呼ばるる異名は黄金騎士   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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めっちゃ時間かかって申し訳ない

正直クソみたいな出来(いつもどおり)だが楽しんでもらえれば嬉しいゾ

あ、あと金時狙ってガチャしたらヴラドさんが出てきた
嬉しいけどやっぱり金時欲しかった

ではご覧になって、どうぞ

※誤字脱字見かけましたご報告ください


吐露 ~こくはく~

翌日、ギンガは気になったいたキリトのところへと赴く

場所はいつもの場所となりつつあるエギルの店の二階の一室である

歩きながら、ギンガはふと先日のキリトとヒースクリフの戦いについて思い出していた

あれは決定的な隙だったはずだ、にも関わらずまるで弾かれた盾がそのままスライド移動したかのように動き、キリトの剣を受け止め、流す…

どんなに達人でも体がのけぞった状態で、しかも弾かれた状態で防御を構え直すのは不可能だと思うのだ

剣道だってそうだ、つばぜり合いに持ち込まれ、大きく両腕を上のほうへ強引に動かしたとする

わずかな時間ではあるがそのときは胴がガラ空きだし、逆に胴に意識を向けすぎると面などの攻撃をもらってしまいかねない

まぁ最も、剣道の場合は若干下がって距離を取り直し素早く体制を整えれば問題はないのだが

 

だが昨日のヒースクリフは、こう、言葉では言い表せないが、なんか〝おかしい〟と感じてしまったのだ

 

「…やめだやめ」

 

ぶんぶんと頭を振り払う

分かりもしないことを考えても意味がない、今はとりあえずキリトの様子だけでも見なければ

そう思いつつギンガはエギルの店の扉のドアに手をかける

がちゃりとノブを回しつつ店に入るとエギルが出迎えてくれた

エギルはよう、と言いながら

 

「あいつらなら二階だぜ」

 

と笑いと共に言ってくれた

ギンガはありがとう、と短く感謝しつつ階段を上がりその部屋へと歩いていく

その部屋の扉のドアノブに手をかけて中を開くとそこには見覚えのない白い服を着た男性が立っていた

…いや、見覚えはあった、いつもと違う服を着ているだけで、その男は自分の知人男性じゃないか

 

「…なに、その服」

 

なんということでしょう

〝黒の剣士〟とまで呼ばれていたあのキリトが真っ白な衣装に身を包んでいるではありませんか

っていうかあれだ、彼白似合わないのね、と頭の中でギンガはひとり思う

 

「い、いや。話せば長くなるんだけど…」

 

頭を掻きながらキリトはこの服を着るまでの経緯を話し始めた

なんでも先日のデュエル、それで勝ったらアスナの一時脱退を、負けたら血盟騎士団に入団する、という条件の元に始まっていたらしいのだ

見えないところでそんなことが、とギンガはため息を付く

 

「…勢いでそんな約束するから」

「し、仕方ないだろ。…結果は負けたけど、そろそろソロの方も少し限界が来てたし、丁度いいきっかけになったよ」

「だといいんだけどね」

 

そんな時外の方で階段を上がる音が聞こえてきた

誰かは察しがついている

 

「こんにちわー…って、あれ、どなた?」

 

扉を開けてキリトを確認した途端サチが頭に疑問符を浮かべそんな素っ頓狂な言葉を吐いた(割と真剣に)

ここまで一応友人をしていたギンガにはなんとなくわかる

彼は白より、黒を着てた方がビジュアル栄えするだろう、と

 

 

「―――ふふ、なんだか白いキリトって新鮮だね。転生でもしたのかと思っちゃった」

「…アスナには地味なやつって頼んだのに」

「あら。これでもだいぶ地味だよキリトくん」

 

これでまだ地味なのか

色彩感覚どうなってんだ血盟騎士団

 

「それで、明日から血盟騎士団の指揮下で迷宮探索するのか」

「…まぁ、そうなるかな」

 

