浮遊城でも俺の青春ラブコメはまちがっている。   作:空奏葉

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皆さん。見てくれて、お気に入りしてくれて、感想をくれて、ありがとうございます。

これからも頑張ります。

本文どうぞ。


11話 〜彼と彼は罪を意識する 〜

翌日俺は月夜の黒猫団のホームに向かう。ホームといっても常連の宿屋だ。

 

キリトと共に12層の中央街から少し外れた所へ向かうとそこに宿屋が存在している。

 

 

俺とキリトは宿屋の中に入る。

中には5人のプレイヤーが談話している。

 

一人の女の子がキリトに気がつくとおーいと手をふる。

 

 

あの子が、サチか。

 

 

 

女の子にしては、やや短めの黒髪に白い衣服を纏っている。ギルドコスチュームはないようだ。

 

 

 

「そのひと、だあれ?」とサチが問う。

 

 

「こいつ俺と同じ攻略組のハチマンっていうんだ。」

 

 

キリトは以前まで攻略組ということを隠していたようだが。サチの件を機会に皆に公表したようだ。

 

 

 

ケイタという、ギルドリーダーが俺によろしくと握手をしてくる。

 

 

「よろしくハチマン僕はケイタ。」

 

 

 

Oh....。なんてアメリカンなんだ............。

 

 

「あぁ、よろしく、あぁ。」

 

 

 

「なあなあ、攻略組が2人もいるんだしさ。一個上の層に行こうぜ。」

 

 

月夜の黒猫団のメンバーの一人がやけに楽観的に言う。

 

 

「いや、いくら2人の居るからって危ない。まだこの14層に慣れたばかりだろ?」

 

キリトが慌てて止めるがサチ以外は聞く耳を持たない。

 

 

男4人は15層に行くか!!と熱くなっている。

 

 

俺とキリトはアイコンタクトをし、厳重注意をはらいながらと伝えあう。

 

 

こんな芸当は俺とキリト、あと小町ぐらいだろう。

 

 

「わかった。でも無茶はだめだ。今までより注意するぞ。」

 

キリトが注意するが、男4人はOKOKと適当に流す。

 

 

 

なにも無ければいいがな。

 

 

 

〜15層 秘宝の洞窟内 〜

 

ここは、宝箱が多く攻略組のように余裕のあるプレイヤーにはかなり良い場所だが、一転、トラップが多く、レベル不足している人間には少し厳しい。

 

実際彼らのレベルでは不安要素が多い。

 

 

「「ウォリャーー!!」」

 

 

ササマルとダッカーがソードスキルを放ちMobを仕留める。

 

「なんだよ、結構いけるもんだな。」

 

ササマルは楽観的に言うが、俺は知っている。

 

ここのモンスターはそこまで強くないが、強力なトラップがあることを

 

 

まあ、さっき言ったけどスルーされたがな。

 

 

するとさっきのMobがキーモンスターだったのだろう。

 

 

ガララララッ

 

 

部屋が一つ新しく開く。

 

 

そこには、青色の宝箱がある。

 

 

宝箱の色でなかに入っているアイテムのレベルが分かる。

 

ちなみに、木の宝箱→緑→黄→青→赤→白→黒→銅→銀→金 の順番でレア度があがる。

 

現在17層まで攻略されているが、青の宝箱は結構レアだ。

 

 

たまに黄色の宝箱を見る程度で青は貴重だ。

 

 

 

ただし、トラップの可能性もある。

 

 

 

「やった!!青色の宝箱じゃん!!これで俺らはもっと強くなれるぜ!!」

 

 

「待て、この層に青色の宝箱があるのはおかしい。ここは、引くべきだ。」

 

 

俺は一応注意するが....

 

 

「なんでだよ。ここは秘宝の洞窟って名前ぐらいだし、あってもおかしくないだろ。」と否定される。

 

 

結局、俺とキリトの注意は流され部屋に入っていく。

 

俺とキリトは神経を尖らせて部屋に入る。

 

 

「へへっ、中身はなんだろうな。」

 

 

ビビビビビビビビィーーーー

 

 

 

大きなアラーム音がし、部屋の扉が閉じる。

 

 

すると別の扉が開きそこから、どんどんMobが新出してくる。

 

 

 

やばいな。

 

 

ウワァーーと他のメンバーが叫びMobから離れ壁に倒れこむ。

 

 

「ったく、キリト。宝箱を壊すぞ。」

 

 

この手のトラップはちょいちょい掛かるが基本的にその原因を壊せば止まる。

 

 

分かったとキリトが頷き5人に言う。

 

「俺たちが、宝箱を壊す間なんとか耐えるんだ!!いいか戦うんじゃない。守りに徹するんだ!!」

 

5人の分かったぁーという声が聞こえる。

 

 

長くは持たないだろう。早く済まさないといけない。

 

 

 

 

俺とキリトは剣でMobをなぎ倒し宝箱を目指す。

 

ウワァーー パァンリィーン!!

