呼ばるる異名は黄金騎士   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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当初は黄金と書いてGAROというタイトルでした
しかしいざ出来上がるとタイトル詐欺でしたのでこうなりました
あとディアベルさんが生存してるからシナリオにオリジナルが出ることはありません(自分にそんな技量はねぇだ…)
ところどころ変えていきたいです

グランドオーダー報告書
やった、エリザが来たよ! 十連引いても装備アイテムしか出ないことに定評のある十連が引いてくれたよ!
なお一番愛でているのは清姫の模様

※あとがきをザルバの次回予告っぽくしてみました(考えるの難しい


踏破 ~しんぐん~

翌日

そのボスのいるダンジョンまでへと続く森のダンジョンを歩きながら、キリトはこちらに向かって口を開いた

 

「確認しておくぞ」

 

その言葉にギンガとアスナ両名はキリトの方へと顔を向ける

彼は続けた

 

「あぶれ組の俺たちの担当は、ルイン・コボルト・センチネル…まぁ、要は雑魚の取り巻きの相手だ」

「わかってる」

 

アスナは短くそう返答し、ギンガもうんと頷く

ちらりとギンガは先頭を見やった

リーダー、ディアベルを筆頭に、彼に続いてあまたのプレイヤーが彼の後をついていく

エギルという男性も別のパーティに属し、歩いていた

 

「俺がそいつらの武器をソードスキルではね上げさせるから、そこをすかさずスイッチして、飛び込んでくれ」

「…?」

「…スイッチてなに?」

「―――え?」

 

歩きながらではあるが時が止まった気がした

キリトは僅かに驚いたまま続ける

 

「…ふ、二人共、パーティ組むの初めてなのか?」

「あぁ」

 

ギンガの返答に続いてアスナもこくりと頷いた

そもそもギンガはパーティ組むのも初めてなのだ

いや、もしかしたら自分が知らないだけで割とSAO以外のゲームでもスイッチって使われてるんじゃないだろうか

身内とオンラインゲームしてる時はそんなのなかったし、ふむぅ、とギンガは考え込む

そんなすたこらと歩いていく二人の背中を見て、キリトはがっくしと肩を落とすのだった

 

◇◇◇

 

ずしん、とディアベルが剣を地面に突き刺し、メンバーの前に立つ

そこで彼は一つ深呼吸し自分の前にいるプレイヤーたちへ言葉を発した

 

「聞いてくれみんな。ここまで来たら、俺から言うことは一つだ」

 

そこで彼は一度言葉を区切り、プレイヤー全員を見渡して拳を握る

言葉は一言

 

「―――勝とうぜ!」

 

彼の言葉に周囲のプレイヤーは息を飲んだように、あるいはその言葉に応えるように頷いたり、つばを飲み込んだり、反応は様々だ

「行くぞ!」とディアベルが言葉を発し、目の前のドアに手をかける

ぎぎぎ、ど重厚な金属音のような音が響き、扉が開かれた

中は広く、それでいて縦に長くて、さらに妙に暗かった

そして室内の一番奥―――そこに目当てのボスはいた

ディアベルが先導し、前に出た…ところでボスの瞳が赤く光る

そのタイミングで今まで暗かった室内が一気に明るくなり、それと同時にボス―――コボルトロードが跳躍してきた

ずんぐりむっくりしたソレは、着地すると大きく雄叫びをあげる

そしてボスの傍らには取り巻き―――センチネルが出現し、コボルトロードと共にこちらに走りかかってきた

 

「攻撃、開始ぃぃぃぃぃっ!」

 

ディアベルの号令と共に、四十人強のメンバーが一斉に進撃する

今ここに、第二層へと至るために戦いが始まった

 

 