ポリポリと頬を掻きながら苦笑いを浮かべてそんなことをいうキリト

呑気なんだか余裕なんだかわからない

 

「けど、すっかり巻き込んじゃったね」

「いや、いいきっかけだったよ。さっきも言ったけどソロでの攻略も限界が来てたし、ね」

「あはは…そう言ってくれると助かる、かな」

 

アスナはキリトからその言葉を聞くと安心したようにホッと胸をなで下ろした

 

「まぁとりあえず、よろしく頼むよ、副団長どの」

「いつもどおりでいいわよ。…キリトくんにそう言われるとなんだかむず痒いもん」

 

そう言ってアスナは若干頬を染めている(ようにも見える)

仲睦まじい二人を眺めているなか、ふと窓の外を仰ぎ見た

データで作られたその空が、崩れることはない

しかし今なんとなくではあるが―――変わらないその雲模様が一瞬崩れて見えた気がした

 

 

翌日

特にやることもなかったのでギンガはアスナとキリトと共に迷宮攻略をするべく、彼らのもとへと訪ねていた

ちなみにサチは今回鎧の練度をあげてくると言って少し下の迷宮区に行ってしまったために今はいない

本来ギンガはメンバーではないのだが、アスナの副団長権限とやらでOKを出してくれた

それでいいのかと思ったのだが、本人がいいというのだから大丈夫だろう

が、ギルド本部に到着したときだ

 

「…訓練?」

「うむ。私を含めたパーティで、五十五層の迷宮区を突破し、五十六層の主街区まで到達してもらう」

 

そう目の前で言ったのはもじゃもじゃのヒゲを生やしたおっさん、ゴドフリーという男だ

そういえば以前ボス会議の時のアスナの近くにいたことを覚えている

 

「ちょっとゴドフリー、キリトくんは―――」

「副団長といえど規律を蔑ろにしてもらっては困りますな。彼の実力を侮っているわけではないですが、やはり一度はフォワードを預かる私に、その実力を見せてもらわねば」

「べ、別にそんな必要―――」

「いいさ。見たいというなら見せるさ。一気に突破するけど構わないだろう?」

「ははは! 心強いですな。では、三十分後に街の正門に集合だ。ではまた後で」

 

豪快に笑っていくとゴドフリーはその場を後にする

 

「…やっぱりふたりで逃げちゃった方がよかったかな」

「そんな事実行したらキリトがギルドメンバーに呪い殺されるよ…」

 

男の嫉妬ほど怖いものはない

しょぼくれるアスナの肩にキリトはぽんと手を置いた

 

「すぐ帰ってくるさ。ここでギンガと待っててくれ」

「うん、気をつけてね」

「最も、お前なら問題ないだろうけどな」

 

寂しそうに頷くアスナと笑って見送るギンガの視線を受けてキリトはギルド本部をあとにした

とりあえずどこかで時間でも潰してようかという話になり適当な店に入って時間を潰そうと試みる

しばらく時間が経った後、ふとアスナはなんとなくにマップを開いた

 

「…どうしたの?」

「いやね、なんとなくキリトくんの位置をマップで確認しておこうと思って」

「…そこまでする必要ないんじゃないかな?」

「念のためよ。何かあってからじゃ遅いし…それに、なんか妙な胸騒ぎがするの」

<はは。すっかりご執心だなアスナ>

「べ、別に仲間が心配なだけだよ! き、き、キリトくんの心配なんて…」

 

そのあまりにわかりやすい態度でさすがのギンガも吹き出してしまった

愛されてるなぁあの黒の剣士

ザルバに指摘されしどろもどろしているアスナだったが不意にキリトたちの位置をモニターしていたマップを見て青ざめた

ただならぬ気配の変化に、一瞬ザルバとギンガはそれぞれ顔を見合わせる

そして問うた

 

「何かあった?」

「―――ゴドフリーの反応が…消えちゃったの…!」

「―――間違いっていう可能性は」

「ないよ、いや、でも、こんなこと初めてで…!」

 