 

 

くそっ一人やられた。

 

 

パァンリィーン!!

 

 

再び、プレイヤーが消滅した音がする。

 

 

悲鳴はまるでタイムリミットのように俺とキリトを焦らす。

 

Mobの攻撃は結構高く。俺らも苦戦する。

 

 

 

こいつらさっきのMobより強いな。

 

 

まだ、宝箱は見えない。

 

 

俺はキリトに反動の時の援護を頼むと告げ。

ホリゾンタル・スクエアでMobを消滅させる。

 

 

 

宝箱が見えた。

 

 

パァンリィーン!!

 

急げ、急げ!!

 

キリトが宝箱を壊そうとするが、目の前にゴーレム型のMobが現れる。

 

キリトは冷静さを、失ってホリゾンタルスクエアを放つがゴーレム型はHPが多く硬い。

 

パァンリィーン!!

 

あと一人。

 

 

ゴーレムはキリトに任せるぞ。

 

俺は《体術》スキルの 疾脚 で加速し宝箱の前まで着く。

 

 

壊れろ!!

 

 

俺のソードスキルによって宝箱は破壊され消滅する。

 

その瞬間周りにいたMobも、一気に消える。

 

 

最悪の事態が起きてしまった。もっと強く止めていればよかった。

 

 

ササマルたちがいた方向を見ると一人うずくまっている女の子がいる。

 

 

サチだけか生き残ったのは、

 

 

「ううっ、うっ、うわぁーー!!」

 

 

サチはキリトの胸に顔を埋め泣き出す。

 

 

俺とキリトはただ、サチが泣き止むのを待つしかできなかった。

 

 

少しでも触れれば壊れてしまう。そんな気がした。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜宿屋内〜

 

サチは部屋から出てこない。

 

当然だ、目の前で仲間が死んだのだから。

 

自分だけが生きているという罪悪感もあるだろう。

 

 

俺とキリトは、ソファーに座ってサチが出てくるのを待つ。

 

互いに一言も、発さない。

長い沈黙が続く。

 

先にこの沈黙を破ったのは、キリトだった。

 

 

「俺さ、どこかで、こいつらなら大丈夫。守ってやれる実力が俺にはあると過信していたんだ。」

 

「あぁ。」

 

「でもさ、、違ったんだ。俺は弱かった。俺が皆んなを殺してしまったんだ。全部、、俺の、責任なんだ、、」

 

 

キリトは、そっと涙を流す。

 

 

「お前は悪くない。この世界が悪いんだ。」

 

 

そう、いつだって自分が悪いわけではない。周りが、環境が、世界が悪いときだってある。

 

正しい事をして、周りのために努力しても、報われない時はある。

 

 

 

 

「キリトくんも、ハチマンくんも悪くないよ。」

 

「「!!」」

 

サチが部屋から出てきたようだ。

 

「二人とも悪くないよ。これは、、違うよ。」

 

 

「でも、、、」

 

 

 

「これは、俺らの罪ではない。人の注意を無視し、俺ら攻略組の言うことを聞かなかった。あいつらの罪だと言えばそうかもしれないが、攻略組として攻略組でない人を守るという義務を放棄してるとも言える。

 

 

結局誰もが悪く、誰も悪くないんだよ。」

 

 

俺は伝えたいことだけを告げ、宿屋から出て行く。

 

 

あとは、二人で話すことだろう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

俺は部屋に帰りベッドに倒れこむ。

 

 

 

 

その日俺は長い夢を見た、、、

 

 

 

「もうヒッキーもゆきのんもふいんき悪い〜。」

 

「由比ヶ浜さんふいんきではなく、雰囲気よ。」

 

「ほんと由比ヶ浜はアホの子だな。」

 

「アホって言うなし!!」

 

 

 

 

 

奉仕部での日常を

 

 




これで、アニメの3話に達しました。

シリアス展開は難しいです。


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