉と、ところどころ欠け、ヒビだらけの物体だった。

 

 

「…どうでしたか?」

「………まず、言えることがある。お前、周りに感謝しとけ。」

「え?」

 

 

次の言葉は、なのはの今までの半生で一番肝が冷えた言葉だったと後に語ることとなる。

 

 

「お前、クロノが気づいて病院来てなかったら……………

 

 

何もかも手遅れで、あと数年しか生きられなかったぞ。」




ちなみに設定としてはなのはさんたちは15歳です。
確かStS編の空港爆発はこのくらいの年だった気がする。
まぁ、外れても二次創作の個別設定だと割り切ってくれると嬉しいです。


ご意見ご感想お待ちしております。


☆おまけ☆

ズル……ズル……。

看護師「あら?これ、シグレ先生のスフィアちゃん…?」
ヴォルフ「がうっ!」
看護師「ん?何かをくわえて……。」
クロノ「……………。」チ───(´-ω-`)───ン
看護師「あ〜、クロノさんね。クロノさーん、また何か先生の気に触れることしたんですかー?」
クロノ「………30分………遅刻した………。」
看護師「あちゃあ、そりゃ怒りますね。私でも怒りますよ…。とりあえず湿布と包帯しときますね。」
クロノ「すま……ない…。」
看護師「いつものことなのでもう気にしてません♪」


クロノはこうして毎回毎回ヴォルフの犠牲(遊び相手)になっている。今後もその予定。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。