【主人公】戦場起動【喋らない】   作:アルファるふぁ/保利滝良

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げ、前回からとても間が空いた・・・
ん~、真面目に書いてはいるんですけどね
きっちりと投稿するのは、難しいかも?
だけど、やる気が無いわけではない
まあ、マイペース気味になるかも・・・?

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【合間】

 

「なんでそっちのドックは空けてあるんだ、無駄遣いしてんじゃねえ」

「おい誰かドライバー持ってきてくれ、折れちまった・・・」

「試作のビームガンだぁ?それどころじゃねえ、ほっとけ!」

はっきり言って、てんやわんやと言った有り様

それが楔作戦終了直後の事である

占領したブルターニュの拠点の内部の調査等で残った工作隊等を除けば、作戦に参加した部隊はは全て元いた前線基地へ戻った その戻った部隊の中には、勿論HMMASも含まれる

そしてHMMASはこの作戦の肝であった その火力と突破力をフルに使ったこの戦闘にて、ボロボロになった機体は沢山いた その結果、整備班が苦労する訳となった

包帯を左手に巻いた女性が、整備員の一人と問答していた 正確には、左手はないのであるが

「ですからラークロスタ少尉、ドラグ6機は直せないんですよ スクラップです」

「私のヤツは使えるだろう、そっちをアイツにやるんだ」

「少尉のもコクピットに風穴空いてますよ・・・どうしろってんですか、内部機器も一部トンじまってるし・・・」

困り果てた顔の整備員に、ラークロスタは無茶振り同然のことを言い放った

「二日で直してくれ 早くしないと困るんだ」

「いや、その、それが難しいんですってば」

整備員の顔が青ざめた 別にベテランでもない彼であるが、頭がおかしいと断言できるほど難易度が高いHMMASの修理を、四十八時間以内に済ませろと言われたのだ ブルーベリーみたいになっても責められはしない

そして相手は尉官 自分より階級はとてもとても、上なのだ ハッキリと拒否もできない

「楔作戦の時は敵の増援が来る可能性があったから無理してとっとと済ませた 今その増援がとんぼ返りせずにこのままフランス沿岸部に来たら、対応できるHMMASがいない」

前門の虎後門の狼、八方塞がり そろそろ彼の脳もパニックになってきた

絶対に不可能なことを引き受けるか、上官命令に逆らってしまうのか 突き詰めれば簡単なその二択なのだが

「おいアンタ それ、引き受けたぜ」

その時、ラークロスタの後ろ姿に声を掛ける者がいた

ラークロスタは振り向き、頭を抱えていた整備員は希望に顔を輝かせた

「軍人ではない・・・?」

「民間業者だよ、雇われたんだ 気になるんなら基地の司令に確認とってくれ」

「いや、いい 珍しいことではないからな」

「そうかい、じゃ、取りかからせてもらうぜ」

そう言い終わるや否や、男はスターライトに走っていった ツナギの背中には『ラドリー修理工廠』と刺繍されていた

「手が足りていないのだな・・・」

 

人型機動兵器は性能やコストにおいて戦車を大きく上回っている しかしその形状と主となる戦闘スタイルは、整備の難しささえ戦車を上回ることとなった原因である

一部の国は民間企業のスタッフを雇うこともあるのだとか

それもあってか最近になって、『戦車とHMMASは総合的には兵器として拮抗している』という声すらある

 

 

 

 

 

 

 

 

