Das Duell zwischen Admiral und Ich 作:おかぴ1129
私の名前はビスマルク。栄光あるわが祖国ドイツを代表する戦艦、ビスマルクの名を冠する艦娘よ。今は深海棲艦との戦闘ノウハウや艦娘の運用方法、鎮守府の運営実習を兼ねて、駆逐艦のレーベとマックス、重巡洋艦のオイゲンとともにこの
それにしてもJapanに来てもう数日……驚くことばかりだわ。このJapanという土地、艦娘に関してはわが祖国ドイツの先を進む艦娘先進国なだけのことはあるわね。私は今まで自分自身のことを世界で最高の艦娘だと信じていたけれど、ここに来てその自信は見事に打ち砕かれたわ。
コンゴウやナガト、ヤマトといった戦艦たちはもちろんのこと、重巡洋艦のミョウコウや正規空母のカガ、重雷装巡洋艦のオオイとキタカミ……この鎮守府には手練がいっぱいよ。オオイは別の意味でも恐ろしいんだけど。
この前なんか、紐パン履いて頭にうさぎの耳のアクセサリーをつけた駆逐艦の娘に演習でボッコボコにやられたわよ。なによあの連装砲ちゃんって。自立兵装なんて聞いてないわよ。破廉恥な格好をしているくせに油断ならないわ。伊達に『変態国家ニッポン』などと揶揄されているわけではないようね。
でも、このJapanに来て最も驚いたことはそれではないわ。フソウとヤマシロの、バベルの塔を思わせるおぞましい艦橋にも驚かされたけど、それはまだカワイイ物よ。この前夜戦でボッコボコにやられたんだけど、語尾に『クマ〜』とつけてしゃべる、ホッカイドウの土産物みたいな娘だって、別に大したこと無い。ウシオっていう駆逐艦の子の、駆逐艦らしからぬバディにも戦慄を覚えたけど、それさえまだ霞む脅威が、この鎮守府には存在するのよ。
この鎮守府で一番の脅威……何を隠そう、提督よ。
提督は、この鎮守府という施設の最高責任者よ。深海棲艦との戦闘においては指揮官として完璧な指揮を行い、鎮守府の運営においても資材管理から艦娘たちのシフト管理まで、すべてを一手に引き受けているわ。
もちろん、そんな数多くの仕事をすべて一人で片付けられるはずはないから、提督を補佐する秘書艦が必要になってくる。今は私がそれよ。つまり、この鎮守府の秘書艦は今、私が任されているわ。
―覚悟するクマ。提督の秘書艦は大変クマよ……
私が秘書艦に任命されたあと、演習で私をボッコボコにしたクマはそう言ったわ。言われた時は意味が分からなかった。でも今はよく分かる。
ここの秘書艦が大変な理由。それは、この提督の性癖にあるわ。この性癖のため、秘書艦は時折、提督と決闘をしなければならないのよ。そして私は、提督との決闘に一度として勝った試しがないわ……恐ろしい男……このビスマルクが勝つことが出来ないなんて……
そして今日も、私のプライドと体型を賭けた決闘が始まるのよ。