転生して主人公の姉になりました。SAO編   作:フリーメア

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※この話はコラボです。
この時間軸では和葉と皐月は会っている設定です。詳しく知りたい方は『天野刹那』さんの《SAO ~蒼き鋼と呼ばれた英雄~》をご覧ください。

皐月「おっじゃましま~す」
いらっしゃ~い、和葉ならもう準備してるよ
皐月「OK」


コラボ作品 天野刹那様
今度は現実世界で勝負!! 和葉VS皐月


現実世界

 

 和葉は桐ヶ谷家にある剣道場(格闘場)胡座(あぐら)をし、その上に鞘付木刀を置き瞑想をしていた。因みに翠は仕事に、明日香と佳奈はデートに、直葉は剣道に、浩一郎は大学に行っているため、いない。

 突然、和葉はピクリと何かに反応し、目を開けた。

 

「来ましたか」

 

 薄く笑いながら立ち上がる。すると和葉の目の前が激しい光に包まれた。しばらくして光がおさまると、目の前には和葉と同じくらいの少女が現れた。その少女に声をかける。

 

「久しぶりですね、サツキ」

 

「久しぶりだね、キリハ」

 

 サツキと呼ばれた少女は挨拶を返す。どうやらこの二人は会ったことがあるらしい。

 

「それにしても、相変わらず少女にしか見えない容姿してますねぇ」

 

「うるさいな!!ほっとけよ!!」

 

 これは驚いた。サツキと呼ばれた人物は少女ではなく少年のようだ。よくにいう男の娘である。恐らく、一目で男の娘と見抜ける人物はそうそういないのではないだろうか。翠は見抜けそうだが。

 

「そういえば自己紹介がまだだったね。僕の名前は小野寺 皐月(おのでら さつき)、改めてよろしく」

 

「桐ヶ谷 和葉です。こちらこそよろしくお願いします」

 

 和葉が自己紹介をすると、皐月が怪訝な顔をした。

 

「桐ヶ谷?それって和人と同じ苗字じゃないか」

 

「和人?知らない名前ですね。僕には妹が二人と両親しか家族はいませんよ?」

 

「もしかしなくても、その妹の一人って直葉?」

 

「知っているのですか?」

 

()()()()()()にもいるんだよ。因みに和人は直葉の兄ね」

 

「なるほど。まぁ、もうこの話はいいでしょう。()()()()()()()()ならこんなこともありますよ」

 

 どうやら皐月は違う世界、つまりパラレルワールドから来たらしい。そしてこの様子だと和葉はパラレルワールドの存在を知っていたようだ。

 

「ていうか、よく僕が来ることわかったね」

 

「まぁそもそもこの話事態、作sy「それ以上はいけない」」

 

 

 軽くメタ発言が出てきたが閑話休題(それはともかく)

 

 

「さて、そろそろ遊び(闘い)を始めm「待ってちょっと待って、今遊びと書いて闘いって読まなかった?ていうか遊びなのかそれ?」僕らの中では遊びに入ります。そんなことより武器何にします?」

 

「何事もなく始めようとする和葉ぇ…。そして物騒だな…。片手剣ある?」

 

「近いのならありますけど、それで良いですか?」

 

「良いよ」

 

 そのまま続ける皐月も皐月だと思うが…。

 

 

 

 和葉は鞘付木刀、皐月は片手剣に近い木刀、それぞれの得物を持って向かい合い、和葉がコインを持っている。

 

「このコインを弾いて床に落ちたらスタート、でよろしいですか?」

 

「OK」

 

「では」

 

 和葉がコインを弾いた、直後、二人の雰囲気がガラリと変わり、殺気を全開にした。証拠に先程まで庭にいた小鳥が慌てながら飛び立っていく。

 コインが宙にある間に二人はそれぞれ構えをとる。そしてコインが床に落ちた瞬間、風を切る音、間髪入れず打撃音が聞こえた。そこにはつばぜり合いをしている二人の姿があった。

 

(ぐっ…!なんてパワーだよ…!)

