ところでこの小説擬きの場合、オリ主タグは必要ですかね?
白夜叉の役目と蛇神
「・・・知ってる天井だ」
なんじゃそら。洩矢神が眼を覚ました。
「ハッ、妖怪は⁉︎」
洩矢神は神社の外にでて民家が立ち並ぶ町を見る。おそらく白夜叉によって何かされてないか見るためだろう。
洩矢神はいつもと変わらない景色を見て安堵する。
「おぉ、起きたか」
洩矢神は声がした方を見る。
「そう身構えるな。別に危害を加えるつもりは無い」
「えっと・・・それ本当?」
「嘘ならとっくに人間は惨殺されておるじゃろ。そして、口調が変わっておるぞ?」
「あーうー・・・これが素だよ・・・何時もは威厳出すためにね。私は洩矢諏訪子だよ」
「私は白夜叉だ。邪魔というなら直ぐさまこの国を立ち去るが?」
「いや、別にいいや・・・別にここに住んでもいいよ。
監視かもしれないが、取り敢えず白夜叉はそれに甘んずる事にした。
「でも働いて貰うよ?人里に降りてね」
「へ?」
働かざるもの食うべからずの精神はこの頃からあったようだ。
それから一年が経った。
白夜叉は諏訪子の使いとして人里に定着しており、妖力さえ抑えれば本来の姿出しても皆んな何も言わない。
諏訪子が白夜叉に課した仕事とは、
「白夜叉様、この道具は良えですのぉ」
「うむうむ。これは千歯扱きという脱穀の道具だ。従来の何倍も能率が上がるはずだ」
知識の提供。および、
「ヒャッハー!人間共俺に喰われ「てい」ぐっはあぁぁぁ!やられたぁぁぁぁ!」
妖怪の討伐。この二つである。
いや、まだあった。
「白夜叉ーー!ごーはーんー!」
「おんしは子どもか⁉︎」
諏訪子は、家事ができなかった。今までどうやって生活してきたのだろうか。
白夜叉は人並み以上に出来る。一応一人暮らしだった訳だし。
(家事をする白夜の星霊・・・中々シュールな光景だの・・・)
こんな光景が、約100年続いたある日、
「白夜叉?何時から神になったの?」
「・・・は?」
「いや、今は少し弱いけど、確かに神力感じるし・・・」
生来の神霊でない者が神霊になる方法はただ一つ。信仰を集める事である。
それを踏まえると、
「おそらく、この世界の何処かで天動説が提唱されたようだ」
「天動説?」
「天動説とは、地球の周りを太陽とか月とか他の天体が回っているという一つの宇宙観じゃ。それが提唱されたという事はそれを信じる、即ち信仰する者が現れたという事じゃろうな。私は天動説の化身だからな」
「・・・あー、白夜叉」
諏訪子は黙って明後日の方向をみる。
「それもあるんだろうけど・・・私、勝手に白夜叉を祀っちゃった♪」
「・・・は?」
「主祭神は私だけどね。御利益は学業、家内安全・・・」
「それならばある程度関係はある・・・のか?」
学業と関連がありそうなのは知識(未来の)を教えた事、家内安全は神社で家事をしていた程度しかない。
「あ、あと・・・安産・・・」
「・・・えっと・・・なんだ?」
「安産デス。スイマセン」
「私に何を産めというのかこの戯けがっ!!!」
白夜叉は背中から少し炎を出している。怒っている。まさに。
そして、諏訪子の頭を鷲掴みにした。
「アヒャァァァーーー・・・」
そして、近くに何かが衝突したかのような大きなクレーターが出来た。何が衝突したかとは言わない。察してください。
後に、クレーターに水が溜まって湖となり、諏訪湖と呼ばれるようになるのは別の話である。
二日後
「ねぇ、知ってる?最近白夜叉は夜叉ケ池ってところの氾濫を力の力による力為の力で強引に抑え込んだでしょ?」
「あー、確かにあったの・・・正確には消しとばしたんだがの」
力にモノを言わせた結果がこれです。良い子は真似しないでね!