ディアベルの指示は素人であるギンガから見ても的確だった

全体を見通しているというか、指示に迷いがなく、安心して指示を任せられるものだ

そんなことを考えながら、目の前のセンチネルへと視線を向けるとこちらに向かって己の武器を振り上げる

この武器は…メイスと言っていいのだろうか、長いポールになんか肉団子のような形をしたその武器の攻撃を回避しながら、ギンガは魔戒剣で切りつける

…なんだろう、あのえげつないダンジョンを超えてからどうにも敵の動きが遅く見える

無論、錯覚かなんかなのだろうが普通に避けれてしまうのだ

 

「二匹目だ」

 

キリトに向かって言葉を発する

すると少し遠くで彼は頷きながら、目の前にいるセンチネルへと向かっていく

彼は己の持つその剣でセンチネルの武器を弾き飛ばしながら叫んだ

 

「スイッチッ!」

 

その言葉に応えるように彼の後ろから一人の女性が駆け出してくる

アスナだ

 

「三匹目!」

 

彼女はそう叫びながら手に持つ獲物―――レイピア、でいいのだろうか―――に力を込める

すると剣先が光りだし、彼女はセンチネルに向かって突き出した

その剣速はまさしく閃光の如き早さだ

 

<あの小娘…侮っていたが中々の早さだ>

「そんな早いのか?」

<考えても見ろ、この世界は圧倒的に女性が少ない、その中であれだけの剣さばきができるのは、相当場数を踏んできたということでもあるんだ。…ほら、もう一匹きたぞ>

「へぇ…」

 

ザルバと会話を交わしつつ、目の前のセンチネルが獲物を振りかぶる

ガラ空きになったその腹に該当する部分に蹴りを叩き込み体制を崩し、そのまま何度か一気に斬りつける

何度か思ったが、やはり自分はソードスキルに頼らない方が戦いやすいようだ

 

そんな彼の戦いを見ているものが一人いる

それは彼と暫定パーティを組んでいるキリトだ

アスナの剣さばきや、その速さにも驚いたが、それと同様にギンガの戦い方も驚くものだった

センチネルの攻撃を最低限の動きで回避し、その隙に手に持っている片手剣で斬りつける

おまけにその動作中、左手にはめているザルバというアクセサリと話をしながら、という余裕まで持っている

そこで一つ気になったことをキリトはふと聞いていた

 

「なぁ、あんた、ソードスキルは使わないのか?」

「え? あー…そういえば使うの忘れたね」

 

そんな言葉と共にたはーと笑ってみせるギンガ

 

「わ、忘れてたって…」

「いやね、とあるダンジョンから生き延びてから使わない方がしっくりくるようになっちゃってさ」

 

話しながらもギンガに駆けてくるセンチネルを蹴り飛ばし、崩したバランスを見逃さずギンガはセンチネルに向かってその剣で突き刺した

この世界でソードスキルを使用せずここまで戦ってきたのか、この男は

だとしたら、並々ならぬ反射神経だ

口元に小さい笑みを浮かべながら、キリトも自分に接近してきたセンチネルに対し反撃を行った

 

突き刺したついでに、ギンガはちらりとボスと戦っている連中の方へ視線を向ける

結構善戦しており、ボスの体力バーも最後の一本で、レッドゾーンへと言っている

このまま何もなければ勝てそうだ

と、そこでコボルトロードが咆哮をあげながらバックラーと斧を投げ捨てた

情報通り武器を変えるのだろうか

 

「情報通りみたいやな」

「油断するな、全員一度体制を立て直せ! 俺が様子を見る!」

 

キバオウのつぶやきにディアベルが注意をしながら一人前に出る

しかし構えているのは盾のみで、その視線は相手の動きの一挙一動を見逃さないようにしているようだった

確かにあのガイドブックに書かれていた情報は正しいものが多いだろう

だがあそこに書かれているのはあくまでもベータテスト時の物…いわば体験版だ

製品版…かは分からないが、実戦で同じとは限らない

 

緊迫した空気の中、コボルトロードが抜き去ったのは―――無骨な形をした、真っ直ぐな〝刀〟

どう見ても、〝曲刀〟ではない

それにいち早く気づいたキリトがディアベルに向かって叫んでいた

 

「気をつけろっ! ベータと違うっ!」

 

