東方白夜王   作:ザイソン

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幻想の幕開けの章 忘れられた世界の誕生
スキマ妖怪


平城京を出て、旅を再開した二人は湖でキャンプをしていた。

 

日が傾いたころ、湖に釣り糸を垂らし釣りを始めた。

 

「・・・あの」

 

「なんだ?」

 

釣りをしている白夜叉に同じく釣りをしている白雪姫が話しかける。

 

「白夜叉様は何故旅をするのですか?次の目的地も決まってませんよね?」

 

「そうだの・・・楽しいから・・・かの」

 

白夜叉はかかった魚を釣り上げ、容器の中に放り込み、またミミズをつけて釣り糸を垂らす。

 

「神の一人として特定の土地に定住するのも良いが、正体を隠して旅するのもまた一興っといったところかの」

 

しかしそのうち定住する土地見つけないといけないよなぁと白夜叉はつぶやいた。

 

「よし、そろそろ潮時かの。夕食の準備に入るかの」

 

白夜叉はそう言って立ち上がる。

 

ギフトカードから米を出して水洗いし、飯盒に米を入れた。

 

ここで役立つ飯盒で米を美味しく炊く方法。

 

地面に浅い溝を掘って燃料を置き、Y字型の木の枝を両端に突き刺して立て、複数の飯盒の弦に棒(通常は木の枝でも構わないが、1度に多数の飯盒を掛ける場合は金属の棒が望ましい)を通してY字の支えに掛ける。

 

蓋に木の枝や棒等を当てて、振動が無くなった時をもって炊き上がりとする。飯盒を上下逆さまにして数分間蒸らした後に食べる。逆さまにせずとも出来上がりに大した違いはないが、その方が内側に出来た焦げが蒸されるので後で落としやすくなる。逆さまにしているときに草などで底面の汚れを拭き取っておくと、後で洗う際に楽になる。逆さまにしている際に飯盒の底を木の枝などでコンコン叩く人もいるが、これは飯盒の底がへこむだけでなんの利点もない。

 

「以上、『教えて!白夜叉先生!』のコーナーでした」

 

「だ、誰に向かって・・・」

 

「画面の向こう側のお茶の間に決まっているだろう」

 

はい、メタ発言しないでね。

 

次に魚のハラワタをとって魚を串に刺して焼く。匂いが香ばしい。

 

それにつられてクマとか狼とかやって来るのでこんがり肉を生み出して投げ渡す。

 

能力で食べ物生み出せるんならそれ食えば?と思うが生み出す時に使用した妖力量が生み出した物を食べて回復する妖力量よりも多いので無意味。

 

「美味しそうね」

 

ふと白夜叉の隣で声がした。

 

「・・・何者だ?この私の後ろを取れるものなど神霊級の者しかありえぬ。または、別の能力を使用してるかのどちらかだの」

 

「おい、何者だ。白夜叉様に何の用だ?」

 

白雪姫も気付けなかったようだ。

 

「私の名前は八雲紫。あなた達は?」

 

「私は白夜叉だ「ちょ、教えちゃうんですか⁉︎」別に問題なかろう。敵意は感じぬ。こいつは白雪姫だ」

 

紫は扇子で口を覆い隠し表情を読ませないようにしている。

 

「単刀直入に要件を言うわ。貴女に私n「その前に飯だ飯。紫も食べるか?」あ、ハイ。貰うわ」

 

〜少女食事中〜

 

「で、単刀直入に要件を言うわ。貴女に私の式になって欲しいのよ」

 

「式・・・式神か」

 

「貴様!無礼だぞ!白夜叉様を従えるなど・・・!」

 

式神とは使い魔の一種で絶対的な主従関係で成り立つ魔物、精霊、動物などのことである。

 

目的によっては一時的に術者の能力の一部を与える場合もある。

 

強力な術者の場合は使い魔を異世界から召喚したり、竜の牙など触媒から産み出す、護符や宝石に封じておいた魔物を解放するなどの手段を取る場合もある。

 

いずれの場合も使い魔が術者以上の力を発揮する描写はあまり見られない。

 

つまりは、隷属関係によって白夜叉は霊格が縮小して弱体化するということだ。

 

ちなみに、眷属とはまた違った意味合いである。

 

「紫よ。おんしは星霊を舐めてはおらんか?」

 

「星霊ね。強力な妖怪、悪魔の一種。有名な者を挙げるとギリシャ神話のアルゴール、陰陽道の貴人。そして太陽の白夜叉。勿論侮ってはいないわ」

 

アルゴールは変光星アルゴルの星霊、貴人は北極星の星霊である。

 

星霊の強さを理解していると言っても自分の強大な力を信じているから白夜叉を式にしたいといいだせるのだ。

 

つまり、

 

「それでも尚、私を隷属させようというのか・・・やはり舐めておるの・・・ん?」

 

白夜叉な少し変な気分がした。具体的には精神がじわりと浸蝕されるの感じである。

 

(無理やり了承させようとして精神干渉の類を使ってきたのか)

 

白夜叉は精神力と根性でそれをはねのけた。

 

(・・・私の境界による精神干渉を跳ね返すのは意外ね。まぁ、最終的に物理的にいけば・・・)

 

(さて、私の精神を操るというオイタをした妖怪には・・・)

 

デーレーレー♪レレー♪

やくも ゆかり が あらわれた!

しろやしゃ は どうする?

 

フルボッコ

ぶちのめす

はったおす

とっちめる

やっつける

はなしあう←ピッ

 

「断ると言ったら?」

 

「力強くで」

 

交渉決裂。つーか交渉してねぇだろ!

 

「だが断る!」

 

その途端、紫は白夜叉の周りの空間のスキマを開いて底から刃物を出してきた。

 

それを手刀で全部へし折って紫に接近。

 

するとスキマに入って逃げられた。遠くに逃げられはしないだろうがこちらからは攻撃できない。

 

しかし相手はあらゆるところから攻撃を仕掛けられる。

 

「よっ、はっ、ほっ、」

 

全てかわせるが流石に飽きてくる。

 

「白雪、ザッハークに連絡して空間の境界に干渉する魔術かなんかないか聞いてくれ」

 

そう言うと白雪姫は連絡を取った。

 

「あ、どうもこんにちは。白雪姫です。本日はかくかくしかじかで。はい、はい。え?あるふぁとべーたをモニョモニョして?はい・・・」

 

なにやら専門的な話をしているようだ。白雪姫は必死にメモをとっている。意味はわかってないらしい。

 

「えっと、ザッハーク殿によると、この紙のとうりに妖力と神力を混ぜて詠唱すれば良いと」

 

「ふむふむ、ほうほう。やってみるかの。

The apparition of a living person of a border and the gap.(境界と隙間の精霊よ。)

I give followers of thou and the thou an order. (汝と汝の眷族に命ず。)

Open the border of the space as bread by my magical power(我魔力を糧として空間の境界を開け).』」

 

するとパックリスキマが開いて目玉を覗かせた。その中に飛び込んで、

 

「血祭りにあげてやる(伝説の超野菜人風)」

 

「ふおあっ!?」

 

白夜叉は紫にラリアットをかまし、

 

ズキューン……ドカァーン!!

 

そのまま紫を岩盤にめり込ませた。

おいどっからその岩盤出してきた。

 

「もう、終わりかぁ?」

 

「ぐうっ・・・くっ・・・うっ・・・がっ・・・あ・・・あぁっ・・・」

 

紫はその場に崩れ落ちた。

 

 

「終わったな・・・所詮、クズはクズなのだ・・・」




紫の強さは約四桁中位。この状態の白夜叉は四桁上位という設定。

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