学園黙示録~とんでもない世界に迷い込んだんですけど~ 作:富士の生存者
この作品を読んでいただいている皆様、お久しぶりです。
更新が遅れてしまい申し訳ありません。ならびに感想を下さった皆様、お返事が出来なく申し訳ありません(;´д`)
私の仕事の忙しシーズンが過ぎても予想外に激務が続き、執筆時間を作る事が出来ませんでした。
仕事から帰り、洗濯、食事、睡眠を繰り返す日々。完全に仕事人間に創り替えられていく日々。
8度目の点滴を受けながらついに決意しました。
転職することにしました。
その為、ごちゃごちゃしてくるので次の更新も遅れるご報告をさせていただきます。
活動報告もあげれればしていくので、暇つぶしにご覧ください。
どうぞ短いですが、お楽しみください。
主人公SIDE
双方が把握している情報の交換を行い、壮一郎氏との会談もお開きになった。
次があるなら、話し合いに胃薬服用で臨もう。
孝君たちも今頃、沙耶さんに呼び出しを掛けられ集まって話をしていることだろう。
俺もこれからテントに待機している部下と今後の方針を決めなければならない。
テントに到着する頃には既に部下全員が、テントの前に整列していた―――完全武装で……。
ひとまず壮一郎氏との協力関係を築いてきたのに、なんで君たちはこれほどやる気が感じられるのか。もとい、殺る気に満ち溢れているのだろうか。
高城邸を警備している人たちも警戒しているじゃないか。
揃った見事な敬礼を俺に向けてくれるのはうれしいんですが、俺の心の準備ができていないから。
これはそろそろただの兵隊さんから、伝説の傭兵へと進化しなくてはならないか。
ガツンと言ってならなきゃな!
「総員傾注。作戦内容を説明する――――シェリー、頼む」
進化するとか思ってるそばからシェリーさんに丸投げしました。
まだ、完全体に成れないじゃん。頭に角とか生やさないといけないし。左手を義手にしなきゃいけないし。完全体に成るのにだいぶ命削るな……。
「お任せください。各小隊は、周辺の索敵及び非常時の脱出経路の確保を行え。ヘリの到着までに不測の事態が起きた際の保険だ。奴らの侵入を許せば突発的な遭遇戦が予測される敵味方の識別、及び誤射に留意しろ」
ヘリ?
ヘリがここまで来るの?
俺、初耳なんだけど。
俺たち兵士と高城ファミリー、避難民を合わせると中々の大所帯である。
ヘリは便利だが重量制限がある乗り物だ。ピストン輸送になりそうだな。
恐らくヘリは占領した空港から飛んでくるのだろう。
情報によると洋上にある空港で、感染は発生していたが全て鎮圧。念のため消毒まで行っているそうだ。
洋上の空港に拠点を構えてこの事態に対処できればだいぶ活動しやすくなるだろう。
空港の設備その物が使用できることが何よりも大きい。
壮一郎氏にヘリの着陸場を作る許可をもらってくるから、君たち許可もなく手入れされた綺麗な庭を吹き飛ばすのは待ちたまえ。
なにプラスチック爆弾を準備してるんだ。
ここをさら地にするのかな?
そんなことしたら壮一郎氏のスタンドに俺がオラオラされるだろうが。
臨時着陸場を作ろうとする部下たちを止めて、総一郎氏を探しに行く。
家が大きいと探すのにも苦労する。
門下生に聞き込みをしながら探していると屋敷裏で、銃器を渡すようにコータ君が壮一郎氏の部下の方々に取り囲まれていた。
学生のカツアゲを目にしているみたいだ。そこに壮一郎氏までもが介入しさらに気まずい状況に遭遇している。
壮一郎氏が介入した時に俺がヤクザな人たちとコータ君の間に入ろうと歩みを進めていると。ベストなタイミングで現れた孝君パーティーがヤクザな方々に対しコータ君の文字通り盾となる。
「どうしようもないデブオタだけど、こいつがいなければ今頃、私は連中の仲間よ! コイツが私を守ってくれたの……パパじゃなくてねッ!!」
コータ君自身が思っているほど孝君たちはこれまでのコータ君の事を見ていたのだ。壮一郎氏に対してもズバッと意見を言えるようになった沙耶さんも踏ん切りが付いたのだろう。
壮一郎氏と百合子さんも沙耶さんの成長と掛けがえのない仲間が出来たことに嬉しそうである。
ふと自分の孝君たちと同じ頃の学生時代を思い出した。
俺の学生時代は、工業系の高校にいたため男子、女子の比率が9:1の状況だった。
女子と関わりがないと男子は女子の良し悪しのハードルが下がる。
他校ではそれほど可愛くない子でも、我々の目からは可愛い子に映ってしまうというマジック。
彼女が欲しいと細々と思いながら過ごした3年間。友人とくだらない事で笑いあった3年間。そんな高校生活でも孝君たちのような厳ついヤクザな方々に囲まれた経験はない。
そろそろいい頃合いだろう。
一段落した現場に向かい壮一郎氏に臨時着陸地点を作る許可を貰わねば。
よし気張っていくか。
◆
唸るエンジン、小規模な爆発音。
豪邸が土木現場と砕石現場に早変わりだ。町の中では苦情間違いなしの騒音。
唸るエンジン音と共に木が切り倒される。
太い幹に括りつけられた爆薬が、その威力を発揮して大きな樹木を地面に叩き付ける。
なんでもできる部下を持つと、自分が惨めに思えてくる。つられて仕事をしようという気にさせられる。
だが、仕事を手伝おうとするとシェリーに止められる。
壮一郎氏から臨時着陸場を作る許可を貰ったのはいいが。
こんな派手にやってよかったのだろうか……。
もう少し…違ったやり方はなかったものか。
そんな事を考えていても着々と着陸場が出来てくる。これなら雨が降り出す前にほとんどの作業を終える事が出来そうだ。
しかし、ゾンビ物でヘリと言われればカ〇コン製のヘリを想像してしまう。
カ〇コン製のヘリは、それはそれはよく落ちる。
ここぞというところで落ちてくれるので、どこ製なのかシェリーに聞いてみた。少なくともカ〇コン製ではなかった。ひとまず安心していいのかな。
心配症の俺は廊下の窓から外を眺める。
曇天の空から降りそそぐ雨は俺の心を表しているかのようだ。
「ん?」
外を眺めていると正門から見たことあるマイクロバスが入ってきて知っている人物が降りてきた。
あのスーツを着たメガネは知っているな。
誰だっけ…えっと……そうだ!
玄関前のホールに来ていた麗さんが、
一難去ってまた一難。