 

 皐月は、見た目に反して和葉の力が強いことに驚愕していた。何しろ男である皐月が両手で木刀を押しているのに対し、女である和葉は片手で木刀を押しているのだ。だが和葉の力の強さは一瞬のことだ。和葉は居合の速度で力を上乗せしたにすぎない。だからすぐに和葉は左に受け流した。そのせいで体重をかけていた皐月のバランスが崩れる。和葉は一度鞘に戻し、そのまま時計回りで斬る。皐月はバランスが崩れてもなお木刀を立て防御する。今度は全力で防御をしたので勢いが止まり、体制もその勢いで直った。。それを好機と見た皐月は力任せに上に振り払い、その勢いのまま回転斬りを行う。

 

(貰ったっ…!!)

 

 木刀を持っている手は上にあり、鞘を持っている手は防御に間に合わない。和葉に防ぐ術はない─

 

「まさか、貰ったなんて思ってないですよね?」

 

─はずだった。いや、確かに防いではいない、が当たらなかった。簡単なことだ。後ろに下がって回避しただけのこと。防御が出来ないなら避ければ良い。それは分かる、分かるが…

 

(今のを避けるのかよ!!?)

 

 皐月の振るった木刀は一般人が目で追える速度を軽く越えていた。それを和葉は避けたのだ。和葉にとって見えにくいはずの左から攻撃したにも関わらず、だ。

 

「相手の武器を弾き死角と思われる所から狙う、その戦法は間違っていませんよ。

ですが、自らの死角をそのままにしておくわけありませんよね?」

 

 不敵に微笑む和葉。目が見えない人は、聴覚、嗅覚などの視覚以外の感覚が鋭くなるという。和葉は左目が見えていない。故に、左側の感覚は右側以上に鋭くなった。皐月の攻撃を避けれたのは耳で風切り音を察知したのだ。

 

(んな滅茶苦茶な…。いくら感覚が鋭いからってそれだけで避けるとか超人の域だろそれ…。だけど─)

 

「─だからこそ燃えるってもんだよなぁ!!」

 

 ここにきて皐月のスイッチが入った。そして、和葉の目の前から皐月が消える。

 

「っ!!」

 

 後ろから風切り音が聞こえた和葉はしゃがむ。がそれを予測していた皐月は切り下ろしをする。だが、和葉もまたそれを予測しており前方へ回避し、皐月に向き直る。その顔にはほんの少し汗が滲んでいる。

 

「なるほど、スイッチが入ると劇的に戦闘力が上がるということですか…。冷や汗が出ましたよ…」

 

「やっと和葉を驚かせることが出来たか、そりゃあよかった」

 

 和葉を驚愕させたことがよほど嬉しかったのか、満面の笑みを浮かべている。

 正直予想外だった。確かに自分が窮地に陥ったら戦闘力が上がる者もいる。だが、ここまで劇的に変化した者を和葉は見たことが無かった。先程までは優勢だったのにたったあれだけの攻防で劣勢になってしまった。普通に考えれば、もし皐月の強さが闘いが終わるまで変わらないなら和葉は負けるだろう。

 だが忘れてはいけない。和葉もまた、相手が強ければ強いほど燃える戦闘症(バトルジャンキー)であり、狂戦士(バーサーカー)であることを─

 

「─あははははははは!!そうですよねぇ!!そうでなくては面白くありませんよねぇ!!」

 

 突然笑い出す和葉。それを不気味に見る皐月。笑い終わった和葉はニィっと口元に弧を描いた。次の瞬間、皐月の目の前に和葉の顔があった。反射的に木刀を右へ振るう皐月。そのすぐ後に右手に走る今までよりも強い衝撃。皐月は、先程和葉がしたように左へ受け流し、回転斬りを行う。和葉はそれを鞘で防御する。

 そこからは激しい攻防戦になった。いや、攻撃の打ち合いが始まった、と言うべきか。そこには防御という動作が存在しなかった。どちらかが攻撃をすればそれに合わせ攻撃をする。木刀だけではらちがあかないと体術を入れれば、相手もまた体術を使い相殺する。投げようとすれば投げられる間に攻撃をする。