キリトの言葉を聞いたディアベルが気を引き締める

瞬間、コボルトロードはその巨体に似合わない動きをした

柱の一つにしがみつき、縦横無尽に飛び回る

あまりの速度にディアベルも混乱していた

それでもなんとか視線で追いつき、自分の前に盾を構える

刹那、地面を叩きつけるようにコボルトロードが己の武器を叩きつけた

ガキンっ! となんとかその一撃を受け切るが、その衝撃のあまり盾が弾き飛ばされる

中空に投げ出されたディアベルを襲う野太刀の一撃

 

「ぐあぁぁぁぁっ!?」

「ディアベルはんっ!」

 

大きく吹き飛ばされるディアベル

だが最初の一撃を盾で防いだおかげでなんとか首の皮一枚繋がったようだ

しかし受けたダメージは大きく、しばらくの間動けそうになさそうだ

ギンガが駆け寄る

 

「ディアベルさん!」

「あ、あぁ。危なかった…」

 

ゆっくりと体を起こしながらディアベルは大きく深呼吸する

ギンガを追ってキリトも同様にディアベルの元へ駆けつけていた

キリトは瓶のような入れ物に入った回復ポーションとやらを取り出しディアベルに差し出す

彼はそれを「すまない」という言葉とともに受け取った

 

「君のおかげで助かった。ありがとう」

「い、いや、気にしないでくれ」

 

ディアベルの言葉にそう返し、改めてキリトはコボルトロードへと視線を向ける

視線の先には方向とともにメンバーと戦っているコボルトロードの姿があった

キリトの視線はギンガへと向けられる

ギンガは彼の視線に頷いて答えた

 

「ディアベルさんは休んでてくれ。俺たちが前に出る」

「すまない、そして頼む…! ボスを倒してくれ…!」

「―――あぁ!」

 

ギンガはそう返答し、キリトは剣を握り直して立ち上がり前にたった

その左には、白外套を着込んだギンガが並びたち、その右側には赤いローブを着込んだ女性―――アスナが立った

 

「私も」

「オッケー、キリト、手順は一緒か?」

「あぁ! ―――行くぞ!」

 

キリトの号令とともに三人は走り出した

手順は一緒、つまり先にキリトがコボルトロードの武器を跳ね上げ、その隙を二人で叩き切る

シンプルだがわかりやすくて嫌いじゃない

こちらに突っ込んでくる敵と認識するやいなやコボルトロードはスキルの発動待機状態に入った

それを見てキリトも同様にソードスキル発動の構えをとって待ち受ける

 

「せやぁぁぁぁぁっ!!」

 

叫びとともに繰り出されるキリトのソードスキルは、コボルトロードの野太刀を弾き、体制を崩させる

 

「スイッチ!」

 

その言葉とともに彼の後方からギンガとアスナが走ってくる

だがコボルトロードはそのまま体制を崩すものかと思いきや、強引に体制を立て直し野太刀を振りかぶってきた

ターゲットは、アスナだ

 

「アスナっ!」「アスナさんっ!」

 

その叫びは同時

振り下ろされた野太刀の一撃はその赤いローブを斬り裂いた

ポリゴン状になってはじけ飛ぶ赤いローブの下から覗いたのはロングのオレンジっぽい髪の色

その双眸はコボルトロードを見据え、細剣の刀身が輝きを放つ

 

「やあぁぁぁぁぁっ!」

 

繰り出されるソードスキル

放たれた剣閃はコボルトロードを捉え、今度こそその図体を崩していく

 

「スイッチ!」

「! あぁ!」

 

アスナの声で今度はギンガが前に出る

そのドテッ腹に魔戒剣を幾度か斬りつけ、渾身の蹴りを叩き込む

コボルトロードは吹き飛びながらも器用に中空で体制を立て直し、地面を滑る

睨む視線にいるのは、ギンガたち三人だ

 

「次がくるぞ!」

 

