NARUTO―もしも双子の姉がいたら―   作:紅葉

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あれ?あれれ?
おっかしいなー。春休み終わっちゃってるー。

春休み中に波の国終わらすとかいばってたのどこのどいつー?
あはははは!!!
すいません!!!!
終わる終わる詐欺ですね、本当に!!!

しかし本当にクライマックスに近づいてまいりました!!
もうすぐで中忍試験行くね!!!
この様子だと疾風伝行くのはいつだ…。



忍である前に人である

目の前でたった今あったこと。

白が再不斬を庇ってカカシの雷切を受け、意識はもうないに等しいはずなのに

再不斬さんと呟いてカカシの手を左手で掴んだのだ。

その光景に思わず、自分がこの世界に来た時を思い出す。

九喇嘛の攻撃からナルトと自分を庇った光景。

あの時も今と同じように血が出ていた。

ミナトとクシナはお腹から、白は胸から。

そしてセツナは気づいた。

今自分がかすかに震えていることに。

 

「…(もしかして、今の光景とあの時の光景がよく似ているから…?)」

俗にいうトラウマね。と自問自答しぎゅっと拳を握った。

落ち着け、落ち着け。ここは戦場。こんなところで恐れていては殺されるだけ。

私はまだ死ねない。イタチの約束通りサスケを守り、ナルトが火影になるまで見守らないと。

あわよくば、イタチに文句の一つでも言いたい。というか殴りたい。

それらを成し遂げるまで、私は死ねない。

ふぅと深呼吸をし、目をゆっくり開けてもう一度白を見た。

うん、大丈夫。さっきのように体は勝手に震えてはいないし、心臓の鼓動も早くない。

だとしたら、今がチャンス!!!

 

セツナは気配を消し、瞬身の術で再不斬の背後へと移動する。

自分の周りにいたどうでもいい人、好意を持っていた人、嫌悪を抱いていた人であれ人が死ねば動揺するもの。それは天才であれ、世間に知れ渡っていた殺人鬼であれも。そして再不斬の場合もそうであった。道具と本心で思っていたのなら、道具が死んだところで動揺などしない。道具はいくらでも変わりはある。そして背中から見ても分かった。かすかに驚いてた。つまり。

 

「再不斬。アンタは白のこと本当に道具だって思ってなかったってことだよ。」

そう呟きカカシに切りかかろうとしていた左肩に飛び蹴りをした。忍の命である両手を使えなくすれば、逃げることはできても印を結ぶことはできない。見事に関節がまた外れ左手はぷらーんとし、持っていた首切り包丁を落とした。すると、九喇嘛は走り出し口に首切り包丁を咥えてセツナの元に戻ってきた。

 

「九喇嘛ナイス」

セツナはそう言った後、走って再不斬が倒れたところでしゃがむ。

 

「姉ちゃん!?」

いくら両手が使えないからって…!!あぁ、くそっ!!!オレどんだけシスコンなんだってばよ!!ナルトは姉ちゃんと言った後、勝手に体が姉の元へと動いていた。

 

「おい!ナルト!!」

お前どんだけシスコンなんだよ!!と心の中で叫びつつカカシの元へ行った。カカシは白に貫いた自分の手を抜いて地面にゆっくりと置いて、手で白の目を閉じた。その時だった。

 

「おーおーハデにやられてェ……がっかりだよ……再不斬」

声のするほうへ全員が振り向くと、そこにはサングラスをかけた小振りのおじさんと、ガラの悪い人たちがたくさんいた。

 

「…ガトー。どうしてお前がここに来る……それに何だ…その部下どもは!?」

ゆらりと膝を立てて起き上がった再不斬は睨む。セツナも立ち上がり睨む。きっと中忍か下忍に毛が生えたぐらいの実力のやつらだろう。ガトー自体は強くないはずだ。

 

