NARUTO―もしも双子の姉がいたら―   作:紅葉

25 / 25
皆様お久しぶりでございます。
最終更新日を見て絶句しながら書きました。
言い訳は後書きで。



心の中

「…以上で今回の任務の内容になります、火影様」

カカシ先生が今回の任務の報告をしており、私たち4人はカカシ先生の後ろでその様子を見ていた。火影様もといじいちゃんは、ほうと呟いた。

 

「なかなか濃い任務じゃったのう。ご苦労じゃ。解散して良いぞ。カカシはここに残れ。」

「「「「「はっ!」」」」」

解散の号令がなり、一人ずつ扉へと向かう。カカシ先生が何やらじいちゃんに目で訴えていたのが気になった。じいちゃんはそれに気づいて、カカシ先生を残すのだろう。じいちゃんがふと私の方を見ていた。それはきっと…。私はOKという意味で少しだけ頷いた。

 

「姉ちゃん、早く行くってばよ!」

「ん、ごめん。今行く!」

ナルト達が待ってくれていた方へ小走りする。カカシ先生が火影様に何を聞くのかおおよそは分かっていた。ナルトがサスケと話していて、お互い少しふざけながらもその顔は楽しそうだ。今回の任務は班としても、仲間としても成長した。大変な任務だったけど、得るものはそれなりに見合ったものだった。

 

「ねえ、セツナ。この後団子屋行かない?あたし、あんみつが食べたい!」

少し前までは挨拶はすれど、こんな風に話したり笑いあったことはなかった。サクラって、こんな風に笑うのだと知る。私、やっぱり壁を作っていたのね。人のことよく見てるつもりでいた。

 

「いいよ、私も団子食べたい!」

口角が上がっているのが自分でも分かった。

 

「(セツナって笑ったら、可愛らしさが出るのね。やっぱり近くで見ても可愛いな)」

 

 

 

 

「…今回の任務、どうやら良いものだったようじゃな。セツナが年相応に笑うとはの。」

その目は優しかった。火影様も火影様で思うところがあるのだろう。セツナ、あの子は年に似合わず大人びている所があった。その理由も、暗部に所属している。ということで多少納得するところはあったが。

 

「それで、なんじゃのう。カカシ。儂に言いたいこととは。」

「…火影様。何故セツナが暗部に入っていることを教えてくれなかったのですか。」

「セツナに口止めされてのう。あの子はあの子なりにナルトを守りたいのじゃ。」

「だとしても、私はあの子の師です。それなりに「カカシ」っ、はい。」

「セツナに打ち明けられたのじゃろう?」

「…はい。」

すると火影様は優しく笑った。

 

「…あの子達の幼少時期はひどいものだった。それ故、セツナは人の顔色を伺い、子供らしくない子供になってしまった。そのセツナがお主に話したのじゃ。」

「理由も聞きました。そして、変化をして任務に臨んでいたことも。多少省いて話したことも分かっています。」

「ほっほっほ。まずは第一関門突破ということか。」

 

 

「のう、カカシ」

窓の外を見ながら火影は言った。

 

「儂はあの子たちの親代わりになることを決めたとき、周囲からは良い視線や意見を貰えなかった。特に九尾を宿したナルトはな。火影である儂が監視の意味も含めてとだと言うと黙ったがな。……儂はミナトが火影になったとき、もう大丈夫だと思ったのじゃ。若い芽が育ち、皆を支える良い火影になると思った。そんな彼の想いに甘えてしまったのじゃ。結果、ミナトとクシナは自分の子供を信じ、子供の命を守った。四代目火影は里を救った英雄になった。」

 

「…」

カカシは目を伏せてある人を思い出していた。師であったミナト。優しくて、時には厳しい。忍としてとても頼りになる人。

 

「彼らはきっと、幸せな家庭を築いていたであろう。そう思っては2人ぴったりくっついて眠る2人の赤ん坊をどうにかしようとは思えなかった。だが、火影である儂が必要以上に接触すればあの子たちを良く思わない連中が動く。そんな弟をどうにか守りたいと5歳ながらあの子は暗部に所属させてくれと儂に頭を下げた。泣き言は言わない、使えないなら切ってもいい。だから弟を守れる力を手に入れたいと。ただの子供の戯言とは思えなかった。眼に力があった。5歳にしてそう思わせてしまった環境と、この子は忍として将来有望になるとただの親代わりの血と忍の血が騒いだのだ。」

窓の外からカカシに視線を戻した。彼は思うところがあるのか目は伏せたまだった。

 

