浮遊城でも俺の青春ラブコメはまちがっている。   作:空奏葉

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どうも、本当にお久しぶりです。空奏葉です。

いやー最近は全然投稿できてませんでしたね。

すいませんでした。
これからもゆっくりと投稿していく形になりますがどうか応援お願いします。


33話 〜戦いは終わりへ向かう〜

sideユキノ

 

私の全力をケイトさんにぶつける。

いかにガードスキルが強力とはいえ、盾の耐久値は無限とはいえないわ、それならば厄介なガードスキルの原因ではなく盾を破壊する方が得策。

 

最高の威力をもって敵の盾を、、、

 

 

グゥワ!!

 

私は剣を目の前にいる男に向け構える。

このスキルはまだ、pvpでもボス戦でも使ったことがないため、慣れてはいないけれど、その威力はmobで何度も試した。

 

 

私はまだ死ぬわけにはいかない、まだ、やり残したこともある。変えなくてはいけない場所がある。

 

 

はあぁぁー!

 

 

大きく詰め横切りをする。

 

 

「カウンター・レイ....ぐわぁ!」

 

 

盾で直接的ダメージは防いだもののその威力にケイトは大きく飛ばされる。

 

 

「なんて力だ、恐ろしいスキルだな。」

 

 

淡々と台詞を言うケイトには余裕が見られる。

 

 

「まだ、終わらないわ。」

 

 

私は人が恐れる場所を知っている。それは顔を狙われること。私はケイトさんの顔をめがけて突きをする。

 

 

「くっ!」

 

 

勿論かわされることは想定済み、私はケイトさんに近づく。

 

ケイトさんは攻撃に備えて盾を構える。

 

あの時と似ている。

 

そう、ハチマンくんと団長のデュエルと同じ

 

私はケイトさんの盾を手で掴み自らの方に寄せる。

 

「っな!」

 

突然の行動に驚いたはずよ、

 

ケイトは体勢を崩し盾が下に下がる。

 

「はぁぁぁ!」

 

 

私はケイトさんの足を内でかけ柔道の一本背負いでケイトさんを地面に叩きつける。

 

「ぐあっ!!」

 

背中を強打したケイトは呻き声を出す。

 

 

私の目的はただ柔道技をしたかった訳ではない。

 

その目的は盾を持つ左手を狙いやすくするため。

 

 

グシャ!!

 

 

「ぐあぁぁぁ!!」

 

 

ケイトは大きく悲鳴をあげる。

 

ケイトは直ぐに立ち上がりユキノから距離を取る。

 

「くそっ!このやろう!邪魔されてたまるか!俺は彼女を守る必要があるんだ!」

 

「もう、諦めなさい。あなたに勝ち目はないわ。」

 

実際ケイトには余裕がなかった。さっきの一撃で受けたダメージはHPの減りだけではない。

 

ケイトは盾を持っていた左手を切り落とされていた。

 

「あなたの最大の強みはそのガード・スキル。それを失えばもう戦えない。腕の回復には5分はかかるわ。」

 

「私がその時間で仕留められないと思うかしら?」

 

 

「、、っ!、なんで邪魔をするんだ。この世界には何人もこの世界に留まりたい奴がいる。俺はそれを代行しているだけなんだ。この世界で幸せを掴んだ奴もいるはずだ、お前もわかるだろ?皆んなこの世界を受け入れはじめている。」

 

ユキノは小さく頷く。

 

「えぇ、確かに受け入れはじめている人は多くいるわ。それでも・・・・この世界は・・・・本物ではない。」

 

ケイトは憎むようにユキノを睨みつける。

 

「アカリ、、、お前の望む世界を俺は、、、。」

 

 

「それは違う。お前はアカリの事を分かっていない。」

 

ユキノは突然聞こえた声に驚き直ぐに安堵する。

 

声の主は、ハチマンだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

sideハチマン

 

「ケイト、よく聞け。お前は間違っている。」

 

「戦慄の支配者のお出ましか。」

 

「お前はアカリの事を理解しているつもりで分かっていないみたいだな。」

 

