NARUTO―もしも双子の姉がいたら―   作:紅葉

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初めまして?
にじファンで掲載していたものをちょいと変えて
移転させて頂きました

ちなみに、ピクシブとにも掲載しております




第一章 NARUTOの世界に
死にました


 

「きて……起きて、ねえ起きてってばあ!」

誰だよ気持ち良く寝ているのに。目覚ましや小鳥のさえずりで起きるのならともかく、母を代表する、人に起こされるというものは嫌なものだ。とりあえず二度寝を決め込もう、そうしよう。

 

「二度寝しないでぇっ!!!もうっっ!!!目を開けるのよ、簡単でしょ?」

高いが可愛げもあり、どこか凛とした声が頭に響く。よくよく考えてみれば、知らない声だった。不思議に思い目を開ける。

 

「あっ、起きたぁ!!!おはようっ♡」

本当に誰。

目を開けたら、それはそれは美人な人がいた。金髪美女というものだ。空を写したような目がこちらを見ている。

 

「……誰」

私は寝起きが悪いほうだ。しかし、知らない綺麗な女性が私を起こしているということに一気に目が覚めた。しかも不思議な事に、目が覚めたことで周りがようやく見えたのだが、綺麗な女性の背景は白だった。どこもかしも白だ。それに

 

「私の体が無い…」

本来あるはずの手が無い。足も無い。おかしい、確かに寝転んだ感触はあったのに。困惑している私に綺麗な女性が話しかけた。何でニコニコしてんのよ。

 

「ふふふ、比較的冷静だけど困ってるようねっ」

ウインク飛ばすなよ、綺麗なだけあって絵になるんだよこの野郎。

 

「あら、綺麗だなんて嬉しいわっ♪…何で心が読めるって??それは私が女神だからですっ!!!ドヤ!!!これでも神界で一番偉いのよ!!歳だって、だてに食ってないわあ!!!」

あー、いるよね、綺麗だけど頭というか性格が残念なヤツ。

 

「ちょっと!!!!そんな冷えた目で見ないでよっっ!!!!!残念なヤツって酷いよぉ。えーん、女神傷つくぅ…」

「ごめんごめん、アンタが女神ってことでいいよ。話し進まないからどうぞ。」

えーんって何歳だよ、腹立つけど残念ながら痛くはないのだ。美人万々歳だな。

 

「…謝るのすごい棒読み……というか冷静ねぇ。他の人とか暴れたりパニック起こしてここまでサクサク行かないのに……そうね、話し進まないから進めまぁす。」

パチリとウインクした後彼女はにこっと笑った。

 

 

「まず、貴方は死にました。deadよ。」

「それで?」

「…驚かないの?」

「まずアンタが女神って名乗ってる時点で薄々思う。ここがどこもかしも白いのも、私の体が無いのもそれが理由?」

「そうよ、貴方死ぬ前の記憶ある?」

死ぬ前の記憶……私が日本人で歳は17。女。暮らしていた場所、親、友達、何をしていたか…………

 

「…っ」

それ以上を思い出そうとしても何も無い。あるのはズキズキと頭が痛むだけ。

 

「頭痛いでしょ???だって、あなたの死因は

 

女神が書類整理してたらカ●ピスこぼしちゃったからだもんっ!テヘペロごめんちゃい(´>ω∂`)☆」

 

 

「…は?」

 

 

「ごめんごめん、流石に5徹はしんどい。けど神様だって寝たいのよっ!寝なくても死なないけどねっ♡翼を授けられても、もう持ってるし、飲みすぎたらアレ危ないし……コーヒー苦くて飲めないもん……体にピースってことで飲んでたんだけど、うっかりうっかり!!!!おかげで貴方の書類シワシワ……記憶やっぱり吹っ飛んでるよねえ!派手に零したもんっ!」

「ちょ、は???意味が分からない」

そんなカル●ス零されたぐらいで人死んでたら世話ないし、記憶が無いのもそれが理由??馬鹿げてる。

 

「意味が分からなくても信じなくても結構よっ♡でも実際貴方が死んだ。だからここにいる。体がない。自分の名前も住んでいたのも覚えていない。そのことを裏付ける理由としては充分よ」

反省してるのかも分からない顔をしたかと思えば、真剣な顔をする。伝わってくる空気や凛とした声で、彼女が女神だということが分かった。

 

「…何考えてるか分からないってよく言われない?」

「うふふ、だから神界でお偉いさんなのよっ!それは貴方にも言えることだと思うけど???」

「で、私はどうなるの?」

「順応性バッチグーねえ♪そうね、貴方には転生して来て貰おうかしらっ」

「何それ」

聞いていないのか女神は勝手に何やらブツブツと言っている。話聞けやおい

 

「順応性が高いからいけそうね、よしっ!!

NARUTOの世界に行ってきて貰おう!そうしよう!!!ということで今からどーん!!!!貴方の脳内にNARUTOのお話を盛り込みますっ♪♪ある程度知って置かないとやっていけないしねえ。ほいほい、少し頭重くなるけど我慢よ!」

「は?…っ」

話に付いていけないと思った瞬間、脳内に刷り込まれていくお話。これがNARUTOという世界なのだろう。主人公の幼少期、第七班、暁。時間にしては数秒だっただろう。今知ったにも関わらず、気持ちがすごく入っていた。まるでずっと前からナルトのことを知ってるみたい。特に両親の死では胸が締め付けられるようだった。

 

「大体お話は分かったぁ??貴方には主人公の双子の姉に転生してもらいます!!!!どうするかは貴方次第。ナルトを守るも恋をするのも、里を抜け出すのも自由。だけど、一つ覚えてて。原作を変えてはならない。いいわね???」

 

「特別に貴方を最強の忍びの素質があるようにするね!!零しちゃったの女神だし、早々に死なれても困るし。 あ、赤ん坊からスタートなんでそのへんはよろしくっ☆」

ウインクするな何回も言うように絵になるから腹立つ。何か話がどんどん進んでいる気がする。というか丸め込まれている。

 

「ちょっと時間が無くなってきてるのよっ!めんごめんご(´>ω∂`)☆私はいつも貴方を見守っているからねえ♡会いたくなったら念じてよ!!!寝る時の方が都合いいと思う!!!!」

 

「それではいってらっさーい♪

 ポチッとな♪」

どこから出したのか、TVのリモコンみたいなのでスイッチを押した

 

「はあああ!!?ちょっと、アンタ次会ったら覚えとけっ!!!!」

だんだん意識が遠くなっているのが分かる。くっそ、自分勝手すぎる。

 

「やだやだ、怖ぁい」

クスッと笑った綺麗な顔に精一杯睨んだ。目がなくても睨んだつもりだ。目の前が黒に変わり何故か心地よい。

 

 

「…行ったわね。ふふふ、彼女どこまで私を楽しませてるくれるのかなあ!?!?」

ワクワクとした女神は白の世界から高い本棚が沢山ある場所にいた。ふかふかとした如何にも高そうな椅子に座り、机に肘をつきながら目の前の水晶を覗いた。

 


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