東方白夜王   作:ザイソン

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包囲陣作戦

東北地方 日本神群本陣

 

本陣では各連隊の隊長と副隊長が集まり、思兼神が作戦を伝えていた。

 

「この戦いは主神である天照様が討死されると敗退する闘いだ。そこで、敢えて敵勢に天照様の所在を教えた。すると、この本陣に敵勢が集中し他の地への被害を抑えることになる」

 

その代わりここが激戦区となる。

第一連隊が北、第二連隊が西、第三連隊が東、第四連隊を南に配置し更に本陣を本陣の兵で囲む。

 

「先ずはこの陣形で一日を乗り切る。その後は戦況を見て伝える。その他の事は各現場の判断に任せる」

 

 

 

第一連隊

 

「思兼神もかなり大まかな作戦を考えたものだ・・・」

緑色の髪をした優男はため息をつきながら甲冑を身につけている。

 

「大山祇神よ、今回は相手の全容が分からぬし防衛戦とか初めてだから大目に見てあげる事だの」

 

白夜叉はドローンに付けたカメラで上空からから敵影を確認していた。

 

大きく白い羽を広げた鎧の兵。おそらく天使だろう。数は恐らく日本神群の兵のほうが多い。

 

大山祇神は白夜叉に尋ねた。

 

「しかし何故相手はこちらに攻めてきたのか・・・仏門の時は降伏を促すように仕向ける内容が手紙にあったんだがな」

 

仏門の時の手紙には降伏について書かれていた。其処は天照は無視したが。今回にはそれがない。完全に殲滅する意図がある。

 

「昔から相手の神群は迫害されてきた歴史がある・・・故にやられる前にやるという事だろうの。同情はするがこちらとしても負ける訳にはいかんの。あ、ドローンが破壊された」

 

しばらくすると相手が此方に進軍してきた。白夜叉は兵に臨戦態勢を取るように伝え、上空から、

 

「てい」

 

白極夜刀で斬撃を飛ばし敵兵の一部を吹っ飛ばしたのを合図に開戦した。

他の連隊でも同じ時間に敵の侵攻が開始。

 

敵兵一人一人の実力は、日本神群の兵よりも上回っていた。数は日本神群のほうが有利だが質で負けている。

 

「はっ、よっ、ほっ」

 

白夜叉は刀と拳で天使を一人、また一人と倒していく。

 

(しかし、相手は恐れがない。恐らく迫害された歴史の賜物だの)

 

恐れが無いためどんなに不利であろうと突っ込む。白夜叉に何人も突っ込んできて一撃でやられる天使が大勢いた。

 

「ふむ、敵陣に突っ込んでいって倒すのも中々に面白いかもしれんな」

 

白夜叉はダッシュで敵陣に突っ込み白極夜刀を振り回す。

 

天使達はなす術もなく崩れ落ちていく。

 

とゆうか一人で充分な気がする。

 

天使達の攻撃も甲冑で全て防がれてしまう。さすが天目一箇神製作の神器である。

 

「オラァ!」

 

白夜叉は白極夜刀を全力で振り下ろした。

すると、大地は割れ、そこから溶岩が噴出する。

 

白夜叉は空を飛んで空中から戦況を確認した。

 

すると、連隊の中央部が押されている。

 

(ならば・・・囲むかの)

 

白夜叉は拡声器で指示をだす。暗号を用いているので敵兵には理解出来ない。

 

連隊の両翼を伸ばして包囲陣を組む事に成功する。さらに大山祇神と一部の兵を空にあげる。

 

地上には日本神群の大軍、空には白夜叉と大山祇神、日本神群の精鋭。

 

完全無欠の包囲陣だ。

 

このまま殲滅しようと花火爆弾を構えた刹那、

 

思兼神から連絡が入った。

 

『白夜王!緊急事態だ!第三連隊が八割壊滅した!』

 

「何ッ!まさかそんな事が⁉︎神奈子と諏訪子はどうした⁉︎」

 

『無事だがマズイ状況だ!陸なのに大洪水が発生した!』

 

大洪水。相手でそんな芸当ができるのはただの1人しかいない。

 

「唯一神だ!ヤハウェが介入してきたのだ!」

 

『今から援軍回せるか⁉︎』

 

「今すぐこっちを殲滅して向かう」

 

白夜叉は大山祇神にある事を依頼した。

 

そして白夜叉は拡声器で兵を少し後退させ、

 

「おっとお前らもう少し下がってくれ」

 

大山祇神が地面を隆起させ壁で敵兵を囲む。

 

敵兵は飛んで出ようとするが全て白夜叉と大山祇神がはたき落とし、大山祇神が蓋をした。

 

「神力節約とか言っとる場合では無いのでの。まぁこれは戦争だから悪く思わんでくれ」

 

白夜叉は太陽核熱を圧縮したものを中に放り込んだ。

 

そして、大爆発が起こり壁は吹き飛んで盆地となった。後の山形盆地の一部である。

 

白夜叉は拡声器で連隊の八割を第三連隊に向かわせ残りの二割と大山祇神を残し白夜叉は第三連隊へと向かった。


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