 

 互いに一撃も攻撃を決めることなく、闘いが始まってから十分が経過した。そして、遂に決着がつく。

 次の一撃で決めようとする二人は自身の持つ最大の力を使って木刀を振るった。そして木刀同士が打ち合った瞬間

 

─バキン─

 

 音を立てて互いの木刀が折れた。二人は得物を振るった状態で静止する。

 

「ん?おや、木刀が折れてしまいましたね」

 

「んあ?あ、ホントだ」

 

 動き出したと思ったら木刀が折れたことに今気づいたようだ。音が鳴った時点で気づけよお前ら。

 

「これは、つまり…」

 

「引き分け、ってことだよな…」

 

 二人は顔を見合わせ

 

「「とてつもない不完全燃焼で(終わりましたね/終わったな)…」」

 

 同時に同じ言葉を言い、溜息をついた。

 

 

 折れた木刀は和葉が処分するそうだ。皐月は木刀が折れたことに対し謝ろうとしたのだが、和葉曰く

 

「別に問題ありませんよ。模擬戦をやっていると木刀が折れることなんて日常茶飯事ですし」

 

 だそうだ。これを聞いたとき、皐月は思った。

 

─この世界の桐ヶ谷家怖い…。和葉の強さが分かった気がする…─

 

と。

 

 

 木刀は後で処分するようのでとりあえず放置しておき、二人は雑談をしたり、皐月に桐ヶ谷家の移動方法を教えたりしていると、突如前触れもなく皐月の体から光の粒子の様な物が流れ出した。

 

「どうやらお別れのようですね」

 

「そのようだな」

 

 二人は立ち上がり握手をした。

 

「君との闘いはとても楽しかったです」

 

「あぁ、僕もさ」

 

 微笑み合う二人。皐月の体が消える寸前まで来たとき、二人は同じ言葉を言った。

 

「「また縁があったら」」

 

 その言葉を最後に皐月は完全に消えた。そこに先程まで皐月がいた痕跡はない。だが、皐月は確かにここにいた。和葉は折れた二つの木刀を手にとる。

 

(処分なんてするわけないじゃないですか)

 

 何故なら、これが無ければ皐月のいた証拠が何も無くなってしまう。だから、和葉は最初から自分の部屋に保存するつもりだった。この出来事が夢だと思わないように、この出来事を忘れないように…。

 

「「ただいまー」」

 

「「お邪魔します」」

 

 妹二人の声と男二人の声が聞こえてきた。三組とも行き先はバラバラだったはずなのだが、どこかでバッタリ会ったのだろう。いつものことだ。

 

「って姉さん?なんで木刀が二本も折れてるんだ?」

 

「あれ?ホントだ。翠さんと模擬戦でもしたの?」

 

「でも確か、お母さんは仕事で出かけてたような…」

 

「じゃあ誰とやったんだ?」

 

 剣道場にひょっこりと顔を出した四人は佳奈、浩一郎、直葉、明日香の順でそんなことを言った。

 

「秘密です」

 

 和葉は指を口に当て、笑みを浮かべながらそう答えた。和葉はこのことを誰にも言うつもりはない。もしかしたら浩一郎には言うかもしれないが、少なくとも今は…。

 

(皐月、辛いことや悲しいことは少なからずあります。けれど、貴方は一人ではありません。それを忘れなければ乗り越えて行けるでしょう。

だから僕は、こちらの世界から皐月とその周囲の方々に幸せが訪れますよう、願っています。そして─)

 

─また逢いましょう。そして今度こそ決着をつけましょう─

 

 和葉は空を見上げながらそう思った。




ここまで見ていただきありがとうございました!!そして、コラボしていただいた天野刹那さん、本当にありがとうございます!!
和葉「僕からもお礼を言わせてください。こんな駄作者とコラボしていただきありがとうございます」
駄作者言うなし

皐月の口調あってます?それがものすごく不安です。間違ってたらごめんなさい
和葉「間違ってたら斬ります」
ですよね~

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