仮にも仲間であった人物が消えた、という事実

現場では何が起こっているだろうか

五十五層といえど大体のモンスターならキリトが遅れを取ることはないはずだが…

 

「考えるのは後だ。まずは向かおう」

「う、うん!」

 

動揺するアスナにそう言ってこれまで暇を潰していた店をあとにする

しかしこのまま走っても間に合うのだろうか

そう思っていると横にいるアスナがぐんぐん速度を増している気がする

―――どれだけ敏捷度早いんだこの人

 

 

今現在

キリトは焦りを覚えている

訓練を言い渡され、その場所へ向かうとそこには見たくもない顔がいたからだ

ナーガ

少々イザコザがあり、個人的に顔を合わせづらいプレイヤーだ

血盟騎士団に入った以上どこかで会うとは思っていたのだが

 

彼をここに呼んだのはゴドフリーらしい

これからは同じ仲間なのだから、過去のことは水に流していこうじゃないか

そんな理由だ

 

「…その、前はすんませんでした」

 

ムスっとした様子でつぶやく彼は俯き気味でその表情は計り知れない

一応謝られたのでキリトもぎこちなくあ、あぁなんて適当な言葉を返しておく

そんなわけでさぁ出発だ、と思ったときゴドフリーは危機管理能力が見たい、という名目で結晶アイテムの提出を言われた

結晶アイテムはこのゲームにおける命綱、いわば生命線だ

ストックを切らしたことなどない、がここで変に言ってはアスナの立場も悪くなる

ナーガとここにいるもうひとりがアイテムを差し出すとキリトも渋々といった様子で結晶アイテムを差し出した

 

―――そして時間は、今

 

「ど、どういうことだナーガくん…!? これも食事を用意したのは、君…!?」

 

ニタニタと笑うナーガの顔がキリトの視界に入ってくる

一時休憩とゴドフリーが言って食料を配布し、中に入っている水を飲んだとき事件が起きた

否、起きた、ではなく起こしたというのだろうか

不意に全身の力が抜け、その場に崩折れる

キリトだけではない、ゴドフリーとその隊員も倒れているじゃないか

HPバーのところは普段存在しない緑色の枠で点滅している―――これは麻痺毒だ

 

「―――いやー、脳筋はチョロくて助かるわー」

 

ケタケタ笑いながらナーガは片手剣を抜き放った

 

「ちょっとおとなしくしてればコロッと騙されんだもんよー。やっぱ時代は頭よ頭」

「な、ナーガくん!? こ、これも訓練なのか…!?」

「この状況でそんなこと言ってられるあんたの頭マジノーキン。てなわけで死んで邪魔だから」

 

あっけらかんと言い放ち一切のためらいなくナーガは片手剣を何度も突き刺し始めた

彼のネームが白色から犯罪者を示すオレンジへと切り替わり、彼は楽しそうに何度も突いた

急激に減っていく己のHPにようやく事態の深刻さを理解したゴドフリーはその場で絶叫を上げ始めた

しかしここは迷宮区―――その声を聴いてくれるものはいない

 

「お、もうちょいでゼロじゃん。じゃあカウントしよっか。カウントダウン。さーん」

「ま、待つんだナーガくん!? こんなことして―――」

「にーい」

「お、お願いだ、頼む!」

「いーちー」

「こ、殺さないで―――」

「ハイゼロドーン!!」

 

無慈悲な声が響きナーガはゴドフリーに止めの一撃を突き刺した

彼のHPバーがゼロになり、ゴドフリーは絶望に満ちた表情のままポリゴン片となって霧散した

きっと消えるその寸前まで、彼は何が起きたか理解できていなかっただろう

彼はもうひとりの隊員へと視線を向ける

 

「お前はどうでもいいからさっくり逝こう」

「や、やだぁぁぁぁ!! た、タスケテ、誰か―――」

 

その叫びは最後まで言い切ることなく、ナーガによってかき消された

同時に、彼の体も全部

今、この場で、ふたり、死んだ

 

