憑依でチート特典付の大日本帝国だけど・・・。   作:konndou

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どうぞ。


第二十二号「蒼海世界にいざ」

津島皇国側ゲート入口

 

日本艦隊來迎の為の艦隊

巡洋艦『戸針』

 

「艦長来ました日本艦隊の先陣です」

艦長が来訪の祝砲並びに打電用意を命令「日本帝国海軍観艦式参加艦艇先遣艦隊の来訪を歓迎す」そして双眼鏡を眺めながら副長以下幹部士官に話し出す

 

「先遣隊でこの規模か」

 

「多いですね」

 

「恐らくはアレは多摩とか言う巡洋艦の前型か後型だろうがどう思う?副長」

 

「恐らくは後期型でしょう全体的に洗練された感じを感じます」

 

「だろうな。恐らくはほぼ同型艦扱いの船だろう多摩改型、多摩改改型みたいな感じで。案外艦政本部の連中が多摩を参考に建設中の新型巡洋艦を改造するらしいが、あたりかも知れんな?」

 

「なぜでしょうか?艦長は造船関連の知識がお有で?」

 

「ははは、副長、最低限しか無いぞ俺は、なーに簡単な事だ失敗作の船を、見た所多摩の同型艦は来ただけで2隻、元々こっちに居る多摩で3隻だ。その上多摩改型、改改型かは知らんがそれも見たとこ5隻は居る、失敗作の艦こんなに作る事は有るまい」

 

そうですねと笑いながら言う副長ら幹部士官と共に礼砲が響く中、自軍の艦より洗練されている巡洋艦群を手空きの水兵たちと眺める戸針の面々であった。

 

 

先遣艦隊

 

巡洋艦

球磨・木曾

長良・五十鈴・阿武隈

川内(旗艦)・那珂

夕張

大淀

駆逐艦2個戦隊(8隻)

水上機母艦・瑞穂

敷設艦・若鷹

潜水母艦・大鯨

潜水艦5隻

 

 

 

 

 

同巡洋艦『二海山』

 

「先遣艦隊通過を確認しました巡洋艦『御堂谷』に続き与越香に向かっていきます」

 

「先遣隊であの規模か」

 

「艦長。次の艦隊が見えてきました」

 

「そうか。副長、次の艦隊だがどう思う?」

 

「はッ。来る艦隊は全部で3つに分けると聞いていますので、恐らくはわが軍で言う乙級戦艦群、並び大型巡洋艦群ではないかと、流石に主力戦艦、最新鋭艦は最後かと」

 

そうだなと言っていると見張りの水兵から艦隊ミユの報告が上がり、艦橋の士官たちが双眼鏡を覗きだす。暫らくたち目視距離に成ると戸針が礼砲を発射し始めた。

 

第2陣

 

巡洋艦

古鷹

青葉

妙高・那智・足柄・羽黒(旗艦)

利根・筑摩

最上・三隈・鈴谷・熊野

駆逐艦2個戦隊(6隻)

 

 

 

 

「・・・デカいな」

 

「え、ええ」

 

艦隊が通過したのでようやく口を開いたが流石にこの数は予想外であった。

先遣艦隊と違いこちらは明らかに乙級戦艦同等クラスの大きさの艦が10隻も来るのは予想外であった。一時期は水兵が悪い意味で騒いだために、この様な場で失態を見せる訳にもいかず船の各所で士官が怒鳴る声が響いたが、別にこの艦だけの話ではない。

 

「しかしアレは戦艦でしょうか?」

 

「どうだろうな判断に困るが正直、簡易型の戦艦か巡洋艦が大型化したようなイメージも感じたな」

 

「例の工廠で噂されていた重武装巡洋艦や、外国で建造中と聞いた新型の速力優先させた戦艦ですか?」

 

「かも知れんがどうだろうな?主砲は戦艦サイズではなさそうだったがな」

 

「純粋に巡洋艦が大型化しただけと」

 

「かも知れんな。しかしもしも巡洋艦なら巡洋艦で乙級戦艦並の大きさか」

 

「なら、わが軍は7月の頭に就役した河内山が対抗馬ですか」

 

「・・・。副長、河内山になんか恨みでもあるのか?」

 

その後狼狽えた副長に艦長が幾ら同じ巡洋艦同士?でも勝負に成らんぞ当回しに死ねと言ってるもんだぞと言うと副長は大慌てで否定した。

艦橋は笑いに包まれた、同時に空気も良くなった感じであるがコレが艦長の狙いだったかは定かではない。そして

 

「さて、さっきの乙級戦艦か巡洋艦かどっちか分からないのは置いとけお前ら、どうせ後で観艦式で見る事に成るし、艦種は艦政本部なり工廠のお偉方が聞くなり調べたりするだろう。それよりも次は間違いなく戦艦並び最新鋭艦と言った所だろう、摂津の姉妹艦なり後継艦なり我々が津島皇国水軍一番乗りで拝むことにしよう」

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

同日、第2陣通過後暫く

 

帝国海軍観艦式参加艦艇群本隊

 

金剛級高速戦艦

金剛・比叡・榛名・霧島・剣・大山・白根・白馬

36センチ砲連装4基 32ノット 38000トン級 (満載排水量)

 

扶桑級戦艦

扶桑・山城

36センチ砲連装6基 26,5ノット 44000トン級 (満載排水量)

 

伊勢級航空戦艦

伊勢・日向

36センチ砲連装3基 28ノット 42000トン級 (満載排水量)

 

長門級戦艦

長門・陸奥

41センチ砲連装4基 29ノット 47000トン級 (満載排水量)

 

高雄級高速戦艦

高雄・愛宕・摩耶・鳥海

41センチ砲連装5基 32ノット 55000トン級 (満載排水量)