 

「はあ?お前はアカリを知っているのか?俺よりも?アカリと知り合いだったかどうかは知らないが調子に乗ったことは言わないで欲しいな。俺は誰よりも理解している。アカリの事も腐った現実も。誰も守ってくれない世界だだからアカリは傷つき泣くんだ。だから俺はこの世界でアカリにとっての幸せを与えたいんだ。」

 

「永遠には続かないのは分かっているのか?」

 

「少しでも長ければそれでいい。」

 

全くアカリもとんだヤンデレに好かれたものだな。

 

でも、彼女を守りたいという気持ちは本物なんだろう。ただ、少し形を変えてしまっただけなのだろう。

 

 

まあ、こいつと話すのは俺ではない。

 

 

アカリ自身だ。

 

 

「ケイト!」

 

「!!、、アカリ!なんでここに.....。」

 

アカリは今にも泣きそうな声でケイトに話す。

 

 

「ケイトあのね、聞いて。私ねリアルでも全然苦しくなかったの。」

 

「な、なんでだ、あんなにも、、、」

 

「だってね、そばにはケイトがいてくれたから。一緒に登校して、昼ごはんを食べて、一緒に帰るの。たまにケイトの家にいって勉強をして、ゲームをしたりして、、、そういう日常が楽しくて、、家で悲しい事があっても明日には笑って話しかけてくれるケイトにまた救われるの。私はそんな毎日が嬉しいの。」

 

アカリの目からは涙が流れている。

 

ケイト、お前は守るはずの女の子を泣かしたんだ。心が動かないはずがないよな?

 

「ア、アカリは、、、それでいいのか?」

 

「また、一緒に学校いこうよ。」

 

ケイトは膝を着き静かに目を閉じる。

 

「アカリ、、、俺、、許されない事をした、、。」

 

「ちゃんと牢獄いって反省してこい。お前はPKしていないわけだし、釈放は早いだろ。そして、ボス戦で役に立ってもらう。寧ろそれが償いになるだろう。」

 

「あぁ、俺が出れるまでアカリを守ってくれ。」

 

「まあ、期待しない程度に任せてくれ、、。」

 

こうして、俺らと反攻略組の小さな戦争は終わりを迎える。ケイト率いる反攻略組は全員牢獄に収容されることになった。アスナの安否を確認できた時の俺の感情はわざわざ表記する必要はなあだろう。

 

そして今、俺たちはケイトを送るために第一層の始まりの町にいる。

 

「ハチマン、アカリの事は頼んだが、変なちょっかいを出すなよ。」

 

やはり、心配なのだろうかこれで3度目だそろそろめんどくさい。

 

「はいはい、心配するな、てか、さっさと牢獄に入れ。」

 

 

「分かってる、あと、アカリ。」

 

「どうしたの?」

 

「俺といると嬉しいっていってたよな?それってそうゆうことでいいのか?」

 

「うん?嬉しいよ。これからもずっと親友でいてね。」

 

「・・・・」

 

うん、分かるよケイト君よその気持ち。新たな黒歴史を作るのはいつだって突然だ。

 

「あ、あぁ、うん親友だな。じゃあ俺もう行くよあんまりもたもたしてるとオレンジアイコンにして警備NPCに捕まるからな。またな。」

 

 

ケイトは刑務所へ歩いていく、徐々に暗闇の中に入っていきその姿は見えなくなる。

 

「いったか。、、なあアスナ。」

 

「どうしたのハチくん?」

 

「こんな形の気持ちってやっぱりおかしいよな。」

 

「うーん、そうなのかな?でも、思いは本物だから。」

 

 

俺と同じ事を考えていることに少々嬉しく思う。

 

あと、25層。俺はアスナを守ると再び誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ところでハチマン。私今日泊まるとこないの。泊めてくれないかな?」

 

 

「えっ!、、、いや、でも、、。」

 

 

「だめー!!ハチくんもなに動揺してるの!!」




対ケイトシリーズが終わりましたね。

そろそろ75層のボス戦がきますかね?


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