「さてっと。じゃあ最後はアンタだ。生意気な口聞きやがってからに」

「―――なんでアンタみたいのが血盟騎士団にいる。犯罪者ギルドの方がお似合いだぜ。…笑う棺桶(ラフィンコフィン)とかな」

「お。鋭いじゃん。正解正解」

 

そう言って彼は手の装備を解除して、顕になった手の甲をこちらに見せてくる

そこにあったのはタトゥーだ

蓋には笑う目玉が書かれ、ズレた中から骨の手が覗き込む

 

「そ、それは…!? お前は生き残りだったのか!?」

「のんのん。俺がラフコフに入ったのはつい最近。といっても精神的にですけど。この麻痺の術もその時に教えてもらったんだよ。よく考えるよねこんなの」

 

笑いながら改めて手の装備を装備した

 

「さーて。トークもほどほどにしないとねぇ。麻痺治っちゃうよ」

 

そう言って改めてナーガは手に持つ片手剣を握り直した

ニヤニヤと笑うその瞳には狂気しか映っていない…おそらくこの男、今回が初めてじゃないだろう

干渉しないでキルする方法などいくらでもあるからだ

ナーガはまずキリトの左太ももあたりに突き立てた

痛みはない、だが妙な違和感だ

 

「ねぇねぇ今どんな気持ち? 数秒後にはエンディングだよ、人生の!!」

 

突き刺しては抜き、また突き刺す

その度に電流が走るような感覚がキリトを不快な感覚が襲っていく

 

「…なんだよ。もうちょっとリアクション取れないんすか? テレビとかじゃ使われないよー?」

 

HPがゼロになり死ねば、もしかしたらこのゲームから脱出できるのではないだろうか

そんなことを考えたこともあった、しかし実行する気にはなれなかった

今度は腹に剣が刺される

ゲージが赤い危険域にまで下げられた、そうだ、もしかしたらこのまま死んでその真偽を確かめるのも良いかもしれない―――そんなことを考えそうになった瞬間、頭の中で聞こえた〝彼女〟の声が現実へと引き戻してくれる

そうだ、彼女(アスナ)を置いていけない…!

何よりも、目の前の男に同じようなことをされてしまう可能性が痛みとなり、彼に覚醒を促した

 

「っ!」

 

両目を見開いて、突き立てられた剣の刀身を左手で掴んだ

 

「―――やりゃ出来るじゃん。やっぱり死にたくなーいってヤツ?」

「あぁ…! まだ死ねない―――!」

「けど残念君はここで死んじゃいマース!! ヒャッハァァァァァっ!!」

 

叫びながらトドメと言わんばかりに振り下ろされたその剣が届くことは―――なかった

一陣の風が舞い込んだから

 

「ごぱか!?」

 

吹き飛ばされる殺人者、その傍らに白と赤を纏った人影

 

「―――間に合った…! 間に合ったよぉ…神様ぁ…!」

 

震えを押し殺すような声色でその場に膝をつけたアスナはキリトを確認する

 

「生きてるよね? キリトくん…!」

「…あぁ、なんとかな…」

 

それを確認すると彼女はポケットから桃色の結晶を取り出し、キリトに押し付けて「ヒール」と呟いた

すると結晶が砕け瞬く間にキリトのHPゲージが回復していく

同じタイミングで、もうひとりこの場に到着した人影がいた

 

「…やっと追いついた」

<もう少し速さに振らないといかんな>

「ぎ、ギンガ…」

 

ギンガはこちらを見て、次に吹き飛ばされたナーガを見て、そして彼のネームを見てゆっくり頷く

 

「大体わかった。けど、無事でなによりだ」

 

そう言ってギンガは歩き出す

アスナもまた立ち上がり、細剣を抜き放とうとするが、ギンガに止められた

 

「…どうして止めるの」

「アンタが手を汚す必要はない。守ってあげてくれ」

 