 

土佐級戦艦

土佐(旗艦)

41センチ砲連装5基 29ノット 58000トン級 (満載排水量)

 

並び護衛の駆逐戦隊3個戦隊(秋月乙級10隻)

 

 

秋月級=史実と同じ・改級は秋月級の拡大型・甲級は水雷戦隊様に砲塔減らし装甲、雷撃能力向上型・乙級は雷撃兵装全廃の上で航続距離増強、対空兵装増加型

 

 

因みに津島皇国水軍の懸念材料である摂津の同型艦は条約で廃艦に成ってそもそも存在しません。それ以前の戦艦も同じです。

現存しているのは記念艦の三笠、校舎になってる富士のみで後は全て条約でスクラップです。なお、後日津島皇国水軍が見学に呉に来た際に富士を見て言葉を失います。(自国の主力戦艦が他国では校舎)

 

 

 

巡洋艦『戸針』副長

 

全員が言葉を失った。

後続の二海山も水兵が間抜けな顔をして突っ立っているがそれを叱る士官も横で同じ顔である。因みに本艦も似た状態であったが、艦長が最初に我に返り早く礼砲撃てと命令し慌ただしくなっている。案外混乱は無い、逆にここまで来ると眺めて呆然するせいか混乱は無かった。

後日、艦長が二海山の艦長と話したそうだが向うも似た感じであったそうだ。

 

さて、この前に同期の軍令部勤めが摂津対策会議で頭が痛いと同期たちの集まりで言っていたが、もうその域を超えているな、後でなんか奢ってやろう。しかしこれを先導して行くのはある意味自分の海軍生活に残る名誉かも知れんな戦艦19隻の先導艦か。

しかしこれを見るとさっきのは恐らく巡洋艦だろう、これと比べたらとても艦種が戦艦とは思えん、しかしそうなると本艦であれと戦うのか?この艦3000トン級だぞ・・・向うは軽く小さいのでも10000トン級だろうに・・・。

いや、うん。考えるのは辞めようノイローゼに成りかねん。

 

しかし能代、アイツ甲級戦艦の砲術長になったと浮かれていたが、ああ、真田は乙級の副長だったな、後藤田の奴は乙級戦艦戦隊参謀か周りの同期の知り合いの出世に少し羨ましく思ったが俺は幸せなのかもしれんな。万が一の相手は乙級戦艦サイズの巡洋艦だからな。そもそもあの戦艦何万トン級だよ。主砲は間違いなく30オーバー、その上最低19隻か。

ああ、ウン。止めよう。

今は無事に与越香に連れて行き、観艦式が無事に終わる事を願うとしよう。

それに友好国だ。

それに俺は巡洋艦戸針の副長だ。戦艦とは甲も乙とも関係ない。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

因みに後日の津島皇国水軍の甲級戦艦配属は遠回しの左遷とまで言われるようになる。水兵は甲級戦艦に配置換えと聞くと泣き、遺書を書き、中には失神した人間も居るらしい。が笑う人間はいない。乙級戦艦は甲級戦艦よりはマシな扱いである。

後日実際に有った例だが隣の水兵は甲級で泣き、隣は乙級で胴上げまでしている。巡洋艦は勝ち組である。

 

因みに士官候補生の配置先だが戦艦配備の人間は勇者か珍獣扱いであったそうだ。

この年は戦艦配備希望者が少なかったために、強制的に戦艦希望となった人間、配置が戦艦だった人間は配置前に全員お通夜状態だったらしい(この年の首席曰く)

因みにこの年の主席は出来が良いが植民地出な為に花形で出世するのは難しいと考え、早々に自分のほれ込んだ戦闘機の有る海軍航空隊を志望し完全に勝ち組化していた。

後日帝国海軍が空母機動艦隊なんか持って、しかも主力艦隊扱いだった為に完全に出世街道に載る事に成る。因みにこの先見の目?で同期からは羨まれ、後輩(主人公)からは更に尊敬される事に成る。

 

 

そして、観艦式後に巡洋艦の艦長たち、幹部たちの勉強会はどうすれば効率よく魚雷を当てれるか、回避できるか、どう駆逐艦と連携するかだったのに対して戦艦の面々は完全にお通夜状態だったらしい。後真面目に話しても対抗策が出てこなかった。

速力は向う巡洋艦並なんですけど・主砲はこっちより大きい・装甲は貫けそうも有りません・数は艦数でも主砲数でも負けます。どうしろと・・・。

挙句の果ては駆逐艦突入までの弾除け扱いである。

 

 

そんな事はさて置き巡洋艦『戸針』『二海山』を先頭に与越香を目指した。

 

なお、港に近づくにつれ津島皇国水軍のざわめきは大きくなっていったらしいが、入港してからは2艦と大差なかったらしい。

 




副長の同期の出世頭達(笑)

能代 甲級戦艦の『最新鋭艦』の砲術長。後日出世し副長に成るが配置はこの艦。

真田 乙級の副長。今度子供が生まれる、2児のパパ。運が良いのか悪いのか後日新型巡洋艦の艦長になり地獄から脱出を果たすがその翌日に最上級が10隻全て就役完了と言う情報が入ってくる。

後藤田 乙級戦艦戦隊参謀。後日この観艦式の影響か戦隊の再編が起こり乙級戦艦戦隊は解体される。しかし解体され、艦は甲級戦艦戦隊に配属かもしくは巡洋艦の盾替わりの新戦隊、巡洋護衛戦隊のどちらかである。因みに後藤田は後者であった。しかも前任が胃に穴が開いて病院送りに成り戦隊副指令並び第2集団
司令官に就任する。因みに主席。


次回は蒼海決戦の主人公達目線で少ししてみようと思います。

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