「カカシ、セツナは確かに何を考えているか分かりにくいタイプじゃ。意味の分からない発言をしたかと思うと、伏線だったり、ただの冗談だったり、何処で覚えたのか綺麗な笑顔で躱す。儂も振り回されて来た。しかし、あの子の芯の部分は変わらん。ただ弟を守りたいだけじゃ。それこそ自分の命よりも。だが、あの子もまだ子供じゃ。ナルトが両親の愛を知らんと同じくセツナも両親の愛を知らん。それを姉弟愛で埋めることも、友情愛で埋めることも出来ぬ。時折寂しそうな顔をすることもある。暗部の緋蟻と大層な肩書きもあるが、それはあの子の努力の結果じゃ。うずまきセツナ。ただの第七班の、弟子として見てくれんかのう?」

そう語る火影、いや、猿飛ヒルゼンは優しい笑顔だった。親代わりと言ったが、やはりそれなりに愛情を注げてきたのだろう。カカシも何もセツナのことを信じられない訳ではない。ただ、12にしてはどこまで見ているのか分からないのだ。自分に師が向いているとは思えない。何人もアカデミーに逆戻りにしてきた。だが。

 

「はい、私なりに接していきたいです。ナルト、セツナ、サクラ、サスケと。」

随分と問題児が集まった班な気がするが、大切にしたい。そう確信できた。窓に映る自分の顔が笑っていた。

 

 

 

 

 

 

サクラと団子屋を訪れ、今までの溝を埋めるようにたくさん話した。サスケのことを好きになった経緯、彼女の好きなもの、料理は苦手なこと。私も自分のことを話した。料理もとい家事は得意なこと。暗部に入ろうと思った経緯。ナルトが大切なこと。みたらし団子とこしあん、ぜんざいが好物なこと。サクラが好きだという花畑でそれらのことを話した。勿論、周囲に聞いてる人がいないか確認しつつ。

 

いの、ヒナタにも話していないことをサクラには何故か話せた。心の何処かで線引きしていたはずなのにサクラには話せた。自分のことをこんなに話したのは初めてかもしれない。

 

今までの自分を振り返ってみると、随分嫌な奴だと思う。私はただ必死だった。自分の目が離れているうちにナルトだけ大人の人に暴行されたり、少し歩いただけで化け物と言われたり。ある程度覚悟はしていた。しかし、予想を上回るものだった。ナルトに寂しい想いをさせたくない。泣いているのを見たくない。じゃあ、どうすればいい?

 

答えは簡単だ。強くなるしかない。ナルトが暴行されてもその大人を止める力。化け物だと言われても隣にいて手を繋ぎ、私はいつでも一緒だよと笑って言う力。正直大人たちを何とも思っていなかったか?と問われれば、思っていなかったとは言えない。幼少期にあの目を見ていると、人が信じられない気持ちになる。これを1人で言われ続けると思うとゾッとする。だからそれ以外のことは、あまり気にかけてこなかった。

 

だから周りを見て合わせていた、調整していた。自分でも子供らしくないと思う。だが私は転生してきた身であり、精神年齢は立派な大人である。大人びていると言われても笑って誤魔化すしかない。

 

ナルトを守るのに必死だった。しかし彼ももう忍だ。ここからがスタートだ。ゴールは彼が火影になるまで。周りはナルトのことをシスコンだと言うが、縛り付けているのは私だ。私の芯の部分はナルト。そしてあの日私たちを守って亡くなったミナトとクシナ。私だって立派なブラコンである。ナルトより酷いだろう。

 

もうすぐ中忍試験の時期だ。大蛇丸と接触し、例の転生者の件もある。

 

「これから大変だな…」

真っ赤な夕日が照らす中、サクラに手を振った。彼女の影が見えなくなった後、私も歩いた。

 




誤字の方や文脈がおかしい点は遠慮なく感想で申してください。それでは言い訳タイム。※飛ばしても大丈夫です。

本当にすみません。もう本当に。
まさか2年経ってるとは思っていませんでした。高校で部活に入り1ヶ月に3回休みがあるかないかの部活。試験、部活、試験に追われ続け気がつけば受験。が終わりこれからの話どうしようと思い、よし書こうと思えば新年になっていました。
小説でイタチの恋人出てきましたね……もう涙無しでは語れませんよあれ。

そしてここからがずっと考えていた事なのですが、次回から中忍試験編へと行くわけです。転生者。出てきます。いわゆるオリキャラですね。2人出て来ます。
ここからオリキャラも来るので、話がややこしくなるかもしれません…ずっと考えていましたので脳内では簡単な話の流れが中忍試験終わるところまで出来ています。そこから先がまた悩んでいますが(笑)

最初から読み返しますと頭を抱える所が多いので、少しずつ編集していけたらなと思います。戦闘の描写が苦手なので頑張ります…そして何かとアドバイス等頂けたら幸いです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。