キリトの掛け声に頷き、三人は交代しつつコボルトロードの猛攻を防いでいく

まずキリトが敵の攻撃を弾き、アスナが斬りつけダメージを稼ぎ、ギンガが体制を崩していく

しかしいくらゲームの世界といえどこちらは人間、なんどもやっていては当然ミスもする

キリトが相手の攻撃を予測し、弾こうと左から斜めに己の剣を凪いだ

だが敵は攻撃直前で軌道を変えてきたのだ

しまった、と気づく前には既にキリトはソードスキルを放ったあとで、硬直している状態だ

その隙を突かれ、キリトは斬撃一撃をもらってしまう

 

大きくのけぞって、彼はこちらに吹き飛んできた

吹き飛ばされたキリトはすぐ後ろにいたアスナにぶつかり、同様にぶつかってバランスを崩した彼女たちをその後ろにいたギンガが支える

ちらりと体力バーを見やる

マックスからおおよそ半分、といったところか

一撃目を盾で防げたディアベルは幸運だったといえよう

 

そんな思考にふけっている場合ではないと思い出す

ふと前方を見るとそこにはこちらに向けて野太刀を振りかざさんとしているコボルトロードの姿があった

傍らのキリトとアスナを守るように魔戒剣を構え、繰り出された野太刀の一撃を防ぐ

そのまま魔戒剣の腹を滑らせて、野太刀の剣先を地面に叩きつけわずかながらの隙を作る

一瞬の隙を逃さずに、さらにもう一度魔戒剣で斬りつけ、さらに蹴りを叩き込んで吹き飛ばした

しかし曲がりなりにもボス、地面を滑りそこからコボルトロードは跳躍し、ソードスキルのようなものを発動しようとしてくる

流石に今度は何もない状態で受けきるのはきついかもしれない

一瞬考える

今の状態ではあまり長い事維持できないかもしれない、しかし出し惜しみしている場合でもない状況だ

躊躇っていては、こっちが殺られる

ギンガは己の前に剣を突きつけ、小さく円を描き出した

そしてコボルトロードを迎え撃つように、今しがた描いた円を通り抜けるように跳躍した

アスナもキリトも、その行動の真意がわからなかった

いや、遠方でセンチネルの集団と戦闘していたメンバーもわからなかっただろう

一瞬のあと、変化が起こる

その描かれた円の方から、鎧のようなものが権限し始めたのだ

それらはギンガの体へと装着されていき―――やがて黄金の鎧となる

真っ直ぐコボルトロードへと飛んでいった黄金の鎧の剣は野太刀の一撃を容易く防ぎ、そいつを地面に叩き落とす

 

「二人共!!」

 

黄金の鎧を纏ったギンガが叫んだ

キリトとアスナは一瞬顔を見合わせて、コボルトロードへと向けて走り出した

目的は一つ、これで止めを刺すことだ

 

『はぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

お互いがお互いを鼓舞するように叫びを上げ、稲妻のごとく二人は地面に倒れて体制を立て直そうとするコボルトロードに向けて距離を詰めていく

まず一撃目

足掻こうとコボルトロードが野太刀を振り上げるがそれをキリトが弾き返す

そして二撃目

弾かれた大きな隙を縫うようにアスナの細剣がコボルトロードを突く

三撃目

アスナの剣撃でコボルトロードに徹底的な隙が生まれ、そこをキリトが斬りつける

そして最後―――

 

「おぉおおおおおおおおおっ!!」

 

雄叫びをあげながらキリトがもう一度斬りつける

そのまま腹から顔へと斬り抜けるように、全身に力を込めて

時間にしていくつ経っただろうか

中空へと放り出されたコボルトロードが叫び散らす

やがてボスの体が光り輝き、その体がポリゴンとなって弾けとんだ

 

時間が止まる

いや、実際には止まってなどいないが、がしゃり、と黄金の鎧が着地する音で一気に現実へと戻される

ギンガはちらりと視線を向ける

鎧は自動解除され、物凄く疲労に見舞われている気分だ

疲れなど感じないはずなのに、やはり慣れていないのだろうか

 