「どうやらあそこ、蛇神がいたらしいんだけど・・・行方不明なんだ。一応探してきてくれないかな」
「まぁ、暇だからいいじゃろ」
白夜叉は立ち上がって現場に向かう。
夜叉ケ池跡地
「蛇神・・・と言っても・・・」
白夜叉の目の前にはボロ雑巾のように枝にぶら下がっている女妖怪を見つけた。
長い黒髪を三色の簪で纏め、白い生地に花柄を施した着物を着ている。しかも豊満で魅力的だ。しかし、ボロボロである。
「蛇の妖怪か・・・」
白夜叉は彼女を下ろし脈と呼吸を確認する。
「・・・うむ、まだ生きておるな。おそらく此奴が元蛇神だろう。氾濫によって信仰していた者が流され信仰が消え去り元の蛇妖怪に戻った。そう考えるのが妥当か・・・」
白夜叉は彼女を担ぎ神社に戻った。
「で、連れて帰っちゃったんだ。まぁいいんだけど・・・にしても・・・」
諏訪子は元蛇神の豊満な胸をジッと見て、自分の胸を触る。
「・・・この乳蛇・・・」
「こらケロたん。敵対心燃やすな」
「ケロたん⁉︎」
諏訪子と白夜叉が騒いでいると、
「・・・ん・・・此処は・・・?」
「お?起きたか」
「元気になったみたいだねー。乳蛇」
「乳蛇⁉︎」
「自分の見た目が幼女なのがそんなに不満か?」
「当たり前!私だって・・・大人のお姉さんの見た目が良い!」
「しらぬ」
元蛇神は二人についていけなくなったが、
「あの、助けて頂いてありがとうございます・・・」
「「真面目か!今コント中だ!」」
「つっこまれた⁉︎」
take2
「私は、元蛇神の白雪姫と申します」
「ふーん」
「(問題児の白雪姫まんまだの・・・泉鏡花の白雪姫については人間の頃にすこし調べた)・・・色恋沙汰に走った成れの果てか・・・」
白雪姫は驚いた顔をする。
「な、何故それを⁉︎」
「企業秘密じゃ」
泉鏡花の白雪姫を詳しく知りたい人は検索してください♪
「ところで、お二人のお名前は?」
「私が此処の主祭神、洩矢諏訪子」
「私は白夜叉、又は白夜王と言うものだ」
「諏訪子様、白夜叉様。この度は誠にありがとうございました。この御恩は忘れません」
白雪姫はペコリと頭を下げる。
「ところで、白雪は行くところある?」
「・・・いえ・・・特には・・・」
諏訪子はニコリと笑い、
「よし、白雪には此処に住んでもらうよ!」
「・・・よろしいのですか?」
「とは言っても、今は唯の蛇妖怪みたいだから・・・白夜叉、白雪に神格やって。元々蛇神だった逸材だから大丈夫だと思うよ」
白夜叉と白雪姫は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。
急展開すぎてキョトンとする。
「・・・神格ってどうやって与えるモノなのだ?」
「簡単簡単。『お前に神格を与えるっ!』て威厳を持って言えばいいよ」
「・・・適当だの・・・白雪姫、おんしに神格を与える」
その時、白雪姫に光が集まり、
「・・・見た目、変わらないんだな。力は変わったみたいだがの」
おめでとう!白雪姫は神格持ちになった!
「うんうん。因みに白雪は白夜叉の部下みたいな扱いだからこれからよろしくね」
「(ならば・・・一度着せてみたい服が・・・)白雪、ちょっと・・・」
白夜叉は白雪姫を別室に連れて行った。
10分後
「どうじゃ!」
「えーと・・・」
「あの・・・これは一体・・・?」
白雪姫は現在、問題児でメイド達が着ているメイド服を着用していた。
うん、似合う。
「なんか・・・後世で人気になりそうな服だね」
「うむうむ。日常生活では白雪にはそれを着て過ごしてもらうぞ♪」
「・・・はい、分かりました・・・」
こうして、神社の神様がまた増えた。