「ククク少々作戦が変わってねェ……―――――と言うよりは初めからこうするつもりだったんだが……再不斬お前にはここで死んでもらんだ」

「何だと?」

「お前に金を支払うつもりなんて初めから毛頭ないからねェ…………正規の忍を里から雇えばやたらと金がかかる上裏切れば面倒だ…そこでだ…あとあと処理のしやすいお前たちのような抜け忍をわざわざ雇ったのだ。多流忍者同士の討合いで弱ったところを数でもろとも攻め殺す……金のかからんいい手だろう?」

うわ、こいつ労働基準法破るつもり?いい大人が聞いて呆れるわ。今のこいつならぶち殺せるといいガハハハとあほみたいに笑う奴ら。

 

「カカシ…すまないな…闘いはここまでだ。オレにタズナを狙う理由がなくなった以上お前と闘う理由もなくなったわけだ。」

「ああ…そうだな……」

「……そういえば」

杖をつきながら白の元へとガトーは歩き、白の元へと着いたガトーにセツナはそちらのほうに目を向けた。

 

「こいつにはカリがあった。私の腕を折れるまで握ってくれてねェ……くっ死んじゃってるよこいつ」

ガトーがそう言い足が白に向かうのを確認すると、セツナはクナイでガトーの足の腱を狙い撃つ。

 

「ぐあああああ!!」

見事に刺さり、その場に倒れるガトーにセツナは近づく。カカシ、サクラ、ナルトや再不斬さえセツナの行動に驚いている。

 

「あんた、今何しようとしてた訳?」

「ぐぅ…うるさい小娘!!!この私に「何しようとしてたかって聞いてんだよ!!!」…!?」

胸倉を掴んだセツナの殺気のこもった怒声に敵はもちろん、味方さえたじろった。

 

「いい大人が聞いて呆れる!この子はまだ子供だ!!それをお前みたいな悪党に雇われ、命を落としたあげく金は払わないだ?腕を折られたのかなんだか知らないけど、今あんたがやろうとしたことは子供の喧嘩の仕返しみたいなものだ!!死んだ人間にそんなことしかできないのかあんたは!!!やり返すなら相手が生きているときにしろ!!死んだ人間にやったて意味ねぇんだよ、このクソッたれが!!!!」

「この私がクソッたれだと…!?お前らああああああああ、あいつらをやってしまえええええええええ!!」

「やってみろ!!!全員殺してやる!!!!最初はお前からにしてやろうか?あ?」

「ひっ…!?」

怒ったセツナは殺気をまとい、口調は崩れている。ガトーはそんなセツナが目の前にいて顔面蒼白半泣きである。

 

「おい、セツナ!!よせ!!!(いつもの冷静さを欠いている…!というか怒ったら怖いねマジで」

「姉ちゃん!!お、落ち着くってばよおお!!!(ああなったらもう無理なんだけど!」

「……小僧クナイを貸せ」

包帯をかみ砕きながら再不斬はナルトを見た。

 

「…あぁ。」

「…白は…あいつはオレだけじゃない。お前らの為にも心を傷めながら闘っていた…オレには分かる。優しすぎた。あいつは優しすぎた。」

「人は感情のない道具になんかなれないってばよ…」

「小僧お前の言うとおりだ。忍も人間だ。感情のない道具にはなれないのかもしれないな…」

再不斬がそう言い終わるとナルトは再不斬の口に向けクナイを軽く投げた。

 

「な、何をしている!!!早くやれえええええ!!!」

ガトーがそう叫ぶと唖然としていた悪党どもは再不斬に襲い始めた。

 

「再不斬!!!くれてやるってばね!!!」

セツナはそう叫ぶとガトーの胸倉と折られていない腕を掴み再不斬へと投げた。再不斬は鬼のように口のクナイで悪党を刺していき、ガトーが目の前に落ちた時首を切り落とした。その首は地面へと転げ落ちた。ギロッと悪党を再不斬は睨むとその場へ崩れていった。

 

もう…さよならだよ白…今までありがとう…悪かったなあ…

 


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