ふと自分の視界の先にウィンドウが表示された

そこに表示されているのはリザルト画面的なもののようだ

気づけば、あたりは喜びの声で一杯だった

「やったぁ!」とか、「よっしゃあ!」とかそう言った歓喜の声

 

「お疲れ様」

 

ふと自分に声をかけてきた声が一つ

視線を向けるとディアベルだ

 

「いや、ここまでみんなを統率できたのはひとえにあなたの人徳だ。俺はくっついてきただけだしね」

「そんなことはないさ。君の黄金の鎧のおかげで、あのボスに決定的な隙ができたんだ。いわば、勝利への布石ってかんじかな」

「…そう言ってくれると嬉しいね」

「せや! あの鎧どうなってんねん!? お前もベータ上がりなんか!?」

 

キバオウの至極当然な疑問

ふと周りを見ると視線がいつの間にやらギンガに集中しているではないか

はっきり言ってチートスレスレな力を誇るあの鎧のことをなんて言おうか迷っていたとき、横合いから声がかかった

 

「そいつはベータテスターじゃないよ」

 

キリトだ

彼は笑みを浮かべてギンガの隣に並びたち、彼の肩を叩いて

 

「〝スイッチ〟を知らないベータ上がりなんかいてたまるかよ」

「なん、やとぉ…!?」

 

その言葉を聞いて驚きに顔を染めるキバオウ

やりとりを見てディアベルはははは、と爽やかに笑う

 

「何はともあれお疲れ様! みんな! 今日は本当にありがとう! 解放への道は始まったばかりだけど、今はこの喜びを噛み締めようぜ!!」

 

ディアベルの言葉にメンバーがおう! とそれぞれの反応を返していく

ひとまずはそこで一度解散となり、一旦街へと戻る道中のことだ

 

「…ねぇ」

 

不意にアスナがこちらに向かって声をかけてきた

その声にキリトとギンガが首を向ける

ちなみにキリトは先ほどのボスを倒した際にラストアタックボーナスとして入手している黒いコートを装備している

いちどディアベルに渡そうと思って言ったのだが、彼は「倒したのは君なんだから、君ので大丈夫だよ」と笑顔で言ってくれたので、ありがたく装備してるのだ

 

「二人共、戦闘中に私の名前読んだでしょう?」

「あっ…悪い、呼び捨てにしちゃったな」

「それとも、読み方間違えましたか…?」

 

あの時は無我夢中で呼びかけることしか頭になかった

てっきりそのことで咎められると思っていたのだが、想像とは違う言葉が帰ってくる

 

「…どこで知ったの?」

「…え?」

 

一瞬キリトと見合わせる

流石にこのくらいはゲーム初心者のギンガでも知っていることだ

わずかな沈黙のあと、キリトが答えた

 

「…画面の左上付近に、自分の名前とゲージがあるだろ? その下に、何か書いてないか?」

 

キリトに指摘され、アスナは目を細めていく

やがてぽつぽつと書かれた名前を読み始めた

 

「…き、りと? キリト? もう一つは…ギンガ? これが、あなたたちの名前?」

 

その様子を見ると、どうやら彼女はギンガ以上にゲームを知らないようだ

そんな彼女がどうしてこんなの巻き込まれているのか気にはなったが、プライベートの詮索はタブーだ

一瞬の静寂が三人を支配する

その静寂を破ったのは、ほかならないアスナ自身の笑い声だった

 

「…ふふっ、なぁんだ。こんなところにずっと書いてあったのね」

 

彼女が見せたその笑顔は、それが初めてだったのかもしれない

そんな彼女がいずれ〝閃光〟と呼ばれるまでになるトッププレイヤーの仲間入りするとは、この時考えてもいなかった

 




出会いは偶然か必然か、人生っていろいろあるよな?
もしかしたらこの出会いも、何かの運命なのかもしれないぜ?

次回 月夜 ~くろねこ~

闇夜の中で黄金(こがね)が煌く…! 

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