そう言って笑みをするギンガは、体制を立て直し立ち上がったナーガへと視線を向ける

怒りと、侮蔑を交えたその視線に、状況を理解したナーガは焦りの戸惑いの表情を浮かべている

 

「ま、待ってくれよ、こ、これはそう、訓練なんだよ…! たまたま熱が入ってよ? ほらあるじゃんそういうの!」

「そうか。じゃあこいつも訓練だよ」

 

感情のない声でギンガは魔戒剣を抜き放ち、躊躇いなくナーガを断ち切った

そこからはもう戦いと呼べるものではなかった

圧倒、蹂躙、駆逐、殲滅

既に犯罪者を示すオレンジネームとなっているものを攻撃しても、ギンガが犯罪者になることはない

 

「わ、わかったよぉ! もうギルドも辞めるしあんたらやその仲間たちの前にもでないよぉ! やめてくださいよぉ! 死にたくないんだよぉぉぉ!!」

 

みっともなくナーガは命乞いをする

 

「な、な!? 頼むよぉ…!!」

 

ナーガはこんな時でもまだ抵抗できると考えていた

そうだ、この男もさすがに殺すことには躊躇するはずだ…結局は甘ちゃんなんだよ

テメェをやったら次はアイツ等、そして俺を負かしたあの槍使いの女だ…!

そんなナーガの企み(むだなあがき)は徒労に終わる

 

「お前は超えてはならない一線を、もう超えている」

「い、一線…? なんのこと―――」

 

 

 

「ダメだね」

 

 

 

ギンガは縦に剣を振るった

ナーガのゲージがゼロになる

その一瞬の時間の中でも、ナーガは自分に起こったことを理解できずにポリゴンとなって四散した

 

 

ようやくあたりに静けさが舞い戻った

落ち着きを取り戻したアスナはその場に崩れ落ちた

彼女が口を開く

 

「…ごめんね…。私のせいだ…! ごめんね…キリトくん…!」

 

こちらからでは顔は見えないが、その表情は容易に想像できた

彼女は涙声で必死に声を絞り出している

 

「アスナ…」

 

ようやく動くようになった体を無理に動かし、キリトはその声を絞り出した

彼女は続ける

 

「わたし…もうキリトくんとは…会わな―――」

「アスナ!」

 

声を上げ、キリトは名を呼んだ

震える彼女の体を、彼は力の限り後ろから抱きしめる

壊れてしまいそうなくらい、強く

 

「…死を実感させられて、ようやく気づいた。…俺は君が好きだ」

 

彼のその言葉に、びくりとアスナの体が震えた

 

「き、キリトくん…」

「だからそんな悲しいこと言わないでくれ。…俺の命は、君のために使う。最後の瞬間まで―――そばにいるから」

 

きゅ、とキリトは己の手を前に回しさらに強く抱きしめた

アスナも小さい頬の雫を地面に落としながら、回された彼の手を握り返し

 

「私も。私も君を守る…、これからずっと永遠に守り続けるから…!」

「あの」

 

第三者の声で一気に現実に引き戻された

否、完全に忘れていた

ぎぎぎ、とロボットみたいに二人して顔を向けると苦笑いを浮かべて魔戒剣を鞘に戻しているギンガの顔が目に入ってきた

ザルバが言う

 

<ははは。見せつけてくれるねぇご両人>

「まぁいいや。先に戻ってるぜお二人さん」

 

笑いながら抱き合ったまま硬直している二人の隣を歩いていくギンガ

キリトとアスナは顔を赤くしたまま、すっくと立ち上がった

赤い顔のまま、キリトはぼそりとつぶやく

 

「…俺たちも戻ろうか」

「―――うん」

 

赤いままではあったが、彼女の笑顔はいつも以上に眩しかった

つないだ手は、そのままに




苦しい戦いの中にでも、やっぱり息抜きってのは必要だ
張り詰めたままだと、いつか足元を掬われるぜ?

次回 娯楽 ~きゅうそく~

黄金騎士の三枚おろしだ…!

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