プレートに乗ったご馳走を両手で持ち、ドラグ分隊の新入り隊員は彷徨いていた 座る椅子と机がないのだ

沢山の兵士たちが各々歩き回り、いくつかのグループで机を占領して食事をしていた

そんなグループがいるテーブルには空いた椅子がない訳ではなかった グループの人数よりも椅子の数が多いところも、見受けられる

が、そんな談笑ムードの中へ空気を読まずに突撃する程彼は勇猛ではなかった 仕方ないので辺りをもう一度見回し、他の誰かしらもいない席を探す

視線をウロウロさせ、ドラグ6がある人物を見付けた

同じドラグ分隊のメンバーがいるテーブルだ そこはパイロットのグループが陣取っていた

「おお、お前か後輩!こっち来いよ」

ドラグ6が近付くとドラグ4ことジェイキンス軍曹が、自らの部隊のニューフェイスを手招きした 屈託のない笑顔にソースが付いていた

隣のドラグ3ことショーン軍曹が、片手で誰も座っていない椅子を叩いた そこへ座れ、と言うことなのだろう 座りやすいようにわざわざ少しずらしてもくれた

ドラグ6が遠慮なく腰を降ろすと、ショーン軍曹がジェイキンス軍曹と話を始めた

「にしても、良いのかよガキほっといてこんな前線に来ちまってよ 来月三人目なんだろ?」

「いいんスよ、フロント型の機体ッスけど避けて生き残ってきたんスから 次も、その次も大丈夫ッス!」

「自信ありげだなぁ?ま、サブマシンガン二丁なんて火力があるからな もしかしなくても危ねえのは俺の方か?」

ショーン軍曹が冷や汗を一筋垂らした 今こここに至ってようやくショットガン一つという自らの愛機のリスキーさに頬を引き吊らせている

「それでいいがな」

眼鏡をかけた知的な風貌の男がジェイキンスの隣に座る ロバート軍曹、コードドラグ2だった

ロバート軍曹の皿は既に空であった 食事は終わらせていたのであろうか 食後の一休みがてらに会話に混ざってきたのかもしれない

「僕なんか一発でも外したら大目玉だ バラ撒けるお前らが羨ましい」

「まあそう言うなよ!最近お前が大目玉食らってないから、俺達は大助かりさ つまり百発百中」

「そうじゃないと困るんスけどね」

「違えねえ」

がはは、と三人が豪快に笑う 酒宴でもないのに、まるで酔っているかのようなテンションだった

すると、大柄な男がいまやドラグ分隊の専用席と化したテーブルに近寄ってきた ドラグ5のアダムス軍曹だった

その手には皿すらない 既に食べ終わり、プレートは返した後なのだろう

「えらい楽しそうだな、祝杯代わりか?」

「おお、お前も来いよアダムス 我等がドラグ分隊のスターライトのことで駄弁っていたんだ お前のは火力支援型だったな?」

「そうさ、ついさっきバズーカを追加装備してもらったばっかだ」

アダムス軍曹は右手を拳銃のような形にして、ふらふらと揺らした ご機嫌であるのは言うまでもない

「それから飯か ・・・それで俺達より早く食い終わったってのか!?」

「お前らが遅いんだ なあ副隊長?アンタも食うのが早かったな」

「僕は部隊のナンバー2であるだけで、別に正式な副隊長ってわけじゃないぞ?」

「悪かったな まあ、軍の飯はお代わり厳禁だからな、やや早食いな俺様じゃ食後暇で暇で・・・」

「紅茶付いてたろ」

「戦場の近くで優雅なティータイムって訳ッスかぁ?スリルが茶菓子ってことスかね!」

ジェイキンスが皮肉げに言うと、四人はさらに笑いをあげた

それを尻目に、ドラグ6が右手にスプーンをとった ヘルメットのバイザーに手をかけ、一掬いしたコーンサラダを顔に近付ける

バイザーを開こうとした、その瞬間

 

とてつもない音量のサイレンが響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上空数万フィートを飛ぶ輸送機の内部で、5機の人型機動兵器が静かに眠っていた

黒く、とても厳つい外見をした機体だった 背中に大きなブースターユニットを二つ付けていた

コクピットには、無論パイロットが乗り込んでいる それが意味するところは一つ

これから、この部隊は戦闘を行うのだ

「我がナイト小隊の各員に問おう、我々は何のために戦う」

「生きるためです!」

「祖国に帰るためです!」

「隣人に再会するためです!」

「愛する人達を守るためです!」

各隊員が口々に隊長の質問へ解答する 

それぞれが別々の答えを言った それに隊長は微笑んだ

「ならば、我等は勝つ・・・!この私の誇りに賭けて、君たちの願いを叶えて見せるッ!」

様々な機器が所狭しと集まっているコクピットの中で、小隊隊長ジョン・ジャックマンは拳を握った 自らに活を入れるように、広げた掌にその拳を叩き付ける

鋭い眼光 例えるとしたらそれは猛禽の眼だろうか

「全機出撃!目標、敵拠点ッ!」

ジョンが声を張り上げて命令した

それと同時に、5機の機体が投下された

 





残念!今回は戦闘ないのですぅ!

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